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ゴーストライダー2

かなり面白い上に史上3位の超絶ヒット映画『アベンジャーズ』が、
第85回アカデミー賞でたった一部門(視覚効果賞)のノミネートに留まっていることに、
「ふざけるのも大概にしろよ」と思う今日この頃。
オスカー受賞させなくてもいいから、民意を汲み取り作品賞候補にくらいするべきなのに、
アカデミー選考委員の世間ズレは酷すぎますよね。
『アベンジャーズ』を無視したオスカーに何の価値があるのかとも思います。

まぁそれはいいとして、アメコミ映画の大ファンであるボクとしては、
4月26日公開予定の『アベンジャーズ』シリーズ最新作『アイアンマン3』を、
とても楽しみにしていますが、今年それ以上に楽しみなのが、
同じマーベルコミック原作のアメコミ映画『ウルヴァリン:SAMURAI』(9月公開)です。
他にも、今年公開予定(日本未定も含む)のアメコミ映画は、
『マン・オブ・スティール』『キック・アス2』『300 ライズ・オブ・アン・エンパイア』
『RED レッド2』『シン・シティ2』『マイティ・ソー2』など、強力ラインナップですが、
やはり『アベンジャーズ』でアメコミ映画への熱がピークに達してしまったため、
ちょっと燃え尽きちゃった感じは否めません。
今週は『ゴーストライダー2』、来週末は『ジャッジドレッド』が公開され、
2週連続アメコミ映画公開なんて、本来なら大興奮のところですが…。

ということで、アメコミ映画イヤーかもしれない今年一発目のアメコミ映画の感想です。

ゴーストライダー2
Ghost Rider Spirit of Vengeance

2013年2月8日日本公開。
ニコラス・ケイジ主演のアメコミ映画『ゴーストライダー』の続編。

父の命と引き換えに悪魔と契約を交わし、復讐(ふくしゅう)の精霊、ゴーストライダーとなったジョニー・ブレイズ(ニコラス・ケイジ)。ある日、ひっそりと暮らしていたジョニーのもとに僧侶のモロー(イドリス・エルバ)が訪れてきて、悪魔ロアーク(キアラン・ハインズ)が取りつこうと狙う少年をロアークの魔の手から守ってほしいと頼まれる。少年の体に取りつけば、世界を支配するほどの強大な力となってしまうことを知ったジョニーは……。(シネマトゥデイより)



アメリカでは昨年の2月17日に公開されたのに、日本公開まで丸一年も待たされた本作。
いくら無類のアメコミ映画好きのボクでも、そんな長々とお預けを食らうと、
期待が膨らむのを通り越して冷めますよ。
日本公開がこれほど遅れたのは、本作を製作したソニー・ピクチャーズが自社配給せず、
松竹に日本での配給を任せたからだと推測されます。
当時ソニーは『アメイジング・スパイダーマン』に全力投球したかったのでしょうが、
自社制作の映画くらい責任もって配給してほしいです。
特にあの『アベンジャーズ』よりも後に公開になったのは致命的です。
しかも宣伝で「『アベンジャーズ』の枠には決して収まらない」と煽っているけど、
勝ち目なんて全くないのに、わざわざ比較されかねない文句を使うなんて愚行の極みです。
たしかに本作の主人公ゴーストライダーは、同じマーベルのヒーローでも、
アイアンマンたちアベンジャーズのヒーローたちとの絡みは少ないですが、
それって全然売りになってないので、便乗としても成立してません。
便乗するなら、それなりに関係があるスパイダーマンやウルヴァリンに便乗するべきです。
(彼らは臨時のファンタスティック・フォーでチームメイトだったこともあります。)
本作に限らず、単独で『アベンジャーズ』に比肩するアメコミ映画シリーズはないけど…。

