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ジャックと天空の巨人(2010)

公開中のブライアン・シンガー監督のファンタジー映画『ジャックと天空の巨人』ですが、
日本で7位デビューと、ちょっと厳しい成績でしたね。
悪い映画じゃないんですが、やっぱり似たような雰囲気の公開中のファンタジー映画
『オズ はじまりの戦い』と競合してしまったのが問題だったと思います。
配給会社の公開時期選定ミスでしょう。

そんな中、DVDでリリースされたのが、今日感想を書く『ジャックと天空の巨人』。
もちろん公開中の映画がリリースされるはずはないので、
それとは全く別物なのですが、なんとも紛らわしいタイトルです。
販売会社が劇場公開中の同名映画に便乗して邦題を付けたのは明白ですが、
便乗元が低迷しているので、あまり便乗の意味がないだろうと思いきや、
現在レンタルも販売も品薄状態らしく、便乗作戦成功でしょうか?
でもホントに客のことを考えてるなら、紛らわしい邦題はやめてほしいです。
今はハリウッド映画にある程度詳しくなったので、取り違えることはありませんが、
昔は間違えて便乗作をレンタルしたことも稀にありました。
(レンタル店でも便乗作を関連作として一緒に並べたりするしね。)
家で鑑賞して初めて「あ、やられた!」と思うのですが、
とりあえず最後まで見てみると、これがなかなか面白かったりもするんですよね。
そんな時は「レンタル料金をドブに捨てずに済んだ」とも思う反面、
面白い作品なのに便乗作扱いをされていることに怒りがこみ上げます。
当然面白くなければ騙されたことに怒りがこみ上げますが、
どちらにしても不誠実な(中国みたいな)売り方で、印象悪いですよ。

邦題で便乗しているだけで、海外の製作会社にはその意図はないことがほとんどです。
レンタルしたDVD『ジャックと天空の巨人』も、
原題は『Jack and the Beanstalk』で、童話『ジャックと豆の木』と同じ原題ですが、
劇場公開作の原題は『Jack the Giant Slayer』であり、便乗する意図はありません。
便乗云々以前に、DVDの方は全く巨人推しの内容ではないので、
この邦題は内容から鑑みても相応しくないように思います。
ボクなら普通に『ジャックと豆の木』って邦題にするけどなぁ…。

ということで、今日は日本の販売元の企てで便乗作にされてしまった映画の感想です。
劇場公開作の方の感想もコチラに。→『ジャックと天空の巨人』

クロエ・グレース・モレッツ ジャックと天空の巨人
Jack and the Beanstalk

2013年4月3日リリース。
童話『ジャックと豆の木』をアレンジして実写化したファンタジー・アドベンチャー。

平凡な少年ジャック。学校では落第の危機、お母さんは仕事を失い、何もかもがうまくいかなかった。彼はその晩、寝る前に豆を窓から放り投げる。するとガチョウのグレイソンが一粒食べた後、茂みで異変が起きる。なんと残りの豆から芽が出て、空高く伸びていったのだ。次の日目覚めると、グレイソンは人の言葉もしゃべれるようになっていた。好奇心旺盛なジャックとグレイソンは豆の木を登ってみると、雲の上では老人が泣いていた。彼の娘デスティニーが巨人にさらわれ、ハープに姿を変えられてしまったのだという。「デスティニーを助けよう!」、しかし道中は巨人の手下が多く、なかなか前に進めない。そこにジリアンと名乗る少女が助太刀として参戦、順調に先へ進んでいく。その頃地上では、邪魔な豆の木を切ってしまおうという話になっていた…。ジリアンは一体何者なのか?そしてジャックたちはデスティニーを救出し、無事に地上へ戻ることができるのだろうか…?(公式サイトより)



もちろんブライアン・シンガー監督の『ジャックと天空の巨人』と間違えて
レンタルしてしまったわけではありません。
『キック・アス』でブレイクしたクロエ・モレッツの出演作と知りレンタルしました。
本作は2010年の映画なので、『キック・アス』よりも前の作品で、
現在は大人気女優の彼女ですが、当時はまだほとんど無名の子役であり、
本作もアメリカでも劇場公開はされず、DVDリリースのみのビデオ映画となりました。
彼女がブレイクした後でDVDリリースされることになった日本では、
邦題にまるで彼女の主演作であるかのように、彼女の名前が冠されていますが、
本作の主演は『幸せへのキセキ』でマッド・デイモンの息子を演じたコリン・フォード。
童話『ジャックと豆の木』の実写化作品なんだから、男が主役なのは当然ですね。

