ブログデンティティー

blog-dentity since 2013

コロンビアーナ

先々週だったか、テレ朝の『日曜洋画劇場』の枠で、
バラエティ番組『いきなり!黄金伝説』の特番「よゐこの無人島生活」が放送され、
洋画ファンとして、とてもショックを受けました。
なんでも洋画が人気薄なことから、10月編成から本格的にバラエティも放送するそうで、
映画を放映する回数は減ってしまうようです。
ボクとしてはこの枠で邦画を放送することすら不満だったのに、
まぁか邦画どころか映画自体を放映しない状況になるなんて…。
バラエティは月一回とかって話もあるけど、洋画が視聴率を取れないのは事実だし、
テレビ局は視聴率しか考えてないから、フジの元映画枠『土曜プレミアム』のように、
いずれは「たまに映画も放映するバラエティ枠」になることは目に見えています。
視聴者が洋画を観る機会が少なくなったら、更に洋画が人気薄になるんだろうなぁ…。
『日曜洋画劇場』は、最も歴史のある老舗映画枠だったのに残念です。
もうTBSの『水曜プレミアシネマ』に期待するしかないかな…。

ということで、今日は初登場10位にも入れない人気薄な洋画の感想です。
これだけテレビから映画枠が減ってしまっては、
本作がプライムタイムに地上波放送されることは永久にないんだろうな…。

コロンビアーナ

2012年9月1日日本公開。
リュック・ベッソンが製作と脚本を手掛けたアクション・ドラマ。

1992年、南米コロンビア。麻薬組織のマフィアたちに目の前で両親を惨殺された9歳の少女カトレヤは、その場を逃れてシカゴでギャングとして生きるエミリオ(クリフ・カーティス)に身を寄せる。彼のもとで殺しのスキルを習得していったカトレヤ(ゾーイ・サルダナ)は、美しいプロの殺し屋として成長する。その技術を駆使して両親を殺した者たちに復讐(ふくしゅう)を果たそうと、彼らの所在を探りながら、殺しを重ねていくカトレヤ。だが、FBIやCIAをはじめとする捜査機関が、そんな彼女をマークし、行方を追い始める。(シネマトゥデイより)



『ニキータ』『レオン』のリュック・ベッソン監督が脚本を書いた本作ですが、
彼が明言したなんて話は聞いたことがないのに、「『レオン』の遺伝子を継ぐ作品」と、
本作があたかも『レオン』の続編であるかのように宣伝されてしまっています。
予告映像にも「『ニキータ』『レオン』伝説には続きがあった」なんて文字が流され、
『レオン』のみならず『ニキータ』の続編であることも匂わしています。
そもそも『ニキータ』と『レオン』も監督が同じってだけの別作品だし、
本作がそれらの続編なわけがありませんよね。
過去の人気作に便乗して宣伝したい気持ちもわからないではないけど、
本作を楽しむ上では、その宣伝文句はマイナスに働いてしまっているように思います。
なぜなら本作は本当に『レオン』や『ニキータ』を足して2で割ったような物語で、
それらの作品を意識して観てしまうと、二番煎じのように感じてしまうからです。
リュック・ベッソンは脚本と製作で、監督はオリヴィエ・メガトンに任しているので、
もしリュック・ベッソンや彼の作品をあまり前面に出さずに、
『トランスポーター3』のオリヴィエ・メガトン監督の最新作として宣伝していれば、
焼きなおしだとしても、幾分か新鮮な気持ちで観れただろうに…、と思います。

本作の主人公カトレヤは、子どもの頃に麻薬事件で両親を殺されてしまい、
殺し屋の叔父の基で暮らすことになるのですが、家族を殺した奴らに復讐するため、
叔父から殺し屋としての技術を学びます。
まんま『レオン』のヒロインの少女マチルダと同じ境遇ですね。
まぁレオンでは殺し屋は身内ではなく近所のおじさんだったけど。
成長してプロの暗殺者になってからは、『ニキータ』の境遇に近いかな。
何にしても新しいキャラであるカトレヤを見ているのに、
マチルダやニキータがチラつくというのは、あまり好ましくないです。
カトレアはアフリカ系コロンビア人なので、新鮮なのは人種が違ったことだけかな。
カトレヤを演じたゾーイ・サルダナはエロかっこいい演技で頑張っていましたが、
むしろ幼少期のカトレヤを演じた子役アマンダ・ステンバーグの方が印象的でした。
ファヴェーラ(スラム街)のような住宅地を、まるでフリーランニングのように
すばしっこく逃げ回る小さな少女の姿は、とても見応えがあったように思います。
といっても、マチルダを演じた子役時代のナタリー・ポートマンと比較してしまうと…。
ホントに『レオン』の遺伝子がどうだとか、予備知識なしで観たかったです。

