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セクレタリアト 奇跡のサラブレッド

今週末は中央競馬上半期のグランプリ「宝塚記念」ですね。
ボクは賭けごとにはけっこう強いのですが、お金がかかると楽しめなくなる性質なので、
今は滅多に競馬はしませんが、地元開催の「桜花賞」と「宝塚記念」の時は、
競馬場まで観に行くときもあります。(その時は当然賭けますが。)
一時は競馬にのめり込んでいた時もあり、ディープインパクトが活躍した頃の2年間は、
G1が開催される週は、必ずと言っていいほど場外馬券場に行っていました。
ディープインパクトのお陰もあり、収支はプラスだったはずです。
でもディープインパクトの引退と共にその熱も冷め、今ではすっかり疎くなりました。
だけど今週末は映画やら何やらで忙しいので競馬場までは行けませんが、
「宝塚記念」の馬券は買ってみようかなと思っています。
そう思ったのは、この映画がキッカケです。

ということで、今日は競馬を題材にした映画の感想です。

セクレタリアト 奇跡のサラブレッド

2012年6月20日DVDリリース。
アメリカの3冠馬セクレタリアトの馬主の半生を映画化した伝記ドラマ。

両親が経営する競走馬生産牧場を相続したペニーは、ある日生まれた仔馬に「セクレタリアト」と名付ける。(キネマ旬報社データベースより)



本作は1973年のアメリカ三冠馬セクレタリアトが、アメリカ三冠を獲るまでの紆余曲折を、
この馬の馬主であるヘレン・チェナリー、通称ペニーの視点から描いた伝記映画です。
ボクは競馬シュミレーションゲーム『ウイニングポスト』が大好きなのですが、
そのゲーム中でもこの馬の名前はよく目にしたので、名前は知っていました。
その他の情報はアメリカの伝説的な三冠馬ということくらいしか知らず、
本作を見て初めてどんな偉大な馬だったのかを知ることができました。
ボクもゲームをしていなければ全く知らない馬だったと思いますが、
本作は全米初登場3位とまずまずの好成績だったにもかかわらず、
馬自身の知名度が低いためか日本ではビデオスルーになってしまいました。
しかし内容としては例え競馬を知らなくても楽しめるであろうファミリー映画で、
むしろセクレタリアトのことを全く知らない人の方が、より楽しめる作品だと思います。
事実を基にした伝記映画である以上仕方ないですが、
ボクみたいにこの馬が「三冠を獲る」と知っていると、レース結果がわかってしまい、
山場である三冠レースでのドキドキ感があまり感じられない気がするので。

弁護士の夫と4人の子どもを持つ普通の主婦ペニー(ダイアン・レイン)ですが、
ある日母親が他界し、実家の競走馬を生産するメドウ牧場に帰省します。
メドウ牧場の赤字経営で、オーナー(馬主)である父親は認知症を患っているので、
牧場を守るため、ペニーが父の代理として馬主になることに。
ド素人が何も分からずに専門的な知識を要する施設を譲り受けるというのは、
『幸せへのキセキ』を彷彿とさせる展開ですが、ワクワクしますね。

メドウ牧場の2頭の繁殖牝馬は、名種牡馬ボールドルーラーの仔馬を身ごもっています。
メノウ牧場はボールドルーラーの馬主との間に面白い契約があり、
産まれた仔馬を種牡馬の馬主と繁殖牝馬の馬主で1頭ずつ所有するのですが、
どちらを先に選ぶかはコイントスで決めることになっています。
父の代理として挑んだペニーはコイントスに負けてしまいますが、
残った仔馬を1頭所有することになります。その仔馬が後のセクレタリアトです。
残りものには福があるというけど、種牡馬ボールドルーラーの馬主は、
後の伝説的三冠馬を逃して残念でしたね。
しかしこのコイントスの契約は生産者側にも夢があって面白い仕組みです。
まぁ彼くらいの大富豪になると、競走馬のオーナーなんて単なるゲームなのでしょう。

