ブログデンティティー

blog-dentity since 2013

バーニング・ブライト

今日書く映画の感想記事が、今年に入ってから観た映画の10本目です。
今年の映画初めが11日だったから、一日一本ペースで映画を観に行っていることに…。
昨年は自己最多の年間200本鑑賞して、ちょっとやりすぎたと反省したので、
今年は少し控えめにしようと思っていたのに、現時点では昨年を上回るハイペースです。
(去年の10本目は2月に入ってからでした。)
それもこれもシネ・リーブルで「未体験ゾーンの映画たち」が開催されているからです。
1月12日から2月1日までの間に、映画を18本も固めて上映されたら、
観る本数が増えてしまうのは当たり前です。
なので来月以降は、ちょっと本数を抑えることが出来るかなと思います。
すでに一般公開作では、『東京家族』や『鈴木先生』など観るのをやめてるし。

ということで、今日は「未体験ゾーンの映画たち」4本目(実質5本目)の感想です。

バーニング・ブライト
Burning Bright

2013年2月23日日本公開。
ブリアナ・エビガン主演のシチュエーション・スリラー。

ケリー(ブリアナ・エヴィガン)は、母を亡くしてからずっと、1人で自閉症の弟トム(チャーリー・ターハン)の面倒を見ながら暮らしてきた。大学進学が決まり、弟を施設に預けることにしたケリーだったが、母が銀行に残していた預金は、一儲けを企む義父のジョニー(ギャレット・ディラハント)がすべて使い込んでいた。その金で手に入れたのは、1頭のシベリアン・タイガー。だが、ジョニーはトラの入った檻を家の中に放置したまま外出してしまう。その夜、ケリーが目を覚ますと、目の前に飢えた獰猛なトラが……。超大型ハリケーン接近に備えて、外側から完全に窓や扉を塞がれ、密室と化した家の中で、ケリーと弟は果たして生き残ることができるのか……?(KINENOTEより)



これまでに観た実質5本の「未体験ゾーンの映画たち」上映作の中では、
話題性も薄く、お客さんも少ない作品でしたが、最も面白かったです。
いや、「未体験ゾーン」作品に限らず、今年観た10本の中では暫定一位かも。
大ヒット中の『テッド』も面白かったけど、本作には僅かに及ばない気がします。
本作はライオンズゲート配給によるハリウッド映画ですが、
おそらくアメリカでもロクに劇場上映されなかった作品だと思うけど、
よくぞそんな隠れた佳作を発掘して、日本で劇場上映してくれたものだと、
「未体験ゾーンの映画祭」および買い付け会社に感謝です。

まぁ本作を買い付けてこの時期に公開した理由は概ね想像できますよね。
本作は密室にトラと一緒に閉じ込められた姉弟の恐怖を描いた作品ですが、
小舟でトラと一緒に漂流することになる少年の運命を描いた今週末公開の超大作
『ライフ・オブ・パイ』に便乗する形で公開が決まったのではないかと思います。
『ライフ・オブ・パイ』はまだ観ていないので内容はわかりませんが、
予告編などから察するに、きっとトラと共生する話だと思われます。
その予告編だけでも大きいネコみたいで可愛さすら感じてしまうトラですが、
本来のトラはそんな生易しいものではなく、獰猛な肉食獣です。
たしか日本でも5~8年ほど前に、関西のどこかの動物園で、
トラが人間を殺傷した事故がありましたが、そんなトラの獰猛性を描いたのが本作です。
(ちょっと極端に獰猛すぎるとは思いますが。)
『ライフ・オブ・パイ』は宣伝が下手な(ネタバレが酷い)せいで、
観客は端からトラを怖いと思わないから、あまり緊張感がなさそうですが、
本作を観てトラ本来の恐怖を味わってから『ライフ・オブ・パイ』を観ると、
ちょっとだけ緊張感が増すかもしれませんね。
本作はアムールトラ、『ライフ・オブ・パイ』はベンガルトラなので、
トラ自体の印象も少し違うかもしれませんが…。

前述のように、本作はある姉弟が密室でトラと一緒に閉じ込められるという、
なかなかあり得そうもないシチュエーションの動物パニック映画ですが、
どうすればアメリカの一軒家で、そんな状況になるのか、まずその経緯が気になりました。
ある日、その姉弟の継父が自宅でサファリ・パークを経営しようと考え、
あるサーカスからトラを購入します。
そのトラはサーカスの馬を食い殺し、サーカスから厄介払いされた猛獣です。
2週間もエサを与えられておらず、かなり空腹状態で危険度アップです。
あぁ、そのトラが逃げ出して、姉弟の住む自宅に入ってきちゃうのか、
…と思ったのですがそうではなく、継父により人為的に家の中に解き放たれるのです。
この姉弟の母親はすでに亡くなっており、彼女の再婚相手である継父は、
勝手に姉弟に生命保険をかけて、トラに殺される事故死を演出し、
保険金を受け取ろうと計画し、それを実行したのです。

