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ONE PIECE FILM Z

今日は衆院選の投票日だったので、投票を済ませてから映画館に行きましたが、
ボクが投じた小選挙区の票は見事に死票になってしまいました。
それはそうと、映画館から帰ってきてテレビを付けると、
フジテレビの漫才の賞レース『THE MANZAI』が放送されていて、
開票番組が始まるまでの時間潰しに見ていたのですが、出場芸人のネタともかくとして、
審査員の人選が酷過ぎて、こんな賞ではあまり価値がなさそうだと思いました。
西川きよし、ラサール石井、木村祐一など、芸人審査員のチョイスも疑問ですが、
秋元康、テリー伊藤、鈴木おさむなど、審査員に畑違いの放送作家が多いのも疑問です。
漫才の素人が日本一の漫才師を選ぶなんてチャンチャラ可笑しいです。
そういう意味では、政治の素人が選ぶ国会議員なんていうのも、
それほど権威があるとは思えないですよね。
まぁ一番疑問な審査員は「国民ワラテン」というシステムでしたが…。

ということで、今日は審査員のひとり、鈴木おさむが脚本を手掛けた映画の感想です。
バラエティ番組の放送作家である彼にとっては映画も畑違いです。

ONE PIECE FILM Z ワンピース フィルム ゼット
ワンピース フィルム ゼット

2012年12月15日公開。
大人気テレビアニメ(漫画)の劇場版第12作目。

偉大なる航路の後半の海、新世界のとある島。NEO海軍を自称する元海軍大将・ゼットらは巨大なエネルギーを持つ鉱物、ダイナ岩を盗み、その破壊力で全海賊抹殺を企てていた。一方、新世界を航海中のルフィたち麦わらの一味のもとに、右腕に大型の武器を装着し、けがを負ったゼットが現れ、ルフィたちは介抱する。しかし目覚めたゼットはルフィたちに襲い掛かり……。(シネマトゥデイより)



一時は月に何冊も漫画単行本を買っていたボクですが、
現在購読しているのは『はじめの一歩』と、本作の原作『ONE PIECE』だけです。
でも、全巻揃っているから惰性で買い続けているだけで、それほど熱烈なファンでもなく、
たしかに一番好きな漫画だといっても過言ではない時期もありましたが、
ここ数年はいつ購読を打ち切ろうかと考えることもあるほど冷めてます。
(テレビアニメの方は放送当初から全く見てません。)
しかし惰性というのはなかなか止められないもので、ロクに読みもしないものの、
常に全巻揃ってないと落ちつかない気持ちになり、発売当日に買っちゃうんですよね。
最新劇場版の本作も、実際はそれほど興味があるわけでもなかったのですが、
「コミックス第千巻」が入場者特典ということで、全巻揃った状態を維持するためには、
それも手に入れる必要があるという強迫観念から、本作を観に行くことにしました。
「コミックス第零巻」が特典だった前々作も、当然それ目当てで観に行きましたが、
特典の配布数が少なく、当初はかなり入手困難な状況でしたよね。
(結局増刷されて簡単に入手できる状況になりましたが。)
そんな体験もあって、本作はなるべく早く観に行った方がいいだろうと、
公開1週間前のプリセールで座席予約を済ませて、公開2日目の本日、観に行きました。

案の定、座席は全回満席で、当日券の購入は困難なほど大混雑しており、
プリセールで座席を取っておいてよかったと思いましたが、
お目当ての「コミックス第千巻」が、コミックスではなく、単なる本作の設定原画集で…。
ボクはコミックスの全巻維持だけが目的だったので、原画集なんて別に欲しくなく、
まんまと釣られてしまったと後悔しました。
「コミックス第零巻」が特典だった前々作『STRONG WORLD』は興収48億円の大ヒット、
何も特典がなかった前作『麦わらチェイス』はたったの興収8億円でした。
本作は前々作を上回るヒットになりそうなほどの勢いを感じましたが、
それも観客の多くが作品自体よりも「コミックス第千巻」に釣られたからに違いなく、
それがこんな設定原画集だって知っていたら、これほど集客に勢いはなかったはずです。
「第千巻が貰える」と告知するだけの宣伝の仕方は、ちょっとアコギな気がします。
というか、そもそも作品の出来ではなく、特典で釣ろうとすること自体が、
映画としてどうなの?って話ですけどね。(って釣られといて言えた義理じゃないか…。)

