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ボーン・レガシー

ディズニーが『アベンジャーズ』シリーズのマーチャンダイジングを展開するそうです。
この場合のマーチャンダイジングとは、簡単に言えば関連商品を出しまくるってことです。
もともとディズニーはアメコミ映画製作のためにマーベルを買収したのではなく、
オモチャとか遊園地のアトラクションとか、キャクタービジネスのために買収したので、
ついにその目論みを本格化させるってことでしょう。
でもボクはディズニー映画は好きだけど、企業としてのディズニーは嫌い。
露骨な商業主義は仕方ないが、あたかも「夢」を売ってるような体裁で…。
今回のマーチャンダイジングにしても、儲かることは何でもやるってことで、
『アベンジャーズ』のオモチャやゲームを売るのは別に問題ないけど、
映画のスピンオフをテレビドラマでやるってのは勘弁してほしいです。
映画は映画だけで成立させてほしいので、映画本編に影響が出るような
マーチャンダイジングはちょっとやりすぎじゃないかと思います。
そのスピンオフはニック・フューリーを主演にした『S.H.I.E.L.D.』らしいけど、
それも当初の予定通り映画で製作すればいいと思います。

ということで、今日はスピンオフ映画の感想です。
本作の主演ジェレミー・レナーは『アベンジャーズ』にも出演しており、
そちらでもスピンオフが企画されています。

ボーン・レガシー
The Bourne Legacy

2012年9月28日日本公開。
マット・デイモン主演の『ボーン』三部作の世界観を引き継ぐサスペンス・アクション。

最強の暗殺者を生み出すCIAの極秘プログラム、トレッドストーン計画とブラックブライアー計画。その最高傑作として生み出されたジェイソン・ボーンが、失った記憶を追い求めながら、自身の人生を大きく狂わせた同計画を白日のもとにさらそうと、CIAとの戦いに挑んでいた。その裏で、ボーンと匹敵する能力を秘めた暗殺者アーロン・クロス(ジェレミー・レナー)を巻き込むようにして、さらなる戦いと陰謀が動き出していく。そして、CIA上層部ですら認知していない2つの計画を上回るプログラムの存在があり……。(シネマトゥデイより)



ドル箱シリーズに固執する本作の在り方が見苦しいです。
マット・デイモン主演の『ボーン』シリーズは、三部作で完結しており、
当初はキャストもスタッフもそのつもりだったでしょうが、
3作目の『ボーン・アルティメイタム』が予想を超える大ヒットになってしまい、
続編を製作しようという流れになったのでしょう。
しかし前作の監督が離脱してしまい、「監督が代わるなら」とマット・デイモンも離脱。
それでも企画は進行し、前作から5年も経て、完成したのが本作です。
『ボーン』三部作の主人公ジェイソン・ボーンはデイモンの当たり役で、
『007』シリーズのように主演が降板したら新しい人にキャスティングすることはできず、
必然的にジェイソン・ボーン抜きでのストーリーになるのですが、
そんなものが『ボーン』シリーズ最新作と言えるのかどうか…。
ジェレミー・レナー演じる新しい主人公のアーロン・クロスは
三部作ではその存在の断片すら語られたことのない完全新キャラなので、
スピンオフと考えるのも少々厳しいと思われます。

内容的にも三部作とはあまり繋がりがなく、三部作の物語の裏側で繰り広げられていた、
もうひとりのスパイの物語ということにはなっているものの、
実際は3作目の一部分と微妙に重なっているだけです。
本作の物語は、3作目でボーンとCIA内部調査局のパメラ・ランディの告発によって、
「ブラックブライアー作戦」が明るみに出ることを恐れたCIA本部が、
証拠隠滅のために全作戦の抹消を目論むというもので、
それによりCIAから抹消されそうになるスパイのひとりが主人公アーロンです。
つまり『ボーン』シリーズとの繋がりは、本作の物語のキッカケとなった程度で、
がっちりリンクしているとは言えません。
むしろ、ボーンの起こした大きな波紋の一端が本作の物語であり、
話のスケールとしてもかなりショボくなっているようにも思います。
ここまで関係がないなら、レナー主演の全く新しいスパイ映画シリーズとして、
イチから立ち上げた方がいいのに、『ボーン』という看板は捨てがたかったのでしょう。
まさに『ボーン』シリーズの遺産だけで喰っているような映画で、
ある意味『ボーン・レガシー』というタイトルはとても的を射ていますね。

