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スピーク

今月14日から、なんばパークスシネマで上映されていた『BUNRAKU ブンラク』。
GACKTが準主役を務めたハリウッド映画てことで話題の作品で、
ボクも観に行くつもりだったのですが、観に行く前に少し調べてみると、
来月中にもDVDリリースされるんだそうで…。
どうりで2週間しか上映されてないわけです。(もう上映終了してます。)
1か月ちょっとでレンタルできるなら、千数百円の映画料金と交通費かけてまで、
今急いで観る必要もないだろうと思って、観に行くのをやめました。

結局DVDリリースのお披露目としての限定上映だったわけですが、
最近はこんな上映作品が多いです。
知らずに劇場で決して安くない料金払って観た作品が、
半年も待たずにDVDリリースされて、損した気分になることが多々あります。
そうでなくても洋画はDVD化が早すぎる気がします。
早く儲けたいのでしょうが、せめて1年くらいはDVDリリースまでに間がないと、
劇場でいち早く観ることの価値が薄れ、映画館離れが加速するんじゃないかな?
来月公開の『タッカーとデイル』も、面白そうだけど限定公開だから、すぐDVD化かな?

ということで、今日は上映から3カ月半でレンタル開始された作品の感想です。
本作の場合は劇場公開規模が小さすぎて、ボクは観に行く選択肢もありませんでしたが…。

スピーク
The Speak

2011年10月1日日本公開。
トム・サイズモア出演のPOVフェイク・ドキュメンタリー・ホラー。

野心あふれる若き映像作家シェリー(スティーブン・ネルソン)が、廃墟となった“いわくつき”ホテルの潜入ルポ撮影のため、深夜の町に降り立つ。シェリーにカメラを向けるのは弟のルイス(マイケル・リンガー)。 ホテルの管理人(トム・サイズモア)とひと悶着あったが、シェリーら総勢6名のクルーはホテルでの撮影を開始する。(映画.comより)



廃墟に閉じ込められた人々が、怪奇現象に見舞われ、一人ずつ死んでいくという、
一見ありきたりなシチュエーション・ホラーで、怖さもイマイチですが、
POV(主観撮影)のフェイク・ドキュメンタリーとしては、かなり秀逸な作品です。
フェイク・ドキュメンタリーは、ドキュメンタリー風に撮るフィクションですが、
特にPOVのものは、変死事件など不可解な出来事があった現場に残されていた
ビデオテープ(カメラ)の映像を、第三者が編集したもの、
…という体裁で公開されるのが普通です。
でも本作は、現場に残されていたビデオテープの映像を、
素材テープのまま、編集しないで公開した、という体裁になっています。
つまりワンカメで、ワンシーン・ワンカットの超長回しで撮られているんです。
実際は何カットかに分かれているんでしょうが、編集点がわからないように、
かなり巧妙に撮られています。
それは意識しなければ気付かないかもしれないコダワリですが、
見た目以上にリハーサルや緻密な計算が成されたであろう、手間暇かかった作品です。
普通は思いついても実際にやろうと思わないことをやってしまったわけで、
その努力はもっと評価されるべきですが、やはり観客にはあまり伝わってないようです。

ただでさえ撮影時の制約が多いPOVフェイク・ドキュメンタリーですが、
ノーカットのほぼ一発撮りとなれば、その制約は更にきつくなります。
例えば、NGは出せないため、あまり派手なアクションはできないとか、
不確定要素が強い本物の動物(カラスなど)は使えないとか。
例えば、途中で死んだ登場人物が、後から幽霊になって出てくる場合は、
幽霊に早変わりできるように、生前から生気のないメイクがされています。
それは一種の苦肉の策でしょうが、当然違和感のある演出ですよね。
なので、本作がワンシーン・ワンカットであることに価値を見いだせない、
或いは気付かない人は、普通以下の不出来で地味なホラーだとしか思わないでしょう。

逆にワンシーン・ワンカットであることを理解し、それを楽しめる人なら、
本作が如何に実験的で挑戦的な演出を多用しているのかに気付くはず。
例えば、開いているドアにカメラが走り寄ると、一瞬カメラが振れた間に、
ドアがバリケードで完全封鎖されてしまうシーンとか、
廊下の角を曲がっても、また同じ廊下が続いているシーンとか、
面前にいた幽霊が、振り返ると後ろにもいるシーンとか、
段取り通りにカメラを回すだけでは再現できないような演出があることに気付きます。
巧妙な編集点のトリックや、特殊効果が使われていることがわかります。
POVを作るなら、お手本にすべき創意工夫です。

その反面、フェイク・ドキュメンタリーとして体裁を成してないところも…。
有名俳優(トム・サイズモア)の起用したり、BGMで恐怖を煽ったりする演出は、
実録映像を装う上で禁じ手です。
ラストも、急に客観ショットに切り替わり、フィクションであることを露呈させますが、
意図的であるとはいえ、ここまでワンシーン・ワンカットのPOVにコダワったのなら、
最後まで貫き通してほしかったと、ちょっと残念に思いました。

ストーリーは前述のように弱いです。
ワンシーン・ワンカットの都合上、間を繋ぐための無駄なシーンが多くなり、
ドラマ性が薄まるのは仕方ないことなのかも。
ただその無理やり作った無駄なシーンを、登場人物の掘り下げに使っていて、
この手のシチュエーション・ホラーとしては、主要6人が個性豊かに描かれています。
だからといってそれが活かされる展開にはならないのが惜しいですが…。
舞台となったドン・パーク・ホテルは、過去に首吊りや殺人事件があった
いわくつきな心霊スポットだったわけですが、本作の怪奇現象は、
霊媒師が迂闊にアメリカ先住民の交霊儀式「スピーク」を執り行ったのが原因で、
ホテルのいわくとの関連性が薄いのも、展開的に難があるかと…。
カット割りとか撮影手法にコダワリすぎて、脚本が疎かになっちゃってるのかも…。

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