…と、まさにその通りで、要は特典なんてオマケでしかなく、
特典でガッカリしても、作品の出来がよければ何も問題はありません。
その点、本作の出来は、ファンにとって楽しめるものだったのではないでしょうか。
しかしボクは前述のように、それほど熱烈なファンではありません。
『ONE PIECE』のファンである以上に、映画ファンであるボクからすると、
本作は昨今の劇場版作品としては、あまり褒められたものではないと思います。
テレビアニメに限らず、テレビドラマの劇場版などでもそうですが、
いい劇場版というのは、ファンだけでなく、一見客でも十分楽しめることが重要です。
ボクはテレビ版は見ないで劇場版に飛び込んだりするのですが、
そんな一見客のボクでも十分に楽しめる構成の劇場版が最近は多いです。
しかし本作の場合は、完全に原作ファン向けに作られており、
複雑な人間関係や世界観の設定など、全く説明されることはなく物語が展開します。
一種の内輪ネタみたいなものなので、内輪の中にいるファンは楽しいでしょうが、
一見客には敷居が高すぎるんじゃないかと思います。
ボクは原作を読んでいるので一見客ではありませんが、
その内輪な盛り上がりにはちょっとついていけてないような印象を受けました。

そんなファン向けの内輪ウケ作品になった最大の要因は、ファンが本作を作ったからです。
正確には原作ファンである放送作家の鈴木おさむが本作の脚本を手掛けたからです。
ファンが作ったために、原作とリンクさせたいという思いが強すぎで、
まるで同人誌のような、原作の設定を盛り込みまくった二次創作物になっています。
ストーリーも原作との地続き感を強調していますが、独立感が薄いため、
ひとつの物語として成立していないモラトリアムな内容になっていて、
一本の作品としては評価しにくいし、一見客お断りの状況も作り出しています。
前々作『STRONG WORLD』は原作者がストーリーを書き下ろしましたが、
そちらの方がまだサイドストーリーとして独立した内容だった気がしますし、
一本の作品として成立しているので、一見客でもついていける展開だったように思います。
でも本作の原作は、初版400万部以上発行する異常な人気のコミックなので、
原作ファンだけを集客出来れば十分で、一見客は不要なのでしょうね。
映画ファンのボクとしては、あまり好ましくない構成の作品ではあるものの、
劇場版である以上は、ファンサービスに特化するのもアリかなとも思います。

ファンサービスは満載な本作ではありますが、原作者が製作総指揮を務めますが、
ストーリーは鈴木おさむが書き下ろしたもので、原作ファンならば、
どうせなら前々作同様に原作者自身のストーリーが観たいと思ったでしょうね。
あの出たがり放送作家の鈴木おさむが脚本を務めるということで、
懸念を感じた原作ファンも多いと聞きます。
ボクもバラエティ番組の作家風情が映画の脚本なんて畑違いも甚だしいと思ったし、
彼の小説の映画化作品も何本か観ましたがイマイチだったので、評価は低いです。
でも本作は原作ファンならではの原作ファンのツボは心得たストーリーで、
予想していたよりは面白い出来だったとは思います。
ただ、彼が無能すぎるのか、細かいところまでいちいち原作者にお伺いを立てるので、
セリフや設定、一部のエピソードなど、ほとんど原作者が手掛けたようなものです。
なので本作を観て、彼の評価を上げるのは短絡的かと思います。

むしろ気に入らないのは、テレビマンである彼の性なのか、
すぐにテレビと連動させてしまうところです。
公開日当日にフジテレビの『土曜プレミアム』で、本作の前日譚となる
「エピソードオブルフィ ~ハンドアイランドの冒険~」を放送しました。
更にレギュラー放送でも本作との連動エピソード「Zの野望編」を4週にわたり放送し、
テレビとズブズブな関係で、純粋な映画ファンとしては不愉快です。
当然そんなものボクは見ませんが、見たくても見れない連動企画まであります。
それがドコモの一部のスマホでしか視聴できないNOTTV限定で配信される
本作のプロローグ「GLORIOUS ISLAND」です。(ボクはauなので見れません。)
大ヒット間違いなしの映画を利用して、フジテレビの視聴率を稼いだり、
NOTTVの契約者を増やそうとしたりと、露骨にえげつない商売です。
ボクの大好きな映画を舐め腐った所業です。

えげつない商売といえば、最近の原作のグッツ展開なんかも苛烈で、
巻末に新発売商品の広告が何ページもあったりして、拝金主義が酷いです。
本作でも登場人物たちが衣装チェンジを繰り返しますが、
キャラクターのいろんなバージョンを増やして、
フィギュアなどのグッツを作ろうと考えているとしか思えません。
いつも同じ格好の主人公ルフィですら3セットも着替えますが、
衣装チェンジに必然性が全くなく、無意味に次々着替えるのです。
むしろ、わざわざ服を買いに行ったり、「最強装備」と称する意味もない衣装を貰ったり、
着替えさせるために無意味にストーリーを歪曲させている気すらします。
あと格好の話では、ナミとかロビンとかチョッパーとか、萌え狙いすぎ。
可愛いだけならまだしも、女性キャラの描き方がエロすぎます。
原作では多少セクシーシーンがあっても、ここまで露骨じゃなかったから、
こんな美少女オタクっぽいアニメになっていたことはショックでした。
(男キャラの無意味な入浴シーンなんかも腐女子向けっぽくてキモいです。)
アニメは原作漫画以上に子どもが見るんだから、もっと表現を考えろよ。

