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ゾンビ処刑人

今年は時間とお金の節約のため、劇場で映画を鑑賞する本数を絞りますが、
ブログ記事の本数は落としたくないので、DVDで鑑賞した作品の感想記事が増やします。
DVDの記事は、今までどおり基本的には劇場未公開(ビデオスルー)作品が中心ですが、
今年は劇場鑑賞を泣く泣く見送った作品のDVDの感想も書いていこうかと思っています。
ボクは地方在住なので、シアターN渋谷などで上映してる単館系作品は劇場鑑賞できず、
ビデオリリースを待つしかないけど、そんな作品の感想も書きたいので…。
もうすぐ公開の『ゾンビ大陸 アフリカン』とか『セルビアン・フィルム』とか、
ちょっと面白そうなのに、シアターN渋谷での単館上映なのでこっちでは観れないし…。
地元大好きなので東京に憧れは感じないけど、映画館が多いことだけは羨ましいです。

ということで、今日はシアターN渋谷だけで上映された作品の感想です。
もうゾンビ映画に関してはシアターN渋谷でしか上映できないというよりは、
シアターN渋谷がわざと独占しているような気さえします。

ゾンビ処刑人

2011年11月19日日本公開。
世界中の映画祭で絶賛されたホラー・コメディ映画。

不慮の死を遂げた青年バート(デヴィッド・アンダース)は墓場でよみがえり、ゾンビとなって親友ジョーイ(クリス・ワイルド)を訪ねる。普通の食事を体が受けつけられず、生き血を求め病院で輸血パックを強奪していたところを強盗に襲われるが、難なく強盗を倒す。そして悪人退治のついでに血をすすることを思いついた2人は、「夜回りゾンビ」として街の悪人どもを成敗し、話題を集めるが……。(シネマトゥデイより)



世界中の映画祭で数々の賞を獲得し、批評家からも絶賛される本作。
それも当然だと思えるほど、面白い作品です。
ゾンビ・コメディの傑作『ショーン・オブ・ザ・デッド』や『ゾンビランド』同様、
名作ゾンビ映画の新たな1ページとして、オカルト映画ファンの間で、
後世まで語られるであろう作品だと思います。
ただ個人的には、後半急激にシリアスで切ない展開になっていくのですが、
『ショーン~』などに比べると、ちょっと笑いに徹し切れていないというか、
真面目すぎるというか、他のゾンビ・コメディよりもインパクトに欠ける印象です。
ただ、そんなシリアスな展開が本作の画期的なところであり、
単なるゾンビ・コメディだけではない魅力的なところであり、
そこが世界中の映画祭や批評家にウケたポイントなのは間違いありません。
ボクは単純にゾンビ・コメディとして、笑いや痛快さを求めて鑑賞したので、
後半のシリアスな展開は野暮ったく感じてしまいましたが、
この手の映画に造詣が深い人ほど、後半の方が興味深く見れるのだろうと感じます。

米軍海兵隊のバート(デヴィッド・アンダース)は、イラクで戦死し、無言の帰還をする。
親友のジョーイ(クリス・ワイルド)は落ち込むが、葬儀が終わったある日、
ジョーイの家に、墓場から蘇りゾンビと化したバードが訪ねてくる。
邦題もそうですが、便宜上「ゾンビ」と称してはいるものの、
正確にはバートはゾンビではありません。
動く死体なのは間違いないですが、ゾンビのようにただ血肉を求め徘徊する怪物ではなく、
精神機能も思考能力も生前のまま保持している生ける屍"レヴァナント"です。
レヴァナントは体が腐敗しているので見た目は丸っきりゾンビですが、
生態はヴァンパイアに近い怪物です。
日中は活動できず、頭を切り落とし、胸に杭を打ち込まれない限り死にません。
人肉も食べませんが、腐敗を抑えるために新鮮な血を吸う必要があります。

