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白雪姫と鏡の女王

ちょっと古い話題ですが、
童話『白雪姫』を題材にした映画『スノーホワイト』の続編の製作が中止になり、
その登場人物のひとりである狩人のスピンオフの製作が決まったそうですね。
ボクは狩人役のクリス・ヘムズワースには注目していたので嬉しいです。
別に続編でも彼は登場したでしょうが、どうせなら主人公の方がいいよね。
なんでも『スノーホワイト』の主演女優と監督の不倫が発覚したことが、
続編製作中止の原因だそうで、大ヒット作だけにかなり痛い代償です。

ということで、今日は『白雪姫』を題材にしたもうひとつの映画の感想です。
本作には狩人は出てきません。

白雪姫と鏡の女王

2012年9月14日日本公開。
ジュリア・ロバーツ主演で『雪姫』を題材に描くコメディ・ファンタジー。

幼いころに国王であった父を亡くし、邪悪な継母の女王(ジュリア・ロバーツ)によって城に閉じ込められたまま育った白雪姫(リリー・コリンズ)。ある日、舞踏会に忍び込んだ彼女は、そこで他国の王子(アーミー・ハマー)と運命の出会いを果たして恋に落ちる。だが、王子との政略結婚を狙っていた女王は、白雪姫を森へと追放。森で7人の小人と出会った白雪姫は、彼らと生活を共にしながら戦い方や知識を習得する。亡き父の国を守り、愛する王子を取り戻そうと、彼女は女王に戦いを挑む。(シネマトゥデイより)



本作はグリム童話『白雪姫』をモチームにしたファンタジー映画ですが、
ハリウッドは今、空前の童話ブームの真っ最中なので、
同じく『白雪姫』をモチーフにした前述の『スノーホワイト』も今年公開され大ヒット。
本作も独立系の作品ながら全米初登場3位で、約6500万ドルの興収を上げ、
なかなか健闘したのは思うのですが、『スノーホワイト』の陰に隠れた印象です。
なにしろ『スノーホワイト』は本作のトリプルスコアの成績ですからね。
まぁハリウッド・メジャーの作品で、製作費だってトリプルスコアなので、
比較するのは酷なのかもしれませんが、内容的にも似たところもあり、
双方ともグリム童話の『白雪姫』を大胆にアレンジした設定ですが、
白雪姫が剣を手に、継母である悪い女王の圧政からクーデターを起こすという内容で、
アレンジの方向性が全く一緒だと言っても過言ではないです。
公開時期からしても、たまたま設定が被ってしまっただけでしょうが、
こんな状況だと、比較してくれと言ってるようなものです。
日本では公開順も逆転し、本作の方が『スノーホワイト』よりも遅れて公開になったので、
アレンジの斬新さという点でも不利は大きくなったと思います。

とはいえ、ボクは『スノーホワイト』をそれほど高く評価してはいないので、
どちらが面白かったかと問われると、微妙なところです。
コチラはコメディ・ファンタジーであり、アチラはアクション・ファンタジーなので、
同じようなアレンジでも、そのアプローチの仕方はかなり違います。
どちらも一長一短ありますが、コメディが好きなボクとしては、
本作の方が僅かながら楽しめたように思います。
『スノーホワイト』はシリアスすぎて、原作とは全く別物と思えるほどでしたが、
本作は基本的にパロディだから、原作ありきなので、『白雪姫』の実写映画化としても、
本作の方がシックリくるような気がします。

なにより気に入ったのが、白雪姫演じるリリー・コリンズです。
彼女が『ミッシング ID』でヒロインを演じた時から、
こんな可愛らしい女の子は久しぶりに見たと思って注目していましたが、
本作ではその時に輪をかけて魅力的になっています。
例えるならば、往年のオードリー・ヘップバーンのような印象で、
キュートで、何ともいえない透明感があり、特に印象的で綺麗な太眉が素敵です。
ボクは今までも遠藤久美子、吹石一恵、石原さとみが好きな女優だったのですが、
太眉の女の子って、ホントにナチュラルで魅力的に感じます。
ハリウッド女優ではカミーラ・ベルもなかなかでしたが、
今はリリー・コリンズがダントツで気に入りました。
不思議と静止画ではそれほどでもないんだけど、本作の彼女の可愛さは尋常ではないです。
その点では『スノーホワイト』の白雪姫役クリステン・スチュワートも、
キリッとしたいい眉毛でよかったですが、白雪姫だけで比較するとやはり本作に軍配かな。
(不倫スキャンダルによるイメージダウンも否めないし…。)
ビジュアル的にも、ピュアな感じで童話の白雪姫に近いと思います。