公開順で不利を受けたのは否めないものの、内容はそれほど悪くなく、
アメリカ公開当時に観ることが出来ていたら、かなり絶賛したと思います。
アメコミ映画ブームだったのに、全米初登場3位となんだか微妙なスタートでしたが、
大ヒットした前作『ゴーストライダー』を凌ぐ面白い作品だったと思います。
ただ、最終的な興収でも前作の半分以下で、いまいち人気がなかったみたいです。
前作から間が空きすぎたこととか、後に公開になる『アベンジャーズ』の影響とか、
本作がヒットできなかった要因はいろいろ考えられますが、
やはり最大の要因は主演がニコラス・ケイジだったことかな?
ボクは彼も大好きな俳優のひとりですが、どうもアメリカ人は彼に飽きているようで、
彼の昨今の主演作はことごとく不調な成績です。
正直なところ、ボクもゴーストライダーは彼がやるべきじゃないと思っています。
例えば、『シャーロック・ホームズ』でロバート・ダウニーJr.を見ると、
『アイアンマン』のトニー・スタークが過(よぎ)るし、
『レ・ミゼラブル』でヒュー・ジャックマンを見ても、
『Xメン』のウルヴァリンことローガンを思い出してしまいます。
しかしニコラス・ケイジは何をやってもニコラス・ケイジにしか見えません。
俳優として、当たり役を持ってしまうのが良いのか悪いのかわかりませんが、
アメコミヒーローに限っては、当たり役になる確率が非常に高く、
そうあってほしいとも思うので、本人の個性が強すぎるニコラス・ケイジはいまいちかも。
彼は別に『キック・アス』でビッグ・ダディというヒーロー(?)もしており、
そちらの評判がいいため、ゴーストライダーを兼任しても評価されないし、
他の役者(なるべく色が付いていない人)に任せる方がいいはずです。
(まぁ兼任ヒーローではクリス・エヴァンスやライアン・レイノルズの例もあるけど…。)

そんなニコラス・ケイジへの先入観もあってか、客足が遠のいたと思われる本作ですが、
いざ観てみると、彼の演技も前作を超えるなかなか素晴らしいものでした。
彼が演じる主人公ジョニー・ブレイズは、ゴーストライダーになると、
顔面が燃え上がり骸骨だけになるため、顔は全てCGになってしまうのですが、
本作は前作と違い、ゴーストライダー状態の時もスタントを使わずに彼自身が演じます。
見た目的にはスタントを使っても同じなのに、彼の本作にかける意気込みが伝わり、
同じアメコミ・ヒーロー好きとしては嬉しく思います。
見た目は同じでも当然演技は違いますが、今回のゴーストライダーは動きも独特です。
体を揺らしながら襲ってくる様は、化け物染みていてとても印象的でしたが、
それも彼のアイディアだったそうです。(なんでもコブラを真似たとか…。)
あと、ジョニーがゴーストライダーに変身するところも見応えがあり、
本作のゴーストライダーはジョニーの別人格なのですが、
人格が入れ替わる時に精神も外観も狂気的になる演技がとても素晴らしかったです。

本作は2007年公開の映画『ゴーストライダー』の続編ではあるものの、
原題は『Ghost Rider: Spirit of Vengeance』でナンバリングタイトルではありません。
監督自身、「ニコラス・ケイジ主演以外は別物」と語っていますが、
確かに前作から大きく設定が変更されています。
製作も『パニッシャー・ウォーゾーン』以来となるマーベルの大人向けスタジオ
「マーベル・ナイト」が手掛けており、前作とはかなり趣向が違います。
それなら、この際いっそのこと主演も変えてリブートしちゃえばいいと思うのですが、
なぜか主演だけ残して他を全て変えてしまいました。
まぁ主演を変えず事実上の続編としたことで、興行的にはマイナスだったとは思うけど、
ニコラス・ケイジは頑張ってくれたので、作品は悪くなかったですが、
正直、もっとダークな大人向けになると期待していたので、
他のアメコミ映画と大差ない展開だったことは残念でした。