三部作と本作はがっちり相互リングしてはいないものの、
本作は三部作(3作目)に依存して描かれているため、新しい物語になるからといって、
本作からシリーズを観始めようと考えるのは、少し厳しいです。
本作を観る前には三部作も一通り観ておいた方がいいです。
ほとんどの部分は無駄ですが、世界観は同じなので設定の理解の助けになります。
ただ、前作はもう5年前の作品ですからね。
ちゃんと三部作を観ていたとしても、リアルタイムでだと忘れてることも多いかも…。
ボクはリアルタイムで観てないけど、本作の公開が決まった頃に一度見直したので、
比較的覚えているはずでしたが、それでもあやふやなところも多く、
もっと最近復習しておけばよかったと、本作を観ながら後悔しました。
そこでこれから観る人のために、少しだけ重要な設定の説明を書いておきます。

本作のキッカケとなるCIAの「ブラックブライアー作戦」とは、
ボーンが属していた工作員(暗殺者養成)プログラム「トレッドストーン」の進化版です。
この工作員養成プログラムには、更に進化させた「ラークス」と、
情報収集のための工作員を養成する「アウトカム」があり、
本作の主人公アーロン・クロスは「アウトカム」に所属しています。
てっきりボーンと同じ「トレッドストーン」の工作員かと思ってましたが、
全く別のプログラムで、更に三部作との関連性が薄まった気がしました。
同じ世界観でも距離がありすぎて、例えるなら『ケイゾク』と『SPEC』くらい別物ですね。
本作には「ラークス」の工作員も登場しますが、最高の精鋭という割にはショボく、
二世代前とも言える「トレッドストーン」のボーンの足元にも及ばないかな?
まぁ「アウトカム」のアーロン程度の相手にはちょうどいいかもしれないけど、
そもそもそんな精鋭がいるなら、アーロン抹殺に使うよりボーンを追わせるべきですよね。
本作でもCIAの最大の脅威はボーンであり、正直アーロンは二の次な感じで…。

アーロンとボーンが邂逅するかどうかが本作最大の関心事ですが、
前述のようにボーン役のマット・デイモンが降板しているため、それはありません。
それでもカメオ出演くらいあるんじゃないかと期待したけど、写真だけの登場でした。
期待を削ぐネタバレで申し訳ないですが、ボーンが目的の人は観ない方が無難です。
むしろ本作を観ると、ボーンに対しても幻滅を覚えるかもしれません。
本作ではなんと、この一連の工作員養成プロジェクトの対象者は、
ドーピングによって超人的な能力を得ていたことが明らかにされます。
記憶喪失になったボーンは、必然的に薬物の服用できませんでしたが、
「トレッドストーン」時代はやっぱり薬物投与されていたんだと思います。
しかもその薬物は、理論的には服用中止しても効果が持続するらしく、
ボーンの凄さもその影響下にあったのかと思うと、ちょっと残念です。
本作はアーロンがその薬物を手に入れようと奮闘するという物語になっていますが、
当然彼も薬物の影響で力を発揮しているので、あまり凄い人物とは思えません。

シリーズ最高の予算で製作され、大ヒットすることを期待されていたであろう本作ですが、
結果的には前作の半分程度の興行成績で終わってしまいました。
三部作はずっと右肩上がりの成績なのに、やはり三部作の惰性で作られたということが、
観客に見抜かれてしまっていたんでしょうね…。
評価も賛否両論で、概ね高かった三部作に比べると見劣りは否めません。
それでもすでに更なる続編を製作する意向があるそうで、
プロデューサーは「いずれボーンとアーロンを共演させたい」と言っており、
それが実現すれば嬉しいけど、その発言も単なるプロデューサーの希望でしかなく、
デイモンが堕落した本シリーズに再登板したいと考えるとは思えず、実現は難しいです。
むしろこの体たらくでは、普通に続編を製作することも困難じゃないかな?
そもそも新シリーズとしてスタートさせようって時に、
デイモンと同じ年齢のジェレミー・レナーを主演に起用するのはおかしいでしょ。
本当に続ける気なら、キャストも若返りを図ったはずです。
アクションは体力勝負だし、デイモンが三部作を始めた時は30歳くらいだったので、
せめてその年代の俳優を起用しないと、どうせすぐに降板されます。

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