一方、そんな白雪姫の継母である女王を演じるのは大女優ジュリア・ロバーツ。
本作のコンセプトは「女王の視点で描いた『白雪姫』」でした。
実質、やはり白雪姫の活躍がメインで、彼女は悪役という立場でしたが、
今までにない風変わりな女王で、なかなか面白かったです。
『白雪姫』の女王は「この世で一番の美女」という設定なので、ある意味かなり難しい役。
ジュリア・ロバーツは綺麗だけど、もう四十路も半ばで…。
正直かなり無理がありますが、そこは巧くアレンジされており、
魔法の鏡も女王のことを「最も美しい」なんてことは言わず、
彼女は自分で世界一の美女でありたいと願っているだけという設定になっています。
自分の衰えは自覚しているようで、鳥糞のパックなどアンチエイジングにも余念がなく、
自分の魅力で落とせない男には惚れ薬を盛るなど、かなり人間的な設定です。
女王は恐ろしい魔女として描かれるのが普通なので、斬新な描き方だと思いました。
その点では『スノーホワイト』のシャーリーズ・セロン演じる女王は、
かなりインパクトのある人物でしたが、比較的パブリックイメージ通りでしたね。
どちらがよかったかは微妙なラインですが、面白さではジュリア・ロバーツかな。

というように、主要キャストでは本作の方がよかったように思いますが、
重要なキーパーソンである7人のドワーフ(小人)たちは…。
『スノーホワイト』では、イアン・マクシェーンやニック・フロストなど有名俳優が、
特殊効果によって小さなドワーフを演じています。
しかし本作は、小人症の俳優をドワーフに起用するという安易なキャスティングで…。
小人症は身体障害の一種で病気ですが、小人症の人をドワーフに起用するのは、
知的障害者をトロール役にするのと本質的には変わらない気がして不謹慎です。
ドワーフの背の低さを揶揄するような展開もけっこうあって、
当の本人たちは納得して出演してるでしょうが、倫理的にはどうなのかなと。
まぁ本作の予算では普通の俳優を特殊効果でドワーフ化する余裕はないでしょうが…。
小人症の俳優は珍しいのか、人種的にもバラバラで、かなり違和感があります。

ストーリー的には、思ったよりもパロディとして原作を揶揄するわけでもなく、
こんな童話があってもおかしくないと思えるような健全な物語です。
白雪姫と女王と王子の三角関係を描いたロマコメ的なところもあり、
それなりに笑えるし、誰でも気楽に楽しめる作品になっていると思います。
しかし本作の見どころは、ストーリーよりもむしろ映像です。
『落下の王国』のターセム・シン監督による極彩色な独特の映像美で、とても幻想的。
魔法の鏡の表現方法なんかも、独創的な世界観で描かれています。
最後に登場するドラゴン的なモンスターのデザインはちょっと酷いと思いましたが、
セットなどのデザインは本当に秀逸で、特に衣装が素晴らしかったです。
リリー・コリンズの魅力も、この衣装で何倍にも惹き立っていました。
この衣装は日本人デザイナーの石岡瑛子さんという方が手掛けたそうですが、
この方は監督の創る世界観には欠かせないデザイナーで、全作品に参加しています。
残念ながら今年亡くなったみたいで、本作のエンドロールの冒頭で、
「エイコ・イシオカに捧げる」という一文が流されます。
それだけ監督にとって重要な人だったわけですが、今後の監督作が不安です。
エンドロールでは白雪姫たちによるダンスシーンが映し出されますが、
この演出はやっぱりインド人監督だなと思いました。

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