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モンスター・ホテル

なんでも『アメイジング・スパイダーマン』や『トータル・リコール』など、
ソニー配給の洋画4本のレンタルの許可が、TSUTAYAのみに与えられるそうで、
それの不服とした中小の業者がレンタル許可の仮処分を地裁に申し立てました。
たしかにこの独占契約はちょっと酷いと思います。

TSUTAYAは一昨年ほど前から「TSUTAYA独占タイトル」という
キャンペーンをしていますが、初期はマニアックなホラーやコメディなど、
ある意味TSUTAYAが発掘した作品が中心でした。
しかし去年から『スカイライン』『スクリーム』『ミッシング ID』『アポロ18』など、
全米でトップ10以内で、日本でも劇場公開された作品まで独占するように…。
でもその程度の作品は、有名だけど日本では人気薄なので問題ないけど、
日本でも2週連続1位の『アメイジング・スパイダーマン』となれば話は別。
売上減少など中小レンタル業者の損害なんて知ったことではないけど、
そんなヒット作をTSUTAYAでしか借りられないのは、消費者の利益に反します。
ボクの近所にはTSUTAYAが4店舗あるので、独占タイトルも簡単に見れますが、
そんな地域ばかりではないし、TSUTAYA会員にならないと見れないなんて、
映画の振興にも悪影響があると思えて、映画ファンとして容認しがたいです。

ただTSUTAYA系映画会社が配給したお陰で劇場公開が実現した
『キック・アス』などもあり、そんな作品であればTSUTAYA独占もやむなしかな。
例えば今公開中の『エージェント・マロリー』なんかがそうで、
TSUTAYAが配給に関わらなければ、日本劇場公開も危ぶまれたでしょう。
でも今回の4本はハリウッドメジャー、ソニーの自社配給の作品ですからね。

ということで、今日はソニー自社配給の映画の感想です。
本作は今回の独占契約4本の中に入ってないので普通にレンタルされるはず。
でもやっぱり映画ってのは映画館で観るのが一番ですよ。

モンスター・ホテル
Hotel Transylvania

2012年9月29日日本公開。
ソニー・ピクチャーズ・アニメーションによる3Dファンタジーアニメ。

モンスターがくつろぐための場として、ドラキュラが故郷のトランシルバニアに作ったモンスター・ホテルで、彼は一人娘メイビスを大切に育ててきた。そんな彼女の118歳の誕生日を祝うべく世界中のモンスターが集まっている館に、人間の若者ジョナサンが迷いこんでしまう。そのことが仲間に知れる前に彼を人間界へ戻そうとするドラキュラだったが、あろうことかメイビスとジョナサンが恋に落ちてしまい……。(シネマトゥデイより)



本作はソニー・アニメーション・ピクチャーズ(以下SPA)の最新作で、
ハリウッドのアニメーション映画にしては珍しく日米同時公開となりました。
全米では9月公開の映画として過去最高の週末興行成績を上げるなど、
かなりのスマッシュヒットとなったようですが、やはり日本では振るわず…。
ハリウッド・アニメ映画の大ファンであるボクとしては残念に思います。
SPAは『メリダとおそろしの森』のディズニー/ピクサーや、
『マダガスカル』シリーズのドリームワークスに比べると、
まだまだこれからのアニメーション・スタジオですが、
『くもりときどきミートボール』や『アーサー・クリスマスの大冒険』など、
かなり面白い作品を制作しているし、期待できるスタジオでもあります。
なんだか新作公開ペースも早まっていて、本作は今年2本目の作品となります。
でも1本目の『ザ・パイレーツ! バンド・オブ・ミスフィッツ(原題)』は、
まだ日本公開が未定のままで…。(年内公開のはずなのですが…。)
先に本作が公開になったことで、劇場未公開のままになる可能性はかなり高いです。
もし本作が日本で大ヒットすれば、前作の劇場公開の追い風になるかと期待しましたが、
本作はまさかのトップ10圏外で、むしろ今後のSPA作品の日本劇場公開に
ネガティブな影響を与えそうな成績で、ちょっと不安が過ります。

まぁ日本人がCGIアニメを好まない傾向はわかっていたので、
本作が日本で大ヒットするなんて端から思ってませんでしたが、
まさかトップ10圏外になるほど人気薄だとは意外でした。
本作の主人公はドラキュラで、ヴァンパイア映画ブームに乗った作品でもありますが、
日本人はヴァンパイア映画も好まない傾向にあるみたいで、その影響もありそうですが、
本作に対し、日本人が最も懸念を抱いたことは、日本語吹替えキャストだと思います。
主人公ドラキュラ役の本職声優の山寺宏一はもちろん問題ないし、
声優経験者でもある川島海荷や我修院達也のタレント起用も問題はないでしょう。
しかしメインキャラである人間の青年ジョニー役に、オリエンタルラジオの藤森慎吾が
持ち前のネタであるチャラ男キャラそのままで起用されているのです。
予告編で「君、かわうぃーね」と言うジョニーの姿には、懸念しか感じませんでした。
今日から公開になる『ロラックスおじさんと秘密の種』の主演を、
変なおじさんこと志村けんが務めることよりも強い懸念です。

