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ホーボー・ウィズ・ショットガン

ボクが映画選びで最も参考にしているのは、全米ボックスオフィスの成績ですが、
その次が映画館で本編上映前にかかる予告編です。
なので日本映画の場合は、予告編の依存度は高いです。
映画情報誌なども参考にしているので、それが全てではないけど、
興味を持つキッカケは予告編ということが多いです。
でも日本映画って、予告編の作り方が下手な気がします。
(原因の一つはナレーション過多かな?)
なので必然的に日本映画より外国映画を観る機会が増えました。

逆に外国映画は本編より予告編の出来が良すぎることも多く、
羊頭狗肉に騙されることもしばしば…。
ただ観てもらわないことには評価の俎上にも上がらないので、
予告編は実際より面白そうなくらいの方がいいと思います。
カット数増やして、音楽に乗せてテンポよく流せば、だいだい面白そうになります。

ということで、今日は予告編から派生した映画の感想です。

ホーボー・ウィズ・ショットガン

2011年11月26日日本公開。2012年4月13日DVDリリース。
『グラインドハウス』のフェイク予告編を長編映画化したバイオレンスアクション第2弾。

ある日、列車に無賃乗車してあてのない旅を続ける流れ者(ホーボー)の初老の男(ルトガー・ハウアー)が駅に降り立つ。その町は犯罪組織のボス、ドレイク(ブライアン・ダウニー)が仕切っており、彼の二人の息子も殺人をはじめさまざまな悪事に手を染めていた。そこでは警察も彼らの言いなりで、誰もが素知らぬ振りで暮らしており……。(シネマトゥデイより)



本作はクエンティン・タランティーノとロバート・ロドリゲスの2本立て映画
『グラインドハウス』で流されたフェイク予告編(オマケみたいなもの)を
実際に長編映画化してしまった作品です。
同じ経緯で一昨年に公開された『マチェーテ』に続く、
『グラインドハウス』フェイク予告編長編映画化第二弾です。

グラインドハウスとは、70~80年代にアメリカに多く存在していた
エクスプロイテーション映画を2~3本立てで上映する映画館の総称で、
クエンティン・タランティーノとロバート・ロドリゲスの映画『グラインドハウス』は、
その当時の映画館の雰囲気を現代に蘇らせるべく製作されたイベント映画です。
そこで上映された2本の作品は、意図的にエクスプロイテーション映画として撮られた
B級アクション・ホラーだったわけですが、それはフェイク予告編も同様です。
そこから先に長編化された『マチェーテ』もB級アクション・ホラーであり、
その第二弾である本作も当然そうです。
ただ『マチェーテ』はエクスプロイテーション映画を模してはいるものの、
高度な特撮技術を用いた豪華出演者によるハリウッド大作映画でした。
その点、本作は出演者も地味な低予算カナダ映画で、よりB級感が強い…、
…というか、完全なるB級映画です。

というのも、本作は出発点からして『マチェーテ』とは差があり、
『マチェーテ』のフェイク予告編は『グラインドハウス』のロバート・ロドリゲス監督が
自ら製作したものですが、本作のフェイク予告編は『グラインドハウス』のカナダ公開時に
配給会社が行ったフェイク予告編コンテストに応募されてきたもので、
カナダの新人監督ジェイソン・アイズナーの手によるもの。
彼は本作が初監督作品なので、応募した当時はまだアマチュアだと思います。
で、その応募作品が『グラインドハウス』のカナダ公開時に上映され、
けっこう反響があったため、カナダの配給会社が長編化を企画、実現したわけです。
なのでロドリゲスもタランティーノも本作にはノータッチで、
『マチェーテ』に比べると、かなり小規模な作品になるのは当然です。

しかし、それが不利に働かないのがエクスプロイテーション映画。
はじめからB級であることを積極的に楽しむ目的の作品であるため、
低予算であったり、キャストがショボい方が企画の趣旨には合致しています。
むしろ豪華絢爛な『マチェーテ』よりも本作の方が、
本物のエクスプロイテーション映画により近い作品だと言えるでしょう。