童話の実写化といっても、内容はかなりアレンジされています。
ブライアン・シンガー監督の『ジャックと天空の巨人』も、
原作童話とかなりかけ離れたアレンジがされていますが、
本作と比べたらまだ原作童話を踏襲していたと思えるほどかもしれません
「Once Upon A Time...(昔々…)」というテロップで始まる本作ですが、
冒頭シーンはジャックがスパイのような格好をして、
悪の組織からモレッツ演じる女の子を助けるという現代劇となっています。
つまり本作は、ちょっとナンセンスなコメディなんですよね。
実はそのスパイ映画のようなシーンは、授業中に居眠りしていたジャックの夢で、
彼は先生に叩き起こされますが、そこが本作の本当の舞台となります。
この舞台の世界観は面白く、ジャックの隣の席の子はラプンツェル(髪長姫)です。
他にも教室には赤ずきんちゃんや眠り姫、ヘンゼルとグレーテルなど、
いろいろな童話の主人公やヒロインたちが机を並べて勉強しています。
フェアリーテイルのパロディ映画『シュレック』のような世界観ですね。
なのでその世界がいつ時代だとかは特に決まっていないみたいで、
作中にはギリシャ神話からインディ・ジョーンズまで、様々な話題が出ています。
面白いのは教鞭をとっている校長先生を演じているのが
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』でドクを演じたクリストファー・ロイドですが、
彼が板書していたのはデロリアンの装置である「フラックス・キャパシター」です。
つまりこの世界は時間の制約を受けないってことなのかもしれません。

教室にはチャーミング王子や意地悪な義理の姉妹など、様々な役柄のキャラもおり、
みんなで童話での自分の役割を果たせるように学んでいるのです。
冒頭のジャックはまだ『ジャックと豆の木』の冒険をする前で、勇者の役割を学びますが、
落ちこぼれで、校長先生から「村の愚か者の役割の方が向いてる」と言われ…。
彼は落第しないように「何か勇者らしいことをしよう」と決心し、
「勇者といえば自己犠牲」、「自己犠牲とは大切なものを手放すこと」と考え、
自分の一番大切にしている携帯ゲーム機を、質屋で売ることにします。
かなりアホな発想ですが、ジャックは基本アホな子どもなので彼らしいです。
全く面白くなさそうなウシのゲームでしたが、なぜか質屋は金貨1000枚で買うと言い…。
それでは自己犠牲にならないと、ジャックは物々交換を要求しますが、
質屋が提示する品は『シンデレラ』のガラスの靴や、ギリシャ神話のミダスの手、
『ルンペルシュティルツヒェン』の糸車など、どれも高級品ばかりで…。
畳み掛けるように童話ネタが出てきて、とても楽しい展開です。
ジャックに「つまらないものじゃないと困る」と言われた質屋は、
最後に豆3粒を取り出し、それで交換成立します。

ジャックが自己犠牲に満足して意気揚々と家に帰ると、
靴屋に勤める母親が、勝手に夜中に靴を作る小人せいで失業しており、
彼に「ゲームを売って生活費にしてほしい」と言います。
すでにゲームを豆3粒なんかと交換してしまった彼は後悔し、
慌てて質屋に戻るも、なぜか質屋は本屋に変わっていて…。
本屋の店主は困り果てる彼に、勇者の冒険の旅を選んでくれます。
『アルゴナウタイ』の金の羊毛を探す冒険や、アトランティスの冒険、
『ラ・マンチャの男』の見果てぬ夢などの中から彼が選んだのは、
かなり難関である「ディスティニーの竪琴」を探す冒険の旅です。
よくわからないまま店主から白紙の本と鍵を渡され、彼は家に帰りますが、
当然、生活費の問題は何も解決しておらず、彼は落ち込んで豆を庭に捨ててしまいます。

