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ドリアン・グレイ

ボクは「実年齢より若く見える」とよく言われるのですが、
もうアラサーだし、自分では日増しに老け、衰えている実感があり、
ちょっとアンチエイジングを意識し始めています。
でも貧乏なのでエステとかスキンケア商品とかに頼ることはできず、
とりあえずは食生活を見直し、アンチエイジングにいいものを摂取し、
逆に悪いものはなるべく食べないことにしています。
まだあまり実践はできていないのですが、第一歩としてコーヒーを飲むのをやめました。
なんでもコーヒーに含まれるカフェインには脱水作用があり老化防止にはよくないとか、
糖化ナントカとかいう老化物質を含んでいるので飲まない方がいいという話を聞いたので、
それまでは好きで頻繁に飲んでしまっていましたが、キッパリ絶ちました。
しかし最近、コーヒー含まれるクロロゲン酸には老化予防効果があるという話も聞き、
一体どちらが正しいのかわからなくなってしまいました。
でも最も老化に悪いのはストレスなので、あまりアンチエイジングに神経を使わず、
なんでも好きなものを食べるのが一番いいのかも?

ということで、今日は絶対に老けない人の物語の感想です。
彼は快楽主義者ですが、老けないのはストレスがないからではありません。

ドリアン・グレイ

2012年6月2日DVDリリース。
オスカー・ワイルド原作のサスペンスファンタジー。

美青年のドリアンは、ロンドン社交界で華麗なるデビューをする。ある日、一流画家のバジルに肖像を描いてもらう。仕上がった肖像画はまるで生き映し。美貌と純心な性格のドリアンは瞬く間に噂になるが、ハリーと出会いドリアンの人生が変わっていき、ある日、ドリアンは女優シビルに出会い2人は恋に落ちる。しかし、ハリーは、ドリアンに若い女たちとの夜を過ごさせ甘い罠に落とす。シビルにバレてしまい、傷心のあまり自殺をしてしまう。ドリアンは、ハリーにも言えない肖像画の秘密を持ち、姿を消す。十数年後、ドリアンは再び戻ってくるが…。(シネマトゥデイより)



19世紀末を代表する作家のひとり、オスカー・ワイルドの代表的長編小説
『ドリアン・グレイの肖像』の何度目かの実写映画化となる本作。
原作はさぞや有名な古典小説なのでしょうが、例によってボクは読んだこともなく、
この物語に触れるのも本作が初めてです。
ただ、主人公のドリアン・グレイは古典小説のクロスオーバー映画だった
『リーグ・オブ・レジェンド』にも登場していたので、存在だけは知ってました。
その映画のキャラの元ネタがこんな話だったのかと知れたことに、ちょっと感激です。
(実は他の元ネタ『ジキルとハイド』や『トム・ソーヤの冒険』も知らないんですが…。)
古典小説は、当然ですが内容が古典的なので、その映像化作品も古めかしく感じ、
それほど面白いと感じることは少ないのですが、本作は違いました。
内容はたしかに斬新とは言えないゴシック・ホラー的なものでしたが、
ビクトリア朝的な映像がとても優美で、キャストにも説得力があり、かなり楽しめました。
過去何度か映像化された中でも珠玉の出来だと評判みたいです。

有名な話らしいので不要でしょうが、ストーリーを簡単に説明すると、
純朴な美青年ドリアン・グレイが、ロンドンで社交界デビューし、
そこで出会ったちょい悪オヤジのヘンリーとつるむようになり、
背徳的な大人の遊びを覚えてしまう。
ヘンリーの影響で次第に彼は自分の若さと美貌が失われることを恐れるようになるが、
なぜか彼はいつまでも老けることはなく、彼の体は痛むことも衰えることもない。
その代わりに、彼が歳を重ねたり、怪我をしたり、背徳的な行動をすると、
画家バジルの描いた彼の肖像画が、醜く変貌を遂げていく…、という話です。
要は彼の体の劣化を、肖像画が身代わりに引き受けてくれているということですが、
外見の変化とは関係ない背徳的な行為でも、なぜか醜くなるんですよね。
まぁ因果関係はわからないけど、悪い奴っていうのはけっこう顔に出ますもんね。
彼の場合は酒・煙草・薬物・女遊び程度の背徳にはとどまらず、
婚約者を裏切って自殺させたり、友達を殺してバラバラにしたりと、
かなりの業(カルマ)を貯め込んでそうですから、醜くなり方も半端ではないでしょう。
ただ、この場合は醜くなるというよりも、腐敗していく感じなので、
彼の内面の腐敗まで肖像画が引き受けているといった設定でしょうか。

