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シッチェス映画祭 ファンタスティック・コレクション

今日はハロウィンでしたね。
ハロウィンも日本で浸透して、街中や商業施設もジャック・ランタンだらけで、
雰囲気としてはなかなかステキだと思いますが、いざハロウィン当日になると、
どうやって楽しめばいいのか、よくわからないイベントです。
子どもなら仮装でもして知り合い宅にお菓子を貰いに行けばいいけど、
別に大人が参加できるような風習もなく…。
クリスマスのチキン(ターキー)や、イースターのケーキみたいに、
何かハロウィンの日に食べるような定番の料理でもあれば、
ハロウィン気分を味わうことが出来そうな気もしますが…。
とりあえず夕飯にカボチャの煮付けを食べてみました。

ということで、今日はハロウィン・シーズンに相応しい映画の感想です。
ハロウィン映画の大本命である『パラノーマル・アクティビティ』シリーズは、
日本だとなぜかハロウィンの翌日に公開されるのが不思議です。

シッチェス映画祭 ファンタスティック・コレクション
シッチェス映画祭

2012年10月27日日本公開。
日本初公開となるシッチェス映画祭関連の6作品を上映する企画。

毎年スペインで開催されているシッチェス・カタロニア国際映画祭は、
SFやホラーなどのジャンル映画だけを扱った国際映画祭で、
ホラー映画が好きなボクとしては、三大映画祭並に注目しているイベントです。
いや、芸術気取りの退屈な映画ばかりの三大映画祭よりも信頼感があります。
過去には『リング』や『座頭市』などもグランプリを受賞してますし、
最近のグランプリ『月に囚われた男』や『レア・エクスポーツ』も面白かったです。
そんなシッチェス映画祭に出品された中から、日本未公開の作品6本が、
日本でも一般公開されることになり、とても嬉しく思いました。
しかし、上映されるのはシアターN渋谷と梅田ガーデンシネマの2館のみ…。
ボクの行ける梅田ガーデンシネマでは、2週間限定でレイトショーのみで、
日替わりでの上映になるので、観たい作品が毎日上映されているわけではなく、
自分のスケジュールと合わないなんてことも…。
ボクは6本のうちで最も観たいのは去年のグランプリ『レッド・ステイト』でしたが、
それが上映される日は翌日の仕事の関係でレイトショーは無理で、諦めざるを得ません。
まぁ6本とも観たかったので、とりあえずスケジュールの合った2本を観ました。
本命ではなかったものの、どちらも面白い作品で大満足です。

EVA エヴァ
Eva.jpg

2041年、ロボット科学者アレックスは子供型アンドロイドの制作を始める。かつて憧れ、今は弟の妻となった女性の娘、エヴァにヒントを受け開発を進めるが、エヴァとアレックスの間には共通の秘密があった…。(公式サイトより)



梅田ガーデンシネマは14日間で6本の作品を日替わりで回すわけだから、
期間中に3回上映できる作品が2本あることになります。
そのうちの一本がグランプリ作品である『レッド・ステイト』で、もう一本が本作です。
しかも本作は初日に先陣を切って上映される作品であり、
そのことからも本作が6本の中で特に注目されている作品であることが予想されます。
実際、ボクが観たもう一本の作品の3~4倍の客入りだったように思います。
美少女アンドロイドSF映画とのフレコミなので、サブカルが好きな日本人にウケるのかも?
まぁ子どもらしく可愛い女の子のアンドロイドだけど、美少女って感じではないかな。

ロボット技術が進歩した近未来、天才ロボット科学者のアレックスは、
子ども型アンドロイドを作るため、モデルになる男の子を探しますが、
なかなか理想的な子は見つからず…。
そんなある日、街を逆立ちで歩いている変わった女の子を見つけ声を掛けます。
「飴玉あげるから、ボクの研究に協力してよ」って感じで、完全に変質者丸出しですが、
その10歳の女の子エヴァは、偶然にも兄ダヴィドの一人娘でした。
ボクもはじめはアレックスのロリコン臭い行動にドン引きしましたが、
エヴァが親戚なら、彼が彼女に一目で興味を抱いたのもわかる気がしますね。
2人は意気投合し、エヴァは両親にも内緒で、アレックスの研究を手伝い始めます。