産まれた仔馬は、他の仔馬よりも立ちあがるのが早く、体格も大きめでした。
調教師の名伯楽ルシアンも絶賛で、将来性もかなりありそうです。
その馬も2歳になり、「セクレタリアト」と名付けられ、初レースの日を迎えます。
名馬ボールドルーラーの子ということもあり注目度も高かったのですが、
経験不足の若手騎手のせいでレース中に他の馬と接触し、4位に終わってしまいます。
ボクはこの馬が三冠馬ということは知っていましたが、その過程までは知らず、
まさか初戦黒星スタートだったのは驚きました。
伝説的な馬だから、ディープインパクトのように無敗で三冠達成したと思っていたので…。
でもその完璧じゃないところが、可愛げがあっていいです。
テレビゲームだったら未勝利戦で負ける馬は即刻売り飛ばしますが…。

黒星デビューとなるも、馬と相性抜群の騎手ターコットに騎乗を依頼し、
その後は4ヶ月で優勝7回という快挙を達成し、2歳馬の年度代表馬に選ばれます。
しかし喜びも束の間、今度はペニーの父が亡くなり、
牧場を相続した彼女に、600万ドルもの相続税の請求が…。
彼の兄や夫は、年度代表馬になって700万ドルの値が付くセクレタリアトを手放すように
彼女を説得しますが、彼女は断固拒否し、金策のため一計を案じ、
セクレタリアトのシンジケートを設立し、繁殖入りした時の種付権を投資家に売ります。
でもボールドルーラーの仔馬はスピードはあるがスタミナがないと言われており、
セクレタリアトは距離が延びる3歳のレースでは通用しないと思われていて…。
しかし、ペニーの営業努力により、なんとか種付権を売りさばき、
馬を手放さずに相続税を払えることになります。
だけど三冠レースに勝てなければ馬の価値は暴落し、契約も解消されてしまいます。
このあたりは競馬の知識がないと少々ややこしいかもしれませんね。
ボクもそこまで深いわけではないので、シンジケートについてはわかりにくかったです。
セクレタリアトの場合は1口19万ドルで32口、計608万ドルのシンジケートです。
これがどれほどのものかはわかりませんが、前代未聞の高額なんだそうです。
ちなみにディープインパクトのシンジケートは1口8500万円で60口、計51億円だそうです。
物価が違うので単純な比較にはなりませんが…。

日本のいわゆる(クラシック)三冠といえば、3歳馬の皐月賞、ダービー、菊花賞ですが、
アメリカ三冠は、ダービー、プリークネス、ベルモントです。
日本の三冠は5月~10月に年間を通して行われますが、
アメリカ三冠は5週間という短い間に3レースとも実施される超タイトな日程です。
しかも国土も広大なので実施競馬場までの輸送も大変で、
当時は過去25年間、三冠馬は一頭も出てないほど難しいのだとか…。
ボクもテレビゲーム内で何度かチャレンジしましたが、体調管理が難しく未達成です。
その三冠初戦であるケンタッキーダービーの3週間前のレース、
ウッドメモリアルステークスにセクレタリアトは出場します。
そのレースには三冠キャンペーンのライバルとなる強豪馬シャムも出場しています。
なぜ更に厳しい日程にするのか疑問ですが、アメリカのサラブレットは頑丈なのかな?
いわば三冠の前哨戦だったそのレースで、セクレタリアトは3位と惨敗…。
「やはり距離適性が…」と心配するペニーや調教師でしたが、
獣医に見せると口の中に腫れものが出来ており、本調子じゃなかっただけのようで…。
食欲がなくなるなど兆候はあったんだし、レース前に調教師か厩務員が気付くべきです。
調教師「噛まれたくないから口には近づかない」って…。
これから体調管理が大変な三冠に挑むのに、前哨戦で調整ミスでは先が思いやられます。
…なんて、セクレタリアトが三冠獲るのはわかってるんですけど…。

