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くるみ割り人形

今年も年の瀬が迫り、クリスマスまであと一カ月ほどになって、
街中や商業施設もクリスマスムードになってきましたね。
ボクも一年の中で、この時期の雰囲気が最も好きです。
でも今年はクリスマスらしい映画があまり公開されないみたいで残念です。
一応『サンタクロースをつかまえて』というタイトルの日本映画が公開するようですが、
震災復興のドキュメンタリー映画のようなので、このシーズンに観る気にはならないです。
クリスマス映画ではないですが『レ・ミゼラブル』が最もクリスマスに相応しいかな?
(厳密にはニューイヤー映画です。)
でもクリスマスっぽい映画のDVDはそこそこリリースされるので、
今年は家でクリスマス映画を楽しむことにします。

ということで、今日はクリスマス映画のDVDの感想です。

くるみ割り人形

2012年11月2日DVDリリース。
エル・ファニング主演の冒険ファンタジー。

だれとでもと仲良くなれる心やさしい少女メアリーは、クリスマスの夜おじさんから、ちょっと変わったくるみ割り人形をもらいました。大事にするって約束したのに小さい弟のマックスがお人形を壊してしまいます。その夜、「ごめんね。」とお人形にあやまったメアリーはびっくり。「ご心配なく! 」とくるみ割り人形が返してきたのです! なんとその人形は悪いネズミの王様から魔法をかけられたオモチャの国の王子様だったのです! メアリーは、NCと名乗る王子様と、そしてオモチャの仲間たちといっしょにオモチャの王国に行くことに。昔は平和だった王国でしたが、今は黒い煙が好きなネズミの王様のせいでオモチャたちが焼かれていました。メアリーはなかまたちとオモチャの国をとりもどそうとしますが、それに気づいたネズミの王様に弟のマックスが誘拐されてしまい…。(公式サイトより)



本作は作曲家チャイコフスキーの楽曲、およびそれを使用したバレエ作品
『くるみ割り人形』を原作とした、ファミリー向けのクリスマス映画です。
イギリスとハンガリーの合作で、けっこう製作費もかけられたファンタジー超大作ですが、
最低映画の祭典、ゴールデン・ラズベリー賞にノミネートされるほど酷評され、
あまり陽の目を見ることもなく大コケし、日本でもビデオスルーと相成りました。
でもチビッコが楽しむ作品としては、そう酷評されるような内容でもなく、
これを酷評する批評家やラジー賞ノミネートさせるのは大人げなさすぎる気がします。

たしかに三大バレエのひとつである『くるみ割り人形』を原作に映像化しておいて、
こんなバレエの要素は皆無な子ども向けファンタジーにされてしまったことに、
不満を感じる大人も少なからずいるかもしれません。
ストーリーも原作バレエからはかなり大胆にアレンジされていて、
バレエ『くるみ割り人形』の映画化と考えると、違和感は否めないかも…。
でも劇中曲にはチャイコフスキーの楽曲がちゃんと使用されています。
そんな原作の楽曲に合わせて歌うミュージカルシーンもあって、
なかなか楽しい演出だと思いました。
まぁ子ども向けなのにチャイコフスキーの楽曲なんて使用しても、
子どもが面白いと思うかはわかりませんが、もし原作の知識が全くなくても、
「雪片のワルツ」やハリポタでお馴染みの「金平糖の踊り」など、
たぶん誰でも知っている聴き馴染みのある有名な曲ばかりです。
なので一種のジュークボックス・ミュージカルみたいに楽しめると思います。

もうひとつ子どもではわからないかもしれない設定として、
おそらく19世紀末を舞台にした本作には、歴史上の人物も登場します。
本作の主人公の女の子メアリーにくるみ割り人形をプレゼントしたアルバート伯父さんは、
あのアルベルト・アインシュタインであることに相違ないです。
作中では彼がアインシュタインであるとまでは説明されていませんが、
その容姿や、メアリーたち姉弟に相対性理論を説明したりするので、
わかる人にはわかるようにはなっています。
他にもチョイ役ですが、精神分析学者のジークムント・フロイトも登場します。
アインシュタインやフロイト博士なんて、子どもにはまだわからないかもしれないけど、
別にそれがストーリー上で重大な設定というわけでもないので、
ちょっとした遊び心なのだろうと思います。
それにメアリーが体験する不思議な冒険を、アインシュタインの相対性理論や、
フロイト博士の夢分析の観点から説明するという、ちょっと凝った趣向でもあり、
ローファンタジーに対するアプローチの仕方としては興味深いです。

