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ミステリーズ 運命のリスボン

今日、感想を書く映画は上映時間が267分、4時間半ちかくもある大長編です。
公開日は10月13日ですが、ミニシアター系の作品なので、
例によって地方では公開が遅れ、大阪では11月10日、兵庫では11月24日公開で、
阪神地方に住んでいるボクは、どちらを観に行くか選ぶことができましたが、
普通なら公開日が早い方を選びたいところなんだけど、
大阪ではテアトル梅田で上映されるということで…。
テアトル梅田はとにかく座席が良くないんですよね。
右端の人が貧乏ゆすりしたら、左端まで揺れると言われる(?)ほど作りが悪く、
前後左右の座席の幅もかなり狭く、足元が窮屈です。
別に普通に映画を観る間くらいなら我慢できるんですが、4時間半の作品ともなると…。
かなり疲れることは想像に難くないし、下手するとエコノミー症候群になる惧れも…。
その点、兵庫の上映館であるシネ・リーブル神戸は、劇場の設備は素晴らしいし、
関西で最高じゃないかってほど椅子の座り心地も抜群なので、
これは2週間待ってでもシネ・リーブル神戸を選択すべきだろうと考えました。
テアトル梅田もシネ・リーブル神戸も、同じテアトルシネマグループなのに、
この設備の差は何なのでしょうね。

ということで、今日は座り心地のいい座席で観た映画の感想です。
でも、あまり座り心地がいいと眠たくなるので、場合によっては窮屈な方がいいことも…。
特に本作のような退屈極まりない映画の場合なんかはね。

ミステリーズ 運命のリスボン

ポルトガルの文豪カミロ・カステロ・ブランコの小説を、
ラウル・ルイス監督が映画化したミステリー大作。

19世紀前半、王政派とリベラル派による内戦が勃発していたポルトガル王国で、名字のない14歳の少年ジョアンはすくすくと育っていた。彼はディニス神父(アドリアーノ・ルース)に保護され、孤児院で暮らしている。ある日、ついにジョアンは今は伯爵夫人となった実母のアンジェラ(マリア・ジョアン・バストス)と念願の対面を果たすが……。(シネマトゥデイより)



ポルトガル映画の本作は、本国では一年間もロングラン上映され、
米サテライト賞の最優秀外国語映画賞を受賞するなど海外でも高い評価を得ており、
ボクもさぞ面白い作品なのだろうと思って期待して観に行ったのですが、
今年のワーストかもしれない最悪な映画でした。
ここ最近はイマイチな映画を観てしまうことが多くて、批判的な感想文が多いですが、
本作に比べれば、それらのイマイチな作品が如何に面白かったか再認識でき、
ボロカスに酷評してしまって申し訳ない気持ちにすらなりました。
こんなものがそんなに好評なわけがないと思いますが、
聞けば本作を撮ったラウル・ルイス監督は、ポルトガルの巨匠らしいのですが、
本作を撮った後に(70歳で)他界しているそうじゃないですか。
そんなことがあれば、人情として高評価を付けたくもなるってものです。
特に映画評論家は権威主義が多いので、巨匠ってだけで採点が甘くなる上に、
巨匠の遺作となれば尚更だったでしょうね。
ボクは申し訳ないが、そんな監督は初めて知ったし、当然そんなことで加点はしないので、
本作の内容だけで評価させてもらいますが、こんな映画は最悪です。
そんなものを撮った監督が才能あるとも思えないし、不謹慎は承知していますが、
間違っても彼の作品が2度と観れなくなったことに安堵感すら覚える出来でした。

まず彼の才能を疑わしく思う最大の要因は、267分という上映時間の異常な長さです。
ポルトガルの文豪の小説を原作に映画化しているらしいけど、
小説の内容をノーカットで映像化したんじゃないかと思える長さです。
才能ある監督なら、どんなに長い小説でも2時間程度でまとめることができるはず。
映画の上映時間は90分から120分くらいが相場ですが、それにはちゃんと理由があり、
観客が楽しむのに最適な時間として、計算して設定されているのです。
70歳近くまで映画に携わってたくせに、まだそんなことも理解できないのかと。
理解できないだけなら仕方がないが、本作は無用な引き延ばしや脱線が頻繁に行われ、
理解した上でわざと観客に対する嫌がらせで、上映時間を延ばしている節があります。
ボクはインド映画なんかも観るので、上映時間が異常に長い映画も間々観ますが、
上映時間が長い映画は詰め込みすぎで長くなっていることが多いため、
テンポがよくて体感時間は上映時間ほどは感じないことが多いのだけど、
本作は内容を希釈して引き延ばしているため、テンポが悪く冗長感に溢れ、
体感時間は上映時間よりも長く、本作も6時間以上に感じられました。
冒頭で「これは愛情と希望の物語ではなく、苦悩の物語である。」みたいな、
テロップが表示されますが、むしろ「苦痛の物語」ですよ。
せめて何度か山場でもあればアクセントになるのですが、全く平坦なエピソードの連続で、
本作は最後まで一度たりとも盛り上がることなく終わってしまいます。
ここまで徹底的に退屈な内容だと、意図的としか思えず、悪意を感じます。