しかし、いざ鑑賞してみてビックリしました。
本作の楽しさの3割くらいはオリラジ藤森のお陰とさえ思えるほど、
素晴らしいキャスティングだったと感じたんですよね。
たしかにジョニーは「君、かわうぃーね」とか言っちゃうのですが、
あまりチャラ男を強調せずに、人のいいネアカな青年として描かれており、
それがオリラジ藤森の個性とマッチしているように思いました。
なのでジョニーと藤森がダブって見えるのは間違いないですが、
それがそんなに邪魔にもならず、不快感も全く感じません。
日本向けにするべく、セリフなどのローカライズに、かなり気を使っていると思われます。
ボクの近所の映画館では日本語吹替え版しか上映していなかったし、
比較しようもないのですが、動画サイトでオリジナルの予告編を見た限りでは、
ジョニーの声はオリジナルキャストのアンディ・サムバーグよりも、
オリラジ藤森の方が合ってる気がしたくらいです。
まぁ最後のラップとかは、本職のラッパーであるサムバーグの方が上手いでしょうが…。
ボク自身オリラジ藤森を別に嫌いなわけではないということもあるので、
彼のことが嫌いだったり、タレント起用に抵抗があるアニメファンはダメでしょうね。
むしろボクなんかは彼の好感度が上がったくらいですけど。

キャラクターデザインもなかなかいいと思います。
昨今、CGIアニメはどんどんリアルになってきていますが、
SPAはそんな風潮からちょっと距離を取っており、
かなりシンプルでデフォルメされたキャラデザが特徴的です。
それが伝統的なカートゥーンをCGIキャラ化したような印象を与え、
どこか懐かしく愛着の湧くキャラデザになっています。
(アメリカ的で少々バタ臭いともいえるので、敬遠する日本人もいそうですが…。)
またキャラたちも、お馴染みの有名なモンスターなので、すぐ親しむことができます。
主人公がドラキュラなので、ゴシックホラー系のキャラばかりかと思いきやそうでもなく、
もちろん狼男やフランケンシュタインなどは重要な役どころですが、
他にも比較的新しい都市伝説グレムリンや、未確認生物ビックフット、
ギリシャ神話の怪物ヒュドラなど、世界中の多彩なモンスターが共演しており楽しいです。
映画でお馴染みのブロブや脳みそのモンスターなんかもいたり、
ゾンビの名前がジェイソンやフレディだったりと、ちょっとパロディ的なところもあり、
ドリームワークスっぽいノリも感じられますね。
『トワイライト』を皮肉るところなんて、思わず笑ってしまいました。

『トワイライト』といえば、本作もヴァンパイアと人間のロマンスですよね。
ストーリーは人間のモンスターに対する迫害から逃れたドラキュラが、
人間が近寄れない場所にモンスターたちの憩いの場としてホテルを建設するも、
そこに手違いで人間の青年ジョニーがやってきたことで大騒動になるという話です。
1898年のオープン以来、人間が来たことがないことが売りのホテルなので、
オーナーであるドラキュラはジョニーが人間であることを隠して追いかえそうとします。
しかしドラキュラの一人娘メイヴィスは、ジョニーに一目惚れしてしまい…。
物語も比較的シンプルで子どもにもわかりやすい内容ですが、
何気にメイヴィスとジョニーのロマンスは深いものがあると思いました。
本作のヴァンパイアは人間の迫害を逃れなきゃいけない程度のモンスターなので、
人間を襲って血を飲んだりすることもありません。
その点では『トワイライト』や『モールス』など、昨今流行りのヴァンパイア映画よりも、
人間との恋愛の障壁は低そうな気もしますが、
実はメイヴィスの母親は、人間の迫害により命を落としていて、
父親のドラキュラは極度に人間を怨み、そして恐れています。
なので一人娘が人間に恋をするなんてもってのほかですが、
切ないのはジョニーもそのことを理解し、自ら身を引こうとするところです。
そんなメイヴィスとのロマンス以上に、ドラキュラとジョニーの男同士の友情が泣けます。
…って、別にお涙頂戴の話ではなく、ファミリー向けコメディですけどね。

人間であることを隠し、モンスターのコスプレをして、
フランケンシュタインの親戚のふりをするジョニーですが、
ホテルの料理長に人間であることを見破られてしまいます。
この料理長ですが、はじめはなんて種類のモンスターかわかりませんでしたが、
「カジモド」と呼ばれており、どうやら「ノートルダムのせむし男」のようです。
でもせむし男って、異様に醜いってだけで普通に人間でしたよね?
ジョニーが人間だと糾弾するなんて、「お前が言うか?」って感じで、
なんだかちょっと違和感のあるキャラクター設定です。
まぁ今までにないカジモド像で、面白いといえば面白いですが…。
他のキャラも、もっと本来の特性を活かす設定を盛り込んでもよかったかも。
メジャーからマイナーまで、モンスターの種類が多いだけに、少し勿体なかったかも…。

かなり子ども向けを意識して作られている感じで、
大人も強く意識した昨今のCGIアニメと比べると、少々シンプルすぎるかもしれませんが、
健全でけっこう笑いもあるコメディなので、子どもはもちろん案外誰でも楽しめるはず。
パンプキンヘッドも登場するので、これからのハロウィン・シーズンにもピッタリですよ。

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