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プレミアム・ラッシュ

昨年の11月の記事で「自転車を盗まれた」と書きましたが、
盗難届は出したものの、やはりそう簡単には見つからないものですね…。
まだ新品同然のそこそこいい自転車だったので、やはりプロの仕業なのかな?
今頃は中国か北朝鮮にでも転売されちゃってるかも…。
とりあえず見つかるかもしれないので、今は知人の古い自転車を借りて生活しています。
それは普通のシティサイクルですが、ペダルが軽いのにかなり速くて妙に乗り易いため、
満足してしまって、なかなか新しい自転車を買いに行こうという気が起きません。
でもいずれ返さないといけないので、そろそろ買おうかと自転車屋を見て回っています。
そしたら外国製のちょっと高いけどカッコいい自転車を発見しました。
自動車の外車は無理でも、自転車なら外車も買えるかな、なんて。
でもボクの生活圏に自転車窃盗団がまだいるかもしれないと思うと…。

ということで、今日は自転車野郎の映画の感想です。

プレミアム・ラッシュ
Premium Rush

2013年3月20日リリース。
ジョセフ・ゴードン=レビット主演のサスペンス・アクション。

人と車が激しく行き交うニューヨーク。究極のテクニックで大都会を疾走するバイクメッセンジャー、ワイリーは、ある日、知り合いの中国人女性ニマから1通の封筒を託される。だが、これが悪夢の始まりだった。闇賭博に身を染めた悪徳刑事マンデーの執拗な追跡、背後にうごめく裏組織の黒い影、そしてニマを苦しめる政府からの弾圧…この封筒にはいったい何が隠されているのか、そして事件に巻き込まれたワイリーはこの危機を切り抜けることができるのか!(公式サイトより)



注目の若手俳優ジョセフ・ゴードン=レビット主演ながらも、
全米初登場7位とかなり控えめなデビューとなってしまった本作。
これでは全米1位の『21ジャンプストリート』ですら日本劇場公開を見送ってしまう
コロンビア映画の手にかかれば、本作なんて余裕でビデオスルー。
しかも『アメイジング・スパイダーマン』のバーター(抱き合わせ契約)で、
TSUTAYA限定レンタルになってしまいました。

しかし本作は、そんな低調な成績と杜撰な扱いにもかかわらず、
かなり楽しいアクション映画になっています。
カーチェイスならぬバイクチェイスが、かなりカッコよくて痺れました。
ただカッコいいだけに、下手に感化される奴がいそうなのが問題で、
劇場公開しなかったのは正解だったような気も…。
自転車なので真似し易いけど、公道を自転車でチェイスなんてされたら大変。
しかも主人公ワイリーの愛車は、固定ギア、ノーブレイキのピストバイクです。
本来はトラック競技用の自転車で、チュートリアル福田が摘発されたのも話題になったが、
(ブレーキがないので)日本の公道を走ってはいけない自転車です。
でも憎たらしいほどにカッコいいんですよね。
所持自体は違法でもないし、普通に入手はできるので、乗りたくなっちゃいます。
ただやはり公道での使用を禁止しているだけあって、かなり危険な自転車で、
搭乗者が勝手に事故って死ぬだけなら好きにしてくれたらいいけど、
歩行者も危険だし、自動車にとっては邪魔で、周りへの迷惑も甚大なので、
こんなものには誰も乗らないでほしいとも思います。

しかし別にノーブレーキピストに限らなくても、
本作の主人公らNYのメッセンジャーたちの交通マナーは最悪で、
普通の自転車であっても彼らの真似はしてほしくないところです。
真似するかは別として、自分は交通ルールも守っていると思っている人も多いだろうけど、
自転車の交通ルールを守ってない人って、かなり多いです。
自転車に対する取締が厳格化されてから、やたら気になるようになりましたが、
未だに歩道を自転車で走ってるバカが多いですよね。
特に中高年のママチャリに多いけど、それが許されるのは児童だけです。
ちゃんと車道を走る人も増えましたが、今度は左側通行を守れてなくて…。
自転車は軽車両、車道では左側を走るのは当たり前、右側を走ると対向車線の逆走です。
あと曲がる時、本来は手信号で方向指示するのが義務だけど、せめて後方くらい確認しろ。
自転車を歩行者だと思っている人が多すぎます。
…って、道路での不満に対する愚痴に話が逸れてしまいましたが、話を戻して、
本作のメッセンジャーたちは、歩道の走行、対向車線の走行なんて生易しい違反ではなく、
店の中でも走行するし、信号無視はするし、歩行者スレスレでジグザグ走行するし、
疲れたら走行中の車両に掴まるしと、もう滅茶苦茶です。
街を我が物顔で走り回り、市民からも邪魔者扱いされています。
それでもメッセンジャー便の需要があるんだから、市民も自重すべきですね。