なんだか概要の文句ばかりになってますが、内容の感想もちょっとだけ書きます。
いろいろ書きたいこともありますが、劇場版オリジナルの敵キャラのことだけにします。

本作の主要な敵キャラであるゼットは、元・海軍本部大将です。
大将時代は「黒腕のゼファー」と呼ばれていたそうです。
黒腕というのは、彼の右腕に装着された巨大ナックル「バトルスマッシャー」から
名付けられた異名だと思っていましたがそうではなく、
武装色の覇気で腕が黒くなることが由来のようです。
しかし、ルフィでも使える武装色の覇気なんて、それなりの手練なら全員使えるはずで、
新世界においては別に珍しくも何ともない能力です。
それが異名になるくらいだから、さぞや強力な武装色の覇気なんだろうと思いきや、
素手の殴り合いにおいては、覇王色寄りのルフィと互角という程度で…。
バトルスマッシャー装備時の方が強く、それでよく大将になれたものだと思います。
悪魔の実の能力者ではない人間のボスキャラというのは珍しく、
あえてそれに挑戦したのは評価しますが、やはり能力者じゃないと弱そうです。
ただ、パワーインフレを起こした頂上戦争以降、ファンが敵に求めるのは強さではなく、
最低でも王下七武海と同等以上の地位だと思います。
単なる一海賊団の船長が敵ではファンは満足せず、魚人島編のように酷評されます。
その点ではゼットの「元・海軍本部大将」という肩書きは、敵として十分でしょう。
ただ海軍本部最高戦力と称される大将に比肩する力が今のルフィにあるのはおかしく、
その辻褄を合せるために、もうピークは過ぎたロートルという設定にしてあり、
ゼット本人もルフィに敗れた言い訳のように「おれも歳だな」と発言しています。
ピークを過ぎた敵というのは、前々作の敵の(白ひげのライバル)金獅子も同じですが、
本作の敵ゼットの場合は、それを補う特殊な事情があるはずです。
それは12歳単位で年齢を戻せる「モドモドの実」の能力者が部下にいること。
ゼットはいくら歳を取っても、全盛期の力を維持することが可能なのに、
その部下の能力を使わないのは不自然すぎると思います。

その部下である女性能力者アインに、そんな不都合な能力を持たせたのは、
ただ単に彼女の能力でナミを幼女に変化させて、萌えを狙っただけです。
本来なら驚異的な能力者ですが、彼女はルフィの仲間4人を若返らせただけで、
他に目立った活躍の場は与えられていないのが何よりの証拠でしょう。
そもそも彼女にゾロの戦いの相手をさせること自体が無茶苦茶で、
彼女の相手は同じ女性であるナミかロビンが妥当だったと思います。
剣客であるゾロの相手は、もうひとりの部下の忍者(男)ビンズの方がまだいいでしょう。
ただ、そのビンズはサンジの戦いの相手として設定されていますが、
植物を操る「モサモサの実」の能力者なので、
同じ植物使いであるウソップの相手が最も妥当な気もします。
ビンズは序盤にサニー号の甲板の芝生で戦った時はかなり厄介な相手でしたが、
クライマックスで植物が全くない荒野での戦いになった時の彼の雑魚さは酷すぎます。
アインもビンズもそれぞれ篠原涼子と香川照之というタレント声優起用をしているのに、
ロクに活躍もさせず勿体ないと思いましたが、基本的にアニメファンって、
タレントの声優起用に批判的な人が多いから、そこに配慮したのかも?
漫画オンリーでルフィの声にすら未だに違和感を覚えるボクとしては、
タレント起用も大歓迎ですが、活躍させないなら無駄な起用はしなくていいと思います。
ゼットの戦力として、人造兵器パシフィスタも大量に投入されます。
頂上戦争で投入され猛威をふるったやつの改良型でPX-Z(白くま)というタイプですが、
フランキーごときのビーム一閃で一台残らず蒸発するという不可解な展開で…。
これも原作ファンである鈴木おさむが、意味なくパシフィスタを出したかっただけですね。

古代兵器に匹敵するダイナ岩や、都市伝説エンドポイント、
それに伴うグランリブート(大破局)など、他にも無茶苦茶な設定のものが多数あり、
ツッコミきれないので本作の感想はこの辺で終わりにします。
これから観に行く人にひとつ言いたいことは、入場者特典のコミックスが目当てなら、
期待しているものとはおそらく違うので観に行かない方がいいです。
本作の内容に期待しているなら、ツッコミも含めて楽しめるとは思いますが、
テレビが中心作られているので、どうせ1年未満でテレビ放送されるし、
その放送を見れば十分だと思います。
初心を見失った原作者をはじめ、フジテレビ、東映、鈴木おさむ、集英社など、
『ワンピース』を取り巻く環境の調子の乗り方は目に余るので、
本作にはなるべくヒットしてほしくないというのが正直なところです。

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