クリスマス・イブ、メアリーはアルバート伯父さんにくるみ割り人形を貰います。
その夜、彼女が就寝のために部屋に戻ると、突然くるみ割り人形が喋りはじめます。
NCと名乗るくるみ割り人形と一緒に居間にあるクリスマスツリーに登ると、
ツリーの飾りであるノームや天使の人形たちもみんな生きていました。
ちなみにこの時のメアリーは人形サイズに縮んでいるのですが、
小さくなって煌びやかなクリスマスツリーに登るなんて、なんともメルヘンチックで、
クリスマス映画らしい雰囲気でいいですよね。
今年はクリスマス映画があまり公開されないし、クリスマスに家族で見る映画として、
適当な作品ではないかと思います。

ツリーの中腹で、メアリーが大切にしている雪の精の人形に出会います。
彼女の助言で、メアリーがNCの手を握ると、彼は人間の男の子の姿に変わります。
NCはある国の王子なのですが、その国はナチスのようなネズミ軍に乗っ取られてしまい、
ネズミの王により、人間は強制労働させられています。
王子であるNCはネズミの女王によって人形になる魔法をかけられ、国を追われたのです。
メアリーのお陰で魔法が解けたのも束の間、それに気付いたネズミの女王が、
再び強い魔法でNCを人形にしてしまい、ネズミの王が放ったネズミ犬の襲撃により、
彼女たちのいるツリーは根元から折られてしまいます。

…と、ここでメアリーはベッドで目を覚まします。
予想通り今までの不思議な出来事は彼女の夢だったわけですが、
なぜか居間のツリーは本当に倒れていて、単なる夢というだけではなさそう。
しかし両親は、彼女の夢の話を全く信じません。
その夜、またしても夢の世界に入り込むメアリーですが、今度は弟のマックスも一緒です。
そこにネズミの王が現れ、NCは捕えられ、マックスはネズミの仲間になってしまいます。
ネズミは太陽が苦手なので、国中を黒い煙で覆っているのですが、
その煙はオモチャを燃やすことで発生させており、オモチャをすぐに壊すマックスは、
ネズミの王に見込まれて有望な新兵としてスカウトされたのです。
弟とNCを助けるために、NCの仲間であるチンパンジーの人形ギールゲットと一緒に、
ネズミの王の国へ乗り込んだメアリーだが、すでにNCは壊されていて…、という話です。
後半はあまりクリスマスとは関係ない内容で、少々残念でしたが、
メカニックなネズミバイクや飛行用バックパック、脚部の付いたヘリコプターなど、
ネズミの国がサイバーパンクな世界観で、なかなか面白かったように思います。

主人公のメアリーを演じるのは、あの天才子役だったダコちゃんの妹エル・ファニング。
本作撮影当時は10歳くらいだと思いますが、すでに色気すら感じる可愛らしさで魅力的。
本作以降に主演作『SOMEWHERE』や、超大作『SUPER8/スーパーエイト』に出演し、
今では姉以上の注目若手女優となっていますが、もし公開順が逆なら、
本作ももうちょっとヒット出来たのかもしれませんね。
ダコちゃんは汚れ役が多くなり、人気に陰りが出た気がしたので、
彼女には清純派女優のまま成長してほしいと願います。
もうひとりの主人公NCですが、魔法が解けて人間の姿になるところもあるけど、
基本的にはCGで描かれています。
レトロで味のあるデザインで、CG合成技術もなかなか悪くないと思うのですが、
他の人形は俳優が特殊メイクをしたり、気ぐるみを着たりしているだけなので、
彼だけがCGという状況だと、ちょっと浮いている気もしたかな。
まぁNCを安易に気ぐるみにしたりしなかった努力は買います。

ラジー賞にノミネートされたくらいだから、
万人にオススメできる作品だとは言い難いですが、
クリスマスシーズンも始まるので、季節感ボーナスも加味されて、
今の時期なら楽しめる人も増えるのではないかと思います。
原作バレエに関心がある人は、12月14日に英国ロイヤル・バレエ団による、
本物(?)の『くるみ割り人形』のバレエ映画が公開になるので、
それを観るといいかもしれません。

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