バイクアクション映画としては、そんなスリリングな走行はカッコいいと思うけど、
やっぱり交通ルールも守れないクズどもなので、人物自体には感心できません。
なので主人公のワイリーもなんだかいけ好かない奴に思えます。
それは彼が交通違反の常習者というだけではなく、彼の人物像も気に入らないです。
彼はロースクール出身で頭もかなりよく、司法試験なんて楽勝ですが、
弁護士になってスーツで仕事するより自転車が好きなので、
あまり儲からないメッセンジャーを続けています。
「オレはいつでも弁護士になれるんだぜ」という態度が透けて見え、鼻持ちならないです。
法律のプロになれるなら基本的な道交法くらいは守れと思います。
彼の元カノで本作のヒロインであるヴァネッサもメッセンジャーです。
彼女は彼女でウェイトレスが嫌いだからメッセンジャーを続けていて、
ホワイトカラーになるチャンスがあればいつでもメッセンジャーを辞めるつもりです。
肉体労働を完全に蔑む職業差別女で、こいつもムカつきます。
あと、軽薄で自意識過剰な黒人メッセンジャーのマニーとか、
本作のメッセンジャーは揃いも揃って好きになれそうもない奴ばかりです。
NY市民も彼らの性格の問題で邪魔者扱いしてるんじゃないのかって感じです。

ところが彼ら以上に不愉快なことが…。
それはワイリーを捕まえようとする敵役の汚職警官サンデー刑事ではなく、
ワイリーに仕事を依頼した客とその依頼内容です。
ワイリーは母校の中国人留学生ニマから、プレミアム・ラッシュ(超特急便)で、
ある封筒をチャイナタウンのシスター・チェンに届けるように依頼されます。
その封筒には5万ドル分のチケット(地下銀行の有価証券)が封入してありますが、
それは蛇頭の密入国斡旋に対する料金支払いだったのです。
彼女は学生ビザで合法的に入国するも、故郷に置いてきた幼い息子を呼び寄せたいが、
彼女が以前に書いたチベット問題の記事で中国政府が怒り、息子を出国禁止に…。
そこで蛇頭に息子の密入国を斡旋してもらうのです。
蛇頭「シャトウ」のリーダーであるシスター・チェンにそのチケットが届けば、
ニマの息子が密入国できる手筈になっており、何も知らずに受け渡しに使われたのが、
ニューヨークNo.1のメッセンジャーであるワイリーでした。

つまりこの依頼は国際的犯罪組織の仕事に手を貸しているのも同じで、明らかな犯罪です。
ワイリーは息子を想うニマに同情して、善意で依頼を受けますが、
仮にも弁護士崩れが、交通法規どころか入管法まで守らないとは…。
そもそもこのニマという中国人女に同情の余地なんてありません。
息子と一緒に暮らしたいなら、自分が帰国すれば済む話です。
法律の勉強をしたいがために息子を残してアメリカに来たくせに、
2年もほったらかした息子と急に一緒に住みたくなったからって呼び寄せようなんて、
ムシがよすぎるにもほどがあり、こんなの完全に育児放棄で母親失格ですよ。
国際的犯罪組織の資金源となり、入管法も守れないカスが法律なんて勉強したら、
法律を悪いことにしか使わないに決まってますよ。
なのでこの依頼自体が不愉快で、失敗してほしいので、
ワイリーを応援したいという気持ちが微塵も湧きませんでした。
むしろ、そのチケットを私腹を肥やすために横取りしようとする
敵役のサンデー刑事を応援したくなったくらいです。

