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ダイナソー・プロジェクト

本文のみ。

ダイナソー・プロジェクト
The Dinosaur Project

2013年3月16日日本公開。
イギリスの恐竜サバイバル・アドベンチャー。

探検家として名をはせるジョナサン・マーチャント(リチャード・ディレイン)率いる調査隊と撮影クルーは、伝説の未確認生物ムケーレ・ムベンベを探しにアフリカへ旅立つ。しかし、一行を乗せたヘリコプターはコンゴの秘境で消息を絶ち、しかもジョナサンの息子ルーク(マット・ケイン)が無断でヘリに乗り込んでいた。やがて彼らは、ジャングルの奥地で思いも寄らぬ光景を目にし……。(シネマトゥデイより)



本作は、コンゴのジャングルに、恐竜が生存していたという驚愕のドキュメンタリーです。
アフリカに生息するUMA、モケーレ・ムベンベの謎を究明するため、
英国未確認生物学会が結成した調査隊がコンゴの秘境に入ります。
この隊を率いるのは、日本でも人気の探検家、ご存じジョナサン・マーチャント氏です。
テレビクルーも同行し、コンゴの環境庁職員アマラ女史の案内で、
ヘリで現地入りした調査隊ですが、その消息は途絶えてしまいます。
しかしその3週間後、調査隊のバッグがカサイ川で発見され、
その中には調査隊が録画した1000時間にも及ぶ映像データを収録したハードディスクが…。
そこに映っていたものは、驚くべきモケーレ・ムベンベの正体と、
調査隊が失踪した顛末だったのです。
マーチャント隊長はかねてより、モケーレ・ムベンベの正体は、
プレシオサウルスかプリオサウルスの子孫だと考えていましたが、その予想は見事に的中。
それどころか、ジャングルには他にも、翼竜や鳥脚類の恐竜まで生息していて、
それらを収めた映像が、嘘のようにバッチリ綺麗に残されていました。

…というか、嘘なんですけどね。
本作はいわゆるファウンド・フッテージであり、フェイク・ドキュメンタリーの一種です。
『ダイナソー・プロジェクト』というタイトルも、ファウンド・フッテージの草分け、
『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』に掛けたのでしょう。
その作品のように、本来はホラー映画で使用されることが多いジャンルですが、
『パラノーマル・アクティビティー』などの影響で大ブームになり、
『トロール・ハンター』のように未確認生物ネタのファウンド・フッテージも増えました。
本作もモケーレ・ムベンベが題材だから未確認生物ネタでもあるけど、
恐竜ネタのファウンド・フッテージは、ボクの狭い見識の中では初めてで、
とても興味深く観ることができました。

そもそもファウンド・フッテージは、CGもロクに使用できないような低予算映画の製作で、
已むに已まれず使う撮影方法なので、恐竜をCGで蘇らす本作みたいな作品では、
あまり使おうとは考えないものだと思います。
強いて言えば『クローバー・フィールド』に近いかも?
あれは恐竜ではなく爬虫類型(?)大怪獣でしたが…。
ただその怪獣とは違い、本作の恐竜の姿はかなりバッチリ映っています。
もちろんCGで描かれているのですが、かなりいい出来だと思いました。
本作も一般的なアドベンチャー映画に比べたら低予算であることは間違いないけど、
かなり頑張っていたように思います。

しかし惜しむらくは、モケーレ・ムベンベの正体であるプレシオサウルス、
最初に遭遇しその後も脅威的な存在となる翼のある爬虫類は、
それぞれ首長竜と翼竜であり、恐竜(ダイナソー)ではないんですよね…。
結局、本作に登場する恐竜は鳥脚類の中型恐竜が一種類のみで、
壮大なタイトルの割に、ちょっと寂しい気がしました。
恐竜の代名詞的存在であるティラノサウルスや、トリケラトプスなんかも観たかったよね。
しかも本作に唯一登場する恐竜も、劇中ではレソトサウルスと称されているけど、
どう見ても『ジュラシック・パーク』のディロフォサウルス(スピッター)ですよ。
レソトサウルスは『ロスト・ワールド』のコンピーのように、かなり小さい恐竜です。
本作の恐竜は子どもだから多少小さいが、レソトサウルスであれば、
成獣になっても頭上から丸かじりできるサイズにはならないはずです。
まぁその恐竜をレソトサウルスと決めつけたマーチャント隊長は、
珍獣ハンターだけど恐竜の専門家ではないので、間違っても仕方ないかな。
ボクも図鑑で調べるまでレソトサウルスがどんな恐竜かは知らなかったけど、
外見や唾を吐く習性から「スピッターじゃないのかな?」と思って確認しただけです。

