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ヤクザガール 二代目は10歳

思った以上に長く続いている子役ブームですが、
この前『コドモ警察』ってドラマの番宣を見て、さすがにやりすぎだと感じました。
ボクは子役は嫌いじゃないし、映画とかで子役が出ていたら素直に可愛いとも思うし、
子どもの役がある以上は、子役は必要なものだと思います。
しかしそのドラマは大人の役を子役がやるという趣向で、
まず子役を使うことが前提に製作されていることに違和感を覚えます。
それが子ども番組ならいいですが、まさかの深夜ドラマで…。
まぁ彼らは小さくても俳優なわけだから、ドラマに出るのは当然ですが、
彼らをひな壇に並べるようなバラエティ番組は、子役を何だと思っているのか…。

ボクが心配しても仕方ないことですが、子役は学業を優先すべきだと思います。
俳優はバカではできないので、将来も演技の仕事を続けていくならね。
特に俳優たるもの語学くらいはやっておくべきです。
そして、ハリウッドなど世界に羽ばたく俳優になってほしいです。

ということで、今日は子役がロシア語を頑張っている映画の感想です。
ちょっとの練習でここまで出来るとは、子どもの学習能力、恐るべし。

ヤクザガール 二代目は10歳

2011年10月22日日本公開。2012年4月13日レンタル開始。
日本のヤクザ文化を題材にしたロシア映画。

10歳のユリコ(荒川ちか)は、山田組の組長(六平直政)の孫娘。激しい抗争で危険が迫る組長は、かわいいユリコをイタリアへと移住させることにする。しかし、ユリコの乗った飛行機はロシアに着陸。組の敵対組織から狙われているユリコは、一人でロシアの街へ逃走。途中、ロシア人の青年リョーハと行動を共にすることになり……。(シネマトゥデイより)



本作をロシア版(あるいは日本版)『キック・アス』を評する人が多いので、
そういう内容なのだろうと思って見たのですが全然違いました。
てっきりヒロインの日本人少女ユリコが、ヒットガールよろしく、
日本刀で暴れ回るサイコなキャラで活躍する、バイオレンス映画かと思いきや、
本作のユリコはなんともシッカリした可愛らしい女の子で、
若干お転婆なところ(空中浮遊したり)もあるけれど、虫けら一匹殺しません。
それどころかブラッディな暴力描写はほとんどなく、
なんとも健全なロードムービー型コメディでした。

まぁヤクザが題材なのに健全ってのもおかしな表現ですが、
本作はロシア映画で、ステレオタイプな日本文化として描かれているので、
ヤクザとサムライをほぼ同一視してしまっています。
日本人からすると、ちょっとトンデモな演出ですが、
それがロシア人が見たい日本人像なんだろうし、
好意的に描いてくれているので、悪い気はしないです。
そもそも任侠道は武士道と近い時代もあったのに、
今では侠気を捨て、単なる犯罪者集団に成り下がったヤクザが悪いです。

アメリカ人が、または海外輸出用に日本人が、日本文化のトンデモ作品を撮ると、
ほぼ間違いなくバイオレンス映画になりますが、ロシア人の手にかかると、
こんなにホッコリしたコメディになったことが興味深いです。
劇中で先生と呼ばれる日本かぶれのロシア人が登場し、彼のセリフに、
「ロシア政府は千島列島を絶対に返さない。(私が)説得したが無理だった。」
なんてものがあるのですが、なんという日本贔屓のロシア人でしょうか。
日本政府とロシア政府の外交関係はあまり良好とはいえませんが、
一般的なロシア人は日本人に対して好印象なんだとか…。
(北方領土問題も半数くらいはどうでもいいと考えているとか…。)
特にポップカルチャーでの交流が盛んになってきたのか、
最近では『チェブラーシカ』とか『ファースト・スクワッド』とか、
映画での交流も多くなってきました。
本作のセルゲイ・ボドロフ監督は『モンゴル』などで国際的に評価の高い巨匠で、
まさかこんな日本人主演のB級コメディと撮るなんて意外でしたが、
日本とロシアの映画交流関係が良好であることの一端でしょうね。

山田組組長の孫娘ユリコは、イタリア留学で搭乗した飛行機がロシアに緊急着陸し、
そこで敵対する中田組に追われることになり、ひとりロシアの街を逃げ回る。
途中で刑務所を脱獄した青年リョーハと出会い、一緒に行動することになる、という話。
ユリコは大好きなクマのぬいぐるみがロシア製だからという理由で、
ロシア語を勉強したので、ロシア語が堪能という設定です。
当然ユリコを演じる子役、荒川ちかちゃんには、ロシア語のセリフがいっぱいあります。
もちろんボクにロシア語がわかるはずもなく、彼女のロシア語は出来はわからないけど、
一部吹き替えられていただけで、ほとんど彼女自身の肉声が使用されていたことから、
かなり様になっているんだろうと思います。
彼女は今テレビを賑わせている子役とは違い、素朴な雰囲気の女の子だと思いましたが、
宮崎あおいをグッと若くした感じで、表情が豊かな子だと思います。
特に笑顔が可愛らしいです。
スラップスティック・コメディなので、演技力を判断するのは難しいですが、
ルーマニアの国際映画祭で主演女優賞を受賞したらしいので、
かなり好演しているのは間違いないでしょう。

他にもユリコの祖父の山田組組長役で六平直政、
敵対する中田組組長役で山神佳誉、中田組構成員役で新井浩文など、
日本の俳優も多数出演しています。
山神佳誉って俳優は本作で初めて知りましたが、どうも新人みたいですね。
彼の手下役が新井浩文なんて、日本では考えられないようなキャスティングですが、
さすがは外国映画、日本でのキャリアなんて何の意味もないんでしょうね。
ロシア人にしてみれば、日本人役なんて誰が演じても構わないはずだけど、
下手にモンゴル系の俳優を使ったりしなかったことに好感が持てます。
(新井浩文は日本人ではないですけどね。)

それに報いて、日本でももう少し大きな規模で公開してあげたらよかったですが、
現実にはかなり小規模公開で、ボクも劇場に観に行くことはかなわず、
こうしてレンタルDVDで見ることになりました。
まぁドB級な作品なので、DVDで見るくらいでちょうどいいかもしれないです。
『キック・アス』のようなものを期待すると、きっと裏切られるかもしれないけど、
日本を外から垣間見れる、シュールなコメディとして一見の価値ありです。
日本文化を題材にしていることで、逆にロシアの旅情感も感じられて、
いろいろ楽しめると思います。

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