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最高で最低のサリー

前クールは1本もテレビドラマを見ませんでしたが、
今クールはTBS系列月曜8時の『浪花少年探偵団』を見ています。
東野圭吾が原作だからだとか、夜9時すぎに寝るので時間的に見やすいとか、
関西(大阪)が舞台だとか、このドラマを見ようと思ったいろいろ理由はありますが、
最大の理由は「まえだまえだ」が(準)主演しているからです。
ボクは「まえだまえだ」のことは芸人(漫才師)としては微塵も評価してませんが、
映画『奇跡』を観て以来、子役としてはなかなかいいものを持ってると思っています。
演技が巧い、…とは思いませんが、なんというか子どもらしさがあり、
無理のない演技をしている気がして好印象を受けます。
劇団に所属している子役は、演技は巧いけど、頑張りすぎで痛々しいこともあり、
可哀想に思ってしまうことも間々あります。
特にほとんどの子役は今がピークで、あと2~3年で使い捨てされるんだろうし…。
ちなみに『浪花少年探偵団』は、まだ2話までですが、今のところ微妙な印象です。
このままだとボクが視聴をやめるまでもなく、打ち切られかねないかも?

ということで、今日は元子役が主演の映画の感想です。

最高で最低のサリー

2012年7月4日DVDリリース。
フレディ・ハイモア主演の青春ロマコメ。

未来に希望が見いだせず、自分の進むべき道が決められないジョージは、無気力に学生生活を送っていた。ある日、学校の屋上でクラスで一番の美人サリーの校則違反をかばったことから、二人は親しくなってゆく。ジョージは初めて自分をさらけ出せることができたサリーに対し、恋心を持つようになるが、彼女はその気持ちに気付きならがらも「親友だから恋人になれない」と言う……。(公式サイトより)



『チャーリーとチョコレート工場』などで一世風靡した子役のフレディ・ハイモアですが、
あれから月日も経ち、最近はいまいちパッとしない作品が続いています。
一応まだ主演としてキャスティングされてはいますが、
最近の作品『アーサーとふたつの世界の決戦』や『トースト 幸せになるためのレシピ』は
劇場公開もままならず、日本でもビデオスルーとなってしまいました。
そして最新作である本作も、サンダンス映画祭で上映されたものの、
それほど注目を集めることもなく、やはり日本ではビデオスルーになりました。
例を挙げるまでもなく、子役時代の人気を持続させるというのは難しいものですね。

でも、成長してたしかに子役としての神通力は失われたものの、
他の失墜した元子役たちに比べると、比較的消耗が軽いというか、
いい感じの正統派若手俳優になりつつあると思います。
演技も子役上がりらしくない素直な印象で、好感を持てます。
子役の時も可愛かったけど、ほとんど劣化することなくイケメンになってるし、
作品にさえ恵まれれば、再び大スターになる可能性もあると思えます。
そのためにも注目される大作映画などに脇役としてでも出るべきだけど、
子役時代のプライドが邪魔して、主演の仕事しか受けないことにしてるのかな?

そんな人気子役上がりのハイモアですが、彼の子どもの時からけっこう観てきただけに、
彼がロマンス映画の主演をするほど大人になるなんて、少し感慨深いものがありますね。
まぁ正統派青春学園ドラマなので、濡れ場があったりするわけでもないですけど。
しかしそんな彼の年相応の演技はなかなか評価されているようですが、
ストーリーが正統派すぎるというか、在り来たりというか、
作品自体の評価は決して高くありません。
ボクも本作はあまり出来がいいとは言えないと感じました。

高校生ジョージは、本で「人は孤独に生まれ、死ぬ。全ては幻想。」という名言を読み、
ショックを受け、それ以来「どうせ死ぬなら何をしても無意味」だと考えるようになり、
努力するだけ無駄だと勉強したり働いたりすることに必要性を感じなくなりました。
「どうせ死ぬなら」という理由はちょっと理解できませんが、
努力が報われなくなってきている昨今の若い世代には、
彼の考え方に少なからず共感を覚える人も多いんじゃないかと思います。
真面目すぎるがゆえに逆に考えすぎて何も出来なくなる彼は、
今の無気力な若者に通じるところがありますし、ボク自身もけっこう共感します。
彼を演じるハイモアの醸しだす儚げな雰囲気も、そんな役柄にピッタリです。
とはいえ、行動はかなり極端で、もう高校卒業だというのに宿題は全くやらず、
授業もたびたびエスケープする問題児で、先生たちも手を焼いています。
たとえ授業に出席したとしても、ひたすら教科書に落書きをしているだけですが、
その落書きが不気味で病的なイラストで、やはり彼は精神的に病んでるのかも…。
絵としてはかなりうまいけど、特に描きたいものがあるわけでもなく、
ただ漫然と落書きしているだけです。

