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とある魔術の禁書目録 エンデュミオンの奇蹟

今週末はオスカー候補『世界にひとつのプレイブック』など話題作が公開されるので、
まずどの作品から観に行こうかと思ったのですが、
結局それほど鑑賞優先順位の高くなかった『とある魔術の禁書目録』から観に行きました。
というのも、完全に先着来場者特典に釣られてしまったんですよね。
その特典とて、それほど欲しいわけではなかったけど、
貰えるのと貰えないのでは貰える方がいいに決まってるし、
無特典だからいつ観ても同じな『世界にひとつのプレイブック』より優先してしまいます。
特典なんて言っても『ONE PIECE』で配られたような小冊子だろうと決め込んでましたが、
いざ貰ってみると、結構ちゃんとしたライトノベルでビックリしました。
ボクは極度の読書嫌いなので、たぶん一生読みませんが、こんな立派なものなら、
読まないボクなんかが貰ってしまって、ちょっと悪かったかな?
でも限定103,000冊の配布だそうだけど、全国30館だけの小規模上映で、
その冊数は限定と言えるほど少なくもないですよね。
今思えば焦って観に行かなくても、優に2週間の来場者分くらいはあるんじゃないかな?
ただ、初日は全回満席だったので、この調子が続けば1週間と持たないかも?
単純な比較にはならないけど、『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 後編 永遠の物語』は、
全国43館で上映され、初週末の動員数は約117,413人だったそうです。

ということで、今日はおまけ商法にまんまと乗せられた映画の感想です。

劇場版 とある魔術の禁書目録(インデックス) エンデュミオンの奇蹟
とある魔術の禁書目録

2013年2月23日公開。
人気ライトノベルシリーズ、初の劇場用アニメーション。

学園都市製宇宙エレベーター「エンデミュオン」完成間近のある日、上条当麻とインデックスは無能力者の少女アリサと出会う。三人で遊んでいると魔術師を引き連れたステイルが来襲し、なぜか科学サイドの人間であるアリサに襲い掛かる。魔術サイドの襲撃に、学園都市はシャットアラウ率いる秩序維持部隊で応戦するが……。(シネマトゥデイより)



本作はテレビアニメの劇場版です。
ボクはアニメ映画は大好きだけど、テレビアニメは見ないのですが、
本作のテレビアニメはリアルタイムで見てました。
といっても、4~5年前に3~4話たまたま見ただけですが…。
それでもテレビアニメ完全未視聴で劇場版に飛び込むことが多いボクとしては、
予備知識がある状態で鑑賞した方です。
だけどその程度の予備知識では、ちょっと敷居の高い作品でした。
小説の映像化ではなく、劇場版用に原作者が書き下ろした脚本らしく、
1話完結の独立した物語なので、その話の内容はちゃんと理解できますが、
やっぱりファンサービス的な演出が多く、そこはほとんど味わうことができず、
結果的にあまり楽しめなかったという印象になっちゃいました。
上映終了後にロビーや劇場外でファンの人たちがワイワイ盛り上がっていたので、
たぶんファンの人には大満足な作品だったのでしょうが、一見客にはオススメできません。
まぁアニメに限らず、テレビ番組の劇場版なんて元来そういうものですが、
最近は説明過多気味な一見客にも優しい作りの劇場版作品が多いだけに、
ちょっと不満に思っちゃったかな…。
と同時に、観る前から大まかな世界観だけでも掴めていたので、
過去にほんの少しだけでもテレビアニメを見ておいて助かったとも思いました。

本シリーズは魔術と科学(というか超能力)が相容れずに存在するという世界観。
ボクはヒロイック・ファンタジーもサイエンス・フィクションも大好きなので、
そのどちらも内包する1粒で2度おいしい設定に魅力を感じたんですよね。
数年前にたまたま見たのをキッカケに、数週間視聴続けたのですが、
魔術と科学が共存しているというよりは、その使用者がどちらサイドかというだけで、
その境界が曖昧な上に、かなり魔術サイドに偏重した内容だと薄々気付いて、
ちょっと興味が薄らいでしまって、いつの間にか見なくなり…。
でも、その後も何かに付けて本シリーズの話題を見聞きしたし、
テレビアニメ第二期や、科学サイドに偏重したスピンオフもあったみたいで、
プチ社会現象なほどの人気アニメに成長してしまい、
途中で視聴を打ち切ってしまったことを後悔したものです。
それでもDVDレンタルとかしてまで見直そうとは思いませんでしたが、
劇場版が公開されると知って、そこから再び入れたらいいかなと観に行きました。

