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野蛮なやつら SAVAGES

「映画は断然ハリウッド!」と思っているボクですが、
ここ半年ほどは意識的に日本映画も観てみるようにしていて、
ハリウッド映画を超える本数の日本映画を鑑賞しました。
その試みは今暫らく続けるので、日本映画も面白いのかの判断はまだ保留しますが、
日本映画を観続けたことで副産物というか、予想外な影響があったのは、
最近、ハリウッド映画がこれまで以上に面白く感じられるようになったことです。
相対的に程度の低い日本映画のお陰で、映画全体に対するハードルが下がったのでしょう。
ウチの感想記事も、以前はハリウッド映画を酷評することも多かったのに、
このところめっきりしなくなった気がします。
オスカー関連作の公開時期なので、高レベルなハリウッド映画が多い時期でもあるけど、
それにしたって、こんなに面白いと思える作品が続くなんて嬉しい気分です。
そういう意味では地雷臭い日本映画でも、あえて観てみる価値はあるのかも…。
(…って、全く日本映画の評価を保留してないし。)

ということで、今日も面白かったハリウッド映画の感想です。
ただこれくらいの面白さだと、1カ月前なら酷評してた可能性もあるかも…。

野蛮なやつら SAVAGES
Savages.jpg

2013年3月8日日本公開。
ドン・ウィンズロウのベストセラー小説をオリバー・ストーン監督が映画化。

平和主義者のベン(アーロン・テイラー=ジョンソン)と元傭兵(ようへい)のチョン(テイラー・キッチュ)は親友同士。彼らはカリフォルニア州ラグーナ・ビーチを拠点に大麻栽培のベンチャー起業で大成功を収め、二人の共通の恋人オフィーリア(ブレイク・ライヴリー)と3人で生活している。だが、ある日、彼女がメキシコの麻薬組織に拉致され……。(シネマトゥデイより)



全米4位デビューだった本作。
ちょっと微妙な順位なので、日本での公開も微妙かとも思いましたが、
ユニバーサル映画なので、ちゃんとTOHOシネマズが上映してくれました。
正直それほど期待もしてなかったんだけど、けっこう面白かったです。
冒頭からグロい処刑シーンと、なかなかハードなクライム・スリラーですが、
全体的にはコメディっぽいポップな内容だったと思います。

カリフォルニアのビーチの豪邸に住んでいるリッチな若者ベンとチョンは大麻栽培業者。
彼らが水耕栽培で育てた大麻は世界一の品質で、なんとTHCが33%です。
…って、THCが何なのかはよくわかりませんが、医療用としても取引される極上品です。
医療用に関してはわからないけど、彼らが違法であることは間違いないが、
麻薬取締局の汚職局員デニスに賄賂を渡して、堂々と商売しています。
大麻なんかで商売しているというと、ギャング的なものを想像しますが、
彼らはギャングとつるむことはなく、独自の販売ルートで商売しているようです。
ボクも大麻なんて使用する奴はカスだと思ってるし、
それを売ったり作ったりしている奴はもっとカスだと思っていますが、
ベンは大麻ビジネスで儲けた金で、アフリカで慈善事業をしており、
常習者のカスから巻き上げた金が有効に使われるなら、まぁいいのかなと思ったりも…。
いや、やっぱりダメかな。

当然そんな上等な彼らの大麻を、ギャングたちが指を咥えてみているはずもなく、
ある日、彼らのもとにメキシコのバハ・カルテル(麻薬密売組織)から、
恐ろしい処刑の動画が添付されたメールが届き、業務提携しろと脅しを掛けられます。
仏教に傾倒し平和主義者のベンは、厄介事は御免だと考え、大麻栽培から足を洗うことに。
相棒の元傭兵チョンも渋々同意し、先方に「事業は渡すが、一緒にやらない」と伝えるも、
カルテルの女ボス、エレナは「なんて無礼な態度なの!?」と許しません。
返答までにほんの少しの猶予をもらった2人は、
ほとぼりが冷めるまで、恋人のオフィーリアと3人でインドネシアに逃げることを決意。
しかし逃亡直前にカルテルがオフィーリアを拉致してしまい…。

この恋人のオフィーリアを奪還するためにベンとチョンがハッスルする話ですが、
なんと彼女は、2人が共有する恋人だそうで、何とも奇妙というか、
とてもじゃないけど理解し難い友好的三角関係です。
2人ともとセックスもしてますが、2人ともそれも承知しており、たまに3Pなんかも…。
遊びならまだしも、2人とも本気で彼女を愛しているようで、ホントに理解し難いです。
男としては本当に愛する女性なら、例え大親友とでも共有なんかしたくないですよね。
しかしそんな関係性以上に理解し難いのは、彼女がそんなに魅力的だとは思えないこと。
拉致したカルテルは2人に彼女の身代金として1500万ドルを要求し、
少しまけて1300万ドルになるけど、彼女にその金額に見合うだけの価値はないです。
正確には作中では魅力的には描かれてないということでしょうが、
ここが読者が好きに補完できる小説と、映像化作品の大きな違いでしょうね。

