ブログデンティティー

blog-dentity since 2013

AURA 魔竜院光牙最後の闘い

あー、4日もブログ放置してしまいました。
3日以上放置するのは年始以来ですが、一度放置し始めると、
急激に筆が重くなり、更新するのが面倒になってしまいます。
でもこのところユニークアクセス数が3割ほど減ってしまい、
ちょっと危機感を覚えたので今日から更新再開します。
ただ、このアクセス数の減少はブログ放置が原因ではなく、
本年度からの各種連携機能のサービス停止により、
検索エンジン等に引っ掛かり難くなったのが原因のようです。
実際にアクセス解析で表示ページや検索ワードを調べてみると、
4月以降に更新した記事へのアクセスが少ないのが顕著です。
なので更新してもアクセス数にはあまり意味はないのですが…。

ということで、今日は5日ぶりの映画の感想の記事です。
14日にTOHOシネマズで観たのですが、映画1000円均一の日にも関わらず、
場内はかなりガラガラで、かなり不人気な作品のようです。
なので潜在的アクセス数も少ないと思われます。

AURA 魔竜院光牙最後の闘い
アウラ AURA

2013年4月14日公開。
田中ロミオの同名ライトノベルをアニメーション映画化した学園ラブコメ。

妄想癖のある佐藤一郎は、高校入学を機にその過去を封印して普通の高校生となることを固く決意。そんなある日、忘れ物を取りに夜の校舎に入った彼は青いローブを着てつえを持ったクラスメートの佐藤良子と遭遇する。異世界からやってきた魔女だと言い張る彼女に動揺し、せっかく築き上げた普通の高校生活までも揺らぎ始めてしまう一郎。だが、彼女に触発されたようにほかのクラスメートも自称・戦士の妄想癖を抱えていたことを話し始める。(シネマトゥデイより)



聞いたこともないようなライトノベルのアニメ映画化作品だし、
全く予備知識なく飛び込みで観たのですが、なかなか面白かったです。
ポスターなどのビジュアルや、冒頭の剣士の戦いのシーンから、
『とある魔術の禁書目録』的なバトル・ファンタジー作品だと思ったのですが、
実際は学校ヒエラルキー(スクールカースト)を題材にした、ちょっとシビアな内容で、
感覚的には『桐島、部活やめるってよ』に近い印象を受けました。
本作も『桐島~』も、ヒエラルキーをかなり誇張して描いているけど、
実写であるためリアリティに強烈な違和感を覚えた『桐島~』よりも、
アニメである本作の方が素直に楽しめたような気がします。

もっとも、まだバトル・ファンタジーと思い込んでいた序盤は、
「鏡面世界」や「現象界人」など、聞きなれないファンタジー用語の連発や、
ややこしい設定について行けず、振り落とされるのではないかと懸念しました。
しかし、それはひとりの女子が妄想しているだけの設定とわかり、
その設定を理解する必要がないと気付いてからは、ちゃんと楽しめました。
とはいえ、そんな妄想上の設定を別としても、少し理解し難い世界観ではありますが…。

本作を簡単に説明すると、中二病を卒業した男子と、
中二病の真っ只中にいる女子の、高校生活を描いた青春ロマンスです。
中二病って「無理に背伸びする稚拙な行動」くらいの意味だと思っていましたが、
今は「現実逃避でファンタジー的な裏設定を作ってしまう人」みたいな意味みたいですね。
(そういうタイプの中二病を「邪気眼系」と称するようです。)
ボクは学生時代もそれ以降も、そういう人に出会ったことがないので、
理解し難い人物像だと思えるのですが、「自分は特別な存在である」と考えるのは、
ボクの好きなアメコミ映画の主人公的な思考パターンだとも言えますね。
特に『キック・アス』や『スーパー!』の主人公など、
なりきりヒーローは完全に中二病だと言えるでしょう。
そう考えると、多少馴染みのある設定だとも思えます。
しかしながら、本作には中二病患者が登場しすぎで、実にクラスの半数に及びます。
これはいくらなんでも考えにくい状況で、もはやファンタジーです。
ただ、それくらいの誇張は許されてしまうのがアニメの強みですね。
もっとも、本作では「中二病」という呼称は用いられることはなく、
そんな人たちのことを「妄想戦士(ドリームソルジャー)」と称しています。