しかし時すでに遅く、もう取り返しがつかないほど世界観が広がっちゃってますね。
特にキャラクター数がヤバいです。
たった1時間半の上映時間に、どれだけ出るんだってほど、キャラが投下されます。
劇場版として単独で成立させるなら、メインキャラ数人とゲストキャラ中心で展開させ、
キャラクター数はなるべく抑えてもらうとありがたいですが、
ファンサービスのお祭り的演出として、人気サブキャラを沢山登場させるのも、
テレビアニメの劇場版の醍醐味でもあるので、一見客の悩ましいところです。
キャラが増えると本筋とは関係ない無駄な展開が増えてしまい、
1本の物語として弱くなってしまうのは自明の理ですが、本作がまさにそれで、
余分な脇道は多いのに、ちゃんと描くべきところが端折られている印象を受けます。

本作の場合は、メインキャラである上条当麻と禁書目録の2人と、
ゲストの新キャラであるアリサとの友情が中心的な主題で、
そこにアリサを狙う謎の組織のボスであるレディリーとその部下シャトアウラから、
アリサを守るというのが物語の本筋です。
はっきり言えば、科学サイドの御坂とその友達や一方通行、
魔術サイドの3人の魔女っ子とその師匠の出番は、あんなに要らなかったというか、
思い切ってバッサリ落としてしまっても、本筋に影響はなかったと思います。
なのにそこに時間を割く一方で、メイン2人とアリサの友情を育む展開が薄いし、
敵であるレディリーの驚愕の能力や素性が、曖昧なまま投げっ放しになっています。
その辺りの詳細は別の機会に…、とでも考えているのでしょうか?
本作の最重要ポイントであるアリサの素性や能力についても、納得いく説明はなく…。

ネタバレになってしまいますが、アリサの正体はシャトアウラの分身という設定です。
でも上条当麻の魔術も超能力も無効化してしまう能力の影響を受けないので、
彼女の存在は魔術でも超能力の産物でもないことになります。
それなら何なのかってことだけど、「願い」という曖昧な答えで結論付けられ…。
魔術でも超能力でもないなら、(ドッペルゲンガーみたいな)霊的な存在だと思うけど、
何にしても超常的な異能力の産物なのは間違いないので、
異能力なら何かを問わず発動する上条当麻の能力まで効かないというのは、
彼でも無効化できない異能力の存在を示したということになり、
ちゃんと説明しないことには、シリーズの根幹を揺るがしかねない展開だと思います。
アリサ自体が人々の願いから生まれたポジティブな存在であるため、
彼女の歌を聞くと幸せになるという能力を持っていますが、
魔女っ子に襲われた時には叫び声で撃退するという説明のつかない力も見せてます。
脇役を活躍させる間があったら、メインゲストの設定の筋くらいは通すべきです。
…って、アリサってホントにゲストキャラだったのかな?
何だか御坂と面識があるような感じだったけど?
もしかして、来場者特典のプロローグ小説にその経緯でも書いてあるとか?

クライマックスは不死の魔女レディリーの魔術により、地球が危機的状況になりますが、
その状況が回避できたのも、禁書目録が魔術の起動を止めたためなのか、
アリサがシャトアウラと同化した時に発した説明のつかない力のせいなのか、
どちらのお陰かよくわからない曖昧な感じになっているのも釈然としません。
クライマックスでもうひとつ釈然としないというか、後味が悪いと思ったのは、
上条当麻がシャトアウラの顔面を思いっきりグーパンチしたことです。
どんな理由があっても、男が女の子の顔を殴るのはちょっとね…。
別に異能力でガードしていたわけでもないので、ホントにただ殴っただけで、
せっかく直前まで説教でいいことも言ってたのに、結局暴力に訴えるのか、と。
まぁ彼にとって最後に殴るのは、水戸黄門の印籠みたいなものらしいけど…。

あと、本作の舞台の最大の特色である宇宙エレベーター「エンデュミオン」も、
もっと活かしたストーリーにした方がいいと思います。
「エンデュミオン」が作られた真意は「巨大な魔法陣を作るため」でしたが、
表向きの目的である科学サイドの有用性も説明した方がいいでしょう。
あれでは単なる世界一高いコンサートホールですよ。
そのコンサートでアリサが歌う人を幸せにする歌も、
あんなアイドルソングではなく、もっと名曲然とした魅力的な歌にしてほしかったです。
まぁこればかりは狙って出来ることじゃないですが…。
ついでに、無意味に裸のシーンが多すぎてあざとく感じます。

テレビアニメのスペシャル版としてはそれなりだけど、
アニメ映画としてはイマイチでした。

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