ジョージは人付き合いも下手で、友達もいませんが、
友達や恋人を作ることも無駄なことだと思い込み、納得しています。
しかしある日、学校で喫煙していた同級生サリーが先生に見つかりかけたのを助け、
それがキッカケで彼女と友達になります。
サリーは金持ちの集まるお気楽で不真面目なグループに属しており、
パーティしたり、クラブに行ったりと遊びなれた女の子で、
ジョージとはまた違ったタイプの不良です。
ジョージはサリーに誘われて、彼女の友達グループとも交流するようになります。
この友達グループにゾーイという女の子がいるのですが、
その子を演じているのはスティーブン・スピルバーグ監督サーシャの娘らしいです。
彼女の出演作は何本か観ているはずだけど、今まで意識したことがありませんでしたが、
本作ではメインキャストのひとりだったので、はじめて意識できました。
スピルバーグ監督にこんな若い娘さんがいたのも驚きですが、
パッと見は美人だけど、目がお父さんそっくりで笑えますね。

ジョージはサリーに恋をしますが、女の子と付き合った経験もないので告白できず…。
サリーは他の友達とは違うタイプのジョージに好意を持っていますが、
なぜか親しい友達のままでいたいと思っているようです。
彼女は無自覚な魔性の女で、かなり性質が悪い印象を受け、
ボクからするとあまり魅力を感じません。
自分がジョージを遊びに誘ったのに、彼を放って他の男(元カレ)とイチャつくし、
遊びなれているので、そんなことを悪気なくやるんですよね。
もちろん初心なジョージは心を痛めます。
ある日、サリーはジョージに「私と寝たい?」と質問し、
それに動揺した彼に「冗談。友情を壊したくない。」と言い放ちます。
初心なジョージは完全に気分を害し、以後サリーと口も利かなくなり、
さすがの彼女も不用意な発言を後悔しますが、その後彼女はあろうことか、
ジョージの憧れる画家ダスティンと関係を持ってしまうのです。
それも悪気がないだけに更に性質が悪く、どれほどジョージを傷付ければ気が済むのか…。
ジョージは彼女を「裏切り者でサディストで尻軽」と称しますが全くその通り。
本作の邦題は『最高で最低のサリー』ですが、もう『最低のサリー』だけで十分です。

そんな恋愛のイザコザの最中で、卒業を3週間後に控えたある日、
ついにジョージは校長に呼び出され、今までサボった課題を全て提出しなければ、
卒業させないと通告されます。
たった3週間で1年分の課題をやり切るなんて不可能だと、彼は退学を覚悟しますが、
そんな折、彼の義父が事業に失敗していたことが明らかになり、
借金まみれでアパートも手放すことになったことを知り、
彼は課題を提出して卒業しようと思い立つのです。
なんだか、まったく因果関係が見えない展開で戸惑いました。
普通なら家が金銭的にピンチだとわかれば、退学して働こうと考えそうなものなのに、
ジョージは逆に美術学校に進学するために卒業したいと考えるのです。
本格的に画家になりたいと考えたのでしょうが、画家なんて不安定な職業で、
全然金銭的な助けにはならず、むしろ学費が負担になるだけなのにね。
それ以上に無茶苦茶なのが、その1年分の課題を本当にやり切ってしまうことです。
センスがあれば国語のレポートなんかは出来るかもしれないけど、
全く勉強もしてこなかったのに、高校の数学の課題なんて出来るはずないでしょうに…。

その中に美術もあり、自分が情熱を感じるものの絵を一点描くという課題が出ます。
今まで「何も描きたい対象がない」と病的な落書きばかりしていた彼には、
かなり困難な課題でしたが、彼は意外とスラスラと描き上げてしまいます。
彼が何を描いたかはだいたい察しが付くと思いますが、
その通り、サリーを対象にした絵を描くのです。
でもこの時点では、ジョージは尻軽なサリーに対して愛想を尽かしていたはずなので、
こんな絵を描くのはちょっと納得できません。
また、この出来あがった絵も笑顔のサリーを写実的に描いただけで、
あの病的で個性的なイラストを描いていたジョージの作品としては、
普通すぎて面白味に欠けるし、それほど素晴らしい絵とも思えません。
本作の終盤の展開のグダグダさというか、不可解さはちょっと目に余ります。

ラストもジョージとサリーが晴れて恋人同士になるハッピーエンドで幕を閉じますが、
サリーは魔性の女なのは変わらないので、あまり祝福する気にもなれず、
ジョージが後々不幸な目に遭いそうな予感しかしません。
ヒロインがイマイチなロマンス映画は、それだけで価値が半分以上損なわれますね。

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