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レコード~シッチェス別荘殺人事件~

いつ頃からかTSUTAYAに行くと、「TSUTAYA独占レンタル」の棚が登場しました。
その名の通り、TSUTAYAでしかレンタルされていない作品が置いてあります。
はじめはいい作品だけど、どこも取り扱わない作品を、TSUTAYAが独自で発掘して、
隠れた名作に日の目を当ててくれてるのかと思ってましたが、
普通に劇場公開していた有名な『スカイライン-征服-』とかも置いてあるし、
普通にレコード屋とかで販売されている作品ばかりです。
結局はTSUTAYAがレンタルの権利だけ囲い込んで、
ゲオや楽天レンタルなど他のレンタル屋で貸し出せないようにしてるんですね。

「独占」なんてのは供給者の都合で、往々にして消費者の利益になりませんが、
TSUTAYAに行かないと借りられない作品があるってのは不便ですよね。
幸い近所にTSUTAYAがあるので、ボク自身はそれほど不便はないのですが、
「面白い作品はみんなも見てほしい」と思うので、
その機会を奪いかねない独占は好ましくありません。
客に不便かけておいて「独占レンタル」なんて誇らしげに謳うなよ…、と。

しかしTSUTAYA独占レンタルの『キック・アス』は、ビデオスルーの恐れがあったのを、
TSUTAYAの関連会社が配給してくれたおかげで日本でも劇場公開されたので、
感謝してるし、そんな作品は独占でもまだ納得できます。
できれば独占レンタルではなくて、先行レンタルくらいにしてほしいけど…。

ということで、今日はTSUTAYA独占レンタル作品の感想です。
これは頒布してほしいとは思わないので、独占のままで結構です。

レコード~シッチェス別荘殺人事件~

2012年1月20日リリース。
スペインのフェイク・ドキュメンタリー・ホラー。

2010年、スペインの別荘地で一家の変死体が見つかった。警察は迷宮入りしそうなこの事件に対し、彼らが死ぬまでの37時間の映像公開を決めた。シッチェスにある彼らの別荘に旅立った際、クリスチャンとジュライはガラーフの森にまつわる都市伝説について調べていた。その様子は記録されていたが、別荘に旅立って5日後、彼らは変死体で発見された。惨殺された一家が生きていた最後の5日間にいったい何があったのか…



本作はPOV(主観撮影)を用いたスペインのホラー映画ですが、
POVスパニッシュ・ホラーといえば、名作『REC/レック』を思い出します。
スペインのホラー映画は、他国のホラー映画の内容を貪欲に吸収し、
更にブラッシュアップして制作されているといった印象があり、
オリジナリティは薄いが、多様性があって、質も高いというイメージです。
なんでも悪魔の仕業で片付けてしまう最近のハリウッド・ホラーや、
黒髪の女の霊さえ出しとけばいいだろって感じのジャパニーズ・ホラーよりも、
スパニッシュ・ホラーの方が楽しめることが多いです。
でも凡作も当然あって、それが何の間違いか日本に輸入されてしまうこともあります。

スペインに住む兄妹クリスチャンとジュリーは、都市伝説を調査するのが趣味。
兄妹はイースターに家族でシッチェスの別荘に行くことになったので、
ついでにシッチェス周辺の都市伝説を調査することにします。
物語は兄妹の自宅から始まりますが、妹ジュリーの彼氏ダビドの顔にはモザイク処理が…。
本作はその兄妹が撮った映像により構成されたドキュメンタリーの体裁なわけだけど、
プライバシー保護の体裁で彼氏の顔にモザイクかけるなら、名前もピー音で伏せないと…。
あれだと彼氏の面構えが放送コードに引っかかるような感じに見えます。
もちろんそんないい加減なものが、本物のドキュメンタリーなわけがなく、
本作はフェイク・ドキュメンタリーです。