監督はDCコミックの西部劇アメコミ映画『ジョナ・ヘックス』の脚本家でもありますが、
西部劇出身のゴーストライダーを手掛けることになったのは、何か因縁を感じるも、
正直『ジョナ・ヘックス』は駄作だったので、本作もストーリーは期待してませんが、
ここまで凡庸な内容になるとは予想外でした。
本作を簡単に要約すれば、悪の手から少年ダニーを守るという、
『ターミネーター2』のような王道中の王道の物語です。
前作は魔王メフィストの執行者として、罪人の魂を吸い取ったり、
反乱した魔王の息子ブラックハートを粛清したりと、
悪人や悪魔と戦うヒーローであることは変わりないのですが、
どちらかと言えば魔王の手下だし、悪魔サイドなので、ダークヒーローでしたが、
本作では少年を魔王の魔の手から守る、列記とした正義のヒーローです。
父の病を治すため魔王との契約で悪魔ザラソスを憑依させられ、
魔王の代理人ゴーストライダーになったジョニーは、
別人格であるゴーストライダーに変身すると、誰であろうと見境なく襲ってしまうという、
ハルクのような設定になりましたが、それもあまり活かされる展開はありません。
もっと少年ダニーやその母ナディアを殺しかけたり、一般人に迷惑をかけたりするような、
ダークヒーロー然とした危険人物的な描写がほしかったです。
そもそも憑依した悪魔ザラソスは、もともと正義の精霊ですが、
魔王に騙され堕天して復讐の精霊、つまり悪魔になってしまいました。
しかし正気は失っても元は天使で、本作ではその設定が強調されており、
ザラソスも魔王の手下ではなく、魔王と敵対する堕天使なわけです。

魔王も本作ではメフィストとは一切名乗らず、ロアークと称されます。
それにより前作のメフィストとは別人であるとしているのかもしれません。
ロアークは老紳士の姿をしていますが、それは人間界での仮の姿で、
そのままでは大した魔力を使えないため、人間を契約で悪魔にして手下にします。
ゴーストライダーもその契約で誕生しますが、なぜかロアークの支配は受けてませんね。
ロアークが少年ダニーを狙うのは、ダニーが悪魔の子であり、
その子に憑依することで、地上でも自由に魔力が使えるようになるからです。
ダニーの母ナディアは、以前死にかけた時に命と引き換えにロアークと契約し、
魔王の子を宿してしまいますが、それによって生まれたのがダニーです。
ダニーは原作では二代目ゴーストライダーなんですよね。
本作での登場は、今後の展開を見据えての伏線という噂もありますが、
やっぱりゴーストライダーは、ジョニー・ブレイズがいいです。

ロアークが憑依できるのは、ダニーが13歳の冬至の日だけなので、
それまでダニーをロアークの手から守り切れば、それを防ぐことが出来ます。
そのため、ロアークを危険視するメソディウス率いる秘密修道会は、
戦う黒人神父モローを派遣し、ダニーを保護しようとします。
モローはダニーを捜すため、悪魔の気配を感じることが出来るジョニーに捜索を依頼し、
ジョニーは修道会で悪魔ザラソスの呪いを解くという条件で引き受けます。
モローはたぶん映画オリジナルキャラですが、なかなかカッコいいです。
ゴーストライダーのサイドキックとしてもっと活躍してほしかったですが、
けっこうあっけなく、ロアークの手下であるキャリガンに殺されます。
ロアークは魔王ですが人間界だと自分では何もできないので、
本作の主要なヴィランは、ロアークの代理人である悪魔キャリガンです。
キャリガンは触れるものが全て朽ち果てるというなかなか恐ろしい能力を持った悪魔で、
人間を触れば相手があっという間に腐ってしまうわけですが、
パンを食べたいと思っても、触った途端にパンも腐って食べられなくなるという、
ちょっとマヌケなところもある面白いヴィランです。
キャリガンは修道会に乗り込み、ダニーを奪い去りますが、
ダニーを修道会は悪魔の子(魔王の器)として殺すつもりだったので、
結果的にはゴーストライダー以上にダニーの命の恩人でしたね。
(修道会の隠れ家は安全な聖域のはずなのに、なぜ易々と悪魔が入れるのか…?)
原作のモデルはブラックアウトというヴィランだそうですが、作中で明言はされないし、
能力も違うので、髪も顔も白いという容姿以外は全く別物みたいです。

