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ミスター・アーサー

今年はエイプリルフールに発表された第32回ゴールデンラズベリー賞の受賞結果ですが、
大本命だった『ジャックとジル』が全10部門を独占するという予想を上回る結果でした。
う~ん、史上初の逆快挙で、ある意味面白いのかもしれないけど、
ここまで露骨に作為的に受賞されると、ちょっと冷めるような…。
今回はアダム・サンドラーが主演男優賞と主演女優賞をW受賞するということだけでも、
十分な話題性があったのに、全部門制覇となると、それも霞んじゃうし…。
まぁボクは『ジャックとジル』は見逃してしまっているため、
もしかすると作為的ではなく妥当な結果だったのかもしれません。
それを確認するためにも、早くも6月13日に決定しているDVDのリリースが待たれます。

ということで、今日は同賞の最低主演男優賞にノミネートされた作品の紹介です。
完全に『ジャックとジル』の噛ませ犬だったわけですが…。

ミスター・アーサー

2012年4月4日DVDレンタル開始。
オスカーを獲得した往年の人気コメディドラマのリメイク版。

ちゃらんぽらんでチャーミングな億万長者のアーサー・バック(ラッセル・ブランド)は、トラブルを引き起こしては無尽蔵の富にものを言わせ、一生面倒を見てくれる乳母のホブソン(ヘレン・ミレン)に尻ぬぐいさせてきたが、そんな彼にもいよいよ年貢の納め時が来た。(公式サイトより)



本作は1981年の同名映画のリメイクらしいです。
ボクはオリジナル版を観ていませんが、本作を観る限りでは、
なぜこんな作品がリメイクされることになったのか不思議に思いました。
面白くないというか、とにかくどうでもいいストーリーで、
これでは日本で劇場未公開になったのも当然だと思える内容でした。
むしろ全米でこれが公開され、初登場2位になったなんて信じられないほどです。

冒頭でかなり精巧なバットマンのコスチュームに身を包んで登場する
大金持ちの青年アーサー(ラッセル・ブランド)。
彼の運転手ビターマン(ルイス・ガスマン)にはサイドキックのロビンの恰好をさせて、
2人でバットモービル型に改造した車に乗り込み、夜の街を颯爽と走り抜けます。
アメコミ映画大好きなボクにとっては、最高にワクワクさせられる導入です。
しかし、そこが本作のピークでした…。

アーサーはバットモービルで名所(チャージング・ブル)に突っ込み、警察の厄介に…。
(しかし大金持ちなので保釈金を払ってすぐ釈放されます。)
彼にとってはこの程度のことは日常茶飯事で、日々奇行に明け暮れる超有名セレブです。
彼は大企業バック・ワールドワイド社の御曹司ですが、一切働かず、
半端ではない浪費家で、プレイボーイで、その上アルコール依存症で、
毎日家でアニメ(ルーニー・テューンズ)を見たり、女の子をナンパしたりしています。
もうその生活が放蕩息子レベルではなく、金にものを言わせて迷惑を掛けまくる無法者。
言動は子供っぽいなんて可愛いものではなく、発達障害じゃないかと思うほど無茶苦茶で、見ていてムカムカさせられ、全く好感が持てない主人公です。

しかし、そんな息子に堪りかねたアーサーの母は、
彼にゼネコンの令嬢スーザン(ジェニファー・ガーナー)と結婚することを命令し、
もし断れば、金銭的援助を切り、総額9億ドル以上の財産を相続させないと最後通牒します。
しかしアーサーは、街で出会った庶民ナオミ(グレタ・ガーウィグ)に恋をしており、
スーザンとは結婚したくないのですが、遺産相続をフイにするのも嫌で…。
はじめはスーザンはそこそこ美人だし、才女だし、何が不満なのかと思いました。
むしろ彼女はアーサーほどではないにしてもセレブだし、
なぜ金しか取り柄のないアーサーなんかと結婚したいのかと…。
しかしスーザンもなかなかの金の亡者で、財産目当ての結婚のようです。
なのでアーサーが彼女よりも庶民のナオミに惹かれるのはわからなくもないですが、
ナオミだってアーサーが金持ちだから惹かれたのであり、やはり金目当ての付き合いです。
とにかく本作は「金、金、金」の守銭奴ばかりが登場します。
唯一、比較的まともかと思われたアーサーの乳母ホブソン(ヘレン・ミレン)も、
庶民はみんな犯罪者扱いをするような、ステイタスで人を判断する嫌なババアです。
本作にはアーサーだけでなく、誰一人として好感を持てる登場人物がいません。

アーサーはどうしてもスーザンと結婚したくないので、自立するため働こうと決意します。
しかし自由勝手に育ったため、教養が全くなく、職安行ってもいい仕事はなく、
なんとかレジ打ちの仕事を得ますが、それすら2日と続きません。
アルコール依存症も治療しようとアルコホーリクス・アノニマスにも参加しますが、
全然治療の努力しようとはしません。
そんな折、スーザンとの婚約がバレて、アーサーはナオミにふられてしまいます。
さらに自立に協力してくれた乳母も急逝したことで、アーサーは漸く決断。
結婚式当日に式を放り出し、遺産相続を放棄して、ナオミのもとへ行きます。
結局はナオミと結ばれて、めでたし×2となるわけですが、
ムカつくのは、結局アーサーは母と和解して、遺産相続権も取り戻し、
やはり労働することなくセレブな暮らしを続けているということです。
とりあえず断酒はしており、今後は自社のチャリティ事業を手伝うそうですが、
ブルーカラーになると飛び出したんだから、ちゃんと労働した上でナオミと結ばれるべき。
こんなにワガママを通しておいて、裁定が甘すぎるでしょ。
こうして息子を甘やかしてきた結果が、今のアーサーなのに、母親も少し反省しろよ。
まぁアーサーは読み書きすらできないので、仕事なんてできるはずないですが…。

オリジナル版はアカデミー賞で最優秀助演男優賞を獲得しているのに、
リメイク版の本作はゴールデン・ラズベリー賞で最低主演男優賞にノミネート…。
劣化リメイクの見本みたいな作品ですね。
かなりの駄作ですが、多少面白かったのは、冒頭の『バットマン』のコスプレをはじめ、
『スター・ウォーズ』とか、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』とか、
わかりやすい映画のオマージュが盛り込まれていたことかな。
あと、マイク・タイソンに耳を噛みきられたボクサーでお馴染みのホリフィールドが、
ちょっとだけ登場してたシーンなんかも、少し笑えました。

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