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ロック・オブ・エイジズ

長く続いていた音楽番組『HEY!HEY!HEY!』も終わってしまいました。
視聴率低迷が打ち切りの原因なのは明白ですが、
表向きの理由は「番組の時代的役割を果たし終えた」からとのこと。
むしろ音楽業界が大変な今こそ、音楽番組が役割を発揮する時だと思うのですが…。
てか、J-POPが斜陽になってからは、バラエティ色を強めたり、K-POPを推したりと、
この番組が未だかつて時代的役割を果たした試しなんてないようにも思えます。
てかフジテレビ自体がそうで、時代的役割を果たせないなら閉局すればいいです。

音楽番組もどんどん終わって、マジでヤバい雰囲気の音楽産業ですが、
ボクは来月あたりから、多少持ち直すのではないかなと思っています。
きっかけは来月1日から施行される改正著作権法で、
違法ダウンロードが厳罰化されることで、レコード会社各社が、
音楽配信などのDRM(デジタル著作権管理)を廃止する流れになっていることです。
ボクもコピー制限があると管理が煩わしく、音楽配信をほとんど利用しませんでしたが、
コピーがフリーになればもっと利用したいと思っていました。
やっぱり音楽は生活に欠かせないものだし、正しい方法で売れば売れるはずです。

ということで、今日は音楽映画の感想です。

ロック・オブ・エイジズ

2012年9月21日日本公開。
トニー賞候補にもなった人気ミュージカルの映画化。

1987年のハリウッド。サクセスをつかもうとする若者たちがひしめく大通り、サンセット・ストリップに建つライブハウス。そこで働きながらロック・スターを目指すドリュー(ディエゴ・ボネータ)とシンガーになるのを夢見て田舎から飛び出してきたシェリー(ジュリアン・ハフ)は、次第に心を寄せ合うように。一方、彼らがあこがれている人気バンド「アーセナル」のフロントマンであるステイシー(トム・クルーズ)は、成功に酔いしれ、酒と女におぼれていた。そんなある日、ひょんなことからステイシーとシェリーが関係を持ったとドリューが思い込んでしまい、二人はケンカ別れをしてしまう。(シネマトゥデイより)



本作は80年代のアメリカを彩ったロック・ナンバーで構成された
いわゆるジュークボックス・ミュージカル映画です。
ボクは、もちろんロックをテーマにした音楽映画であることはわかっていましたが、
まさか完全なミュージルだとは思わずに観に行きました。
というのも本作はトム・クルーズが主演(?)しているのですが、
彼が歌を歌うなんてちょっと想像できなかったので…。
ところがオープニング早々に、ヒロインのシェリーが上京中のバスの中で
急にホワイトスネイクの「Here I Go Again」を歌い始め、
周りの乗客も合わせて歌い始めたので、漸くミュージカルであることに気が付きました。
と同時に、「あ、これはダメかも…」という気持ちにも…。
ボクは歌セリフが多いためにテンポが悪く感じられてしまうミュージカルが苦手で…。
その曲が終わると間髪いれずにフォーリナーの「Juke Box Hero」と
アロウズの「I Love Rock 'n' Roll」のマッシュアップに繋がり、
まさか本作はずっと歌だけで構成されているのか?…なんて心配もしました。
まぁそれは杞憂で、ちゃんと普通のドラマパートもあります。
といっても、時間的には半々くらいな印象で、普通のミュージカルよりも歌が多いかも。
もちろんトム・クルーズも歌います。
歌声と素の声が違うので吹替えかなとも思いましたが、ちゃんと本人が歌っているそうで、
ロクに歌の経験もないはずなのに、あれだけ様になっているなんてスゴイですよね。
50歳過ぎてるのに、あの上半身裸での若々しさにも驚愕しますが…。

