ブログデンティティー

blog-dentity since 2013

名探偵コナン 2013

先日、ケータイを落としてしまいました。
ボクはケータイに依存しない生活をしていると自負していたので、
暫らくケータイがなくても全然問題ないだろうと日頃思っていたのですが、
いざ失くすと尋常ではなく焦り、自分もなんだかんだで現代人だなと自覚しました。
キャリアのサイトから、GPSか基地局かを使った位置探索ができるので、
それを使ってなんとか見つけることができ、一安心しましたが、
ケータイを携帯できなかった約2日間は、精神的にかなり厳しかったです。
まぁ案の定、その間にケータイがないことによる不都合はありませんでしたが…。
(それもそれで、かなり寂しいことだけどね。)

ということで、今日はケータイが使用できない場所を舞台にした物語の感想です。

名探偵コナン 絶海の探偵(プライベート・アイ)
名探偵コナン 2013

2013年4月20日公開。
テレビアニメ『名探偵コナン』の劇場版第17作。

海上自衛隊によるイージス艦の体験航海を楽しむため、京都の舞鶴港沖にやってきたコナンたち少年探偵団一同。しかし突然、けたたましい音が鳴り響き、左腕を失った自衛隊員の遺体が見つかる。捜査に乗り出したコナンは、イージス艦にある国のスパイ“X”が紛れ込んでいることを突き止めるも、スパイの魔の手はコナンたちにも忍び寄っていた。(シネマトゥデイより)



本作の『劇場版 名探偵コナン』は、いつもの劇場版シリーズと趣きが違いますね。
殺人事件は当然起こりますが、いつもは爆弾テロに発展する場合が多いのに、
今回は情報漏洩事件を解決するという、なんとなく『名探偵コナン』らしからぬ物語です。
「実際の事件とは関係ない」と明言されてはいるものの、
自衛隊員がイージス艦の防衛秘密を漏洩させるという内容には聞き覚えがありますよね。
おそらく本作の暗黙のモデルとなるのは、5~6年前に実際に起きた、
ある自衛官が知り合いの中国人にイージス艦の図面を渡していた、
イージス艦情報漏洩事件だと思われます。
本作では工作活動を仕掛けてきた国は「あの国」といか言及されませんが、
おそらく中国を仮想しているのだろうと思われます。
「あの国」なんてボカすなんて、製作サイドも潔くないですが、下手に架空の国にはせず、
特定アジアによる敵対的工作活動を匂わせているのはよかったです。

いつにない珍しい展開で興味深いのですが、爆発など大惨事が描かれないので、
劇場版としてはちょっと地味な印象も受けますね。
とはいえ防衛情報の漏洩なんて事件は、国防の危機であり、
ある意味ではこれまでのどんな爆弾テロ事件よりも重大な問題です。
いや、コナンがこれまで関わったどんな凶悪な事件よりも重大かもしれませんね。
とはいえ、画的に地味なことは変わりなく、しかもちょっと難解な内容で…。
海上自衛隊や自衛隊情報保全隊に、海上保安庁や警察まで絡む話で、
(なぜ京都の殺人事件の捜査に、目暮警部ら警視庁が出張ってくるのか…?)
縦割りで人間関係もややこしく、スパイ事件なのでクラウドとか情報系の用語も多用され、
国家機関やITに多少は通じていないと、ちゃんと楽しむことはできなさそうです。
大人の観客には見応えがあるものの、子どもには少し辛いかもしれません。

前作「11人目のストライカー」は、完全にJリーグの広報アニメになっており、
本作も海上自衛隊が製作に協力しているため、
観る前は海自の広報的側面が強いかもと思いました。
たぶん海自自身は国民的アニメ映画で題材にしてもらうことで、
『海猿』で人気が出た海保のように、広報活動として製作に協力しているでしょうが、
本作はあまり海自のイメージ向上に繋がるような内容ではないというか、
むしろイメージダウンの可能性さえ感じさせる展開になっています。
もちろん内部の自衛官、しかも一等海尉という幹部クラスが、
某国に国防機密を漏洩させているという物語の根幹の設定もそうですが、
他にもこれが本当なら日本の国防の無防備さに愕然とする展開が多いです。