そのサンデー刑事も汚職警官なので褒められたものではありませんが、
なかなか面白い男で見ていて飽きません。
本作の陰の主役とも言うべき存在で、不幸が連鎖する彼の数奇な運命は笑いました。
彼は刑事のくせにチャイナタウンの違法賭博で「牌九」に嵌っており、
1万7000ドルもの借金があります。
それを返済するためロシア系高利貸しから1万7000ドル借りますが、
借りてすぐまた「牌九」で全額賭け、スッテンテンに…。
借金返済できず、賭場の中国人従業員からリンチに遭いますが、
逆ギレしてその中国人をブチ殺してしまう破天荒な刑事です。
(本当なのか単なる脅しか、彼は衝動制御障害らしいです。)
でも中国人は殺しちゃったし、せめて借金だけでも返さないと大変なことになると考え、
ニマの蛇頭への支払いチケットを横取りしようと考えます。
サンデー刑事も悪人だけど、中国人従業員もニマも所詮は犯罪者ですからね。
毒を以て毒を制すというか、単なるカス同士の潰し合いなので、
サンデー刑事のしていることはそんなに悪いこととも思いません。
むしろ中国人が嫌いなので、サンデー刑事はアンチヒーローですよ。
まぁヒーローというには、ニマの封筒を捜すため、警察の職権を乱用しまくってるし、
大学の学部長や国税庁の職員を名乗ったりと、かなり卑怯な男ですが…。

封筒を狙うサンデーだけでなく、交通違反で普通の自転車警官からも追われるワイリー。
また何も事情を知らない同僚のマニーとも、封筒を賭けてレースをすることになります。
街の喧騒の中、自転車をノーブレーキでぶっ飛ばす彼は、
車や人を掻い潜る最適なルートを瞬時にシュミレートできるのですが、
このシーンの演出がなかなか面白いです。
そんな彼も、最適なルートが見つからなければ接触事故は不可避で、
サンデー刑事から逃走する途中で走行中のタクシーと派手に衝突し、
肋骨を折って、救急車で搬送されます。
ワイリーを演じたゴードン=レビットも、撮影中にタクシーに追突してしまい、
31針を縫う大怪我を負ったそうで、その痛々しい映像がエンドロールに残っています。
撮影時の安全への配慮は抜かりないはずですが、やっぱりピストバイクって危険ですね。
ノーブレーキ、固定ギアなピストバイクは、シンプルで見た目がいいですが、
メッセンジャーとしても実用的なのかはちょっと疑問です。
作中でも彼以外のメッセンジャーは普通のロードバイクに乗っていますが、
ピストバイクはギアが固定されているため、路面の起伏に弱く、
マニーとの公園でのレースではちょっと不利な展開になります。
それでもワイリーがNo.1メッセンジャーなんて、NYの道路は平坦なところばかりなのかな?

ワイリーはロードレースだけでなく、BMXも大得意です。
ピストバイクが壊れた時に、警察の押収物保管庫からBMXを盗み出し、
その腕前も披露してくれますが、さんざん高速のバイクレースを見た後だけに、
BMXはアクロバティックだけどスピードが遅くて地味ですね…。
(BMXじゃなくて、トライアルバイクだったかも?)
さすがに路上に出ると、遅すぎて役に立たないのか、
自転車警官のパトロール用ロードバイクを失敬します。
なんだか「人生ノーブレーキ」的なピストバイクにコダワリがあるのかと思いきや、
最後に乗るのがコレなんて、別に走れば何でもいいのかと思っちゃいました。
そもそも愛車のフェリペのバイクだって、アレーキャットレースの景品ですもんね…。

途中のチェイスはかなり派手だったのに、クライマックスのサンデー刑事との対決は…。
恋人ヴァネッサがフラッシュモブでNY中のメッセンジャーに動員をかけ、
ワイリーを援護するのですが、集まった何十台、何百台のメッセンジャーが、
公道を派手に走りまわることになるのかと思いきや、チャイナタウンの路地で、
十数台が暴走族みたいにサンデー刑事の周りを囲んで走るだけ…。
冒頭でNYには1500人のメッセンジャーがいるって言ってたので、
あまりの小規模なフラッシュモブに拍子抜けしました。
結局最後にサンデーをやっつけたのは蛇頭のデブメガネ中国人だし…。

人物設定にかなり難がありましたが、バイクアクションは見応えがあったし、
時系列を頻繁に入れ替える演出もスピーディでよかったので、楽しい作品でした。

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