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ヴァンパイア

第85回アカデミー賞の外国語映画部門の日本代表に選ばれた作品のが、
在日朝鮮人であるヤン・ヨンヒ監督の『かぞくのくに』だそうで…。
朝鮮人が主人公の物語らしいですが、観てないので出来不出来は知らないけど、
これが日本映画と呼べるのかどうか甚だ疑問です。
例えばK-POPは、日本で流通するもののほとんどは日本で作られていますが、
それをJ-POPだと考える日本人はいませんよね。
この映画も同じで、日本で流通しているとはいても、監督も中身も朝鮮なら、
それはやっぱり日本映画と考えることは難しいと思います。

よしんばこの映画を日本映画と認めるとしても、それを日本代表に選ぶ映連の感覚には、
ふつうの日本人の感覚と大きな齟齬があるように思います。
去年も映連は、現役最高齢の監督の作品というだけで、
『一枚のはがき』を日本代表に選びましたが、大規模公開もされず、
日本人ですらほとんど観ていないような映画が日本代表に選ばれるのは、
国民の総意とはほど遠い決定だと思います。
そもそも日本でもロクに話題にならない日本映画に勝算なんてありません。
第85回アカデミー賞の外国語映画部門の本命は『最強のふたり』でしょうが、
それはフランス人の3人に1人が観たとされる文句なしのフランス代表です。
ヒット作が名作とは限らないけど、過去に受賞した『おくりびと』もヒットしたしね。
スポーツで例えるなら、世界中が注目している年に一度の国際試合に、
もっと強い候補もいる中、国内でも活躍していない無名の選手が選ばれるようなものです。
ましてやそれが日本人選手ですらなく朝鮮人選手となれば、
もし彼が国際試合で大活躍したとしても、日本人の誰が喜ぶでしょうか。
他の頑張っている日本人選手や、その競技に対する日本人の興味を削ぐだけの人選です。
つまり今回の朝鮮映画まがいの作品を日本代表に選んだ映連の決定は、
日本映画の発展や振興にとって、マイナスでしかないということです。
しかも領土問題などで韓国作品に対して自粛ムードのご時勢に…。

ということで、今日は日本人監督が撮った外国映画の感想です。

ヴァンパイア

2012年9月15日日本公開。
岩井俊二監督がカナダを舞台に全編英語で撮影した異色のバンパイア映画。

高校教師のサイモン(ケヴィン・ゼガーズ)は、アルツハイマーの母親(アマンダ・プラマー)と一緒に暮らしている。ある日、彼はウェブサイト上で、一緒に自殺してくれる仲間を探している人々が集まる自殺サイトを見ていた。サイモンは、そのサイトで血をくれる人を探していた。そんな彼は、自殺を志願する人々から"ブラッドスティーラー"や"ヴァンパイア"と呼ばれていて……。(シネマトゥデイより)



依然としてヴァンパイア映画ブームが続いている昨今、
もういい加減にネタ切れなんじゃないかと思われるほど、
多種多様なジャンルで、いろんなタイプのヴァンパイアが描かれてきましたが、
そんな中でも確かに本作は異色な印象を受けるヴァンパイア映画でした。

本作のヴァンパイアであるサイモンは、そもそもヴァンパイアじゃないですよね。
たぶん血を飲むことを嗜好するだけの、ただの人間だと思います。
一般的なヴァンパイアのように、血を吸わないと生きられないわけでもなく、
むしろせっかく血を飲んでも、体が受け付けず吐き出してしまっています。
母乳なんてほとんど血だと言われているように、血液は飲めないわけではないですが、
人間は人間の大量に血を飲むと、吐き出してしまう仕組みになっているんだそうです。
序盤で「太陽が苦手」とか言ってたし、はじめはボクもサイモンのことを
いわゆる怪物としてのヴァンパイアだと思ったけど、
その血を吐くシーンを見て普通の人間なんだと確信しました。
太陽も別に苦手なだけで、日光に当たると火傷するわけでもなく、
普通の人間なので、ニンニクや十字架などヴァンパイアのタブーも適用されないし、
ヴァンパイアのように超常的な能力もありません。

