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ハンガー・ゲーム

現在はその記事を全て非公開にしてあるので、その名残はほぼありませんが、
このブログは、もともとオンラインゲームのユーザーイベントのために始めたのを、
イベントが終わったので、音楽や映画の感想ブログに流用したものです。
そのオンラインゲームというのが、セガの「ファンタシースターユニバース」ですが、
そのゲームが、昨日でサービスを終了したらしいです。
ボクは2007年の春ごろ引退したので、何年も遊んでなかったのですが、
一時は私生活に支障が出るほど熱中したので、なんだか感慨深いものがあります。
それにまさかゲームより惰性で続けていたブログの方が続くとは思ってなかったし…。

そのオンラインゲームの最新作「ファンタシースターオンライン2」が、
2カ月ほど前からサービス開始しており、そちらにも少し興味があるのですが、
ボクももう三十路なので、今オンラインゲームにハマってしまうと、
私生活に支障が出るどころか、人生が狂ってしまう惧れがあり、躊躇しています。
節度を守ってプレイすればいいのでしょうが、その自信がありません。
ボクはリアルがショボい生活なので、バーチャルに逃避しがちなんですよね。
映画を観るのも現実逃避の一環ですが、約2時間で否応なく現実に戻される映画と違い、
オンラインゲームはキリがないから怖いです。

ということで、今日は人生が狂うどころか、終わりかねないゲームの物語の感想です。

ハンガー・ゲーム
The Hunger Games

2012年9月28日日本公開。
人気ヤングアダルト小説を映画化し、全米で大ヒットを記録したサバイバルアクション。

富裕層によって支配され、パネムという名の独裁国家と化したアメリカ。そこで民衆の絶大な支持と人気を集めているのが、各地区から選出された12歳から18歳までの男女が森の中で殺し合い、生き残った者に巨額の賞金が渡されるという殺人サバイバル「ハンガー・ゲーム」だった。まだ幼い妹がプレイヤーに選ばれてしまったカットニス(ジェニファー・ローレンス)は、彼女の代わりにゲームに出場することを決意。家族を養うための狩猟で鍛えた弓矢の腕と持って生まれた鋭い勘を生かし、強豪プレイヤーを打ち倒していくが……。(シネマトゥデイより)



本作は全米4週連続1位を記録し、興行成績4億ドルを超え、
当時は2012年最高のヒット作として注目されました。
その後『アベンジャーズ』と『ダークナイト・ライジング』に抜かれ、
現在は年間ランキング暫定3位まで落ちてしまいました。
しかし、暫定4位の『アメイジング・スパイダーマン』とは1億ドル以上の差があるし、
4億ドル越えといえば、去年だったら余裕で年間トップの成績なので、大したものです。
なにより続編ものじゃないのに、これだけヒットするのは前代未聞で、
ほとんどの人が予想だにしてなかったサプライズ・ヒットだったと思います。
当然ボクも日本公開を楽しみにしていたのですが、全米で話題だった頃から、
かなり間が空いてしまったので、ちょっとトーンダウンしちゃったかな。
たぶんそう感じているのはボクだけじゃないはずなので、
もっと早く(『ダークナイト ライジング』より前に)日本公開していたら、
日本でもかなりヒット出来たのではないかと思われます。
ただ、本作が全米で4億ドル以上も稼ぐに値する内容だったかと言うと…。

本作が全米公開され日本でも話題になっていた時に、
よくハリウッド版『バトル・ロワイヤル』なんて称されていましたよね。
12歳から18歳の子どもたちが殺し合いをさせられるという物語なので、
たしかに概要だけなら『バトル・ロワイヤル』と似ているようにも思えますが、
実際観てみると、随分印象が違いました。
本作の方がかなり健全でマイルドなので、もし『バトル・ロワイヤル』のような
過激なバイオレンスを期待すると、あまりの緩さにガッカリするかもしれません。
斯く言うボクがそうで、全く期待ハズレな作品だったように思います。
普通のサバイバル・アクション映画だと思えば、それほど悪い出来ではないですが、
バイオレンス映画の金字塔『バトル・ロワイヤル』と比較されたことと、
全米4億ドル以上の大ヒットというフレコミで、期待のハードルが上がり切っていたので、
「この程度の作品なの?」って思ってしまいました。
いや、それを差し引いたとしても、やっぱり面白いとは言えないかも…?

時代設定はたぶん未来、独裁国家パネムは首都キャピトルと12の隷属地区で構成され、
国民を服従させるための見せしめとして、毎年「ハンガー・ゲーム」が開催されます。
ハンガー・ゲームは12の地区から12~18歳の男女一人ずつの計24人が代表に選出され、
森林地帯で最後の1人になるまで殺し合わせるサバイバル・ゲームです。
それがリアリティ番組としてテレビで生放送され、富裕層の娯楽となっています。
第74回ハンガー・ゲームが開催されることになり、刈入れと呼ばれる選出が行われますが、
主人公の16歳の少女カットニスの住む第12地区で選ばれたのは、彼女の12歳の妹…。
彼女は妹を守るために自ら志願して、第12地区の女子代表になります。
まずこの流れですが、志願してもOKってルールはダメだと思います。
なんというか不条理さがあまり感じられず、デスゲームものとしてイマイチです。
第2地区では、プロの殺し屋の男女が志願しましたが、このゲームは死ぬ可能性もあるけど、
優勝すれば富と名声が約束されるので、志願者はもっといてもおかしくないくらいです。
それに政府から支援を受けるたびに、当選確率が上がるというルールもありますが、
そうなると志願者がいる地区では支援を受けたい放題にもなり、ルールに矛盾が生じます。
基本的には完全に籤で、身内のみ交代OKくらいにするべきでしょう。
第12地区の男子代表はパン屋の息子ピータでしたが、
当初カットニスとの間に何か深い因縁があるような演出がされていたにも関わらず、
明らかになってみると、ほんの些細なことだったのにも拍子抜けしました。