もちろん原作通り、この捨てられた豆が発芽し、天まで伸びるのですが、
面白いのは豆3粒のうち1粒を飼っているガチョウのグレイソンが食べちゃうんですよね。
ブライアン・シンガー監督の『ジャックと天空の巨人』では、
巨人のボスが豆を飲み込み、巨人の体を突き破って豆の木が生えましたが、
ガチョウのグレイソンはなんと半分人間の姿になってしまいます。
しかも顔はオッサンなのに体はドナルドダックみたいで、そのアンバランスさが笑えます。
はじめはキモカワイイ気がしたけど、所詮は出オチで、徐々に鬱陶しくなったりも…。
グレイソンはイソップ童話の『ガチョウと黄金の卵』のガチョウのようで、
(『ジャックと豆の木』の金の卵を産む鶏とガチョウを混同しているのかも?)
オッサン顔のくせに卵を産むんですよね。
それなら綺麗なお姉さんに変身してほしかったかも…。

その夜、オッサン化したグレイソンに叩き起こされたジャックは、
庭に生えた巨大な豆の木を見つけ、冒険の旅をするため一緒に登ることになります。
雲の上の恐ろしい巨人が住む迷路の王国に着いた2人は、竪琴職人の老人に出会います。
彼のディスティニーという名前の歌が上手い孫娘が巨人に攫われて、
巨人のために歌うことを拒んだため、魔法で竪琴に変えられてしまったらしく、
それがジャックの探す「ディスティニーの竪琴」のようです。
原作童話で出てくる「歌うハーブ」は、実は元人間だったということですね。
ジャックとグレイソンはディスティニーを救い出すため、迷路の王宮に乗り込みます。

巨人ですが、ボクが想像していた容姿と全然違い、中国の妖怪みたいな姿でした。
背丈もせいぜい3メートル弱くらいで、予想よりもかなり小さいし、なんかショボイです。
低予算の子ども向けビデオ映画だから仕方ないのかもしれないけど…。
巨人にはドビードッグという手下がいるのですが、こいつは緑色の不細工な怪物で、
まんまシュレックで、やっぱり『シュレック』を意識した作品なのだと思いました。
ドビードッグはなぜか忍者を率いており、迷路に侵入したジャックに忍者を嗾けます。
忍者の武器はなぜか羽毛のふかふか枕で、もうシュールすぎます。
(殺傷力ゼロだけど)忍者軍団に襲われ、絶体絶命の2人の前に、
これまた枕を持った白い忍者が登場し、忍者軍団をやっつけてくれるのです。
その白い忍者こそ、クロエ・モレッツ演じるジリアンです。
ジャックの夢以来の、待ちに待った登場でしたが、
てっきりディスティニーがモレッツだと思っていたので、意外な登場でした。
華麗に忍者軍団を倒す姿は、『キック・アス』のヒットガールを彷彿とさせますね。
(まぁほとんどボディダブルでしょうけど…。)
今はすっかり大人っぽくなった彼女ですが、本作の頃はまだ12歳くらいだけど、
すでにちょっと色気もある美少女で、人気女優の片鱗を感じさせます。

ジリアンも仲間に加わり、3人の竪琴探しは続きますが、
ジリアンとグレイソンの関係はギスギスしていて…。
グレイソンが迷路で右の道を選ぶと、ジリアンは左に行こうと言いだします。
ジャックはジリアンに一目惚れしているので、彼女にばかり従うので、
ジャックを親友だと思っているグレイソンが嫉妬するという妙な三角関係です。
挙句にグレイソンは彼女を「悪者かも」と言いだしますが、実はそれがビンゴで、
彼女は巨人の命令でジャックたちを罠に誘導していたのです。
巨人に捕まり、真実を知ったジャックはショックを受け、彼女と絶交しますが、
実は彼女にはどうしても巨人の命令を聞かなければならなかった理由があり…。

…おっと、気付けば感想ではなく、あらすじばかり書いてますね。
ビデオ映画の感想は、劇場映画に比べて見る人が少ないので、
どうしてもストーリーを伝えたくなってしまうのですが、少々ネタバレが過ぎますね。
もし面白そうだと思ったらレンタルしてみてほしいです。
正直、ブライアン・シンガー監督の『ジャックと天空の巨人』の方が見応えはありますが、
これはこれでそれなりに楽しめる作品になっていると思います。
特に主人公が少年なので、子どもはこっちの方が面白いかもしれません。
ただ童話や映画など様々な物語の引用は、ある程度知識がないと伝わらないので、
そのあたりの演出は大人も楽しめると思います。
特に『シュレック』や『リトル・レッド』シリーズが好きな人にはオススメです。

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