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ウーマン・イン・ブラック 亡霊の館

児童ファンタジー小説『ハリー・ポッター』シリーズの作者J・K・ローリングの最新作
『カジュアル・ベイカンシー 突然の空席』が1日に発売になりました。
『ハリポタ』以来5年ぶりの新作で、初の大人向け長編小説ということで、
けっこう話題にはなっていますね。
ボクは読書嫌いなので小説なんてほとんど買わないのですが、
そんなボクでも『ハリポタ』だけはハードカバーで買っていたので、
この新作にもちょっと興味がありますが、なんだか全然売れてないみたいで…。
まぁ『ハリポタ』シリーズの中盤以降の出来は目に余るものがあったので、
みんな『ハリポタ』には興味があっても、作者のことは評価してないのでしょう。
ボクもシリーズ4作目以降は惰性で買い続けていただけだし…。

ということで、今日は『ハリポタ』ファン待望の映画の感想です。

ウーマン・イン・ブラック 亡霊の館
The Woman in Black

2012年12月1日日本公開。
ダニエル・ラドクリフ主演のゴシック・ホラー。

19世紀末のイギリス。ロンドンで弁護士として働くアーサー・キップス(ダニエル・ラドクリフ)は、4年前の妻の死を引きずっていた。そんな彼に、弁護士事務所の上司は田舎町クライシン・ギフォードへの出張を命じる。課せられた仕事の内容は、同地に建つイールマーシュの館へ赴き、亡くなった家主であるアリス・ドラブロウ夫人の遺書を見つけ出すというものだった。やがて、アーサーは黒衣をまとった女が周囲の森や窓辺に出現するのを目にするようになり、館の恐ろしい歴史と町の子どもたちが次々と怪死している事実を知る。(シネマトゥデイより)



本作はスーザン・ヒルの小説「黒衣の女 ある亡霊の物語」を映画化したものですが、
例によってボクは原作を全く知らないものの、それなりに有名らしく、
幾度となくドラマ化、演劇化された作品らしいです。
ボクはそれも知らずに観に行きましたが、道理で古典的な展開だと感じるわけです。
いわく付きの家で恐怖体験をするという、よくあるパターンのホラーですが、
特にここ最近『ボディ・ハント』や『ドリームハウス』など、
その系統のホラーを見る機会が続いたため、少々食傷気味でもあったし、
他の作品と比べても展開が直球すぎて面白味に欠けます。
正直なところ、あまり出来はよろしくないかと…。

しかしそんな本作ですが、欧米だとかなりヒットしてるんですよね。
本作を作ったのはホラーの老舗ハマーフィルムですが、
そんなホラーメイカーの作品群の中で、史上最も高いオープニング成績を記録しました。
更に世界興収では、20年で最高の興収を上げたイギリス製ホラー映画だったそうです。
原作が人気があったんだとしても、この内容では明らかに不相応な成績ですが、
本作のセールスポイントはホラーとしての怖さや面白さなんかではありません。
史上最大の大ヒットを記録したファンタジー『ハリー・ポッター』シリーズ以来となる、
ダニエル・ラドクリフの出演映画として注目され、『ハリポタ』ファンを集客したことで、
記録的ヒットをしたのは疑いようがない事実でしょう。
本作は完全にラドクリフに負んぶに抱っこな状態で、
彼がスクリーンに映っていないことはほとんどないというくらいに、
彼を出ずっぱりにして、彼目当ての『ハリポタ』ファンに媚びています。
『ハリポタ』ファン層を取り込むためか、グロ描写も避けられ、
直接的な恐怖映像もかなり控え気味となっており、
ホラー映画として視覚的な恐怖はほとんど感じられないものとなっています。
それでも一部の『ハリポタ』ファンには刺激の強すぎる内容だったようで、
「こんな怖い映画だとは思わなかった」とクレームが殺到したそうです。
ボクとしては、ホラーのくせに温すぎることに苦情を言いたいくらいですが…。
ただ『ハリポタ』が好きで、ラドクリフが出演しているというだけで、
ホラーかどうかも調べず観に行く人がどれほどいたのかを示す絶好のエピソードです。