飲血を嗜好する人のことをヘマトフィリア、淫血症と呼ぶそうで、
実際にそういうアブノーマルな人たちっているみたいですね。
本作でもサイモンは、それらしき人の集まるサークルに参加しています。
(表向きはただのヴァンパイア愛好会って感じですが。)
そこでサイモンは、ひとりの淫血症男性に出会うのですが、
タクシー運転手の彼は、気に入った女性客を見つけると、強姦し飲血して殺します。
吸血することで性的な欲求を満たしているド変態ですが、
もう彼ぐらいになると人間、怪物なんて線引きは意味がない完全な吸血鬼ですね。
サイモンの場合は血は飲んでも強姦なんてしませんが、女性しか対象にしないようで、
やっぱり飲血することで性的欲求を満たしているのかな?
そもそもセックスとか肉体的な性的嗜好はないようにも見えます。

サイモンはそのタクシー運転手のように、女性を無理やり襲うようなことはせず、
相手の女性と合意の上で殺して血を戴くのです。
つまり殺人というよりは自殺幇助って感じですね。
彼は自殺サイトで心中相手の募集を謳って自殺志願者を探し、
後を追うと見せかけて相手を殺して血を抜き取ります。
というか血を抜き取ることで殺すのですが、ドラキュラのように首筋に噛みついたりせず、
輸血チューブを使って注射器で少しずつ血を抜き取るのです。
その方法だと、全く苦痛がない上に、死に様も見苦しくないそうです。
リストカットとか、たしかに失血死は自殺に向いていると言われますが、
イメージ的には血を全部抜かれたら、血色を失って醜くなりそうですよね。

サイモンのやっていることは殺人ではなく自殺幇助とはいえ、犯罪には変わりありません。
自殺サイトで殺す相手を見つける殺人事件といえば、7年ほど前に実際にありましたよね。
本作はそれをモデルにしているのかと思いましたが、どうも違うようで、
むしろ「自殺サイトを使った殺人」のアイディアは先にあったのに、
その事件が発生したせいで一度お蔵入りさせるしかなかったとか…。
その後、ヴァンパイアという題材と融合させることで、復活させたそうです。
監督は常々ヴァンパイア映画に挑戦したいと思っていたそうですが、
タイミング的に、ヴァンパイア・ブームに乗ろってやろうと考えたようにも思います。
監督は日本人でありながら、本作を全編英語でカナダで撮ったのも、
日本はそれほどヴァンパイア・ブームではないため、
アメリカを中心とする海外に向けた作品にした方が勝算があると考えたのではないかな?
日本ではやっぱり例の自殺サイト事件が元ネタだと思われかねませんしね。
ただ相手のパソコンの履歴を抹消したりするところは、
例の事件を参考にしてるようにも思えます。

やはり自殺サイトで獲物を釣れるのを待つだけでは欲求が満たされないのか、
彼は積極的に自殺志願者を探し、橋から飛び降りそうな女性に声を掛けたりもします。
でも罪悪感もあるようで、誰でも安易に殺そうとは思わないようです。
彼は高校で生物の教師をしているのですが、女生徒のひとりが首吊りをする現場に遭遇し、
本来なら飲血の千載一遇のチャンスのはずだけど、自殺を思い留まるように説得します。
でもその説得のニュアンスが微妙で、実は自殺を助長しているように思う言い回し。
それでも女生徒はポジティブに解釈して、自殺を思い留まるのですが、
その時のサイモンはちょっと残念そうにも見え、なんだか笑えました。
自殺サイトで見つけた人にも、最後まで自殺の意思を確認し続けるし、
完全な同意を得られた場合じゃないと殺さないのでしょうね。
その女生徒役は唯一の日本人キャストの蒼井優ですが、他は全員白人キャストの中で、
とても違和感なく馴染んでおり、初登場時は彼女だとは気付かないほどでした。

面白い作品でしたが少々間延びしているようにも感じられ、
もっとタイトにすれば、更に面白くなったように思います。
アルツハイマーの母親の話しなんて、それ自体は興味深いものだったけど、
ヴァンパイアとはあまり関係なく、全体からすると浮いてたかも…。
最後の虚実不明な展開も冗長感は否めず、死体保管用の冷凍庫を
押しかけ女房に発見された時点終わっておけば、かなりスッキリしたと思います。

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