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レッド・ライト

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レッド・ライト
Red Lights

2013年2月15日日本公開。
ロドリゴ・コルテス監督が豪華キャストを迎え描くサスペンス。

科学者のマーガレット(シガーニー・ウィーヴァー)とトム( キリアン・マーフィ)は、超常現象の科学的解明の研究に没頭していた。そんなある日、30年前に引退したはずの超能力者サイモン(ロバート・デ・ニーロ)が復帰するというニュースが世間を騒がせる。マーガレットはその昔、サイモンの超能力のうそを暴くため彼に挑んだ経験があり……。(シネマトゥデイより)



う~ん、つまらないってほどでもないけど、ガッカリな作品かも…。
日本ではTOHOシネマズやユナイテッド・シネマなど大型シネコンを中心に、
かなり大規模な上映が行われている本作ですが、
製作国のアメリカでは、最大でも20館に満たない超小規模公開でした。
内容もそれに違(たが)わぬ程度のものだと思います。
普通ならこの程度だとビデオスルーになるはずですが、これほど大規模う公開されるとは、
それだけ本作に出演しているロバート・デ・ニーロやシガニー・ウィーバーが、
日本で人気があるってことなんでしょうね。
でも本作の主人公はキリアン・マーフィで、大御所2人の出番はそれほどないかも…。
特にシガニーなんて中盤で…。

本作は、大物超能力者と超能力に懐疑的な科学者の攻防を描くスリラーです。
監督は傑作シチュエーション・スリラー『[リミット]』のロドリゴ・コルテス監督ですが、
昨年末にも彼の監督作『アパートメント:143』を観たばかりです。
その作品も超常現象を科学で解明しようとする科学チームの物語でしたが、
本作もその設定は似たようなものです。
本作の冒頭で、キリアン・マーフィ演じる主人公バックリー博士と、
その師匠であるシガニー演じるマシスン博士が、
ラップ音やポルターガイストなど、心霊現象で悩んでいる人の家に行き、
そこで交霊会などの様子を科学的に調査するのですが、
まるで『アパートメント:143』そのままの展開だと感じました。
(たぶん『アパートメント:143』は、本作の副産物だったのでしょう。)
ただ違うのは、『アパートメント:143』は低予算のフェイク・ドキュメンタリーで、
本作は豪華キャストでそこそこ金がかかったハリウッド映画ということです。
でも中身は低予算スリラーの前者と大差はありません。
使い古された「実は主人公が…」的なドンデン返しオチのサイコスリラーです。
…あ、もうこれは核心的なネタバレでしたね。
これから観る予定の人には申し訳なかったですが、
ネタバレといっても伏線が露骨なので、いくら鈍い人でも中盤までには気付くはずだし、
オススメできる作品でもないので、この際だからもう観ない方がいいと思いますよ。

この道30年のマシスン博士と若手の助手バークリー博士は、大学で物理学を教える傍ら、
霊能力者や超能力者のインチキを暴き、騙されている人を救う活動をしています。
ボクも超常現象は全く信じていない懐疑論者なので、彼らと同じです。
超能力者や霊能力者は全て詐欺師だと思ってます。
マシスン博士は超常現象を「その大多数は主観による錯覚」と断定し、
超能力者は、自分には力があると思い込んでいるか、
嘘が見破られないと思い込んでいるか、そのどちらかであると考えています。
それは懐疑論者のボクとしても正しいと思うのですが、
彼女たちの超常現象解明のアプローチは、どちらかというと心理学の範疇で、
なんで物理学者なんて設定にしたのかと疑問に思います。
物理学者ならインチキ超能力をもっと物理的に解明してほしかったです。

というか、本作に登場するインチキ超能力者はショボすぎます。
机を足で持ち上げてポルターガイストに見せかける霊能力者や、
ESPカードをメガネの反射で当てる透視能力者など、インチキの方法が陳腐すぎます。
超能力ショーに来た客のプロフィールをピタリと当てる超能力者レオナルドも、
スタッフが事前に調べたプロフィールを無線で彼に教えるだけで、
あんなの今どきメンタリストくらいしかやらない手品ですよ。
もっと想像も出来ないようなトリックを、心理的・物理的に解明するような、
興味深い展開があってもよかったと思いますが、脚本を書いた監督が、
いいトリックのネタを何も思い浮かばなかったんでしょうね。
それにしても、偽超能力者レオナルドはマシスン博士らにインチキが暴かれますが、
詐欺罪で警察に逮捕されてしまいます。
超能力ショーなんてただの見世物なのに、本当に警察が動いたりするんですかね?
もしそういうことがあるなら、金を貰って超能力を見せている超能力者・霊能力者は、
全員詐欺罪で刑務所にブチこまないといけなくなるんじゃないかな?
それともあの場合は詐欺罪じゃなくて霊感商法ってことになるのかな?
超能力者・霊能力者が犯罪者と大差ないというのは同意ですが…。

そんなある日、盲目の伝説的超能力者シルバーが活動再開します。
30年前、シルバーを詐欺師だと批判する記者が変死する事件があり、
「シルバーが超能力で殺したのでは?」と騒ぎになり、彼は引退していました。
デ・ニーロ演じるシルバーは、かなり雰囲気があるし、
「なんだか本物っぽい超能力者が登場した」と思ったのですが、
彼の超能力も、スプーン曲げとか心霊手術とか空中浮遊とか、時代錯誤なものばかりで…。
特に念写ではデジカメでは無理だけど、ポラロイドなら出来るという、
いかにもインチキくさい期待ハズレな霊能力者で…。
それなのに周りからはやたらとチヤホヤされていて、どうも納得できません。
あの程度の手品師なら、ゴマンといます。

ただシルバーは、ひとつだけどうにも説明のつかない超常現象を起こします。
それは彼が触れてもいない舞台照明やモニターが勝手に爆発するという、
エレクトロキネシス的な現象です。
しかし、その現象は実はシルバーが起こしていたものではなく、
バークリー博士が無意識に使っていたサイコキネシスによるものでした。
これが本作のドンデン返しで、懐疑論者である主人公バークリー博士自身が、
実は無自覚の超能力者だったというオチです。
序盤に無意識の超能力に言及するエピソードがあったり、
彼の周辺でテレビやラジオが勝手に消えるなど、頻繁にエレクトロキネシスが起きたりと、
彼が無意識の超能力者であることを示唆する伏線が親切すぎるほど張ってあるので、
終盤で種明かしされても「うん、知ってた」って感じで、
正直もっと意外なオチがあるものだと期待していました。

シルバーもやっぱりインチキ霊能力者でしたが、あの程度のインチキで、
よくも大学の超能力研究センター(SPRC)の超能力実験に協力したものだと…。
2週間も実験しておいて、結局SPRCの実験結果も微妙なものでしたが、
それでもシルバーの超能力の真贋を見極められないなんて、
本作の超能力者もショボイが、科学者連中も相当ショボイです。
その道の権威であるマシスン博士ですら、テレビの超能力討論番組で、
インチキ超能力者に言い負かされて、怒って席を立つ始末です。
日本でもたまに超常現象の討論番組をやっていますが、
超常現象肯定派が優位になるなんてことはまずあり得ないのに…。

監督は本作を撮るために超能力者や懐疑論者について勉強したそうですが、
この内容の浅さでは、その勉強が生きているとは言い難いです。
もっと勉強して出なおした方がいいと思います。
…というか、『アパートメント:143』の方も駄作だったので、
もともと超常現象ネタは向いてないんじゃないのかな?
また『[リミット]』のような、心理的な恐怖を描く作品を撮ってくれたら嬉しいです。

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