婚約者が自殺し、友達の画家バジルを殺してしまったドリアンは、ロンドンから去ります。
そして20年ほど世界中を旅して、再びロンドンに戻ってくるのです。
もちろんそれだけ時を経ても、肖像画の身代わりにより彼は若い美青年のままです。
始めは皆、そんな彼を羨望の眼差しで見ていましたが、歳を取らないのはやはり不自然で、
徐々に奇異の目で見られるようになり、「悪魔に魂を売った」と軽蔑されはじめます。
当然といえば当然で、そんな不自然な男は、いくら美青年でも不気味ですよね。
ずっと世界中を転々としていればそんな目にも遭わないのに、なんで戻ってきたのやら…。
更には自殺した婚約者の兄も、復讐のために彼の帰省を手ぐすね引いて待っており、
ドリアンはその男から度々銃殺されそうになります。
もし銃で撃たれても、自画像がダメージを引き受けてくれそうな気がするのですが、
どうやら不老であっても不死ではないみたいです。
それにしても、ドリアンの不在だった20年余りのうちに、ロンドンも様変わりしました。
知り合いが老けたのは当然ですが、技術がかなり発達し、
ドリアンの乗り物も馬車から自動車に変わり、地下鉄まで整備されています。
そんな産業革命による急速な近代化も、作品にちゃんと反映され、興味深かったです。
それほど時代が変わっても、ドリアンだけは変わらないという対比としてもいいですね。

面白い物語でしたが、ちょっと説明不足を感じるところも多かったです。
この不思議な自画像ですが、画家バジルにとって最高傑作ではあるものの、
意識的に不思議な能力を込めて描いたものではありません。
また、ドリアンにとっても自画像にそんな能力があったことは予想外のことでした。
なぜ突然こんな不思議な力を肖像画が持ったのか、悪魔の悪戯としか説明が付かず、
もっとちゃんとした因果がわかればいいのにと思いました。
あと、人間関係もちょっとわかりにくかったです。
ドリアンと祖父の関係や、祖父とヘンリーの関係も明確ではなく、
結局ヘンリーが何を目的としてドリアンに悪い遊びを仕込むのかわからず、
ドリアンはヘンリーを親友と思っているが、ヘンリーどう思っているのか掴めません。
ドリアンの婚約に際しても、親戚一同もあまり喜ばしく思って内容でしたが、
その理由もちょっとよくわからなかったです。
原作にはちゃんと書いてあるんでしょうか?

原作といえば、本作に登場するヘンリーの娘エミリーは、
映画オリジナルの登場人物だそうですね。
ロンドンに帰ってきたドリアンが、エミリーとNYに駆け落ちをしようとしたことで、
怒ったヘンリーが、ドリアンと決定的な決裂をするという、重要なキーパーソンで、
彼女はこの物語に不可欠な存在だと思いましたが、彼女がいない原作では、
どんな展開で幕を閉じるのだろうと不思議に思いました。
なので機会があれば原作も手に取ってみたいと思います。

それにしても、ドリアンなんて誰にでも出来る役ではないけど、
本作のドリアン役を演じたベン・バーンズはかなりよかったですね。
『ナルニア国物語』シリーズのイケメン王子の役でお馴染みな彼ですが、
イケメンなのはもちろんのこと、ロンドンに来たばかりの田舎者の純朴な頃のドリアンも、
快楽主義に目覚め始めた危ういドリアンも、背徳を重ねて完全に歪んだドリアンも、
内面をちゃんと表現しながらも、美青年として見事に演じ切っています。
でも、あの自画像のドリアンはイマイチだったかも…。
正直、はじめから不思議な力が宿るほどの名画には見えなかったし、
自画像が醜くなる過程も、けっこう出し惜しみした演出な割りには、
最終段階がちょっとショボかったかなと思います。
(どれだけグロくなっているかと期待したのに、出来そこないのゾンビみたいでした。)
まぁ美しいも醜いも各々の感性の問題だし、これが映像化の難しいところですね。
ベン・バーンズなんて全然イケメンじゃないし、ドリアン失格って思う人もいるかも…。

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