物語はコナンたちが舞鶴で行われるイージス艦の公開演習を見学に行くというもの。
他の見学客の中に某国のスパイ"X"が混ざっているわけですが、
そんなスパイを易々とイージス艦に乗船させてしまうチェック体制に戦慄します。
まぁ身元が怪しいといえば、そんなスパイよりもコナンの方がよほど怪しいけどね。
それでも一応チェックはしているみたいで、乗船時にケータイ電話は没収されます。
しかしコナンの腕時計に搭載された衛星電話までは見つけることができません。
もうね、こんなチェック体制はザルですよ。
コナンも通信機器持ち込みを禁止されてるとわかってて持ち込むなんて、人格を疑います。
艦内で通信が行われると、イージス艦は発信場所をすぐ探知できるみたいですが、
それを知ったコナンは、探知されないように高磁場室で衛星電話を使うようにします。
目的はどうあれコナンのやってることはスパイ活動も同然だし、
それを防げない海自、およびイージス艦の拙い探索システムに閉口します。
海自もそうですが、関西国際空港のチェック体制も酷いですね。
情報漏洩していた一等海尉の仲間が、機密情報を持って国外に逃亡しようとしますが、
その際に関空の国際貨物に紛れ込んで日本脱出を図ります。
それを見抜いたコナンの指示を受けた平次の活躍でその密航は未然に防がれましたが、
コナンがいなければ完全に密航成功し、国防機密が漏洩してましたよ。
(平次たちも国際貨物置き場に簡単に忍び込めてるし…。)
さすがはスパイ天国日本、海自も空港も水際でのチェック体制がザルすぎます。

チェック体制の他にも、海自の隠蔽体質にも不信感を抱きます。
コナンたちがイージス艦のCIC(戦闘指揮所)で戦闘訓練の見学中。
予期せぬ不審船が艦に近づき、訓練のはずが本当に戦闘体制になり、
不審船に向けて潜行魚雷を発射するほどの緊迫した状況になります。
にも関わらず、案内役の自衛官は見学客にそれも訓練だったと言い張ります。
コナン以外の見学客はそれを真に受けますが、騙すなんて不誠実だし、
そもそもそんな緊急時に部外者をCIC内に置いておくなんて、悠長すぎるでしょ。
また、その不審船は人も乗っていない難破船(廃船)だったのですが、
航海中にそんな浮遊物を敵船と見分けることもできず、魚雷を撃ち込んでいるようでは、
イージス艦のレーダーシステムの性能にも疑問を感じてしまいますね。

また、注排水装置のフィルターに人間の左腕がひっかかているのが発見され、
その日の朝に甲板で殺人事件が起こっていたことが発覚、
そしてその容疑者として、某国のスパイ"X"が浮上し、
スパイ"X"は今も艦内にいる可能性が高いということが判明します。
なのに自衛官たちは、その事件を見学客には秘密にして、公開演習を続けるのです。
事件を隠蔽するのはまだいいにしても、殺人の容疑者が乗ってるかもしれない艦に、
一般市民をそのまま乗せ続けるなんて不誠実だしリスキーすぎます。
実際に蘭がスパイの被害者になってしまったわけだし…。
そもそも海保が舞鶴で工作船を発見した日に、呑気に公開演習するなんて、
某国のスパイをイージス艦に招き入れているも同じことですよね。

といった感じで、海自の危機管理の不備や隠蔽体質を描いた内容で、
広報的にはマイナスなんじゃないかと思える本作ですが、
そんな風刺的なところも含め、ストーリーはなかなか面白かったです。
(以下、ちょっとネタバレになりますが、)
スパイ=殺人犯という前提で物語が進むのですが、実はそれがミスリードで、
本当の殺人犯は他にいたというのも意外な展開でよかったです。
犯人も意外だし、その犯行に至る理由も意外なもので、ちょっと感心しました。
事件解決後のレスキュー展開も、クライマックスとして申し分ない盛り上がりです。
副題の「絶海の探偵(プライベート・アイ)」というのはコナンのことではなく、
海の探偵、イージス艦に対するメタファーだったんですね。
最後の最後に、イージス艦の高性能さをアピールできて、
それまで悲惨だった海自のイメージも、若干回復したかもしれません。

意外な結末だった事件でしたが、更に意外だったのはエンドロール後の次回作の予告です。
なんと次のコナン映画は『ルパン三世VS名探偵コナン THE MOVIE』ということで、
『ルパン三世』とのコラボ作になることが発表されます。
まぁテレビのSPアニメでは一度やってることなので、いずれまたやるとは思ってたけど、
まさか劇場版でやるとは思ってなかったので、ボクも驚いたし、劇場も騒然でした。
しかもGW映画として公開されるレギュラーの劇場版ではなく、
今年の12月に公開されるので、劇場版第18作目はちゃんと別に製作されるとのこと。
年に2度もコナン映画が公開されるなんて嬉しいです。
その強硬な製作日程のせいで、第18作の質が下がるようなことになれば本末転倒ですが…。
それにしても人気作『名探偵コナン』にフックアップされなくては劇場版にもなれない
『ルパン三世』の凋落ぶりは情けなく思いますね。
それにコラボはインパクトがあるものの、テレ朝のアニメや特撮みたいに、
『名探偵コナン』を節操なくコラボさせるようなことにならないかとも懸念します。

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://blrpn.blog.fc2.com/tb.php/998-02c2ea23
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

FC2Ad