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地球、最後の男

シネ・リーブル梅田で、第二回「未体験ゾーンの映画たち」が始まりました。
これは、海外では評価が高い話題作なのに、日本では劇場公開されにくい映画の数々を、
期間限定で一気に上映してしまおうという特集上映です。
第一回では『タッカーとデイル』『キリング・フィールズ』など17本が上映されましたが、
ボクはいろいろな都合で観に行けませんでした。
後に上映作のいくつかをDVDで見ると、とても面白いものが多く、
上映中に観に行けなかったことが悔やまれたので、
今回はなるべく観に行こうと思っています。

第二回では20本が上映され、韓流映画『蜜の味』以外の19本は面白そうですが、
上映期間が短いので、全部を観に行くのはとても無理で…。
第一週目でも、6本もの作品が1日1回だけ上映されますが、
なかなかスケジュールを合わせることが難しく、6本中2本しか観れません。
全期間中でも6本~8本くらい観れたらいい方かな?

ということで、今日はその特集上映の1本目の感想です。

地球、最後の男
Love.jpg

2013年1月19日日本公開。
特集上映"未体験ゾーンの映画たち2013"の1本として劇場公開されたSFミステリー。

地球との交信が途絶えた国際宇宙ステーションに1人で取り残された宇宙飛行士(ガンナー・ライト)の運命は……?人類はどこから来て、どこに行くのか?人を組成する要素とは?など、大胆な解釈で哲学的題材に挑む。



前述のように、第二回「未体験ゾーンの映画たち」の上映作の中で、
一番最初に観に行けた作品で、かなり期待もしていたのですが、
う~ん…、つまらなくはない気がするけど、ちょっと難解な作品で、
ちゃんと楽しめたとは言いにくいかな。
アメリカの人気パンクバンド「ブリンク182」のトム・デロング率いるロックバンド
「エンジェルズ・アンド・エアウェーブズ」がプロデュースを手がけた作品で、
パンクすぎて理解に苦しむ展開や演出が多いです。
哲学的でオルタナティブで、いわゆるアート映画の系統に属する作品で、
大衆映画専門の映画ファンであるボクにとっては、ちょっと苦手とするタイプ。
主題がわからないため、本作を論じることもできません。

うっかりアート映画を観に行ってしまった時は、睡魔との闘いに悪戦苦闘するのですが、
本作はイマイチ楽しめないながらも、最後まで普通に観ることができました。
それは本作が、SFスリラーの体裁を取っているので、
全く娯楽性がないわけではなかったからでしょう。
基本的な物語は、国際宇宙ステーション(ISS)を管理する宇宙飛行士のリー・ミラーが、
急に地球の管制センターとの交信が絶たれてしまい、ISSの管理船に孤立してしまう話で、
閉鎖空間での極限状態を描いたシチュエーション・スリラーです。
「地球で何が起こっているのか?」とか「取り残された彼はどうなるのか?」とか、
先が気になる展開なので、鑑賞中は飽きることなく見終えることが出来ました。
しかし終わってみれば結局よくわからない展開だったので、
もし次に観る機会があった時は、睡魔と闘うことになると思います。

近未来SF映画だと思っていたら、作品の冒頭は南北戦争のシーンから始まります。
数々の戦線を生き残っていたリー・ブルックス大尉は、
上官から進軍経路にある謎の飛来物体を調査するように命じられます。
そこから急に2039年にまで時代が跳びます。
地球の管制センターと交信が途絶え、宇宙船で孤立した宇宙飛行士リー・ミラー大尉は、
どうすることも出来ずに軌道円周上を旋回し続けます。
彼とリー・ブルクッス大尉との関係もよくわかりませんが、子孫ではなさそうかな?
何となく、地球上で人類が滅亡するような戦争があって、
彼を帰還させることができる人間がいなくなったような感じですが、
そんな地球の状況もわからない彼は、通信の復旧をひたすら待ち、
先の見えない孤独との戦いを強いられるのです。

状況をちゃんと把握できなかったので断言できませんが、
電気や酸素を供給したりするISSの生命維持装置が消耗するので、
ISSの管理者である彼は、ISSの居住区画への酸素の供給を停止します。
たぶん長期戦を見越してライフラインの節約を考えたのでしょうが、
もしかしたらISS内に人が沢山いたかもしれないのに、
孤独になってしまったのは自分のせいかもしれませんね。
おそらく地球上の人類も滅んでしまい、彼は最後の地球人となります。

