ブログデンティティー

blog-dentity since 2013

ジャックと天空の巨人

なんだか最近、3D映画の上映方法に異変が起きている気がします。
ボクは3D版はなるべく観ないようにしていますが、已む得ない都合で3D版を観る時は、
3Dメガネが手元にあるTOHOシネマズに行くことが多いです。
TOHOシネマズはもともと韓国製の3Dメガネ「MasterImage」でしたが、
最近劇場オリジナルの3Dメガネになって、掛け心地が格段に改善されましたし、
3Dメガネを持参すれば鑑賞料が安くなるので、TOHOシネマズを選んでいます。
未だにシャッター式の重たい3Dメガネを使用している梅田ブルクやMOVIX、
大阪ステーションシティシネマでは、3D映画なんて絶対に観たくないです。

そんな設備的に残念な劇場はともかく、異変を感じるのはTOHOシネマズです。
ボクは梅田、なんば、西宮、伊丹のTOHOシネマズをよく利用するのですが、
3D大作『オズ はじまりの戦い』か『ジャックと天空の巨人』、或いはその両方で、
「3D・字幕版」と「2D・日本語吹替版」での上映となっているのです。
今までは「3D・日本語吹替版」と「2D・字幕版」で上映されることが普通だったのに…。
西宮OSの『オズ』に至っては、上映開始当初は旧来のパターンだったのに、
後に前者のパターンにわざわざ変更までしているのです。

そもそも3D版で観たい人は、映像を楽しもうという人たちなので、
字幕を読むより映像に集中したいというタイプのはずです。
それに今どき3D映画を喜ぶのは子どもくらいのものなので、
3Dでの上映は従来通りに日本語吹替でもよかったと思います。
逆にボクもそうですが、字幕を好む大人は、3Dに抵抗がある人も多いです。
ボクは日本語吹替も3Dに匹敵するくらい苦手なので、
「3D・字幕版」と「2D・日本語吹替版」の二者択一は究極の選択です。

ということで、今日はそんな究極の選択を迫られた3D映画の感想です。
悩んだ末、結局「3D・字幕版」を選択したので、
ボクにとっては3Dよりも、日本語吹替に抵抗があるみたいです。
特に本作はウエンツ瑛士、ゴリ、真栄田賢、千原せいじ、博多華丸、山里亮太など、
不安すぎる吹替キャストで、追加料金払ってでも避けたくなります。

ジャックと天空の巨人
Jack the Giant Slayer

2013年3月22日日本公開。
童話『ジャックと豆の木』をブライアン・シンガー監督が大胆にアレンジして映像化。

何百年も前に、地球には巨人が存在しており、地上で生活していた。ある日、一人の青年が人間界と巨人界を隔てる扉を開けてしまい、巨人たちは地球を取り戻そうと人間を襲撃。王国を守るべく、ジャック(ニコラス・ホルト)は巨人を相手に戦うことを決意。果たして、300人の人間たちで100人の巨人の猛攻撃を抑え切れるのか……。(シネマトゥデイより)



『アリス・イン・ワンダーランド』の大ヒットで、空前の童話実写化ブームが到来し、
『赤ずきん』『ガリバー旅行記』『スノーホワイト』『ヘンゼル&グレーテル』など、
そして絶賛公開中の『オズ はじまりの物語』など、
童話や古典的児童文学を新解釈した実写映画が、次々と公開されていますが、
その中の1本としてイギリスの童話『ジャックと豆の木』を実写映画化したのが本作です。
童話や古典的児童文学はパブリックドメイン(公有状態)なので、
映像化の手続きも簡単だし、二次創作もしたい放題なので、オイシイ題材なのでしょう。
『ジャックと豆の木』も2010年にクロエ・モレッツ主演で実写化されたり、
(本作と同じ『ジャックと天空の巨人』という邦題で来月DVDリリースされます。)
ドリームワークスのアニメ『長ぐつをはいたネコ』でも、
メインプロットとして使用されていたのも記憶に新しいです。

本作もかなりの新解釈で、一般的な童話の内容とはかけ離れたものになっていますが、
さすがは『Xメン』シリーズのブライアン・シンガー監督の作品だけあって、
とても派手なアクション・アドベンチャーで、楽しい作品に仕上がっています。
原作童話が有名すぎるだけに、普通に映像化しても何の面白味もないですしね。
むしろ『ガリバー旅行記』のように、いっそ舞台を現代にしてしまうくらいの、
もっと大胆なアレンジを施してもよかったと思うくらいですが、
大人がこの物語をベットタイム・ストーリーとして子どもたちに語り継ぐうちに、
今の一般的な内容に変化したというオチもあったので、なかなか興味深かったです。
本作のままだと、ジャックが巨人をぶっ殺したりするので、
就寝前の子どもに聞かせる童話としては、ちょっと刺激的ですもんね。
あ、そう言えば、本作はもともと『Jack the Giant Killer』という物騒な題名でしたが、
最終的には『Jack the Giant Slayer』という少し柔らかい題名に変更されました。
これも、もっと子ども(家族連れ)に観てもらいたいという配慮からでしょうね。