また終わり方が最悪なんですよね。
夢オチみたいなもので、全ては主人公の少年の死に際の幻覚だった、みたいな幕引きです。
夢オチ自体が映画の禁じ手で、使い手の才能のなさを物語るものではありますが、
4時間半も退屈な物語を、いつか盛り上がるはずと我慢して見続けた結果、
なにひとつ盛り上がりを見せぬまま、有耶無耶な感じで夢オチで終わるなんて、
前代未聞のクソ展開で、もはや無能どころではなく、存在自体が有害です。
構成も無茶苦茶で、「僕は無知な14歳だった」と主人公のナレーションで始まる本作は、
物語全体が主人公の14歳の少年の回想(幻覚)なのですが、
その回想の途中で、回想の登場人物の回想が入り、更に回想中の回想の途中で、
回想中の回想の登場人物の回想が始まったりと、二重三重の回想になることが多々あり、
その回想の階層が頻繁に変わるので、たまに時系列を見失ってしまうことも…。
また、ある人物の回想中の物語が、いつの間にか違う人物の回想に挿げ変わっていたりと、
今は誰視点のエピソードなのかわからなくなることもあったりと、
ド素人が作ったかのような、出来の悪い構成となっています。
まぁ結局は全て主人公の少年の幻覚なので、展開の整合性なんて意味ありませんが…。
それにしても主人公の少年は中盤で渡仏して暫らく登場しなくなるのに、
その間のリスボンのことも回想(幻覚)で観ているのも、妙な設定ですよね。
主人公視点の回想ならば、その間フランスが舞台になると思うんだけど。

構成は無茶苦茶だけど、物語自体はとてもわかりやすい内容です。
わかりやすいのはいいのですが、とても在り来たりで退屈な話の連続で、
これならまだ、物語も構成と同様に滅茶苦茶だった方が楽しめたかも。
どんな内容かと言えば、19世紀のポルトガルの貴族たちの社交を舞台に、
貴族たちによる惚れた腫れたをただ漫然と描いています。
『ミステリーズ』なんてタイトルだから、サスペンス的な内容を含むかと思いきや、
そんなことは全くなく、貴族たちの放蕩生活をダラダラ流しているだけです。
まぁ登場人物の多くは過去に謎(ミステリー)を持っていて、
それを順番に回想で解き明かしていくのですが、そんな大層な真相はなく、
「だから何?」って感じのどうでもいい身の上話ばかりです。
そもそも貴族なんてロクなものじゃなく、放蕩三昧で恋愛にばかりウツツを抜かし、
ちょっと失恋しただけで、すぐに死にたいと考えるクダラナイ人生の奴ばかり。
大した人間じゃないくせに、自尊心だけは強く、名誉に固執して争ってばかりいます。
そんな登場人物に人間的な魅力がないから、彼らの過去にも興味を持てないんでしょう。

それに登場人物が多すぎる上に、ポルトガルの貴族だから、
聞き馴染みがなく覚えずらい名前のやつばかりだし、服装や髪型も似たり寄ったりで、
もう誰が誰で何て名前なのか覚えるだけでも一苦労(面倒臭い)です。
話も面白味がないし、登場人物も覚えられないしで、開始30分ほどで急激に眠くなり、
マブタが鉛のように重くなって、もう寝てしまおうかと何度も思いましたが、
本作は上映時間が長いために、鑑賞料を2500円も取られているので、
お金が勿体なくて寝るなんてできませんでした。
前編と後編に分かれていて、各々別の日に観ることも出来るのですが、
それだと各1300円になるため、前後編続けて観る方が100円お得です。
でも今思えば、別々に観ていれば、前編で面白くないことがわかっただろうから、
後編は観ないという選択もできたわけで、そうするべきだったと思いました。
まぁ本作は2500円の鑑賞料金の経済的ダメージよりも、
4時間半も退屈さに耐えるという精神的・肉体的ダメージの方が深刻だったから、
2500円払っても寝てしまった方がトータルのダメージは少なかったかも…。

本作もこんなダメな内容でも、上映時間2時間以内だったなら、
凡百の駄作のひとつとして、ここまで酷い評価は付けなかったはずです。
映画の上映時間は2時間半を超えてはいけないという規則でもあればいいのに…。

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