そんな『ハリポタ』ファンに程度を合わせて作られている本作ですが、
ボクが本作を観に行った時は、明らかに『ハリポタ』ファンとは違う客層で、
女性よりも男性が多く、平均年齢もけっこう高めだと思いました。
日本でも『ハリポタ』は大人気だったはずですが、
ラドクリフ自身のファンというのはそれほどいなかったのかな?
それに彼はハリー・ポッター役の印象が強すぎる(むしろその印象しかない)ので、
他の映画に出られると違和感を覚えるという人も多いかもしれません。
だいたい当たり役が当たりすぎた俳優はそんな印象を持たれやすいですよね。
ボクもいざ本作を観るまでは、そんな懸念を感じてはいたのですが、
意外とポッター役の印象を引きずっていなかったと驚きました。
というか、もともと彼がポッターを続けるのは、3作目までが限界で、
シリーズ終盤は彼が決してポッター役に嵌っていると思っていたわけではないので、
他の役をしても然程違和感がなく、むしろ年齢的に相応の役になった感じすらあります。
とはいえ、20代前半でパパ役なんて、逆に背伸びしすぎなくらいです。

舞台は19世紀末のロンドン。
ラドクリフ演じる若手弁護士アーサー・キップスは、法律事務所の上司から、
クライシン・ギフォードという田舎町にある「イールマーシュの館」に行き、
他界したドラブロウ夫人の遺産整理に必要な遺言書の捜索するように指示されます。
失敗するとクビになる彼は、4歳の息子を家政婦に預けて、一人で町に行きますが、
なぜか地元の弁護士や宿屋の主人など町人から全く歓迎されず、
唯一彼を歓迎してくれたある紳士の世話になって、館で遺品整理を始めます。
その館は町から離れた海霧の立ち込める泥地に佇んでおり、満潮になると道が沈み、
往来できなくなりますが、もともと町人は館には一切近づきません。
なぜなら館にいるという亡霊「黒衣の女」を目撃してしまうと、
目撃した者の近辺で、子どもが謎の自殺をするという噂があるためです。
しかしそんな噂なんて全く知らないアーサーは、館で遺品整理を始めますが、
案の定黒衣の女を目撃してしまい、町の少女が洗剤を飲んで死んでしまいます。
翌日も、町人たちの制止を振り切り、徹夜で遺品整理を始めた彼は、
ドラブロウ夫人の亡くなった7歳の息子ナサニエルが実は養子であり、
ナサニエルの本当の母親ジャネットが黒衣の女だということが判明します。
その夜、アーサーは館でまたしても黒衣の女やナサニエルの亡霊と遭遇し、
翌日やはり町の女の子が焼身自殺をするという事件が起こり…。

館に憑いた亡霊により人々が殺されるという『呪怨』系の心霊ホラーですが、
悪霊オチというのは、ホラーとして少し短絡的すぎる展開です。
最終的には悪霊の仕業で構いませんが、せめて途中までは、
アーサーを追いだしたい何者かによる人為的な企ての可能性とか、
もっとヒネリのある展開にしてほしかったです。
中盤の徹夜シーンは恐怖映像の連続だけど、既視感のあるホラー演出ばかりで退屈。
徹夜明けの女の子の焼身自殺以降は、自分の息子まで黒衣の女に殺されないように、
彼女が成仏するように彼女の息子ナサニエルの死体を捜し引き渡すという話になり、
けっこうスリリングな展開で、ドラマ的に面白くなってきましたが、
それまでは在りがちな物語な上に、全く怖くないコケ脅しの映像ばかりで眠かったです。
導入部の少女3人の投身自殺シーンはかなりよかったので期待したのですが、
それ以降の低調な時間がかなり長かったように思います。

黒衣の女に彼女の息子ナサニエルの死体を引き渡し、
彼女は成仏したかに見えましたが、そんなに甘くはなく、ラストで結局は…。
まぁ黒衣の女は息子が死んだことの怨みで悪霊化しているので、
息子の死体と会わせてあげたからって怨みが収まるはずないよね。
二人の幽霊は館にいるので、けっこう幽霊同士で会えてそうだし。
とはいえ、最後は成仏しなかった黒衣の女によりアーサーと彼の息子は死ぬのですが、
バッドエンドの割には死んだ当人たちが幸せそうにしていたのでよかったかな。
なんでも本作が欧米でヒットしたことに気をよくしたのか、
続編『The Woman in Black: Angel of Death』の製作が決まっているそうです。
でも本作の最大にして唯一の売りであるラドクリフの役は死んじゃったわけだし、
ただ単に黒衣の女が再登場するだけのホラー映画では、成功の見込みはないかと…。
もちろんラドクリフを同じ役で再登板させるって案もあるそうだけど、
彼は続編なんかよりももっといろんな役に挑戦して、
ほぼ『ハリポタ』オンリーだった役者経験を埋めることに尽力した方がいいと思います。

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