アレックスは昔、世界初の自律型アンドロイド「S.I.9」を制作しますが、まだ未完成です。
この世界には様々なロボットが実用化されており、人間と全く見分けのつかないものも。
「S.I.7」のお手伝いロボなんかは、高い感情レベルを備えており、
十分に自律型と称してもいいと思うのですが、そのあたりの線引きが曖昧です。
人間の命令を聞かないのが自律型という認識でいいのかな?
自律型は安全基準を満たせず違法らしいけど、いわゆる「ロボット三原則」ってやつかな?
本作には人間と見分けが付かない「S.I.」シリーズの人型アンドロイド以外にも、
『スター・ウォーズep.5』のAT-ATの小型版のようなやつなどいろんな形状のロボがいて、
そんな個性的なロボが往来するシーンなんかは、とても楽しいのですが、
それはほんの序盤だけで、中盤以降はほぼ人型しか出てこなくなります。
低予算だから、一点豪華主義で序盤だけ頑張ったんですかね?

他にも自律型アンドロイドのプロセッサに感情をプログラムするために、
ホログラムを使ったインターフェイスを使用するのですが、
これに映し出される感情のアイコンが、有機的なガラス細工のようで、驚くほど綺麗です。
なんでも本作は「予告編がカッコよすぎる映画」として日本でも話題になったそうで、
話題になっていたことは全く知らなかったけど、鑑賞後YouTubeで予告編を見てみると、
ほとんどこのインターフェイスのシーンで構成されており、なるほどカッコいいです。
ただ、終始こんな映像が続くと思って本作を観ると、ガッカリするかもしれませんね。

美少女アンドロイドの物語だと聞いていたのに、美少女かは別として、
終盤に差し掛かってもそれらしきものがなかなか登場せず、「あれ?」と思っていると、
実はエヴァがすでに自律型アンドロイドだったことが判明します。
エヴァの母親、つまり兄嫁であるラナは、アレックスの元恋人で、
彼女はアレックスが投げだした「S.I.9」の制作を勝手に引き継ぎ、
それを実用化して生まれたのがエヴァだったのです。
そのことはエヴァ自身も知らず、自分を人間だと思っていましたが、
ひょんなことから知ってしまい、そのショックから母ラナを事故死させてしまい…。
人を殺したロボットは解体しなければならず、エヴァも解体されることに…、
…というストーリーです。
自分が人間ではないと知り、母親まで死なせてしまったエヴァの心境も切ないけど、
姪だと思っていたら、実は愛しい人との間に生まれた娘同然なエヴァを、
自ら解体しなくてはならなくなったアレックスの心境もかなり切なく、
なかなか感動的な作品だったと思います。
シッチェス映画祭絡みの作品だし、可愛い女の子ロボが活躍する娯楽SF映画だと思いきや、
家族を描いた感動のヒューマンドラマで、いい意味で裏切られました。

恐怖ノ黒電話
The Caller

離婚し、環境を変えようとマリーが引っ越してきたアパートには、すでに回線の繋がった古い黒電話が据え付けてあった。黒電話からの謎の人物の連絡、続発する怪事件…。(公式サイトより)



前述の『EVA』の感想で、「(本作の)3~4倍の客入り」と書きましたが、
裏を返せば本作はそれほど客が入っていなかったということです。
梅田ガーデンシネマなんて、100席ちょっとの小さいミニシアターだし、
全国で2館しか上映館がないのに、期間中2回しか上映されない作品となれば、
近畿一円、いや、西日本中から本作を観るために人が集まりかねないと思って、
(先売りやネット予約がないので)ちょっと早めに座席予約に行っただけで、
整理券の番号がまだ一桁で驚きました。(自由席です。)
たしかに『夜明けのゾンビ』や『人狼村』など、痛い邦題が多いラインナップの中でも、
本作が群を抜いてB級感が漂う邦題だと思います。(嫌いじゃないですが…。)
でも主演俳優は一番有名だし、内容のクオリティも驚くほど高く、
今年観たホラー映画の中では断トツです。

