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スクリーム・オブ・バンシー 殺戮の妖精

アメリカ製作者組合主催のイベントで、『ハンガーゲーム』の製作者や
『トランスフォーマー』の製作者など大ヒット映画の製作者たちが、
「シリーズの構築」というテーマでパネルディスカッションをしたそうですが、
彼らは「初めからシリーズ化を想定してもうまくいかない」という見解で一致しました。
ボクも全くその通りだと思います。
1作目から前後篇やトリロジー構想、または長期シリーズ化を前提で製作したものの、
全くヒットせずに続編が製作されない映画って、最近多いですもんね。
そういうことって、1作目を観た客に対してあまりに不誠実だと思います。
作品として全うされないなら、ある意味契約違反みたいなもので、
返金くらいしてもおかしくないくらいの重大な裏切り行為です。
特にファンタジー小説シリーズの映画化や、ジュブナイル小説シリーズの映画化は、
そのパターンが多く、最近ではボクも観るのを警戒してしまいます。
『パーシー・ジャクソン』『ダレン・シャン』『エアベンダー』
『アイ・アム・ナンバー4』『三銃士』『ジョン・カーター』などなど、
一応待ってはいますが、はたして続編が公開される日はくるのでしょうか?

ということで、今日はシリーズもの映画の感想です。
シリーズといっても、連作ではなく作品群という意味の方です。

スクリーム・オブ・バンシー 殺戮の妖精

2012年6月2日DVDリリース。
人気シリーズ「After Dark Originals」の第6弾となるサスペンス・ホラー。

12世紀にテンプル騎士団によって葬られた妖精・バンシー。それから数百年後、差出人不明の地図を受け取った大学の考古学クラブメンバーは、謎の小部屋を見付け…。(キネマ旬報社データベースより)



本作は『51 フィフティ・ワン』『フライ・オブ・ザ・デッド』『ザ・フィールド』
『ザ・プロジェクト』『ホーンテッド・グラウンド』に続く、
全8本のホラー・シリーズ「After Dark Originals」の5本目です。
けっこうバラエティに富んでいて、なかなか面白い作品揃いなのですが、
シリーズの前作『ホーンテッド~』が驚くほどつまらなかったので、
もしかしたら面白い順にリリースしているのでは?…なんて勘ぐったりもしましたが、
前作から一転して、本作もまたなかなか面白い作品になっていました。
宇宙人系、ゾンビ系、殺人鬼系、サイコ系、心霊系と、
本当にジャンルが多岐にバラエティにわたり、バラエティ豊かなホラー・シリーズですが、
本作はアイルランド民話に登場する女の妖精バンシーが、次々と人を襲うという物語で、
今回はダーク・ファンタジー系のホラー映画となっています。

バンシーという妖精は、日本では馴染みの薄いような気がしますが、
大好きなRPG『女神転生』シリーズに登場していたので、名前だけは知っていましたが、
どうゆう妖精なのかは全く知らず、本作ではじめて知りました。
本作の設定では、バンシーは泣き叫んで死を予告する妖精で、彼女の叫び声を聞いたら、
死ぬまで彼女に取り憑かれるというものです。
醜い老婆の姿が多いけど、美しい女性など自在に姿を変貌させることもできます。
1188年に聖堂騎士団の王子に退治され、首を金属製の箱に封印されますが、
現代でその箱を発見した考古学のウェラン教授が蓋を開けてしまい、
中から出てきた生首の叫び声を聞いた人たちが、全員取り憑かれてしまい、
その日から醜い老婆に襲われる悪夢や幻覚を見るようになり、死者も出てしまいます。
基本的には叫び声を聞けば、例外なく近々バンシーに殺されることになるみたいです。
また叫び声の録られた録画や録音で聴いただけでも取り憑かれてしまうようで、
「見た人は必ず死ぬ」でお馴染みの『リング』のビデオテープみたいだと思いました。
展開的にも、教授の娘が不用意に録画を見てしまい、娘を助けるために、
教授がなんとか呪縛を解こうとする話で、『リング』っぽいですよね。
バンシーの人の襲い方も、どことなくJホラー風な印象を受けました。

バンシーの叫び声を聞いてしまって、彼女に取り憑かれて、襲われても、
基本的には幻覚での出来事なので、それだけで殺されることはありません。
教授の研究室の男子学生が、襲われた時に生死を分ける、ある仮説を立てます。
それは襲われた時に叫び声を上げなければ助かるというものですが、
どうやらその仮説は当たっているみたいです。
たしかにバンシーは直接迫って来りもしますが、相手を怖がらせようする行動が多く、
物音を立てたり、ボイスチャットを妨害したり、なんとか叫び声を上げさせようと、
あの手この手で驚かしにかかるのですが、その様子がちょっとお茶目です。
ただ、叫んだからといってすぐ殺される人とそうではない人がおり、
このあたりのルールはもっと厳格化してくれた方が楽しめた気がします。
また誰かがバンシーに殺されるシーンも見てない男子学生が、
こんなに的確な仮説を立ててしまうというのも少々不自然だと思いました。

バンシーの生首が入った箱は、何者かによって大学の研究室に長年隠されていましたが、
ある時、その在処を示した地図と箱の鍵となる聖堂騎士団の装甲籠手が教授の元に届き、
教授は中身を知らずに開けてしまい、今回の惨劇がはじまってしまいます。
教授はその箱の秘密を解き、惨劇を終わらせるため、その籠手の送ってきた人物を探し、
送り主であるダンカン元教授に会いに行きます。
ダンカンは終末論支持者のイカレた老人で、自宅にはマネキンが散乱しており、
会いに来た教授たちを銃で撃ち殺そうとするアブナイ男です。
バンシー以上にキャラの濃い人物で、なかなか面白かったのですが、
クライマックスはこのアブナイ男との生死を賭けた戦いになり、
バンシーのことは棚上げ状態の展開になってしまうのはどうかと…。
まぁ叫ばなければ安全なことが予想される妖精よりも、
銃を持った頭のイカレた人間の方が怖いのは間違いないですが、
バンシーの恐怖を描いた作品としては、最大の脅威が人間だなんて盛り上がりに欠けます。

首を封印する箱は、立方体の展開図のような形状の十字型の盾から変形したもので、
トラバサミ的な構造で首を刎ねながら封印することができる面白い仕掛けです。
また、その盾と、鍵となる籠手、バンシーを刺せる二又の矛の、いわば三種の神器で、
バンシーを退治し封印する展開は、ヒロイック・ファンタジーのようでもあり、
ホラー映画としてはちょっと変わった趣向で興味深かったように思います。
細かい不満点も多々あるけど、全体的にはけっこう楽しめました。

さて、残り2本となった「After Dark Originals」ですが、
7本目のリリースはすでに来月6日に決まっています。
バラエティ豊かなこのシリーズですが、次はどうやらデス・ゲーム系ホラーのようです。
タイトルもズバリ『デス・ゲーム 処刑監獄』です。
予告編見た感じではかなり期待が持てそうな気がします。

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