地球との通信が途絶えてから数日後、地球から録音された音声データを受信します。
そこには「誰も君を帰還させられない」的なメッセージが入っており…。
彼はそれでもいつか通信が復旧し、救出されると信じ、
狭い管理船の中で孤独と戦いながら生き続けます。
写真に話しかけたり、ボトルキャップやルームランナーで一人遊びしたり、
一人二役でトランプしたりして暇を潰しますが、
女性の幻覚が見えるようになったりと、孤独で気が狂いそうになることも…。
ボク、というか普通の人ならメッセージを受け取った時点で絶望して自殺するでしょうが、
やっぱり宇宙飛行士はメンタルが強くないとなれないからか、
彼はその事態もストレステストの訓練か、何かの悪い冗談だろうと考えます。
でも生命維持装置もどんどん消耗して、電気も止まり船内もすっかり荒れ果て、
ついに彼は死を覚悟し、地球に降下しようと宇宙服を着て船外へ出るのですが、
結局命綱を切ることはできず、それからまた暫らく宇宙船で孤独に生き続けることに…。

そんなある日、彼が出発時に出演したテレビ番組の録画データを受信します。
それを見た彼は、なぜかISS内に行ってみることにするのですが、
ISS内はまるで地球のような光景で…。
さらに奥には人類の英知を結集したサーバールームがあり、そこで彼は…、
…とオチまで書いてしまいたいところですが、止めておきます。
というか、どういうオチなのかボクもよくわかっておらず、説明できません。

与えられる断片的な情報をボクなりに浅く解釈すると、
南北戦争の最中、謎の物体を調査に行ったリー・ブルックス大尉は、
その物体と接触したことで、宇宙人にアブダクションされ、
リー・ミラー大尉として未来の宇宙船で閉鎖空間に閉じ込められる、
という内容のストレステストを受けさせられたんじゃないかな?
ミラー大尉が船内でブルックス大尉の日誌を船内で発見したりするのも、
現実ではあり得ない話ですが、作られた記憶であれば筋が通ります。
ブルックス大尉はどんな敗戦でも何故か最後のひとりとして生き残ってしまう男なので、
「地球、最後の男」を体験させるのに適したサンプルだと宇宙人が考えたのかも?
宇宙人の目的は地球人との友好関係を築けるかのチェックで、
そのためにも地球人のコミュニケーションを調査したいと考え、
完全に孤立する極限状態の地球人の行動を調べようとしたのでしょう。
ISSでの不思議体験は、彼の走馬灯みたいなもので、実際は船外に出た時に命綱を外し、
大気圏に突入して体は燃え尽き、宇宙と同化したと思われます。
この解釈でも筋が通らないところは多いので、全く見当外れかもしれません。

本作のラストに「あなたはひとりではない」「あなたの感じたものは他の人も感じている」
「それは"Love"」というようなメッセージが語られます。
つまり、本作から受ける印象は人それぞれだけど、同じように感じた人もいるはずで、
そんな他人との繋がりを「愛(LOVE)」と呼ぶんだよ、って内容だったのかも?
ちょっと哲学的すぎてよくわからなかったですが、
広義の「愛(Love)」なんて抽象的な主題では、解釈に困ってしまいますが、
要するに本作をどう感じるかは観客に任せるってことじゃないかな?
本作の原題も『Love』という抽象的なもので、邦題のようなSFスリラー感はありません。
こんな誤認させるような邦題はどうかと思うけど、
もっと厳密に言えば、ミラー大尉は地球にいなかったんだから、
「地球、最後の男」ではなく「地球人、最後の男」だと思います。

第二回「未体験ゾーンの映画たち」で、面白くないとも言えないけど、
なんとも形容しがたい内容の本作を初っ端に観たことで、
この特集上映企画に対する懸念が湧きました。
たしかに前衛的すぎて理解に苦しむ未体験な内容だし、
ポピュラリティに欠け、一般上映が難しい作品という意味では、
この企画に相応しい作品ですが、もし他の作品もそんなタイプのものなら、
ボクにはちょっと楽しめそうにもありません。
日本公開を待ち望んでいた作品も数本あるので、それらは観に行きますが、
全く未知の作品は、事前にある程度調べてから観に行こうと思いました。

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