ホラー映画と書きましたが、実際はサスペンスSF映画に近いです。
主人公メアリーが引っ越した先に据え付けってあった黒電話は、過去と混線しており、
1979年のローズという中年女性から電話が掛ってくるというもので、
幽霊とか悪魔のようなスピリチュアルなものから襲われる話ではありません。
タイムパラドックス的な逃げられない恐怖を描いたスリラーです。
一方で、ストーカー被害という現実的な恐怖も盛り込まれており、
それをスピリチュアル・ホラー的な戦慄の演出で描いてあります。

夫スティーヴンのDVが原因で離婚し、ひとりでアパートに引っ越したメアリーだが、
元夫は裁判所から半径150m以内の接近禁止命令を受けているにも関わらず、
彼女にストーカー行為を繰り返します。
ある日、新居に据え付けられていた黒電話に、ローズと名乗る女性から電話が…。
メアリーはローズなんて人に心当たりはなく、前の住人宛ての電話だろうと思いましたが、
もしかしたら元夫の嫌がらせかもと思い、彼女から事情を聞くと、
彼女は1979年から掛けていて、電話が未来と混線したようだと話し…。
「そんなバカな」とメアリーはローズを相手にしませんでしたが、
ローズはメアリーのことを一方的に友達だと思い込み…。

本来ローズは1979年に恋人にふられたことを苦に電話線で首吊り自殺しますが、
メアリーが彼女に助言したことで、逆に恋人を殺してしまい、
それ以来、前にもましてメアリーに執着するようになります。
ローズのサイコさに、彼女を無視することにしたメアリーですが、
それに怒った彼女は、1979年当時のまだ幼いメアリーを探し出します。
幼い自分の身の危険を感じたメアリーは、なんとか彼女と縁を切ろうとしますが、
それが彼女の怒りを更に煽ってしまい、彼女のサイコな行動はどんどんエスカレートし、
メアリーの知り合いを1979年で次々と殺し、ついには幼いメアリーを部屋に連れ込み…。
なんとも抗いようのない状況は、精神的にかなり怖いですし、
どうすればメアリーが助かるのか見当が付かず、全く先の読めないドキドキの展開です。
また、ローズのことは電話の声と古い写真でしかわからず、
どん人物なのかイマイチわからないことが、恐怖を煽ります。
友達が一人もおらず、恋人からも捨てられるような孤独な女なので、
性格に問題があるのは推して知れますが、幼い子どもでも躊躇なく殺すサイコパスで、
悪霊や悪魔なんかよりもよほど理不尽で忌まわしく、ホラーとしては最高です。

黒電話というレトロな小道具も味が合っていいですね。
これがプッシュホンなんかだと、この不気味さは出せなかったかも。
あのダイヤル式で漆黒のデザインもさることながら、ベルの音が緊張感を煽ります。
それにしても、引っ越し先に備え付けの電話機をそのまま使うなんて、考えられないです。
前の住人が置いていったものなんて気持ち悪くないのかな?
特に電話は盗聴の可能性もあるし、ましてや電話番号すら変えてないなんて…。
まぁ今のご時勢、ケータイがあるから固定電話がない家ってのも多いし、
メアリーも当然ケータイを持っているので、あまり黒電話の存在に頓着がなかったのかも。
でもこの部屋は、都合がいいことにケータイの電波が悪いんですよね…。
それにしても未来や過去と繋がる電話なんて、ちょっとワクワクしますね。
ドラえもんの秘密道具みたいで、使い方によってはすごく便利です。
本作も元夫のストーキング対策に利用するような展開もあるかもと思いましたが、
サイコ女の強迫電話にしか使用されず、ちょっと勿体ない気がしました。

あと、メアリーの周りに現れる人影は、ストーキング中の元夫という解釈でいいのかな?
それとも自殺せず、現在まで生き続けていた年老いたローズだったのかな?
どちらにしても不気味ですが、過去と現在で同時にストーキングされるという、
なんとも独創的で興味深い展開でした。
期間限定なんて言わず、もっと拡大公開してほしい名作ホラー映画です。
今回リストアップされた6本は、大手映画会社の松竹が配給しているので、
大阪ステーションシティシネマとかなんばパークスシネマとか、
全国の松竹系シネコンでも大々的に上映してくれたらいいのに…。
梅田ガーデンシネマでの上映期間はまだ一週間以上あるので、
他の4本も観る機会があるかもしれませんが、その時はこの記事に加筆します。

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