この継父の行動は、ちょっと無理がある気がしますね。
ちょうど大型ハリケーンが来ていて、外は暴風雨だったので、
窓や扉を板張りして密室が作られても違和感はないけど、
そんなに都合よく自然現象を利用して計画を立てるなんて出来るかな?
絶滅危惧種であるアムールトラなんて、購入費用も10万ドルは下らないだろうし、
保険金狙いの事故死に見せかけるにしても、お金がかかりすぎる計画です。
おそらく彼はトラを買う方便で、端からサファリなんて作るつもりはなさそうですが、
その割には他にも(肉食を含む)動物を数体購入しています。
そんなにお金があるなら、保険金殺人なんてしなくてもよさそうだし、
こんな嘘臭い状況では、査定の厳しいアメリカの保険会社が保険金を降ろすかどうか…。

それに第一に、動物任せなんて成功率が低すぎます。
ワンルームなら絶体絶命ですが、姉弟の自宅は2階建てのそこそこ広い一軒家なので、
たぶん自室に閉じこもっているだけで、一晩くらいはやり過ごせますよね。
ただ姉ケリーだけなら、隠れることも逃げることも容易かったでしょうが、
幼い弟トムが自閉症で、全く彼女の言うことも聞かず、騒いだり家中を徘徊したりします。
そんなトムをトラから守るために、彼女は危険を冒すことになるのですが、
彼女の気も知らないで弟は好き勝手に振る舞い、次々と危険を呼び込みます。
彼女にとってはまさに「前門のトラ、後門のトム」の板挟み状態です。
いや、むしろトラの方がまだ与し易いかもしれないくらいです。
自閉症というデリケートな設定なので、ちょっと書くのは憚られますが、
正直こんな鬱陶しいガキはさっさと見捨てて逃げればいいのにと思いました。
ケリーも弟の世話をするために、人生設計がかなり狂っていて、
弟を窒息死させる夢を見たりだとか、トラ云々は関係なくても、
内心では弟の死を望んでいる描写もありました。
それでも放っておけないのが姉弟の愛憎なのかもしれませんが、その描写のせいで、
ケリーの弟トムに対する真意がボヤケ、本当に助けたいのかどうかわからなくなったのは、
(興味深いものの)ちょっと演出としてマイナスだったのではないかと思います。
それに無事2人で脱出できたとしても、弟がいる限りケリーの不遇は続くので、
完全なハッピーエンドとは思えないような気がします。

ここまでは少々否定的なことを書いてしまいましたが、
本作の何が今年最もよかったかと言えば、やっぱりトラです。
おそらくCGなどではなく本物のトラを使用していると思いますが、
その迫力が半端なく、下手な幽霊や殺人鬼のホラーよりも手に汗握ります。
洗濯物シューターに隠れるケリーを、下から見上げたトラの眼光にはゾッとしました。
ベッドの下やクローゼットの隙間から見えるトラの姿も、緊張感ありドキドキです。
ただ、撮影の安全面を考慮してなのか、トラと出演者がワンフレームに収まるシーンは
ほとんどなかったのは残念だったかな…。
ケリーのトラに対する対処法の数々もなかなかリアルでした。
丸めた挽肉に睡眠薬を混入させたり、香水を床にまいて撹乱したり、松明で牽制したりと、
「こうすればいいのに」と思うタイミングでちゃんとしてくれるので気持ちいいです。
ただどれも思ったほどの効果は得られませんでしたが…。
ピストルで撃たれても全く怯まないってのは、ちょっと変かな?

そのケリーを演じるブリアナ・エビガンですが、ボクはたぶん初めて見る女優でしたが、
とても綺麗で魅力的な子だと思いました。
キャミソールにショートパンツのセクシーな部屋着でトラと戦いますが、
汗ばんだ肌の感じや、カメラアングルがちょっとエロくてよかったです。
一度単身脱出に成功し、暴風雨の中に飛び出すのでずぶ濡れになるのですが、
その後の透けたキャミもセクシーでした。
終盤でなぜか突然デニムを履いちゃうのはちょっと残念でしたが、
脱出しても部屋着のままで外に出るのは恥ずかしいと思ったのかな?

「未体験ゾーンの映画たち」の上映ラインナップは、正直打率5割を切る感じですが、
本作のような三塁打くらいの作品があるなら、あと何本か観てみる価値はあります。

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://blrpn.blog.fc2.com/tb.php/937-7fbb34fe
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

FC2Ad