ブログデンティティー

blog-dentity since 2013

ステップ・アップ4 レボリューション

今月上旬はあまり観たい映画が公開されないので、
DVDで見た映画の感想が増えそうです。
いつもDVDの感想はビデオスルー作品を主に書いていますが、
今月上旬は注目のビデオスルー作品もあまりないので、劇場公開時に見逃して、
DVDのリリースを待っていた作品の感想も少し書くかもしれません。
観たい洋画はほぼ劇場で観れていますが、昨年は日本映画をかなりスルーしたので、
「劇場に足を運ぶほどではないがDVDなら見たい」日本映画がチラホラあります。
まぁそんな日本映画は「感想を書きたいほどでもない」と思うことも多いので、
実際に感想をアップするかどうかはわかりませんが…。

とりあえず、今日はビデオスルー作品の感想です。

ステップ・アップ4 レボリューション
Step Up Revolution

2013年3月6日リリース。
大人気ダンス映画シリーズ最新作。

マイアミのダンス・パフォーマンス・チーム"The MOB"は、フラッシュモブ・ダンスを得意とし、いろいろな場所でゲリラ・パフォーマンスをしては、動画サイトへ投稿、人気を得ていた。リーダーのショーンは、ある日、プロのダンサーを目指しマイアミに来たエミリーと出会い、仲間に入れて一緒にパフォーマンスをする中、お互い惹かれ合っていく。そんな時、自分たちの生まれ育った湾岸スラム地区が、実業家のアンダーソンによって一掃され、再開発されることを知る。何とかして再開発を止めたい"The MOB"のメンバーたちは、街を守る為、誰も見た事が無いダンス・パフォーマンスを計画する…。(公式サイトより)



2006年に1作目が公開され、2年に1回ペースで新作が制作されている
大人気ダンス映画の『ステップ・アップ』シリーズですが、
日本では2作目『ステップ・アップ2:ザ・ストリート』からはビデオスルーに…。
それでもアメリカでは依然として人気、…と言いたいところですが、
実際はシリーズを重ねるごとに成績は落ちてきているようで、
最新作のシリーズ4作目である本作は、1作目の約半分ほどの興収です。
でも作品の規模はどんどん大きくなっており、予算は1作目の3倍で、
ダンスシーンの派手さは天井知らずになっています。
前作『ステップ・アップ3』(全米では3D公開)で行くとこまで行ったと思ったけど、
本作はそれを更に超えるスケールのダンスを見ることが出来ます。

しかし、それがいいことかというとちょっと微妙で、
鑑賞して楽しいのは間違いないけど、シリーズの本質からはズレている気が…。
『ステップ・アップ』というタイトルの通り、何も持たないストリートダンサーが、
ストリートダンスで夢を掴んで行くという青春サクセスストーリーですが、
ダンスが豪華になってしまって、持たざる者のダンスではなくなっています。
本作の主人公ショーンも、安月給のホテルのウェイターで、
設定的にはダンス以外取り柄がない何も持たざる若者って感じですが、
彼が率いるダンスチーム「The MOB」のパフォーマンスは、
高級な衣装を全員で揃えたり、改造車を何台も使用したり、
100ドル札を何千枚もばら撒いたりと、演出に金がかかりすぎています。
こんなのマイヤミのダウンタウンの若者である彼らには絶対不可能なダンスです。
そんな彼らが賞金10万ドルを目指し、動画コンテストにフラッシュモブを投稿のですが、
一回のダンスに余裕で10万ドル以上使っている気がします。
コンテストで1位になることが目的ならまだわかるけど、彼らは賞金も狙っており、
賞金獲得となる1000万回再生を目標にしているのは、どうも腑に落ちません。

演出に金をかけ、まるで大物アーティストのビデオクリップのような
洗練された動画を作るけど、それはストリートダンスといえるのかどうか…。
たしかにフラッシュモブなので、ゲリラ的に路上でも踊るのですが、
ストリートでダンスすればストリートダンスなのでしょうか?
改造車を踊らせたり、シルク・ド・ソレイユのようなセットを組んだりと、
ギミック面の演出が派手になる一方で、ダンサーの肉体的なパフォーマンスは、
シリーズ最低の地味さになっていると思ったりも…。
出演者のほとんどはプロのダンサーだろうから、ダンスが上手いのは当たり前ですが、
本作ではダンサーひとりひとりの個性が薄くなっています。
フラッシュモブは大勢がゲリラ的に同じことをするものなので、
ダンサーの振りが統一されがちになり、個性が出せないのかもしれませんが…。

本作のチーム「The MOB」は、前作のパイレーツや前々作のMSAクルーに比べても、
個々の個性が薄いというか、中心メンバーはコンピュータ専門の裏方エディや、
DJのペネロペ、グラフティ担当のマーキュリー、カメラマンのアイリスと、
そもそもダンサーじゃない人ばかりなんですよね。
中心メンバーでダンサーなのは主人公のショーンと、
前作から続投する元パイレーツの黒人ダンサーのジェイソンくらいです。
ショーンだってフラッシュモブでは中心になるわけでもないので、
中心メンバーは完全にドラマ要員であり、フラッシュモブで活躍するのが
エキストラのプロのダンサーばかりというのは、ダンス映画としてどうなのかな?