ジュークボックス・ミュージカルといえば、近年ではABBAの楽曲だけで構成された
『マンマ・ミーヤ!』が大ヒットして、注目を浴びるようになりましたが、
本作はその作品に比べれば、80年代のロックという括りなので、
選曲の縛りはかなり緩いと思われます。
しかし既存曲なことには変わりなく、物語に合わせて書かれたオリジナルではないので、
やはり歌詞と物語の展開との間には無理を感じるところもあります。
それでもマッシュアップにしたりと工夫して、結構頑張っている方だとは思うのですが、
既存曲を繋ぐブリッジの目的で物語が展開していくために、
普通のドラマ映画に比べるとストーリーがちょっと弱いようにも思います。
それでも本作で使用されている既存曲が好きならば、弱点は補われるでしょうが、
ボクは洋楽に疎いため、何曲かは知っている曲も使われていたものの、半分以上は知らず、
ただストーリーの弱さと、歌セリフによる冗長感に苛まれることもしばしば…。
例えばライブハウス「バーボンルーム」のオーナーとマネージャーが
同性同士でカップルになるシーンがあるのですが、
そこでREOスピードワゴンの「涙のフィーリング」が使用されますが、
もちろんこの歌は男女のラブソングとして書かれており、
それをゲイの告白シーンで使うというギャグだったわけです。
しかし元ネタを知らなければギャグにすらならず、単なる長いゲイの告白です。

でも、少ないながらも知ってる曲が使われているシーンには高揚感を覚えます。
スターシップの「We Built This City」のマッシュアップなんてかなり盛り上がったし、
ラストで演奏されたジャーニーの「Don't Stop Believin'」なんて、
通からしたら失笑もののベタさでしょうが、ボクは感動しました。
その点では、全てオリジナル曲で構成された普通のミュージカルよりも、
ジュークボックスの方が楽しめるような気がします。
勉強不足なボクでもそこそこ楽しめてるんだから、
もし使用曲を全部知っていたら、本作の楽しさは想像を絶するんでしょうね。

物語は1987年のロサンゼルス、ハリウッドが舞台。
オクラホマの田舎からロッカーに憧れて上京したシェリーが、
サンセット通りの老舗ライブハウス「バーボンルーム」でバイトをし、
そこで働くロッカー志望の青年ドリューと恋をするというロマコメです。
ある日、当選したばかりの市長がサンセット通りの再開発を目論み、
バーボンルームを潰すため、環境浄化作戦と称して、ロックを弾圧します。
当時、ロックは堕落した音楽としてキリスト教徒など保守的な市民から非難され、
バーボンルームの前はいつも「ロック反対」の抗議デモが行われていました。
市長夫人のパトリシアはそのデモを扇動するのですが、
彼女には浄化作戦の目的の他にも私怨があり…。
ミュージカルなので、当然パトリシアも歌うのですが、反ロック派のリーダーなのに、
彼女の歌もやはりロック(「Hit Me with Your Best Shot」)です。
80年代ロックの縛りがあるとはいえ、ちょっと違和感がありますよね。
しかし彼女は、実はあるロックバンドの元グルーピーだったことが明らかになります。

そのロックバンドが、トム・クルーズ演じる「ロックの神様」ステイシー率いる、
バーボンルーム出身の伝説的バンド「アーセナル」。
ステイシーがソロになるということで、アーセナルは解散するのですが、
その解散ライブをバーボンルームで公演することになります。
経営が苦しく、税金を滞納していたバーボンルームにとっては稼げるチャンスです。
見た感じだとバーボンルームはかなり繁盛してそうに思えたのですが、
女性客からはお代を戴かないというオーナーの方針らしく、それでは儲かりませんね。
そんなオーナーだから、よほど若い女の子が好きなのかと思いきや、実はゲイだし…。

ドリューのバンド「ウルフギャング・ヴォン・コルト」は、
アーセナルの解散ライブで前座を務めることになりますが、
その当日、彼は恋人シェリーがステイシーに抱かれたと勘違いし、
ライブ終了後、2人は別れ、バーボンルームも辞めてしまいます。
本作の原作となった舞台版では、ステイシーはこれだけの役だったそうですが、
映画版である本作では、ステイシーのことが更に掘り下げられ、
2人の恋路と並行して、堕落したステイシーのロッカーとしての再生の物語も描かれます。
というか、むしろ本作はこちらがメインですね。
なのでステイシーの展開はほとんど映画オリジナルなのですが、
そのためかミュージカル・パートもあまりありません。
ミュージカルが苦手なボクにとっても、彼の物語の方が比較的見易かったです。
トム演じる破天荒なロッカーのキャラも魅力的でした。

想像していたものとはかなり違いましたが、なかなか面白い作品で、概ね満足です。

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