古代、天空の国「ガンチュア」から、凶暴な巨人の軍勢が、
巨大な豆の木をつたって地上に攻め入り、多くの人間が巨人の餌食になります。
時の国王エリックは、修道士が闇の魔法で巨人の心臓から作った巨人を操る王冠を使って、
巨人たちを再び空の上に閉じ込めることに成功します。
再びそんな惨劇が起きぬよう、「エリック王の冠」と魔法のソラ豆は、
エリック王と共に墓に埋葬されます。
時は流れ、そんな話もおとぎ話になった平和なクロイスター王国で、
軍総司令官のロデリックが、勝手にエリック王の墓を暴き、豆と王冠を掘り出します。
ロデリックの陰謀に気付いた修道士により、盗み出された数粒の豆は、
ひょんなことから農民の青年ジャックの手に渡ります。
その一粒が彼の家の軒下に転がり込んで発芽し、家ごと持ち上げ空高く伸びていきます。
その時、家にはたまたま雨宿りしていた王女がおり、彼女は家ごと豆の木の頂上に…。
伸びる途中で豆の木から落っこちたジャックは、王女を捜索する軍の精鋭と同行し、
豆の木を登ることになりますが、その中には王冠を持った司令官ロデリックの姿も。
丸一日登り続け、頂上まで辿りつくと、そこには巨人の国ガンチュアが実在しており…。
ジャックたちは王女を探し出したらすぐに帰るつもりが、
ロデリックは王冠で巨人を従わせて世界征服しようと企み…。

巨人たちですが、俳優を特撮で大きくしているのではなく、完全にCGIで制作されています。
はじめは巨人もちゃんと人間が演じた方が画的に面白いのにと思いましたが、
巨人が人間を食べたり、エグい死に方しても、あまりグロさを感じなかったので、
子どもも観るファンタジー映画としては、CGIを使って正解かもしれませんね。
CGIでクリーチャー的にデザインされたことで、みんな特徴的で個性的に描かれていたし、
造形的に面白い形の巨人もいました。
巨人のリーダーであるファロン王が最も特徴的で、彼だけ首が二つあります。
しかし片方の首は出来そこないで、奇形のような不気味なデザインで印象的でした。
「フィー・ファイ・フォー・ファム」という、原作童話の決まり文句がありますが、
本来は特に意味はない巨人の台詞(足音?)なんだけど、
本作では4人の幹部クラスの巨人と名前という解釈がされています。
中でもファムは内心ではファロン王を追い落とす機会を窺っています。
まるでロデリックのような奸物で、人間も凶暴な巨人も本質は変わらないってことかな?

本作は巨人と人間の争いを描くと思いきや、最大の悪党は巨人を従わせるロデリックで、
ロデリック率いる巨人軍に、ジャックが立ち向かう展開になるわけです。
…と思いきや、ロデリックは騎士団長エルモントにあっさり粛清されます。
なんとも意外な展開で、ちょっと驚きました。
王冠は巨人ファロン王の手に渡り、結局巨人対人間の構図になるわけですが、
このファロン王も、大将のくせに先陣を切りすぎて意外な形で失脚し、
結局ファムが巨人軍を指揮し、王国軍に攻城戦を仕掛けるのです。
ファムは王冠を使ってないのに、あの粗暴な巨人たちに見事なチームプレーをさせるとは、
なかなかの統率力で、ファロン以上に王の器だったかもね。
でも攻城戦が跳ね橋を縄で引きあう、単なる綱引きになったのは、少し物足りないかも…。
巨人相手の白兵戦なんかも、もっと観たかった気もします。

ファムがファロンを嫌うのは、自分が捕まえた王女をファロンが横取りしたからで、
ファロンが王女に固執するのは、彼女が古代の宿敵エリック王の末裔だからです。
でもなぜか同じ末裔である現国王には目もくれません。
むしろ王女の父である国王の方が、一世代分エリック王の血が濃いのに変ですよね。
この国王は王女を政略結婚させようとしたりと、ちょっと嫌な人物だと思ったけど、
意外にもクライマックスの籠城戦では、騎士たちと肩を並べて最前線で戦っており、
実はエリック王に優るとも劣らない勇敢な王様だと思いました。
思えば愛する王女がまだ救出されてないのに、巨人の地上への侵略を防ぐために、
豆の木を切り倒してしまう懸命な決断など、大局を見極められる立派な王様でしたね。

騎士団長エルモントも、初登場時は跪かなかったジャックに対して、
「膝でも悪いのか?」と嫌味を言うなど、ちょっと偉そうな貴族だと思ったけど、
一緒に戦ってみるとなかなか高潔な騎士で、かっこよかったです。
ちょっとお転婆な王女イザベルも可愛くてよかったですが、
肝心の主人公ジャックは薄味すぎたかな…。
はじめは高所恐怖症だったりと、ちょっと情けない男でしたが、
次第に勇敢な男に成長していくというベタな主人公キャラで印象に残りません。
彼は最後にファロンから王冠を取り戻すのですが、それを自分で被っちゃたのも…。
「エリック王の冠」はエリックの末裔である王女が被るのが当然の流れで、
彼は分をわきまえるべきだし、自信を持つのはいいけどちょっと調子乗りすぎです。
でも不満点はそれくらいで、全体的には満足できる作品でした。

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://blrpn.blog.fc2.com/tb.php/983-d57baf5e
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

FC2Ad