ブログデンティティー

blog-dentity since 2013

ダウト ~あるカトリック学校で~

先月行われた第81回アカデミー賞の前後に、いくつかのメディアで
投票権を持つアカデミー賞会員と、観客、批評家の評価には差異がある、
みたいな記事を目にしました。
今回のノミネート作はまだほとんど公開されてないのでなんともいえませんが、
たしかに前回の最優秀作品賞が『ノー・カントリー』だったのはちょっと意外かも。
そこで今年は、今回主要6部門賞にノミネートされた作品は
とりあえず片っ端から観てみようという計画を立ててみました。
でもやっぱり、どう考えても興味ないのもあるし、全部観るのはやめときます。
興味ある分だけなるべく観てみるって程度に。

今日は今回のアカデミー賞で主要6部門に4人もノミネートされておきながら
ひとつも受賞できなかった映画の感想です。

ダウト ~あるカトリック学校で~

2009年3月7日日本公開。
第81回アカデミー賞で主演女優賞、助演男優賞、助演女優賞にノミネートされた
心理サスペンス・ドラマ。

1964年、ブロンクスのカトリック系教会学校。校長でシスターのアロイシス(メリル・ストリープ)は、厳格な人物で生徒に恐れられていた。ある日、人望のあるフリン神父(フィリップ・シーモア・ホフマン)が一人の黒人の男子生徒に特別な感情を持っているのではないかと疑念を抱くが…。(シネマトゥデイより)

ミサでフリン神父が"疑惑"について寓話で説教をするシーンから始まる本作ですが、
本作自体が"疑惑"についてのひとつの寓話になっているんだと思います。
目撃者も証拠もない疑惑のみで、フリン神父と黒人生徒の不適切な関係を疑い糾弾する
女校長シスター・アロイシス。
彼女は保守的で厳格で、生徒たちから恐れられている存在です。
そんな彼女の上司に当たるのが、進歩的で生徒からの信頼も厚いフリン神父。
女校長がこの神父に対して疑惑を持つのは、新米教師シスター・ジェームスからの
チクリが発端ですが、実は内心、この神父のことを疎ましく思ってたのかも。
もしかしたら学校唯一の黒人生徒の存在も、あまり良くは思ってないのかも。
それがチクリにより一気に噴出し、状況証拠のみで神父を追及する女校長。
神父が筋の通る弁明をしたにもかかわらず、全く疑念を弱めない彼女の妄執に
発端となったチクリ新米教師も何が真実なのか翻弄されていきます。

たぶんこれは報道されてるし、ネタバレにはならないと思うけど、
この騒動の真相は最後まで観客に提示されません。
神父が黒人生徒と不適切な関係だったのか、それとも女校長の妄想だったのか、
その判断は観客に任せる、といったところでしょうか。
ボクは初め、状況証拠から疑惑は真実に違いないと思ったけど、
女校長のあまりの粘着ぶりに、やっぱり妄想なのかなと思いだしました。
でも神父もミサの説教で暗に彼女の言動を皮肉ったり、
周りの印象ほど人徳者でもなさそう…。
新米教師と同じように翻弄されましたが、最終的には疑惑は真実だと感じました。
でもタイトルが『ダウト』(=疑惑)だし、疑惑は疑惑でしかないのかも?
まぁ本作は"疑惑"に蝕まれた人間の葛藤みたいなものを描く寓話ですから、
真相なんかは明らかにしない方が本質が伝わりやすいですね。

本作はアカデミー賞は逃したものの、諸賞はいくつか受賞していて、
絶賛されることが多い作品ですが、その絶賛のほとんどは役者の演技に対するもの。
アカデミー賞にも女校長、疑惑の神父、新米教師、黒人生徒の母親の4人が
ノミネートされるという、演技派俳優だらけのキャスティングです。
ボクは演技の上手い下手はあまりわからないタイプだけど、
女校長役の大女優メリル・ストリープの緩急激しい演技は見応えがありました。
特に神父役の名優フィリップ・シーモア・ホフマンとの15分にも及ぶ言い争い。
ふたりだけのシーンですが、グイグイ引きこまれましたね。
これでも受賞できなかったなんて、
受賞した『愛を読むひと』主演女優はスゴイんでしょうね。
それとも『マンマ・ミーア!』の彼女のダンス見て、投票する気が失せたとか?

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://blrpn.blog.fc2.com/tb.php/97-7aa778b9
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

FC2Ad