ジョニーはダニーを修道会に引き渡し、約束通り呪いを解いてもらい、
制御不能なゴーストライダーにならずに済むようになります。
しかしその後ダニーが攫われ、ダニーを助けるため再びゴーストライダーになります。
なんとも在り来たりな展開ですが、せっかく忌まわしい呪いが解けたのに、
「ダニーを守ると約束したから」なんて青臭い理由で自ら呪いを受け直すなんて…。
そこに整合性を持たすためには、もう少しダニーとの関係を深く描いておくべきでした。
ダニーとの交流は「小便火炎放射」の話くらいしかしてない気がするので、
2人の絆が全然伝わらないです。
まぁダニーを見捨てれば、ロアークが世界を滅ぼす魔力を手に入れてしまうので、
助けに行かないとどの道破滅してしまうわけですが…。

そんな物語的には少々弱い本作ですが、映像的にはかなり素晴らしいです。
ゴーストライダーの外観もかなり洗練され、前作よりもカッコよくなってます。
(もちろんニコラス・ケイジ発案の演技のお陰でもありますね。)
彼の愛車ヘルバイクも、ヤマハVMAXが使用されており、なかなかカッコいいですが、
正直、前作のギーガー風に変形するアメリカンバイクも捨てがたかったかな?
何にしても、ライダーを名乗りながらもバイクはお飾り状態の我が国のヒーローと違い、
ちゃんとバイクも大活躍するのが楽しいです。
本作で活躍する乗り物はバイクだけではありません。
ゴーストライダーが乗れば、どんな乗り物もヘルファイヤで武装されますが、
本作ではBagger288という超大型建設重機にも搭乗します。
バケットホイールエクスカベーターという種類の重機らしいですが、
その名の通りアームの先端に掘削用の巨大でイカツイ車輪が付いていて、
そこがヘルバイクのタイヤのように炎で包まれるという、
まさにゴーストライダーのために作られたような乗り物で、とても面白かったです。
その時の敵が、その重機に見合うほどの相手ではなかったため、
大暴れもそこそこに、すぐに降りちゃったのは残念でしたが…。

はっきり言って、ゴーストライダーは強すぎ、不死身すぎます。
拳銃なんて全く効かないし、マシンガンの弾を口で受け止めて、吐き返すなんて芸当も…。
FGM-148とかいう、なんかヤバそうなバズーカでも無傷で、
人間の悪者では手に負える相手ではないです。
(でもなぜかスラッグ弾だけは有効のようです。)
それは悪魔相手でも同じで、正直キャリガン程度では束になっても敵わないでしょう。
面白いヴィランではあるものの、もっと強力な相手の方が盛り上がったはずです。
まぁ本作の真のヴィランは、内なる悪魔ザラソスなのかもしれないけど…。

ゴーストライダーにより魔王は地獄に叩き落とされたものの、その安否は不明だし、
二代目ゴーストライダーであるダニーの伏線もあるので、続編の可能性もあり、
監督やニコラス・ケイジも乗り気のようだけど、
正直この興行成績ではかなり微妙かもしれませんね…。
ソニー・ピクチャーズも日本配給を放棄するくらいだし、
『ゴーストライダー』シリーズの映画化権もディズニーに返上して、
続編ではなくリブートしてもらった方がいいようにも思います。
このまま続編を製作しても、ザラソスも天使に戻って力を制御できるようになったし、
ダークヒーローとして魅力的なゴーストライダーを描けないことは明白です。
ただ、アメコミ映画ファンとしては、このまま二度と映画化されないのは悲しいので、
単独では難しくても、クロスオーバーででも登場してほしいです。
(というかクロスオーバーの方がいいです。)

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