ジェイソンの伝手でクライマックスの大規模ダンスには、
パイレーツのメンバーが3人、「The MOB」の助っ人に登場しますが、
やはりタレント集団だったパイレーツだけあって、そのダンスの個性は抜群。
彼らは短い出演ながらも一瞬でその場をロックしますね。
シリーズのファンとしては、前作、前々作の名物キャラの登場は嬉しいけど、
本作の主要キャラが彼らに喰われてしまっていることは否めず、
物語としてクライマックスのダンスでカタルシスが弾ける感じの、
前作までのような感動はありませんでした。
その大規模ダンスでの主要キャラが不甲斐なさすぎるためか、
最後に主人公のショーンとヒロインによるバレエのデュエットがありますが、
ド派手な大規模ダンスで盛り上がった後に、そんなしっとりされても…、って感じです。

ダンスも完成度が高すぎて、芸術的になりすぎです。
市議会での抗議フラッシュモブの一糸乱れぬダンスもそうですが、
美術館でのフラッシュモブは、生きた芸術作品とでも言うべき前衛アートで、
ストリートダンスでも何でもないし、フラッシュモブなのかどうかも微妙です。
使用曲もヒップホップが少なくなった(インストが増えた)ようにも思います。
ダンサーはアスリートだと思うのですが、本作ではもうアーティストの域で、
素晴らしい才能なのは認めるけど、ダンサーとして魅力的かは…。
完成度が高すぎて、少なくともプロを目指すダンサーのパフォーマンスには見えません。
まぁそれも一種の狙いだったみたいで、クライマックスの大規模ダンスでは、
「フラッシュモブの原点に帰る」というコンセプトを打ち出して、
ヒップホップやレゲエなどのストリートダンスが主体になっていて、
最後にちょっとシリーズらしさが戻った気はしましたが…。
というか、そもそもフラッシュモブってこういうものでしたっけ?
大規模オフ会の短い版で、ネットを通して不特定多数が1か所に集まって、
みんなで一斉に何かをやって、すぐに解散するってのがフラッシュモブですよね?
本作で描かれているものは単なるゲリラライブだと思うのですが…。

ダンスに関しては過去最高に派手だけど、シリーズには相応しいものではなかったですが、
中心メンバーがドラマ要因だっただけに、ストーリーは悪くなかったです。
コンテストで頂点を目指すというのは前作、前々作にも通じる展開ですが、
彼らの街であるマイアミのダウンタウンが、リゾートの開発で取り壊されそうになり、
フラッシュモブで抗議するという、自分やチームの成功のためだけではなく、
街や市民のためにダンスで立ち上がるという展開は、
これまでのシリーズではなかったものですが、なかなかよかったと思います。
戦う相手も敵対するダンスチームではなく、政治家や企業などの権力です。
…といっても、巨悪というほど悪い奴らでもなく、なかなか物わかりのいい大人たちで、
どちらかが一方的に負けるのではなく、いい形で解決するので気持ちがいいです。
市長なんてリゾート建設推進派だったくせに、反対派の抗議ダンスを見て、
楽しくなってノリノリで踊ってるし、ちょっと笑ってしまいました。

とはいえ、シリーズとしての連続性が乏しいのは、ファンとしては少し残念かも…。
もともと毎回主人公が変わるシリーズなので、単発で成立するものなのですが、
2作目では1作目の主人公が登場して同じ場所が舞台がだったり、
3作目は舞台は移動したものの、2作目の名物キャラであるムースが準主役になったりと、
物語の独立性も維持しつつ、連続性も考慮された内容でした。
(余談ですが、3作目のムースの彼女って、1作目の主人公の妹なんですよね。)
しかし本作は、また舞台も変わってしまい、ムースら前作のキャラも続投したものの、
ほとんどカメオ出演みたいなもので、連続性がかなり希薄です。
前述のように、演出面でも前作までとは異なるので、その印象に拍車がかかります。
シリーズものとして、ある程度の一貫性は必要だと思うし、
ムース出しとけば前作までのファンも納得するだろうみたいな態度はダメでしょ。
ちなみに前作から登場はムースとジェイソンの他に、ロボットダンスのブラッドと、
ムースとMSA時代から一緒で、3作連続出演となる日本人ダンサーのキド(甲田真理)です。
やっぱり彼らのダンスは、上手いというか華がありますね。
ただカメオ同然であれ彼らが出演してくれたのは嬉しいけど、
ここまで連続性が希薄だと、物語的に浮いてしまっているようにも思えてしまいますね。
ムースは5作目にも出演が決まってますが、今度はもう少しドラマにも絡んでほしいです。

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://blrpn.blog.fc2.com/tb.php/926-ffbfe4af
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

FC2Ad