仕事を求めてさすらうひとりの流れ者のホームレス(以下、ホーボー)。
彼が訪れたのは、犯罪組織のボス、ドレイクが牛耳る街だった。
街は暴力や売春やドラッグにまみれ混沌としているが、警察は見て見ぬふり。
ホーボーはそんな街の状況を苦々しく思いながらも、犯罪に関わらないようにしていた。
ある時、芝刈り代行業を始めようと質屋に芝刈り機を買いに行くと、店に強盗が乱入。
彼は反射的に売り物のショットガンで、強盗を撃ち殺してしまう。
この事件をきっかけに、彼は街のゴミどもを一掃するべく、
ショットガンを片手に自警活動を始めるが、彼の活躍がドレイクの目に止まり、
ドレイクによるホームレス狩りが始まる、…という話。

ホーボーが初めて人を殺してしまったシーンは、フェイク予告編を踏襲したもので、
その他にも、ホームレスをケンカさせて撮影していたビデオ監督や、
公園で遊ぶ子どもたちを盗み見していたペドフィル・サンタを銃殺するシーンも
フェイク予告編からあったものです。
でもフェイク予告編は長編化するつもりなく作られたものだから、
内容が違うところも多く、最も違うのは主演俳優です。
本作でホーボーを演じたのはハリウッド俳優ルトガー・ハウアーですが、
フェイク予告編時の主演はデヴィッド・ブラントという聞いたこともない役者です。
長編化されるにあたって、商業目的で変更されたのでしょうが、
『マチェーテ』はフェイク予告編から主演の変更はなかっただけに、
デヴィッド・ブラントはちょっと気の毒ですね。
彼は本作に汚職警官役でカメオ出演させてもらってますが…。

物語冒頭で、ドレイクが裏切り者を公開処刑にかけるのですが、
マンホールとワイヤーを使った断頭刑で、なかなか斬新なゴア・シーンで、
B級アクション・ホラーとして、掴みはよかったと思います。
今後どんな斬新なゴア・シーンが展開されるのかと期待しましたが、
残念ながら、グロさではその公開処刑のシーンがピークだったように感じます。
ただ、ドレイクの息子たちがスクールバスを放火するシーンは、
グロくはないけど、かなりえげつない展開だと思いました。
エクスプロイテーション映画とはいえ、ちょっと笑えない悪ふざけで、少し引きましたが、
ハリウッド映画では自主規制してしまう展開なので、カナダ映画らしいとも思いました。

あと、ドレイクに雇われた2人組の処刑執行人"地獄の死者"も、
ロボコップみたいなレトロだけど味のある甲冑を身につけており、
いい意味でB級くさくてよかったです。
彼らもフェイク予告編で、それらしき人物がほんとちょっとだけ見切れるんですが、
そこからここまで発想を膨らましていることには感心します。
彼らのアジトにいた大ダコも、意味がわからないけど笑えました。
でも彼らの片方は、ホーボーと決着がつく前に、引きさがって去っていくんですよね…。
鋼鉄に包まれ、ショットガンが無効な地獄の死者を、
ホーボーがどう攻略するのか楽しみだったので、少し肩透かしでした。
あとホーボーに救われて彼に加勢することになる売春婦アビーですが、
アグレッシブに武装して戦いに挑んだはいいけど、ちょっと微妙な活躍で…。
結局、生死も不明なまま終わってしまいます。
彼女は自分の持ち込んだ武器で左手を失ってしまいますが、
失った左手の代わりに、腕にショットガンを装着して戦う、
みたいな『プラネット・テラー』のような展開を期待したのに…。

さて、『グラインドハウス』のフェイク予告編はまだ3本残っていますが、
そのうちのひとつ、イーライ・ロスの「感謝祭」は、長編化の可能性があるらしいです。
フェイク予告編はフェイクのままであることが面白いとも思えるので、
フェイク予告編の長編化よりも、グラインドハウスという企画の続編を期待したいです。
なお『マチェーテ』は、続編『Machete Kills』と、
第3弾『Machete Kills Again…in Space!』があるそうです。

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