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バーニング・クロス

またテアトル系映画館で行われる特集上映「未体験ゾーンの映画たち」の話です。
この特集上映は「ヒューマントラストシネマ渋谷」と「シネ・リーブル梅田」の、
テアトル系映画館2館でのみ催されるようですが、
関西在住のボクは、梅田の方に観に行くことになります。
短い期間中に20作品も上映する企画なので、上映スケジュールがややこしいです。
なので、ふと渋谷の方はどんなスケジュールで上映されているのか気になったので、
劇場のサイトで調べてみたのですが、なんだか梅田以上にややこしいですね。
梅田は1月12日から本上映ですが、渋谷は12日から18日までは先行上映で、
全作品を一週間で一通り上映しちゃうみたいですね。
今日感想を書く『バーニング・クロス』は、梅田では12日から公開開始ですが、
映画サイトの公開スケジュールでは「2013年2月16日公開」となっており、
珍しく関西の方が公開が早いのかと喜んだけど、渋谷でも13日に先行上映があるので、
梅田はたったの1日早いだけみたいです。(渋谷の本上映が2月16日。)
まぁ毎度「全国順次公開」の苦汁を嘗め続けてきた地方在住者としては、
たった一日とはいえ東京を出し抜いたのは、ちょっと嬉しいかも。
「全国順次公開」なんて地域差別は、早くなくなってほしいものです。

ということで、今日は関西で日本最速公開された映画の感想です。
ボクが鑑賞したのは東京での先行公開よりも後でしたが…。

バーニング・クロス
Alex Cross

2013年2月16日日本公開。
タイラー・ペリー主演のアクション・サスペンス。

ワシントン市警刑事部長のアレックス(タイラー・ペリー)は犯罪心理学の専門家。連続殺人鬼サリバンを逮捕するために、得意のプロファイリングで捜査を進めてゆくが、真実を知り過ぎたアレックス自身と彼の家族にも危険が迫る……。(KINENOTEより)



なんだかかなり珍しい体験をした気がしました。

本作は全米初登場5位の作品なので、順位的には順当に日本公開されてもおかしくないです。
でもボクは本作は絶対に劇場公開もDVDリリースもされないだろうと思ってました。
なぜなら本作は、タイラー・ペリーの主演作だからです。
彼はかなり多作な俳優であり監督で、「エンタメ界で最も稼ぐ男」と言われるほど人気で、
彼の作品は全米ボックスオフィス上位の常連なのですが、全く日本では人気がなく、
彼の主演作は近年だけでも『Madea Goes to Jail』(全米初登場1位)、
『I Can Do Bad All By Myself』(同1位)、『Madea's Big Happy Family』(同2位)、
『Why Did I Get Married Too?』(同2位)、『Good Deeds』(同2位)、
『Madea's Witness Protection』(同4位)と全米ヒット作だらけですが、
それらは日本では劇場公開はおろかDVDリリースもされていません。
ハリウッド映画ファンとして、全米トップ10くらいは観ておきたいボクとしては残念です。
日本でタイラー・ペリーを観れたのは『スター・トレック』の脇役以来じゃないかな?

なぜ彼が日本で人気がないかと言えば、たぶん黒人だからでしょうね。
黒人主演映画は沢山あるけど、日本で劇場公開されるのは、
せいぜいウィル・スミスかデンゼル・ワシントンの主演作くらいじゃないかな?
ボクも去年133本の実写外国映画を観ましたが、黒人主演作は『MIB3』のみでした。
それはボクが黒人が嫌いなわけではなくて、配給会社が黒人映画を避けているのでしょう。
日本人はなんだかんだで白人に憧れがあるし、白人が好きですからね。
黒人映画がヒットしないであろうことは目に見えていますから、
配給会社が黒人映画を配給してくれないことを差別だ何だいう気はないですが、
せめてDVDスルーくらいはしてくれてもいいんじゃないかと思います。