中学時代に妄想戦士だった一郎は、それが原因で自殺を考えるほどイジメを受けます。
しかし彼は、そんな自分の過去を捨て、努力の末、高校デビューに成功します。
(高校デビューなんて発想自体が、広義の中二病ですよね。)
妄想戦士だったことを隠して、順風満帆に学園生活を送る一郎。
ところが、放課後の校舎で魔女の格好をした不登校の同級生、良子と出会います。
良子は異世界からやってきた魔女で、元の世界に帰るため、
「竜端子」なるものを探しているという設定の、妄想戦士です。
出会いのシーンでは、まだ本作をバトル・ファンタジーだと思っていたので、
ボクが彼女の設定を妄想だと理解するのは、もう少し後になります。
妄想戦士の設定がわかっても、中盤すぎまでは本当に魔女かもしれないと思ってました。

その出会いがキッカケで、一郎は担任の命令で良子の面倒を見ることに…。
過去の苦い経験から妄想戦士と関わりたくない一郎ですが、
その一方で良子の不思議な魅力に惹かれています。
でも一郎の立場であれば、妄想戦士と仲良くするのは断固拒否するはずです。
彼が良子に惹かれる決め手になったのは、急にキスされたことだと思いますが、
これはロマンスの始まり方として、安易な印象は否めません。
彼女は「波長変換(洗脳)を再変換(解く)施術」という意味不明な理由でキスしますが、
簡単に唇を許すようなヒロインに魅力を感じるかと言えば微妙だと思います。
しかも糸を引くようなディープなやつで、表現的にもちょっとね…。
まぁライトノベルっぽいけど、ロマンスとしてはキスはラストだけの方が盛り上がります。
あと、行き過ぎた表現と言えば、良子の入浴シーンです。
劇場アニメとはいえ無意味に未成年の全裸を描いてしまうのはどうかな?
これをG指定(全年齢対象)でスルーさせてしまう映倫の倫理観を疑います。
法律でアニメの性表現が規制されないようにするためにも、
本当に必要な時以外は無意味に過激な表現をするべきではないです。

妄想戦士と関わることに抵抗を感じていた一郎ですが、
クラスのリーダー的グループが、良子を含む妄想戦士たちに絡んでいるところに遭遇、
暴力まで振るわれているのを見て思わず助けに入ってしまいます。
このリーダー的なグループは、学校社会のヒエラルキーで言うところのジョックスですが、
いわゆるジョックスとはずいぶん印象が違います。
彼らは6人グループですが、メンバーの個性も全く違い、
見るからに不良から大人しいオタク的な子までおり、なぜ一緒につるんでいるのか謎です。
みんな美形ということは共通していますが、本作は妄想戦士も含め全員がそうですからね。
一般生徒からは憧れられているグループみたいですが、
クラスの半数は妄想戦士なので、いわゆる人気者グループでもないですよね。
そのリーダー的グループを中心に、妄想戦士たちは迫害を受けるわけですが、
6人中2人は妄想戦士側に同情的な立場です。
アメリカほどヒエラルキーが明確ではない日本では現実的な設定かもしれないけど、
物語としては明確に階層化されている方が面白いように思います。

リーダー的グループの不良男子からボコボコにされながらも、
体を張って良子たちを守った一郎は、妄想戦士たちから英雄視され、
クラス半数を占める彼らの人気者になってしまいます。
うーん、邪気眼系中二病は、自分がその設定の物語中の主人公なので、
他人を英雄視したりしないような気がするんですが、どうなんでしょうね?
妄想戦士たちから祭り上げられた一郎ですが、それ以外の人達からは嫌がらせが始まり…。
しかし彼以上に酷い嫌がらせを受けるようになるのは良子です。
暴力事件は彼女の魔女の格好を、リーダー格の女子が「校則違反」と注意したのが発端。
(他の妄想戦士も、眼帯や白ランなど、服装の校則違反をしています。)
その女子にとっては自分より目立つ格好をされたのが気に入らないだけでしょうが、
校則違反なのは間違いなく、ボクも義はその女子にあると思います。
注意が暴力にまで発展したのは問題あるけど、校則違反の良子はお咎めなしで、
暴力を振るった不良男子だけ処分されたのは、ちょっと不公平だと思います。
(まぁその男子のエグザイルみたいな髪型も、絶対校則違反ですけどね。)
その女子が、処分に不満を感じ、良子に恨みを持つのも無理からぬことかな。

