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ドラえもん 2013

ビデオリサーチが中学生未満の子どもを対象にしたキャラクター人気調査で、
ドラえもんが1位になったそうです。
まぁそれは順当な結果だと思いますが、意外だったのはミッキーマウスが2位だったこと。
以下、6位にトムとジェリー、12位にくまのプーさん、14位にトイ・ストーリー、
15位にミニーマウス、17位にチップ&デール、18位にひつじのショーンなど、
キャラクター大国の日本なのに、海外発のキャラがベスト20に大量ランクインしています。
ボクの好きなスティッチも7位でしたが、ボクも日本よりも海外キャラが好きです。
大人の日本人はバタ臭いと倦厭されがちな海外キャラですが、
純粋な子どもの曇りのない眼(まなこ)には、そのよさがわかるんでしょうね。

日本キャラではミッキーと同率2位でトトロが選ばれているのがトップで、
他は太鼓の達人とかスーパーマリオとかカービィとか、ゲームキャラが多いです。
アニメキャラは意外にもサザエさんやちびまる子ちゃんなど、
昭和から続く定番のものが人気みたいです。(ドラえもんもそうですね。)
『ワンピース』なんてこれだけ騒がれているのにベスト20圏外で、
人気と内容が反比例していることを、子どもはよく見抜いていると思います。

ということで、今日は人気ナンバー1キャラの映画の感想です。

映画ドラえもん のび太のひみつ道具博物館(ミュージアム)
ドラえもん2013

2013年3月9日公開。
『ドラえもん』劇場版長編シリーズ33作目(第2期シリーズ8作目)。

ある日、昼寝中のドラえもんの鈴が盗まれるという事件が発生する。犯人は怪盗DXという正体不明の男。そこでのび太はシャーロック・ホームズセットを使い、未来にある「ひみつ道具博物館(ミュージアム)」に事件の手がかりがあると突き止め、みんなで未来へと行くことにする。しかし、博物館でも怪盗DXによってさまざまなひみつ道具が盗まれてしまい……。(シネマトゥデイより)



春休み映画恒例のテレビアニメ『ドラえもん』の劇場版シリーズ最新作。
リメイクとオリジナルの新作を交互に上映してきたように思う劇場版シリーズですが、
リニューアル以降、はじめてとなる2作連続でのオリジナル新作ですね。
やっと亡き原作者の力を借りなくても大長編を成功させられる自信が湧いてきたのかも。
実際に手慣れた印象はあり、リニューアル後の新作(計4本)の中では、
最も垢ぬけた面白い作品に仕上がっていたと思います。

ただ新作の中で最高の出来とは言っても、旧劇場版やリメイクには若干及ばない気も…。
その原因を簡単に言えば、物語のスケールが小さいことでしょう。
これまでの劇場版のように「共存・共生」や「環境問題」といった壮大なテーマがなく、
ただ楽しいだけのテレビアニメのスペシャル版のような作品になっています。
ドラえもんの盗まれた鈴を捜すため、のび太が探偵になるという話ですが、
日本最高のテレビアニメの劇場版である『名探偵コナン』に便乗するかのような、
シリーズ初の探偵ものとなっています。
まぁ『映画ドラえもん』も公開すれば絶対1位デビューの大人気シリーズなので、
便乗する必要も、その意図もないとは思いますが…。
とりあえず、いつもの壮大な冒険ものとは趣が違う、小ぢんまりした話です。

『映画ドラえもん』と言えば、人類とは違うテクノロジーを持つ惑星や秘境、
または異次元や太古の昔が舞台と相場が決まっていますが、本作は未来(22世紀)です。
前作もたぶん時代は未来だったと思うけど、古代生物の島が舞台だったので、
完全に未来が舞台となるのはシリーズ初ではないかと思われます。
ドラえもんは未来のロボットなのに、今まで未来の話がなかったのは意外ですが、
それはドラえもんの未来から来たというアイデンティティーを守るために、
意図的に避けられてきたことだったのだろうと、本作を観て思いました。
ドラえもんの秘密道具は未来では普通に流通しているものなので有難味がなく、
未来ではドラえもん自身も一介の量産型友達ロボットに成り下がりますからね。
本作では四次元ポケットにスッポンロボが棲みつき、ポッケトを使用できなくなりますが、
ドラえもんの秘密道具の使用が封じられる展開はよくあるパターンだけど、
最後は制約が解かれ、ドラえもんの秘密道具で大逆転というのがシリーズの鉄板で、
そこにカタルシスがあるのだと思います。
しかし本作は、秘密道具なんて珍しくも何ともない未来が舞台で、
クライマックスでも、他人の秘密道具で事件を解決してしまうのです。
これではドラえもんも立つ瀬がないですよ…。
もしかすると作中で役に立ったドラえもんの秘密道具は、
最初に使った「シャーロック・ホームズ・セット」だけだったのかも…。

