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空飛ぶペンギン

先週末の全米ボックスオフィスを見ると、
『Diary of a Wimpy Kid: Dog Days』が3位に初登場していました。
ボクの大好きな『グレッグのダメ日記』シリーズ第3弾で、
例年は3月に公開されていたため、「今年はないのか?」と思い残念だったのですが、
今回は夏休みが舞台なので夏公開になったみたいですね。
まぁこのシリーズは日本では劇場公開されず、ビデオスルーは確定的ですが…。
続く4位(初登場1位)に人気アニメシリーズ最新作『Ice Age: Continental Drift』、
5位(初登場3位)にベン・スティラー主演のSFコメディ映画『The Watch』がランクイン。
いずれも面白いこと間違いない作品ですが、日本での劇場未公開は濃厚のようで…。
そしてこれらの作品に共通することは、20世紀フォックスの配給作品ということです。

近年、『グレッグのおきて』『ブルー 初めての空へ』『恋するモンテカルロ』
『運命の元カレ』『アルビン3』『ピンチ・シッター』など全米大ヒット作を、
あっさり日本未公開を決定しビデオスルーにしてしまった20世紀フォックス。
他にも『ラブ&ドラッグス』『恋人たちのパレード』『ビッグ・ボーイズ』などは
20世紀フォックスがビデオスルーにしたところを他の配給会社が拾って劇場公開しました。
今後も冒頭の3作品に加え『Red Tails』『Chronicle』『The Three Stooges』など、
全米初登場1~2位の大ヒット作も日本では劇場公開されない見込みが強いです。
はっきり言って、6大メジャーの中で20世紀フォックスのビデオスルー率は断トツです。
いずれも全米ヒット作なので劇場公開でも勝負できるであろう立派な作品なのに、
諦めがいいというか、すぐにビデオスルーに見切りすぎだと思います。
20世紀フォックスはよほど日本市場に期待してないんだろうなと思え、少し残念です。

そんな20世紀フォックスはどんな作品なら日本でも劇場公開するのかといえば、
『X-MEN』シリーズや『猿の惑星:創世記』『TIME』『プロメテウス』などSF超大作ばかり。
だから日本ではSF超大作を配給する映画会社ってイメージだけど、
実はファミリー向けコメディやロマコメを得意とする会社だと思います。

ということで、今日はビデオスルーになった全米初登場3位の作品の感想です。
劇場公開してても健闘できたと思うんだけど…。

空飛ぶペンギン

2012年8月3日リリース。
ジム・キャリー主演のドタバタ・コメディ。

敏腕不動産デベロッパーのトム・ポッパー。彼は仕事最優先の日々を過ごした結果、妻と子供たちに見限られ家庭崩壊の危機に陥っていた。ある日、彼は音信不通だった父親からの本物のペンギンを遺産として相続することに! 彼はあらゆる手段を尽くして南極へ送り返そうとするのだが、大暴れするペンギンたちに悪戦苦闘する。そんな中、彼の元を訪れた別居中の家族にペンギンを隠していたことがバレてしまう。しかし、子供たちはペンギンたちに大興奮! そんな子供の姿を見たトムは父の威厳を取り戻すべくペンギンたちとの共同生活を始めるのだが……。仕事か? 家庭か? ペンギンか?! そして、父が残したペンギンの意味とはいったい!?(公式サイトより)



児童小説『ポッパーさんとペンギン・ファミリー』を実写映画化した作品ですが、
原作に邦題があるということは日本でも刊行されているということですよね。
もともとは原作に近い『ホッパーさんのペンギン』という仮の邦題で発表されましたが、
いつの間にか現在の邦題『空飛ぶペンギン』になってリリースされました。
ボクの考えでは原作に翻訳版があるなら邦題もそれに準ずる方がいいと思うし、
決定した邦題は本作の内容のほんの一面にすぎないもので、
しかも若干ネタバレ気味でもあるため、あまりいい邦題とは思えません。
でも20世紀フォックスの日本法人は、あの有名な『マーマデューク』の実写映画でさえ、
『サーフィンドッグ』なんて邦題をつけるヤバいセンスの映画配給会社だから、
特にビデオスルー作品は、まともな邦題が付く方が珍しいです。

邦題は少々アレですが、そんなものは内容の出来栄えには関係なく、
なかなか楽しめるファミリー・コメディだったと思います。
主演のジム・キャリーを観るのもゲイ映画『フィリップ、きみを愛してる!』以来で、
90年代は大人気コメディ俳優だった彼も、近年は作品に恵まれませんでしたが、
久々に彼の持ち味を活かせるコメディ作品に当たったのではないかと思われます。
企画段階ではベン・スティラー、オーウェン・ウィルソン、ジャック・ブラックなど、
今を時めく大人気コメディ俳優が主演候補に名を連ねていたようですが、
もし彼らが演じても面白かったろうけど、本作はジム・キャリーで正解だったかな。