オフィーリアは麻薬栽培を手伝い始めたのがキッカケで2人と知り合いましたが、
もともとどこぞのお金持ちのお嬢さんで、かなり我儘な性格のようです。
拉致された彼女は、自分の立場もわきまえず、「もっと綺麗な部屋に監禁しろ!」
「ピザだけじゃなくサラダ食わせろ!」「責任者出てこい!」と喚き散らします。
「私の継父はFBIかCIAだから覚悟しなさいよ」なんて、人質猛々しいにもほどがあります。
我儘というかアホだと思いましたが、大麻ばかり吸ってるからラリってるんでしょうね。
挙句には「落ちつかないから大麻がほしい」とまで言い出す始末です。
拉致されてても止められない、大麻の常習性は恐ろしいです。

ボクが誘拐犯のボスなら、こんな鬱陶しい人質は即刻処刑しますが、
ハバ・カルテルの女ボス、エレナも相当な変わり者で、
オフィーリアの我儘を聞き受け、お客さんのように好待遇し始めます。
時には豪華なラム肉料理を談笑しながら一緒に食べたり…。
エレナは彼女を自分の疎遠の娘と重ね合わせているのでしょうが、
悠々自適な人質生活で、彼女のために必死に金策する外の2人が可哀想です。
ちゃっかり大麻も貰って、ラリってその場にいた誘拐犯の男とセックスしてるし、
やっぱり平然と二股掛けるだけのことはあって、ビッチですね。
彼女はたしかに美人だとは思うけど、それだけの女で、ボクは嫌いだと思ったし、
こいつを命がけで助けようなんて物語は、納得し難いです。

ただ、エレナがオフィーリアに三角関係の話を聞いて、
「男2人はあなたよりお互いのことを愛してるんじゃないの?」と言いますが、
その解釈は妙に納得させられました。
エレナが言う愛とは、別に同性愛ということではなくて、男同士の友情のことですが、
たしかに2人の絆は、彼女との恋愛よりも強いように思います。
彼女を取り合いにならないのは、友情を壊してまで取り合う女性じゃないということかも。
チョン演じるのはテイラー・キッチュ、ベン演じるのはアーロン・ジョンソンと、
勢いのある若手人気俳優が男2人を演じていますが、
オフィーリアを演じるのはブレイク・ライブリーはちょっと微妙な女優で、
三角関係としてはキャストのバランスもイマイチなのかも…。
企画当初は先日オスカー女優になったジェニファー・ローレンスが
オフィーリアを演じる予定でしたが、もしそれが実現していたらかなり印象が違ったかも。
というか、その落差のせいで彼女を魅力的に感じない部分もあるのかもしれません。

金策するも700万ドルしか工面できなかった2人は、カルテルから現金を盗む計画を立て、
カルテルともパイプを持つ麻薬取締局の汚職局員デニスから情報提供してもらい、
チョンの傭兵仲間の助けを借りて、メキシコとの国境付近の現金積み替え小屋を襲撃。
カルテルのメンバー7人殺して300万ドル強奪します。
その犯行をカルテルの商売敵であるエル・アズールの組織の仕業に見せかけるため、
カルテルの幹部アレックスが内通者だと偽装します。
しかしカルテルの殺し屋ラドは、2人の仕業だと勘付いていて…。
このベニチオ・デル・トロ演じるラドは、本作の面白さに大きく貢献するキャラです。
とにかく無茶苦茶な奴ですが、かなり狡猾で、カルテルに雇われていながらも、
エレナはもうダメだと見るや、敵対するエル・アズールにも接近しており、
更には汚職局員デニスとも個人的に協力関係を築いています。
このジョン・トラボルタ演じるデニスも面白いキャラで、
クライマックスの展開は笑わせてもらいました。
何気に主演3人よりも、脇役の名優2人の魅力で支えられている作品だと思います。

そのクライマックスはちょっと変わった演出です。
現金強奪しても、まだ300万ドル足りない2人は、
女ボス、エレナの疎遠の娘マグダを誘拐し、カルテルに人質交換を要求。
エレナはそれを了承し、先住民居留地で人質交換が行われます。
交換場所には双方とも密かにスナイパーを配置しており、当然のようにドンパチが発生。
結局チョンもベンもオフィーリアもエレナもラドも、
マグダを除くその場の全員が死亡し終わります。
何という後味の悪い最後なのか…、と思いきや、シーンが人質交換直前までロールバック。
全員死亡の展開はオフィーリアの予想した光景だったというオチで、
実際は誰も死なず、何とも滑稽な形で幕を閉じるのです。
面白い展開だったし、ハッピーエンドだったのですが、
後日談でチョンとベンとオフィーリアの3人は、
あの時逃げるつもりだったインドネシアで生活を始めます。
しかしそこでのオフィーリアの発言にまたイラッとさせられました。
彼女はインドネシアでスローライフを満喫する自分たちを、
「野蛮人のように暮らしている」と言うのです。
そこに暮らすインドネシアの住民が野蛮人だとでも言いたいのか、…と。
その一言のお陰で、やはり後味の悪い印象を受けたし、
そんなことなら全員死んだラストの方が、彼女が死んだ分まだマシな気さえしました。

そんなオフィーリアは大嫌いではあるものの、概ね楽しめた作品です。

コメント

こんにちは 初めまして。
あたしもこの作品は楽しんでみれました。

  • 2013/04/29(月) 07:30:17 |
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  • V #-
  • [ 編集 ]

Re: タイトルなし

けっこう楽しめる作品でしたが、上映規模が小さくて、
多くの人に楽しんでもらえない状況だったのは残念でした。

コメント、ありがとうございます。
まだ開設したばかりで、アクセスも全くなく、
その中でのコメントはとても嬉しく思いました。

  • 2013/04/29(月) 14:07:51 |
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  • BLRPN #-
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