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アウトロー

トム・クルーズ主演の『アウトロー』を観に行った時の上映前の新作紹介で、
ブラッド・ピット主演の『ジャッキー・コーガン』の予告編があったのですが、
その中でブラピ演じる主人公ジャッキー・コーガンのセリフに合わせて、
「『アウトロー』観に来たんだろ?俺の前売券も買って帰れよ。」みたいな
フェイク字幕スーパーが流され、とても面白い予告編だと思いました。
当然このバージョンは『アウトロー』の上映前にしか流れないのでレアな印象も受けるし、
製作会社も配給会社も違うのにコラボというか便乗というか粋な演出で、
『ジャッキー・コーガン』にも俄然興味が湧きました。
こんな予告編があるなら、退屈にも思える新作紹介も楽しくなりますね。
でもムビチケ(1400円)しか売ってなかったので、前売券は買って帰りませんでした。
どこかで通常の前売券(1300円)を買って観に行くつもりです。

ということで、今日は上映前から楽しめた『アウトロー』の感想です。

アウトロー
Jack Reacher

2013年2月1日日本公開。
トム・クルーズ主演のアクションサスペンス。

真昼のピッツバーグ郊外で無差別に6発の銃弾が撃ち込まれ、5名が命を落とすという事件が発生。警察は事件発生後1時間という早さで、元軍人で腕利きスナイパーだったジェームズ(ジョセフ・シコラ)を容疑者として拘束する。だが彼は容疑を全面否認し、かつて軍の内部で一目置かれていたジャック(トム・クルーズ)への連絡を求める。(シネマトゥデイより)



トム・クルーズを主演に、英作家リー・チャイルドによるベストセラー小説、
「ジャック・リーチャー」シリーズの1冊『One Shot』を原作にした本作。
映画も当然シリーズ化を目論んでいたと思うけど、期待ほどヒットしなかったみたいです。
全米初登場2位ではありますが、観客のウケもイマイチでした。
ボクは本作自体はなかなか面白いと思いましたが、シリーズ化を望むかと問われたら…。
はっきり言って、齢五十のトム・クルーズを主演に、
今からアクション映画の新シリーズを立ち上げるのはどうかと思います。
いくら彼が恐るべき若作りだとは言え、アクション俳優としてのピークは超えてるし、
三十路半ばくらいの役柄は、今回はこなせても数年で難しくなるはずです。
彼は本作の製作にもかかわっているし、原作者のチャイルドも彼になら任せられると、
映画化を許可したみたいですが、製作するのが5年遅かった気がします。
パラマウントもトム・クルーズ主演のアクション映画
『ミッション:インポッシブル』シリーズが続行中なんだから、
同じような新シリーズを立ち上げるべきではなかったです。
二匹目のドジョウを狙ったのかもしれませんが、
本作の興行成績は『ミッション:インポッシブル ゴースト・プロトコル』の3分の1です。
続編を示唆する終わり方ではあったものの、この結果ではシリーズ化は無さそうかも…?

同じようなアクション映画シリーズとはいえ、『ミッション:インポッシブル』シリーズで
トム・クルーズが演じる凄腕諜報員イーサン・ハントと本作のジャック・リーチャーでは、
(当たり前ですが)キャラ設定がかなり違います。
本作は作風もハードボイルドで、主人公リーチャーはかなりストイックな性格で、
ヒロインとのロマンスシーンすらない硬派なキャラで、男臭いけど好印象でした。
身体能力はかなり高いけど頭脳も明晰で、アクションだけではなく推理も見せます。
ただ、そんなキャラがトム・クルーズに相応しいかと言えばちょっと微妙で、
もうちょっとユーモアがあり、可愛げのあるキャラの方が彼向きじゃないかな?