そんな風潮の中で、かなり珍しく日本劇場公開されることになった本作ですが、
やはり全国ロードショーというわけにもいかず、特別上映企画の1本での上映です。
(そこで上映されたからには近々DVDリリースもされるでしょう。)
しかもその宣伝も、タイラー・ペリーの主演作というよりは、
敵キャラを演じるマシュー・フォックスや、チョイ役のジャン・レノの出演を
大々的にアピールしているような感じです。
ここまでくると日本でのタイラー・ペリーの人気の無さは筋金入りだと思いますが、
この邦題にしてもそうで、原題は『アレックス・クロス』で、
タイラー・ペリー演じる主人公の名前をそのまま付けたタイトルなのに、
「主人公の黒人の名前なんてタイトルでは客が入らない」とばかりに、
「バーニング・クロス」なんて意味不明な邦題にされてしまっています。
邦題を直訳すると「十字架を焼く」、…てっきり宗教絡みの物語かと思いましたよ。
それに同じ特集上映作品の中に似たタイトルの作品『バーニング・ブライト』があり、
内容にそぐわない上に、ちょっとややこしい邦題だと思います。

そもそも黒人映画が人気がないのは、日本だけのことではなく、
本国アメリカだって、黒人の観客を動員しているからヒットするだけです。
というのも黒人映画の多くは、やっぱり黒人の観客向けに作られているので、
黒人以外にはあまりウケないのも仕方がないです。
本作は白人監督の作品なので、タイラー・ペリーの監督作に比べれば一般向けだけど、
それでもタイラー・ペリーを主演に据える以上は黒人の動員を意識するだろうし、
本作も少なからず黒人に偏向した内容となっている気がします。

まず敵キャラはほぼ白人です。
マシュー・フォックス演じる殺し屋はもちろん、彼の雇主である黒幕も白人です。
その黒幕の手下にひとりだけ白人ではない情婦がいますが、彼女は台湾人です。
タイラー・ペリー演じる主人公アレックス・クロスはデトロイトの刑事で、
白人の刑事トミーとコンビを組んでいるのですが、このトミーが全く役立たずで、
殺し屋から要人を警護する任務の時は、部屋に閉じ込められて動けなくなるし、
大事なクライマックスを前にして交通事故で戦線離脱します。
はじめは黒人と白人の刑事コンビの活躍を描いたバディ・ムービーかと思ったけど、
結局、推理もドンパチもアレックスがひとりでやっているような状態で、
完全にタイラー・ペリーありきの作品となっています。
タイラー・ペリーの作品に触れる機会がない環境に置かれているボクも、
彼に対する思い入れは湧きようもないので、彼ひとりが活躍するような作品では、
あまり楽しめないと思われるのですが、本作は十分に楽しめました。
それは敵の殺し屋がかなり魅力的なキャラクターだったからです。

その殺し屋はかなりサディスティックな男で、
ターゲットに「TTX」という毒薬を投与し、無意味に拷問して殺します。
「TTX」を投与されると24時間で絶命するのですが、
それまでの間は意識はあり痛みは感じるのに体の自由は利かなくなる毒薬です。
彼は薬を投与した相手の指を一本一本切り落としたりして、
激痛に苦しむのを見て性的興奮を覚えるド変態です。
絵を書くのも好きなようで、事件現場にピカソを模した絵を残したり、
妻が殺されて葬式で意気消沈しているアレックスをデッサンして遊びます。
かなりの変人ですが、細身ながら腕っ節もかなりのもので、
地下闘技場の金網デスマッチに飛び入り参加し、屈強な対戦相手を半殺しにします。
それは対戦相手から顔を殴られたことでブチキレたからですが、
どうやら他人から攻撃を受けるのはプライドが許さないようで、
アレックスたちからの銃撃で負傷した彼は、殺しの依頼なんかそっちのけで、
アレックスたちの愛する人を殺したりと、陰湿な嫌がらせを行います。
要人暗殺の手段も無茶苦茶だけど緻密で、走行中の電車をジャックし、
車内から要人めがけてロケットランチャーを発射するなど、常軌を逸しています。
かなりのサイコ野郎で、手強く何とも面白い敵キャラです。
でも、そんな彼の最期は普通すぎるかな…。
ただの刑事にすぎないアレックスに徒手空拳で負けるなんて…。

敵キャラである殺し屋の魅力で、なかなか楽しませてもらった本作。
すでに続編の企画もあるそうですが、その殺し屋も死んでしまった今、
単なるアレックスのその後の話だとしたら、続編に魅力は感じないかも…。
まぁ期待しようがしまいが、まず日本で公開されるのかが問題ですよね。

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