コロンビアで両親を殺されたカトレヤは、シカゴの叔父さんを頼って米国に亡命します。
叔父のエミリオは彼の母親と二人暮らしなのですが、
なぜかカトレヤも彼の母親のことを「ママ」と呼ぶんですよね。
叔父の母親ならカトレヤにとっては祖母のはずなのに…。
まぁそれはいいとして、叔父のエミリオはギャングをしており、
カトレヤは彼から殺しの技術を学びます。
いくらギャングとはいえども、可愛い姪っ子にそんな技術を教えるなんて…。
それから15年後、成長したカトレヤはプロの暗殺者になり、
叔父が請けた殺しの依頼を、彼女が実行することになります。
その依頼は収監された極悪な犯罪者や、高跳びしたマルチ商法の元締めを殺すという、
違法行為には違いないけど義賊的な内容のものです。
叔父も任侠的なギャングなのかもしれませんね。
つまりカトラヤが殺すのは極悪人だけなので、単なる暗殺者というよりは、
アンチヒーロー的な活躍なので、ちょっと痛快です。
義賊とはいえ殺人犯には違いないから、警察やFBIにも追われるのですが、
彼女みたいなアンチヒーローは野放しにしていた方が社会のためですよね。
任務に挑む時の半裸同然のコスチュームもとてもセクシーでよかったです。

しかし任務の遂行方法は意外と場当たり的で、武器など道具を現場で調達するのですが、
もし現場にその道具が置いてなかったらどうするつもりなのかと思ってしまいます。
まぁ結局はちゃんと置いてあって、任務は恙(つつが)なく成功しますが…。
彼女は任務遂行時に、花のカトレヤの絵をターゲットの体に描き残します。
それは両親を殺した麻薬組織に、自分の犯行であることを気付かせ、
彼らをおびき寄せるためのメッセージなのですが、
マルチ商法の元締めを殺した時は、サメに喰い殺させるという殺害方法で、
せっかく描いた花の絵も、あれでは台無しですね…。
メッセージをちゃんと伝えたいなら、あんな殺し方は選ばないと思うけど…。
でも彼女はどうやら動物に喰い殺させるというのが好きなようで、
あれはラストへの伏線だったのかもしれません。
動物好きのボクとしては、あまり趣味のいい殺し方だとは思えませんが…。

カトレヤは一般人の画家の青年と付き合っているのですが、
彼女は殺し屋なので、彼氏に仕事の話も身の上話もすることができず、
会話自体を避けるために一緒に食事もできません。
なのでセックスだけしてすぐに去ってしまうのですが、
その関係性が何とも切なくて、ちょっと感動してしまいました。
できればエミリオ叔父さんやママ(祖母)との関係ももっと掘り下げれば、
クライマックでもっと感動的に盛り上がったような気がします。

なんでも、本作はコロンビアの描き方がステレオタイプだとして批判されたそうです。
たしかに麻薬組織が横行する治安の悪い国って感じで描かれており、
コロンビアの関係者からすると中傷されたと感じるかもしれませんが、
本作でコロンビアが主な舞台だったのはカトレヤの幼少期の1990年代初期で、
当時はたしかに世界一治安の悪い国と言っても過言ではなかったはず。
ステレオタイプなのは間違いないけど、的外れでもない気がします。
それにハリウッド映画の外国の扱い方ってそんなものですよね。
日本の描き方のステレオタイプっぷりもコロンビアの比ではない酷さで、
昔は気になったこともあったけど、今はそれを楽しめるようになりました。
まぁ本作のように、タイトルに国名を冠してしまうと笑ってスルーとはいかないのかも…。
もし主人公名がタイトルの『ニキータ』や『レオン』のように、
本作が『カトレヤ』ってタイトルなら、全く非難の声は上がらなかったかもしれませんね。

本作は『ニキータ』や『レオン』を観たことない人は、
きっと純粋に楽しめるアクション映画だと思います。
観たことある人は、とりあえず意識しないように心掛けて本作を観ましょう。
それでもたぶん強い既視感に襲われて、思い出してしまうでしょうが…。
何より配給会社は集客ばかりに捉われず、観てくれた人の満足感も考慮するように、
洋画の宣伝方法を考え直した方がいいです。
ほぼ公然の事実なのに、大ヒット作『エイリアン』の前日譚であることを伏せ続けた
『プロメテウス』の宣伝姿勢を見習いましょう。

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://blrpn.blog.fc2.com/tb.php/755-060c3e35
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

FC2Ad