とはいえ、ドラえもんがのび太らの頼もしい保護者ではなく、
友達に成り下がったことで、ドラえもんのパーソナルな部分に焦点が当たり、
ドラえもんとのび太の友情がこれまでにないほどしっかり描かれたのは好感が持てます。
ドラえもんの鈴は、未来ではありふれたもので、盗まれるほどの価値はありませんが、
ドラえもんにとっては、のび太とのある思い出が詰まったものでした。
のび太はそれを知らないまま一緒に鈴を捜すのですが、
彼がそれを見つけた時の台詞が、憎たらしいほどに気が利いていて、少し感動しました。
ただ、ドラえもんは鈴がないと野良猫化するみたいだけど、その設定って必要かな?
のび太との思い出以外にも鈴に意味を持たせる設定になってしまっているのは、
ちょっとどうなのかなと思いますね。
あと、ドラえもんとのび太の友情に焦点を当てている反面、
他のいつものメンバー(ジャイアン、スネ夫、しずかちゃん)は、
ほとんど空気になっちゃっていたように思います。
特にスネ夫は、公開直前にわざわざ『アメトーーク』で取り上げてもらったのに…。
ゲストキャラのクルトや、マスコットキャラのポポンも、
いつになく印象の薄いキャラクターだったと思いました。
前作に引き続き『21エモン』のゴンスケも登場しますが、
こう頻繁に登場されては有難味がなくなります。

ドラえもんの秘密道具こそあまり登場しませんでしたが、秘密道具自体は多数登場します。
なにしろ物語の舞台が、「ひみつ道具博物館」ですからね。
今までに使用したことがある秘密道具が沢山でてきますが、
劇場版絡みの道具が多いのも嬉しいところです。
ただ「コピーロボット」は未来ではなくバード星の道具だと思ったけど…。
博物館には「タケコプター」や「きせかえカメラ」など、お馴染みの道具が展示され、
その初期型なんかも見ることができます。
なにげなくいつも使っている「どこでもドア」も、初期型は尋常ではないデカさで、
「どこでもドア」というよりも「どこでも門」って感じです。
秘密道具も携帯電話のように技術の進歩によりコンパクト化されてきたんですね。
携帯電話と言えば、携帯電話のような精密電子機器にはレアメタルが使用されていますが、
秘密道具にも「フルメタル」というレアメタルが使用されています。
あと100年程度の未来で、あんな秘密道具が作れるのはあり得ないと思っていたけど、
まだフルメタルが発見されていないのだと考えればちょっと納得かも…。
ドラえもんやガードロボなどロボットにはフルメタルが使用されてないみたいですが…。

実際に現在ではレアメタルは希少で、需給バランスが問題になっていますが、
それはフルメタルも同様で、未来ではフルメタルの枯渇が問題になっています。
使い果たしてしまったら、秘密道具が作れなくなるんだから大変です。
学術的な時事ネタを取り入れるのは旧シリーズのお約束でしたが、
そのお約束が復活した気がしてちょっと嬉しかったかも。
その枯渇問題を解決するため、フルメタルに代わるペプラーメタルなるものを作ろうと、
科学者のペプラー博士が日夜「ペプラーメタル製造マシン」の製作に勤しんでいます。
しかし彼は、人々のために枯渇を救おうという目的以上に、
フルメタルを発見した親友ハルトマン博士へのライバル心によるところが大きいです。
ペプラー博士のモデルはエジソンをライバル視したニコラ・テスラでしょうね。
ただテスラのように優秀ではなく、かなりドジで失敗してばかり…。
「ペプラーメタル製造マシン」も失敗作で、その失敗が大変な事件を引き起こします。
フルメタルが役立たずのペプラーメタルに変化し、秘密道具が使えなくなったのです。
危険な失敗作「太陽製造機」の暴走を止めていた秘密道具も効力を失い、
疑似太陽が赤色巨星になって、地球を飲み込みかねない事態になるのです。
でもドラえもんの未来なら、太陽製造機の暴走なんてどうにでもなりそうなものですよね。
結局なんともあっけない方法で、その事態は解決されます。

そんな大事件の方は置いといて、ドラえもんの鈴盗難事件の方の探偵物語ですが、
リアリティは別として、なかなかよく出来たミステリーだったと思います。
未来の話なので何でもアリですが、ミスリードが用意されていたり、伏線も張られ、
ヒントも明確に提示してあって、推理もののマナーに則っていたのが好感です。
まぁ子どもが観るものなので、大人は物足りなく感じるかもしれませんが、
何気に子どもにはわからないホームズへのオマージュ・ネタもあったりします。
のび太が推理して解決するけど、「シャーロック・ホームズ・セット」の「推理帽」で、
頭の回転がよくなったお陰なので、結局秘密道具の力で真相を導き出すのは、
推理ものとしてはちょっとどうかなと思いますけどね。
同じく「シャーロック・ホームズ・セット」の「手掛かりレンズ」のナゾナゾも、
ヒントとしてはド直球すぎるように思いました。
ドラえもんの鈴は「怪盗DX」を名乗る謎の人物に盗まれたのですが、
怪盗DXは博物館でも「初期型ビッグライト」を盗んでおり、
未来の警察のマスタード警部も事件を捜査していますが、
彼は遺留品から持ち主を割り出す「落し物カムバック・スプレー」や、
何でも白状させる「正直電波」なる秘密道具を駆使しており、
そんな便利なものがあるなら未来に警察は要らないですよね。
なので『ドラえもん』と推理ものは相性が悪いというか、
やはり何でもアリすぎるので、未来が舞台なのはよくない気がします。

とはいえ、秘密道具が沢山登場したり、ドラえもんの秘密(?)が描かれていたりと、
子どもたちなど『ドラえもん』のファンにとっては楽しいに違いない内容だし、
今となっては劇場版だけのお付き合いのボクでも、けっこう楽しめました。
オリジナルの新作は肩肘張った壮大なものにするよりも、
これくらい軽いノリの方がいいものになるのかもしれませんね。
来年公開の次回作は『のび太の大魔境』のリメイクになりそうなので、
しっかりと壮大な作品に仕上げてほしいと思います。

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