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HIDDEN ヒドゥン

TSUTAYAでまた大量にDVDを借りてしまいました。
今月は財布がちょっとピンチなので、映画を観に行く回数を減らそうと思って、
DVDを借りに行ったのですが、面白そうな新作がいっぱい出ていて、
映画3本分くらいの金額を使ってしまいました…。
そういえば東京のTSUTAYA、代官山店や桜新町店では、
60歳以上のシニアに新作を含めたDVDの無料レンタルをしていたみたいですね。
でもこのサービスは映画関係者などから「やりすぎ」との批判もあったそうです。
映画館にシニアが足を運ばなくなるというわかりやすい問題点もありますが、
なんでも新作の多くは借りられて得た収益の分だけ、著作権料が分配されるそうで、
勝手に無料で貸し出すのは身勝手すぎるという批判もあったみたいです。
もっともな批判だと思います。
ボクは映画関係者でも著作権者でもないので、無料レンタルのダメージはないけど、
年齢でサービスを変えることには不公平感を感じます。
まぁ近所のTSUTAYAでこのサービスが実施されたら、
知り合いのシニアを動員して、タダで借りまくりますけどね。

ということで、今日は大量に借りた中の1本の感想です。
借りたDVD全ての感想を書くわけじゃないけど、来週はDVDの感想が多いかも。

HIDDEN ヒドゥン

2012年3月24日日本公開。
イタリア・カナダ合作のサバイバル・ホラー。

母親の遺した治療センターを相続したブライアンは、友人たちと共にその古い洋館を訪れ、地下に棲むふたりの子供を発見する。彼らこそが母親の実験で作られたモンスターだった…。(キネマ旬報社データベースより)



本作はホラー映画ですが、血も一滴も流れないし、残酷描写もほとんどありません。
違法な人体実験などの内容を含むメディカル・ホラーなのに、
グロいシーンは一切なく、ホラー好きには少々物足りない内容かもしれません。
雰囲気はかなりあるので、グロや残酷描写さえしっかり描いていれば、
けっこう刺激的な作品になったと思うのに残念です。
流血シーンなど直接描写を避けたのは、たぶん年齢制限されるのを嫌ったんだと思います。
本作は『Hidden 3D』という原題からもわかるように、3D上映を前提に製作されてますが、
3D映画を喜ぶのは子どもだけで、低年齢層の集客しなければ儲かりませんからね。
3D映画は臨場感がある分、レイティングも厳しくなるようで、
ホラーの3D映画は、本作のように直接描写を避けて間口を広げるか、
18禁覚悟で血みどろのスプラッター映画にするか、二極化されている気がしますが、
本作は前者の方針を取ったみたいです。
まぁ日本では3D上映はされず、通常のDVDでのリリースしかされなかったので、
単なる温い描写のホラー映画でしかなくなってしまったわけですが…。

そんなホラー映画としては温い本作ですが、
メディカル・ホラーとしての設定はなかなか斬新で、興味深いです。
依存症の専門家の外科医カーター博士は、長年の研究により、
寄生バエの毒液から抽出した免疫物質に、依存症を治療する効果があることを発見します。
免疫物質を依存症患者の脳内に注入すると、依存症の原因物質が局所化し顕在化するので、
それを除去すれば依存症が治るという画期的な治療法です。
その治療を行う装置「ヴェントリス」も開発されます。
しかし、その開発や研究過程で思わぬ副産物(副作用)も発見されます。
それは顕在化した原因物質から生体反応が認められたというもので、
博士は非人間的な人体実験により、その物質を肉体的に独立した生命体にする研究に着手。
そしてとんでもないモンスターを生み出してしまうのです。

文章にするとちょっとややこしい治療法ですが、
もっと簡単に説明すれば、アルコールとかギャンブルとかの依存症を持つ患者に、
寄生バエから抽出した薬を投与すると、脳内の依存症の原因物質が生命を持ち胎児となり、
出産によって患者から排出されるということです。
物質は人間の子どもの形をしていますが、実は寄生バエの集合体のような怪物です。
その研究は博士が設立したリハビリ施設「希望の聖地」で秘密裏に行われ、
そこの依存症患者が人体実験に利用されていました。
しかし博士が亡くなってからも、子どもの姿の怪物たちは施設に棲み続け、
施設に足を踏み入れた人間を捕食しています。
そこに施設を相続することとなった博士の息子が何も知らずにやってきて、
怪物たちに襲われる、という話です。

「寄生バエ」というのは便宜上の日本語訳で、いわゆるゴミに集るハエではなく、
腹部の先端が発光する甲虫で、ホタルのことだろうと思います。
ホタルは英語で「ファイアフライ」といい、「フライ」とは羽虫全般を指すのだけど、
翻訳家が単純に「ハエ」と訳したために「寄生バエ」って日本語字幕になったのかな?
日本で一般的なゲンジボタルやヘイケホタルに比べると、大きくて変な色で不気味で、
日本人からすると「これがホタル?」って思ってしまうでしょうが、
登場人物たちはこの虫をホタルと呼び、「綺麗だ」と言っています。
外国のホタルのイメージはこんなものなのかもしれませんね。
この欧米人と日本人のホタルに対するイメージのギャップも本作の興味深いところです。
劇中で「ホタルは日本では死者の魂と言われ、"ヒトダマ"と呼ばれている」という
セリフがあるのですが、日本人がホタルを"ヒトダマ"と呼ぶかどうかは別にしても、
たしかにホタルは死者の魂とする考え方はありますよね。
「マンガに書いてあった」というセリフもあるのですが、
たぶんそのマンガというのは世界的にも有名なアニメ『火垂るの墓』のことだと思います。
ただ、日本人がホタルを魂と考えるのは、それはホタルの儚さや美しさから、
幻想的な意味で捉えているからなのですが、本作では魂というのを直球で心霊的に捉え、
こうしてホラー映画のネタにしているわけです。
これは日本人では考えられない発想というか、カルチャーショックでした。

患者の体内で依存症の原因物質が顕在化し、それが受精卵のように細胞分裂を繰り返し、
胎児となって、後に人間の子どものように生まれ出るわけですが、
その子どもはもともと依存物質であるため、母体となる患者と相互依存関係になります。
そんな依存症をネタにした設定も斬新だし、ホタルのホラーというのも斬新で、
やはり興味深い設定ではあるのですが、このふたつのネタの相性が悪いというか…。
独立した生命体として生まれたはずの子どもが、ホタルの集合体であり、
自在に分裂できるという理由が全くわかりません。
依存症の治療に関しては疑似科学的に信憑性を感じるように描かれているのに、
ホタルの方は完全に超常現象として描かれており、バランスが悪いです。
単独ではどちらも面白いネタなのに勿体ないです。
どちらかの一方のネタに絞るべきだったと思います。

普通のホラー好きにはオススメできませんが、ちょっと変わった設定のホラーなので、
コアなホラー好きならば楽しめるのかもしれません。

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