本作を観て、まず最初に思ったのは、導入部が長すぎるということです。
ハンガー・ゲームがスタートするまでに、実に1時間以上の上映時間を費やします。
刈入れ後、代表たちは首都に集められ、お披露目パレードが催されます。
その後、4日間サバイバル術や剣術を習うトレーニング合宿が行われて、
各代表の訓練成績を発表を経て、トークショーに出演し、ようやくゲームとなります。
ゲームはテレビ放送されているので、各代表には企業などのスポンサーが付き、
ゲーム中に物資を差し入れしてくれたりして、それが勝敗を左右するため、
その前段階のパレードやトークショーで好感度を上げたり、
注目されるために訓練でいい成績を修めて、スポンサーを集めるのです。
カットニスはどれも上手くこなし、訓練成績も最高だったし、
好感度や注目も最高のはずですが、不思議なことにゲーム中に差し入れしてくれたのは、
第12地区代表の教育係であるヘイミッチだけなんですよね…。
つまり代表の人気やスポンサーの有無なんて、ゲームの進行に何の関係もなかったのに、
人気やスポンサー集めの過程を1時間にもわたって長々と描いているわけです。
ゲームにスポンサーが付くという設定は、なかなか面白いアイディアで、
本作もそこをアピールしたかったのでしょうが、結果的に全然活かされておらず、
ただ話をダラダラ引き延ばした結果、総上映時間が2時間半弱にもなりダレます。

総上映時間の半分に差し掛かった頃に漸くゲームが始まりますが、
良くも悪くもハリウッド映画で、子どもの扱いに対する意識が日本よりも厳格な国なので、
子ども同士で殺し合う本作も、あまり過激な描写を入れたりしません。
だから『バトル・ロワイヤル』のような直接的な血みどろのシーンはないし、
友達同士が殺し合いになるような、シリアスな展開にもなりません。
もともとティーン世代がターゲットであるライトノベルが原作なので、
高いレイティングを付けられたら困るという思惑もあるのでしょうが、
とにかくバイオレンスが温(ぬる)すぎます。
その割にはカットニスは他の代表を殺すことを厭わない性格で、
主人公のくせに倫理観に問題があるような気がしました。

バイオレンスの脆弱さを補うかのように、大規模な特撮シーンが散りばめられていますが、
この演出もイマイチだったように思います。
例えば、カットニスが試合会場である森林地帯の端の方に逃げてしまい、
他の代表たちと遭遇する確率が低くなったため、ゲームを盛り上げたい運営サイドは、
彼女のいる地帯に火の球を打ち込み、森林火災を起こし、彼女が移動するように強います。
しかしスペクタクル・シーンを演出したいためか、火の玉は完全に彼女に向けて放たれ、
一歩間違えばその砲撃で彼女を殺していたかもしれません。
現に彼女はその砲撃でゲーム続行に致命的な火傷を負ってしまいますが、
代表同士の殺し合いなのに、部外者がそんなことしたらゲームとして興醒めですよね。
『バトル・ロワイヤル』のように代表同士が遭遇しやすくなるルールを予め作るべきです。

他にも、運営サイドは代表を襲わせるために、猛獣を放ったりもするのですが、
この猛獣は運営サイドが作りだしたもので、自在に実体化させることができたりと、
あまりにSFな設定で、なんでもありかと思ってしまいます。
遺伝子操作で作られた殺人スズメバチなんてのも登場しましたが、
別に普通のスズメバチでもいいし、猛獣だって普通に野犬で十分なのに、
なんで無駄にSFチックにしてしまうのか疑問です。
マネシカケスって鳥も架空の動物なのでしょうね。
カットニスの火傷や、ピータの刺傷を癒すのに、薬が差し入れられますが、
この薬もポーションかと思うほどの治癒力を発揮しますが、これも現実離れしすぎで、
まるでテレビゲームみたいな世界観で、リアリティがないんですよね。
だから誰が死んでも、ただゲームキャラのHPがゼロになった程度にしか思えず、
全然感動できませんし、死生観が薄っぺらく感じられます。
子どもが殺し合うという内容を衝撃的に描きたいならば、
なるべくリアルにするべきで、SFやファンタジーにしてしまうのは逆効果ですよね。

そもそも、こんなに運営サイドによる仕込みだらけの番組なんて、面白くないですよ。
視聴者も純粋な殺し合いのサバイバルの方が刺激的で楽しめると思います。
ロマンスを演出するため、同地区の男女2人が残っても優勝できるルールに急に変えたり、
運営サイドのシナリオ通りが見え見えのヤラセ番組みたいだしね。
ゲーム自体も1週間くらい決着が付かないし、カットニスも療養するだけで、
戦況が全く動かない日もあるので、こんな番組を見続けている人の気がしれません。
ある意味ハイライト状態の本作でさえ、冗長感を覚えるのに…。

スポンサーとかパネム国の世界観とか、ゲームとは直接関係ない設定は凝ってるのに、
肝心のハンガー・ゲームのルール設定が無茶苦茶なのが、本作の根本的な問題です。
その点では、『バトル・ロワイヤル』より『リアル鬼ごっこ』を彷彿とさせる駄作です。
すでに続編の製作・公開が決定していますが、この程度の作品では、
次は本作の半分の2憶ドルくらいの興業成績がせいぜいだと思います。

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