兄妹がネットでシッチェスの都市伝説を調べると、
70年ほど前に赤い服の少女メリンダがガラフの森で行方不明になり、
それ以来、森で迷子になると、少女が現れ道を示す、という都市伝説を発見。
地元に住む父の友人カルロスの話では、その都市伝説は諸説あり、
「少女に背を向けるな」とか、「遠くで音がすると思ったら後ろまで来ている」とか、
怪談めいた恐ろしげな説もあるとのこと。
もちろん兄妹は、その都市伝説を題材にドキュメンタリーの撮影をすることにします。
なんとなく魔女伝説のドキュメンタリー撮影で森に行く『ブレア・ウィッチ~』を
彷彿させる展開ですが、本作はその邦題のサブタイトルでもわかるように殺人事件の話。
怪奇現象は一切起こらず、もちろんその赤い服の少女の都市伝説も関係ないです。
また後ほど書きますが、この邦題の付け方は良くないです。

兄妹は別荘の庭に森の迷路に続く門を発見し、その迷路の撮影を始めます。
別荘に来て4日目、連れてきたペットの犬がいなくなってしまい、兄妹は迷路を捜索。
そこで血痕と首輪を発見し、直後に近くの井戸に投げ込まれた犬の死骸を見つけます。
その夜、今度は幼い末の弟ホセがいなくなり、探しに飛び出した母親の後を追い、
兄妹は夜の迷路へ入るのですが、そこで恐ろしい目に遭い、別荘に逃げ帰えるが…。
この時点では、視聴者は何者に犬が殺されたのかも、弟ホセがいなくなった理由も、
兄妹を森の迷路で襲った怪現象の原因もまだわかりません。
普通に考えたら、赤い服の少女による心霊現象の可能性も想定できますが、
本作は邦題に、あからさまに「殺人事件」と銘打ってあるが故、その選択肢は潰されます。
しかも「殺人」ですから、一人以上確実に死ぬことが予想できてしまい、
弟ホセが姿を消した時点で、彼は死んでいるであろうことが予測できてしまいます。

もちろん原題は「殺人事件」なんて謳っておらず、製作者はこのことを意図していません。
本来なら人為的な事件か超自然的な現象か最後の最後までわからず、
それが本作の最も興味深いところだったのに、アホが勝手につけた邦題により、
ネタバレしてしまい、その最大の楽しみが損なわれました。
登場人物が少ない本作で、殺人事件だとわかれば、犯人なんて自ずと予想できます。
なので本作の日本での評価(DVD評)が低いのも無理からぬことです。
本作の一番面白いところが邦題に潰されていては、それも致し方なしです。

本作のオチが、もし超自然的なものであれば、或いはオチは殺人事件でも、
ラスト目前まで超自然的なオチの可能性を感じれていたら、本作は5倍面白いはず。
昼間だとあんなに楽しそうな森の迷路も、夜は表情が一変し、かなり不気味で、
ホントに霊か何か出そうな雰囲気だし、一度入ると二度と出られなそうでかなり怖いです。
POV作品としては、不自然なシーンも多かったけど、
昼夜問わず森の迷路のところは、POVの効果が活かされていてよかったと思います。
舞台は最高だと思うので、見方次第ではかなり楽しめただろうと思えます。
ただ、POVの性質上カメラの手振れが酷いので、見にくいと感じる人もいるかも…。
何にしても、もうココを読んでしまった人にオススメはできません。

それにしても主人公たちは仲のいい兄妹で羨ましかったなぁ。
兄クリスチャンが高3で、妹ジュリーが高1くらいだと思うけど、
その年代で2人で仲良く都市伝説の調査する兄妹なんてなかなかいないよね。
またジュリーが可愛いらしい妹なんですよね。
あ、そうそう、別荘の地下室で『ゴジラ』のVHSを発見するシーンがあるのですが、
たぶんスペイン版のパッケージだろうけど、「KAIJU EIGA」って書いてありました。
スペインで「怪獣映画」と言えば、日本の映画のジャンルとして通用するのかな?

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