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夢売るふたり

今、WOWOWで放送されていた連続ドラマ『贖罪』を、レンタルで見ています。
『告白』の原作者・湊かなえの小説を実写ドラマ化した作品で、
『告白』がなかなか面白かったので、この作品にも興味を持ち見始めました。
正直、まだ最終話を見ていないので、何とも言えないところもあるのですが、
現時点では『告白』に迫るほどではなく…。
しかしながら何だか続きの気になる展開で、早く最終話を借りてこようと思っています。
小学校時代に友達を見殺しにしてしまった4人の少女と、
殺された少女の母親によるオムニバス形式のサスペンスですが、
女流作家の小説らしく、各話の主人公の女性像にとても説得力を感じます。
反面、男の登場人物はあり得ない変態ばっかりで、苦笑してしまいますね。
ボクは男なので、どうしても男のクリエーターの作品(小説・漫画・映画)の方が、
感性的にマッチするし、面白いと感じることが多いのですが、
たまに女流作家の作品に触れると、新鮮で興味深く思えます。

ということで、今日は女流監督による映画の感想です。
主演は『告白』の松たか子です。

夢売るふたり

2012年9月8日公開。
西川美和監督の長編第4作。

東京の片隅で小料理屋を営む貫也(阿部サダヲ)と妻の里子(松たか子)。店は小さいながらも順風満帆だったが、火事で全てを失ってしまう。ある日、貫也が常連客と一夜を共にし、すぐに里子の知るところとなるが、里子は結婚詐欺で金をだまし取ることを考案する。結婚願望の強いOLなど寂しい女たちの心の隙につけ込んで、店を再開するための資金を稼ぐ二人。しかし、夫婦の関係に影が差し始め……。(シネマトゥデイより)



本作は注目の女流映画監督・西川美和がオリジナル脚本で撮った作品で、
前作『ディア・ドクター』がかなり面白かったので、期待して観に行きました。
実際に観たのは、もう3週間以上前ですが、今まで感想を書かなかったのは、
あまり印象に残る内容でもなく、感想が書きにくかったからです。
つまり、それほど面白いとは思えなかったってことです。

要約すれば、夫婦で結婚詐欺を働くが、そのせいで夫婦関係も歪んでくるという話で、
そのストーリー自体はそれなりに面白そうにも思えるのですが、
演出面でちょっとやりすぎてしまっていて、ストーリーの関心が薄まってしまっています。
どのシーンがやりすぎているかといえば、松たか子演じる里子の自慰行為と、
生理用品を付け替えるという、生々しいシーンです。
画的にインパクトが強すぎて、そこだけが印象に残り、ストーリーが印象が薄れます。
『告白』で清純派女優から脱却した松たか子ですが、もはやヨゴレ女優です。
ヨゴレってことは、それだけ演技に身体を張っているってことなので、
場合によっては称賛に値する女優魂ですが、本作の場合は…。
自慰も生理用品のシーンも、ストーリー展開とは何も関係がなく、
別になくてもいい演出で、物語上必要に迫られたわけでもありません。
必然性があれば身体を張ったということになるけど、
そうでないなら無駄に破廉恥なだけのシーンで、単にヨゴレただけです。
三流のセクシー女優ならなんてことはないが、松たか子にそれをやらせるのは…。
まぁやりそうにない女優にやらせるからインパクトがあるわけですけど…。
由緒ある芸能ファミリーの彼女ですが、彼女がヨゴレに転落したことについて、
父の松本幸四郎や、舞台から転落して療養中の兄・市川染五郎は、どんな心境なのかと…。
意外と本人たちはどうとも思ってないでしょうが、やっぱり二世タレントを見ると、
親の顔が浮かんでしまうのは仕方がないです。

女性の自慰とか生理とか、そんな生々しい演出が許されるのは女流監督だからで、
観客も実際に演じる松たか子も監督が女性だから受け入れやすいだけで、
こんなただ扇情的なだけで必然性のない演出を男の監督がしたら、
たぶんかなり顰蹙(ひんしゅく)を買うことになると思います。
つまりは自身が女性であることを最大限に利用した、ある意味汚い表現方法です。
作中の女性アスリートの扱い方にしても、男があれをやるとバッシングものですが、
同じ女性だからということで許される部分も多いと思います。
実際はそんなこともないかもしれないけど、男の監督なら躊躇する演出なのは間違いなく、
男ではないのをいいことに、その禁忌に踏み込むことで、
観客にインパクトを与えようという演出は、安易だと思います。
何にしても、そんな衝撃的な演出で印象が消し飛んでしまう程度の物語だし、
逆に言えば、そうでもしないと何の爪痕も残せない程度の作品ということです。
終盤に登場する笑福亭鶴瓶演じる私立探偵にしてもそうだけど、
キャストとのギャップでインパクトを演出するだけの作品ですよね。
だから、トロント国際映画祭に出品された本作が、他に出品された日本映画の
『アウトレイジ ビヨンド』や『テルマエ・ロマエ』に比べても、
あまり注目されなかったのは当たり前で、観客がキャストのことを知らないんだから、
ギャップによるインパクトなんてのは全く通用しないわけだし、
それを差し引いてしまえば、本作に残るものなんて何ひとつありませんから。

予想通りかなり短めの感想になりました。

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