不動産会社で働くトム・ホッパーは、会社の共同経営者になる条件として、
老舗レストラン「タバーン・オン・ザ・グリーン」の買収を命じられますが、
その女性オーナーは「相応しい人にしか売らない」の一点張りで、買収話は進みません。
そんな折、世界中を旅している父が他界し、トムのもとに遺産の入った荷物が届きます。
開けてみると、中から1羽のジェンツーペンギンが…。
迷惑な遺産に途方に暮れた彼は、父の知り合いの贈り主に送り帰そうとしますが、
行き違いがあり、追加でさらに5羽のペンギンが送られてきて…。
はじめは本物のペンギンを出演させてるのかと思ったのですが、
どうやらCGで作ってあるみたいですね。
すごくリアルなのに動きがコミカルで可愛らしいです。
それぞれ特徴に合わせてキャプテン、ラウディ、バイティ、スティンキー、ラヴィー、
ニムロッドと名付けられた6羽ですが、よく見ると模様もそれぞれ違います。
みんな個性的ですが、胸にハート模様のある人懐っこいラヴィーが特に可愛かったです。

トムは動物管理局など役所に引き取りを要請しますが、どこもペンギンは取り扱わず…。
そんな中、動物園が引き取ってくれることになりますが、
彼の2人の子どもが、ペンギンをとても気に入り、暫らく飼ってみることにします。
子どもたちは前妻との間の子で、普段はあまり会えません。
離婚していても前妻との関係は良好のようで、彼は前妻をまだ愛しているし、
子どもたちとももっと一緒にいたいと思っています。
なのになんで離婚したのかはちょっとよくわかりませんが、ペンギンが家にいることで、
子どもたちがよく家に来るようになり、元の家族との交流も増えます。
本作はペンギンがやってきたことでのドタバタ騒動を描いただけではなく、
ペンギンをキッカケに、父子関係の修復や前妻との復縁といった、
家族の絆の再生を描いた心温まる物語なのが、とてもよかったです。

トムはペンギン自体には迷惑ですが、ペンギンのお陰で家族と交流できることを喜びます。
しかし面白くないのは引き取る気満々だったのにキャンセルされた動物園です。
なんとかペンギンを奪い取ろうと画策するのですが、
実は動物園はペンギンを展示用に欲しいのではなく、タダで手に入れたペンギンを、
他の動物園との動物トレードに使おうとする悪徳動物園だったのです。
ジェンツーペンギンはそれほど珍しい種ではないから、そんなに価値は無さそうだけど…。
日本でもけっこう飼われていて、ボクも海遊館で見たことがあります。
別にペットとして一般人が飼ってもいいみたいですね。
ただし、餌代やらご近所迷惑な鳴き声やら、いろいろ大変みたいです。
トムはエリート社員なのでお金には不自由していませんが、
マンションの規約とか、騒音問題なんかで、隣人とトラブったりします。
(本作では隣人をパラノイアのように描いているけど、隣人の気持ちもわかるよね。)
ペンギンは鳥なのであまり躾けられないみたいだけど、
本作によれば「低温で飼うと従順になる」らしく、真冬ですが室温を更に下げ、
彼は寒さに耐えながら生活しますが、その甲斐あって一緒にダンスできるまでになります。
また、チャップリンにシンパシーを感じるようで、チャップリンの映画を見せておけば、
大人しくなるというのが面白いですね。

一方、老舗レストランの買収はなかなかうまくいきません。
そんな折、ペンギンたちが卵を3つ産み、子どもたちと一緒にその孵化を見守るトム。
無事ヒナ2羽は孵るのですが、残る1つキャプテンの卵はなかなか孵らず、
トムは卵の世話に仕事そっちのけで没頭し、ついには会社をクビに…。
しかし、卵はすでに死んでるとわかり、落胆した彼は動物園の引き取りに応じ、
会社に復帰するのですが、ペンギンを手放したことに子どもたちはショックを受け、
ヨリを戻しかけていた前妻からも、再び愛想を尽かされてしまいます。
そんな時、彼はペンギンと共に送られていた父からの手紙を見つけます。
そこには父が彼にペンギンを遺した真意が綴られており、それを読んだ彼は、
元の家族と一緒に動物園にペンギンを奪還しに行きます。
正直、トムが父のことをどう思っているのか、それまでわかりませんでしたが、
その手紙の内容と、その後の彼の行動でやっと理解でき、とても感動しました。

動物園に奪還しに行くも、そう簡単に返してくれるはずもなく、
トムたちはペンギンを強引に脱走させます。
しかしキャプテンは逸れてしまい、飼育員に追われて屋根に向かいます。
ここが本作のクライマックスなわけですが、どうなるかはもう予想できますよね。
なにしろ邦題がネタバレになってますからね…。
ちなみに原作小説ではペンギンが空を飛ぶ展開はないんだそうです。
というか、物語自体ほぼオリジナルで、原作とはほとんど違うみたいですね。
原作はホッパーさんがペンギンでショービジネスを始めるけど、
ペンギンのためには野生に帰すのが一番いいと考えるという話です。
最終的にペンギンを南極に帰してあげるというラストは同じですね。
実写映画版は原作にはないレストラン買収の話や家族の絆の話など、
いろいろな要素を詰め込みすぎな気もしますが、テンポよく展開し、
とても面白く仕上げてあり、よくぞここまで巧くまとめたものだと感心します。
終盤多少強引なところもあったものの、これくらいなら上出来ではないでしょうか。
大人も楽しめるけど、特に子どもが喜びそうな、ステキなファミリー映画でした。

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