ダイナソーがあまり出ないのも残念でしたが、
ファウンド・フッテージとしての出来が悪いのも残念…。
本作の主人公はマーチャント隊長ではなく、その15歳の息子ルークですが、
そんな(大学生くらいに見えるけど)少年が、父親の仕事に同行するのはおかしいので、
その経緯を説明するために出発前の映像もかなり使われています。
でもドキュメンタリーの体裁なのに、そんな都合のいい映像が残っているはずはないです。
こっちは暗黙の了解として騙されてあげようと思ってるのに、
明らかに作りすぎな展開で、冒頭から興醒めしてしまいます。
同行するカメラマン、デイブも痒いところに手が届きすぎなアングルで、
彼が死ぬその瞬間までほとんど空気状態で撮影しています。
ちょっと画的に計算されすぎで、ドキュメンタリーの生っぽさがないです。
あと、カメラは小型カメラも合わせて3~4台しかないのに、
この3~4日の出来事で1000時間を超える映像が残っているはずないです。
そんな初歩的なミスを犯すようでは、ファウンド・フッテージを撮る資格はありません。

ただ本作は、ストーリーとしてはなかなか面白いんですよね。
マーチャント親子の確執や和解など、短い時間に人間ドラマが詰め込まれています。
ヒロインだと思っていた医療班のリズが早々に翼竜に殺されたり、
ある仲間の功名心による裏切りなど、意外性もある物語です。
(最も意外だったのは15歳のバカ息子ルークの機械いじりの腕前でしたが…。)
主人公ルークとなんちゃってレソトサウルスの子ども「クリプト」の友情もあり、
そこから派生するクライマックスもなかなかのカタルシスです。
それだけに、本来ストーリーを必要としないファウンド・フッテージには向きません。
これならばもう少し脚本を深めて、通常のフィクションとして、
恐竜アドベンチャー映画を撮ればよかったと思います。
まぁそうすると、チープな『ジュラシック・パーク』にしかなりませんね…。

ファウンド・フッテージらしく一点だけ不明瞭だったのは、
ガイド役の環境庁職員アマラの顛末です。
ムブディ族の村の惨状や翼竜の襲撃で、一刻も早くジャングルから出たいアマラは、
恐竜に興味心身なルークや、迷子になった息子を救出に戻るという隊長を余所に、
いつの間にかひとり調査隊を離れることになったようなのですが、
彼女はカメラは持っていないので、彼女がその後どうなったのかは不明のまま終わります。
調査隊は消息不明ということなので、おそらく彼女も死んだとは思いますが、
恐竜を避け続けた彼女が、どんな最期だったのかは気になりますね。
こんなところだけファウンド・フッテージのルールに則るんだもんなぁ…。

ファウンド・フッテージの演出や恐竜の種類など、いろいろ不満もあるものの、
なかなかスリリングな恐竜アドベンチャーで、けっこう楽しめる作品だと思います。
恐竜アドベンチャーの代表格である『ジュラシック・パーク』シリーズも、
3作目の失敗でもう続編はないのかなと思っていましたが、
最新4作目の製作が始まっているそうで、一昨日は監督も発表されました。
(てっきりスピルバーグが監督に戻るのかと思いましたが、違ったみたいです。)
まだどんなストーリーかは全くわかりませんが、
3作目の失敗は恐竜ではなく翼竜をフィーチャーしたのが原因だと思うので、
4作目はちゃんとした恐竜アドベンチャー大作にしてほしいです。
今のところ、来年の6月に公開を予定しているそうなので、楽しみですね。

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