良子は、リーダー格の女子が先導するクラスの女子たちから、
靴を盗まれたり、机に下衆い落書きをされたり、陰湿なイジメを受けるようになります。
ちょっと前に停学者が出たばかりなのに、こんな堂々とイジメをするなんて…。
でもどういうわけか教師にバレることもなく、良子たちもチクったりしません。
むしろ平然とした態度を取っている良子でしたが、
トイレに閉じ込められた時は、さすがに心が折れたみたいで泣き崩れてしまいます。
彼女もこんなことになるなら、そのまま不登校続けていればよかったのに…。
良子をイジメる度に一郎が彼女を助けることにイライラする女子グループは、
一郎の中学時代の同級生から、彼の隠された過去を聞き出し、
「秘密をバラされたくなければ、良子と関わるな」と彼を脅します。
一郎は動揺し、良子と距離を取るようになります。
そんなイジメっ子グループに秘密を握られたら、もう公然も同然なので、
この期に及んではそんな秘密はどうでもいいと思うんですけどね。
そもそもこのクラスは妄想戦士がマイノリティではないので、
妄想戦士だった過去がバレたからって、それほど辛い目には合わない気が…。
良子も一郎にばかり頼らないで、他の妄想戦士と同盟を組めばいいです。

脅しに屈した一郎から相手にされなくなった良子は、
札束を取り出して、彼に一緒にいてくれるように懇願します。
あの札束、数十万円はあったように見えましたが、ちょっと驚きの展開です。
なぜ高校生の彼女が、そんな大金を持っているのか不思議ですが、
そもそも本作には、良子の背景についてはほとんど描かれていないんですよね。
良子の中二病は、精神疾患の域に到達しているように思えますが、
彼女がそんな極端な状態になった理由も説明されていないし、
そんな大金をポンと出せる身分の、家庭環境についても触れられていません。
なので彼女の抱える問題の根本もわからないし、その不遇に同情することも出来ません。
それに経験者の一郎曰く、妄想戦士とは単なる「目立ちたがり屋」なんだとか…。
それならボクの学生時代にもいた、自称・霊感少女みたいなものですが、
本作の妄想戦士たちはそういうタイプではなく、
不遇な学校社会のヒエラルキーから現実逃避しているだけな気が…。
やっぱり妄想戦士は、一般的な中二病の概念では括れないのかもしれませんが、
物語も佳境になっているのに、妄想戦士がどんなものなのか、またわからなくなりました。

もちろん一郎はそんなお金は受け取らず、怒ってその場を去ってしまいます。
一郎から完全に見放された良子は、学校の屋上に机で神殿と称する巨大な建造物を作り、
「異世界に帰る」ため、そこから飛び降りようとします。
つまり投身自殺です。
塔があったりドームがあったり、かなりすごい建造物で、
どう考えてもそんなものを女の子一人で作れるはずはないですが…。
せめて一晩かけて作ったというならわかりますが、
一郎に絶交されたその日の放課後までに作り上げるなんて、あまりにも非現実的ですね。
まぁ机のモニュメントは画的に面白かったので、多少のあり得なさは見逃しましょう。

自殺を止めるため、良子を説得する一郎ですが、もはや彼の声も良子には届かず…。
そこで彼は、中学時代の妄想戦士の設定「魔竜院光牙」に今一度戻り、
魔竜院光牙として彼女を説得し、見事自殺阻止に成功します。
その後良子は、魔女の格好を止め、普通になるための努力を始めて一件落着となります。
うーん、このオチはどうなんでしょうね?
学校社会のヒエラルキーの中では、個性を捨てることで身は守れるけど、
一般社会では個性を尊重することの方が重要ではないかと思います。
妄想戦士なんて、周りに何か実害がある迷惑な個性でもないんだし、
むしろそういう変わり者がいた方が、世の中は面白いはずです。
妄想戦士及び中二病を否定するにも等しい結末の本作は、
結果的に本作のイジメっ子たちと同じ感性で作られていると思います。

設定的に馴染みがないものが題材だったため、納得できないところも多々ありましたが、
馴染みがないがゆえに興味深い題材だったとも思え、楽しむことができました。
いろんな設定のロマンス映画を見てきましたが、中二病のロマンスなんて初めてだし、
今サブカル業界では比較的新しい萌え属性(ストックキャラクター)として、
中二病が認知されているみたいだし、なんだか勉強になりました。

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://blrpn.blog.fc2.com/tb.php/995-66994de3
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

FC2Ad