「アウトロー」なんて邦題が付いていますが、リーチャーはいわゆる無法者ではないです。
リーチャーは街から街へと流浪する一匹狼で、陸軍退役後の記録が一切なく、
法的に存在がゴースト(確認できない)というだけで、基本的には紳士的だし理性的で、
目的のためには反社会的な行為も厭わないようなアンチヒーローでもありません。
「アウトロー」というよりも「アウトサイダー」って感じで、
内容を誤認させるし、あまりカッコよくない邦題だと思います。

ピッツバーグの川の畔で、5人の男女が無差別に狙撃される事件が発生し、
この現場の痕跡から、元陸軍の狙撃手ジェームズ・バーが逮捕されます。
しかしバーは否認し、謎の人物ジャック・リーチャーを呼ぶように検事に要求。
その無差別狙撃事件を知ったリーチャーは、自ら検事の元に現れ、
その時出会ったバーの弁護人の女性ヘレンに、成り行きで協力することになります。
つまりリーチャーは事実上バーを弁護する側に回るわけですが、
その反面、彼はバーがイラクで4人の男を無差別に狙撃した危険人物で、
そんな奴を弁護してどうなるのかとヘレンに問います。
この物語のポイントは「本当にバーは無差別狙撃事件の犯人なのか?」ですよね。
なのに冒頭の事件シーンでは、狙撃手の顔が丸わかりな演出となっており、
バーが犯人ではないことが明確に示されてしまっているのです。
どんな意図なのかはわからないけど、答えのわかり切ったサスペンスなんてダメでしょ。
せめて中盤まで真犯人の正体を伏せておけば骨太なサスペンスとして楽しめたのに、
サスペンス要素を潰してしまっては、単なるアクション映画になってしまいます。
これではせっかくのリーチャーの推理力にも感心できないし、
むしろバーを弁護することの無意味さをヘレンに説くところなんて、
真相を知っている観客からすればマヌケに思えるかもしれません。
まぁ一応、真犯人に意外な共犯者がいたりとか、
若干のサスペンス要素も残ってますが…。

ちなみに冒頭で小学生を抱いた女学生が狙撃される本作ですが、
プレミア上映の前日に、サンディフック小学校の無差別銃乱射事件が発生し、
プレミア上映は延期されることになったみたいです。
その1週間後開始された本公開はさすがに延期されませんでしたが、
事件発生が公開日直前じゃなければ、本公開も延期されていたかもしれませんね。
間が悪いというかタイムリーというか、興行にも影響があったんじゃないかな?
犯行動機に映画の影響が指摘されたりして、映画ファンとしては否定したいところですが、
『ダークナイト』のジョーカーを真似た銃乱射事件なんかもあったし、
「絶対に影響は無い」とは言い切れないところです。
まぁ99.99…%の観客は、どんな残虐映画を観ても殺人衝動なんて湧きませんが、
どんなものにも型に嵌らない「アウトロー」はいるものなので、
すぐ映画を悪者にするのではなく、例外は例外として、正しく認識することが大切です。
なお本作の無差別狙撃事件は、本当の標的1人を隠蔽するために、
他の4人を巻き添えにしたもので、厳密には無差別殺人ではありません。
動機は悪徳ビジネスマンの商売敵粛清で、そんな理由で巻き添えに遭った犠牲者は、
異常者による無差別殺人と同じくらい理不尽かも…。

サスペンスとしては残念な演出だったものの、アクションはなかなかで、
『ミッション:インポッシブル』のようなド派手なものではありませんが、
カーアクションあり、殴り合いあり、ドンパチありで楽しめました。
殴り合いではリーチャーはコマンドサンボのような闘い方で見応えがありましたが、
贅沢を言えばカーアクションが暗くて見え辛かったので、夜はやめてほしかったかな?
単なるアウトローではないリーチャーは、好き好んで殺人したりしませんが、
ラストで黒幕にやったことだけは、無法者らしい不法行為でしたね。
まぁカーチェイスとかも完全な道交法違反だけど…。

ちょっと演出などに難はあったものの、なかなか楽しめるハードボイルド映画でした。

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