三冠初戦、第99回ケンタッキーダービーでは前哨戦で先着された強豪馬シャムを下し、
レコードを叩きだし優勝、一冠目を獲ります。
続く第98回プリークネスステークスでも、シャムを下しレコード、二冠目を獲ります。
プリークネスの方では、ペニーの家族がテレビで観戦するという形で、
当時のレース映像が使われていたように思います。
レースシーンを新たに撮る必要がなくすためのお手軽な演出だと思いますが、
実際のセクレタリアトの雄姿が見れるのはよかったです。
結局前哨戦のウッドメモリアルから4連戦となるライバル馬シャムですが、
やはり期間が短いということもあり、ほとんど同じメンバーでレースを回るんでしょうね。
そのせいかほとんどのライバルは脱落し、3戦目のベルモントでは出走馬は5頭だけに…。
シャムもかなりの強豪馬で、ダービーでもプリークネスでも、
シャムもそれまでのレコードを更新する時計を残しています。
セクレタリアトがいなければレコードで優勝し、三冠も獲れたほどの馬ですが、
産まれた時代が悪かったとしかいいようがありませんね。
シャムはホントに実力のある馬で、ライバルとして申し分ない相手だったにもかかわらず、
感じの悪い馬主の所有馬として、情けない噛ませ犬的に描かれており、少し気の毒でした。
でもあの記者会見とか、事実に基づいて描かれているとすれば、
シャムの馬主パンチョはホントに不愉快なやつだったんだろうなと思います。

三冠最後のレース第105回ベルモントステークスは、今までのレースのなかで最長距離で、
スタミナのない血統のセクレタリアトには厳しいレースになると予想されます。
三冠最後のレースってことで、菊花賞のように3000メートルくらいあるのかと思いきや、
約2400メートルしかなく、日本で言えば中距離くらいで、意外と短いな思いました。
でもダートだからスタミナが必要なのかもしれませんね。
最後方からの追いこみ馬であるセクレタリアトですが、
このレースではスタートと同時に一気に飛び出し、先頭に躍り出ます。
まさかの「逃げ」に、序盤から飛ばしすぎだと関係者は焦りますが、
実は逃げているわけではなく、セクレタリアトは自分の思うままに走っているだけ。
その後もスタミナ切れでスピードが落ちるどころか、どんどん加速し、
途中まで競ってきていたシャムたちを、10馬身、20馬身と引き離し、
単騎で最終コーナーを回り、なんと2着と31馬身差で快勝します。
三冠馬なので勝つとは思っていましたが、まさかここまで圧倒的な勝利だとは…。
これほど圧倒的だと白けそうですが、圧倒的すぎて逆に感動しました。
当然レコードで、その記録は約40年経った今でも破られてないんだとか。
(ちなみに40年経った今でも実物のペニーさんはお元気で、本作にカメオ出演してます。)

それにしても、たった2400メートルのコースで、強豪馬相手に30馬身差って…。
もうね、こんなのサラブレットじゃなくて、化物ですよ。
死亡後解剖してみたら、心臓が他の馬の2倍の大きさだったそうで、
はじめから規格外の特異体質、もしくは突然変異みたいなものでしょう。
まさに不世出の競走馬だったわけですが、その後4勝し、ターフから去ってしまいます。
ディープインパクトが4歳で引退した時も早すぎると思いましたが、
強い不世出な馬ほど、価値を下げないために早く繁殖入りさせていまうのは、
ホントに勿体ないと思ってしまいます。
繁殖入りしたセクレタリアトの子孫は日本でも活躍しているようですが、
彼自身を超えるような馬は出てきてはおらず…。
やはり突然変異は遺伝しないということでしょうか。

普通なら「リアリティが無い」と切り捨てたくなる内容ですが、
これが実話や実際の記録を基にしてるんだから、興味深くないわけがないです。
その点では、同じくディズニー配給のオスカー候補の馬映画『戦火の馬』よりも、
数段面白かったと思います。

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