訳もわからず蘇ってしまったバートは、親友のジョーイに相談しに訪れたのでした。
ジョーイは彼を医者に診せたり、友人の看護士マティに相談したりしますが、
とりあえず血を手に入れなければならず、病院から輸血用の血液を盗みます。
しかしそれで一時は満たされますが、そんなことを今後も繰り返せるはずもなく、
仕方なく生きた人間を襲って吸血することに…。
ジョーイは(彼曰く)社会のクズであるホームレスを騙して獲物にしようとしますが、
そんな折、彼らは拳銃を持った物取り目当てのメキシコ人に襲撃されてしまいます。
しかし不死のバートに拳銃は効かず、逆にギャングを撃退。
吸血した後、死体を川に沈めてしまいます。
このあたりは突如レヴァナント化してしまった男の滑稽さが描かれており、
ゾンビ・コメディとして笑えるところが多いです。
太っちょの看護士や、メキシコ人ギャング、ホームレスとのやり取りなどは、
社会問題など風刺的なネタも多く含んでおり、興味深いです。

これを機にバートは、コンビニ強盗やレイプ魔、ヤクの売人など、
街の犯罪者を殺して吸血するようになります。
その活動はいつしか有名になり、警察からは連続殺人犯として手配されますが、
街の人々からは「夜回りガンマン」として英雄視されることに。
そんな活動の中で、親友ジョーイが瀕死の重傷を負ってしまい、
バートは仕方なく彼を噛み、ジョーイをレヴァナントとして蘇らせ、
「夜回りガンマン」は不死身の2人組になって、さらに活躍します。
吸血目的でやっていることが、たまたま自警活動に繋がっているだけですが、
特殊な力(不死)を持ってしまった人間が、能力を活かし自警活動をする展開は、
アメコミ・ヒーロー映画っぽくて、とてもワクワクしますね。
しかも品行方正なヒーローではなく、犯罪者をぶっ殺して血をすする、
グロテスクなアンチ・ヒーローなのがまたカッコいいです。
でも、殺して吸血し終えた犯罪者の死体を、いちいち川に沈める理由がわからないかな。
自警活動は公然のことなんだし、証拠隠滅する意味はないのに。

正体不明の「夜回りガンマン」として活躍する2人ですが、
友人の看護士マティに殺害現場を見られ、思わず彼女を殺してしまいます。
正体が明るみに出ることを恐れた2人はその日のうちに街を出ることにしますが、
その夜、バートはレヴァナントのサガに逆らえず、婚約者ジャネットを吸血してしまい…。
そのことをジョーイが責めたことで、2人は仲違いしてしまい、
ジョーイはひとりで街を出てしまう。
愛するジャネットがレヴァナントとして蘇らないように、首を切り落とすバート…。
その心中を思えば、こんなに悲しい結末はないと感じるのですが、
実はまだ物語は後半に差しかかったところで、この後どんどんシリアスな展開になります。

ひとりで街を出ようとしたジョーイですが、
レヴァナントとして蘇った例のメキシコ人ギャングに拉致され、首を切り落とされます。
その(まだ生きている)生首はバートのもとに届けられ、それを見た彼は愕然とします。
普通ならバートが再び「夜回りガンマン」になりギャングに復讐するという展開ですが、
本作はそうはならず、バートは絶望し、拳銃自殺や首つり自殺など自殺を図ります。
しかし、そんな方法では死ぬことはできず…。
大暴れの復讐劇で痛快に終わるかと思ったので、
このなんとも重く切ないシリアスな展開にはボクも愕然としました。

せめて、あのギャングにくらいは制裁をくわえてもらわないと、どうも後味が悪く、
鑑賞後、全体的に楽しめたかというとちょっと微妙な印象しか残ってません。
前半や中盤のコメディやヒーロー映画っぽいところが、かなり楽しかっただけに、
後半のブルーな展開は残念というか、寂しい感じがしました。
今のままでは『ショーン・オブ・ザ・デッド』ほどは笑えないし、
ゾンビ化する男の悲哀を描いた作品では『コリン LOVE OF THE DEAD』ほど切なくない、
ちょっと中途半端なゾンビ映画になっていると思います。
せめて最後のオチだけでも笑えるものにしてほしかったです。
てか、あのB級近未来サスペンス映画みたいなオチはいただけません。

とはいえ、途中までならボクも過去最高のゾンビ映画に出会ったと思ったほどで、
ゾンビ映画史を語る上では、語り草になるであろう作品なのは間違いなく、
ゾンビ映画ファンは避けては通れないマストな映画だと思います。
本作がよく『ショーン~』や『コリン』と比較されて語られるように、
今後本作が、後発のゾンビ映画と比較され続けることでしょう。
正確にはレヴァナント映画なので、ヴァンパイア映画ファンも必見です。

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