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ゴッド・ブレス・アメリカ

ボクは映画が本当に好きなので、映画館でのマナーは人一倍守るし、
それだけに他人のマナー違反に対しても人一倍気になります。
特にいい大人のマナー違反はマジで頭にくるけど、
小さな子どもが騒いだりするのはある程度仕方がないかなと思っています。
ただ、それに適切に対応しない保護者は許せません。

例えば今月だと『マクダルのカンフーようちえん』を観に行った時も、
尋常ではなく泣き叫ぶ子どもがいたんですが、
その親は子どもをその場であやして泣きやまそうとしていました。
『マクダル…』はシュールなアニメなので、子どもが退屈してぐずるのは仕方ないけど、
泣き始めたらとにかく連れ出して泣きやむまで戻ってくるなと。
大人にとっては面白いアニメなので、目が離せない気持ちもわかるが、
子どもの泣き声だけじゃなくて、てめえの子どもをあやす声も邪魔なんだよ、と。
また『るろうに剣心』を観に行った時も、子どもが「寒い、寒い」とぐずり始めました。
その親は子どもを抱きよせて、摩ったりポンポン叩いたりしてあやしていたのですが、
喋らないで子どもを落ち着かせようというのは立派なことだと思うけど、
てめえが子どもをポンポン叩くドラミング音が、劇場に響いてるぞ、と。
劇場スタッフに言えばブランケットならいくらでも貸してくれるんだから、
ちょっと退席して取ってくるくらい大した手間でもないだろうに、と思います。
(映画館も劇場の室温はもうちょっと考えるべき。)

ボクもマナー違反者対していちいち注意していた時期もあるんだけど、
注意するのってかなりエネルギーがいるし、逆に疎まれて嫌な思いすることもあるから、
最近は専ら放置するようにしています。
その代わり、映画館に行く時の必須アイテムとして、耳栓を持っていきます。
映画館の音響は耳栓では防げないほどデカイので、客席の雑音だけを緩和してくれます。
(ほとんど洋画だから字幕もあるし、もしセリフが聞こえなくても大丈夫です。)
あともうひとつ必需品としてはマスクですかね。
劇場のガイドラインで定められていない、食べ物の臭いや客の体臭による被害を防げます。
この2大グッツで大抵のマナー違反には対応るのでオススメです。

ということで、今日は映画館でのマナー違反でとんでもないことになる物語の感想です。
本編上映前にふざけたマナームービー流すよりも、本作の当該シーンを流した方が、
マナーの喚起には効果的だと思います。

ゴッド・ブレス・アメリカ

2012年7月28日日本公開。
ブラックユーモアとバイオレンス満載のロードムービー。

離婚やリストラに加え不治の病に悩み、心身共に限界を迎えつつあった中年男フランク(ジョエル・マーレイ)は、自殺しようとした寸前、テレビのリアリティー番組に出ていたわがまま小娘の発言や態度に大激怒。翌日番組の撮影現場に向かい彼女を射殺したところ、その様子を目撃した女子高生ロキシー(タラ・リン・バー)は、彼の行為をほめちぎる。やがて意気投合した二人は、アメリカ各地にはびこる無礼者を退治すべく旅に出る。(シネマトゥデイより)



※少々不謹慎な感想になりそうなので、お目溢しできない人は読まないでください。

腐った社会に対して憤った男が、武器を手に社会のゴミどもを制裁していくという物語で、
やっぱり『キック・アス』に例えられることが多いですが、
オヤジが主人公だし、どちらかといえば『スーパー!』に近い気がします。
いや、『ホーボー・ウィズ・ショットガン』を現代的にした感じかな?
どれも主人公のやりすぎな行動が痛快だったり笑えたりするブラック・コメディですが、
本作はそれらよりも社会派でシニカルな側面が強い気がします。
痛快さはあるけど、けっこう考えさせられたりして、それほど笑えはしませんでしたが、
メディア・リテラシーを揺さぶられるとても興味深い内容で、かなりオススメです。
特にテレビ局などメディア関係者は、本作を観て自戒するべきです。

隣人の騒音に毎晩悩まされているバツイチの中年男フランクは、
他人の迷惑を顧みない腐った社会にウンザリしていました。
特に「言論の自由」と称し、社会に悪影響を与える低俗番組を放送するラジオ・テレビ等、
メディア対して強い憤りを感じています。
そんな低俗番組は、女性がタンポンを投げつける下品なリアリティ番組や、
知的障害者を笑いものにする不謹慎な歌手のオーディション番組、
ネオコン系毒舌司会者が独善的な暴言を吐きまくる政治番組などです。
日本も低俗番組だらけですが、毎度お馴染みのタレントがバカ騒ぎするだけの
当たり障りのない内容の画一的なバラエティ番組が多くてつまらないので、
過激な内容のアメリカの番組はちょっと羨ましいかも…。
まぁ低俗な番組であることには変わりなく、過激な分だけ悪影響も大きそうです。
フランクはそんな低俗番組を嬉しそうに見ているバカな視聴者にも我慢なりませんが、
そんなバカどもを銃殺する妄想をして気を紛らわせています。

そんなある日、突如フランクは会社を解雇されます。
さらに医者から脳腫瘍で余命わずかだと告げられます。
元妻の再婚も決まり、娘からも面会を嫌がられたりしたこともあって、
自暴自棄になった彼は拳銃自殺をはかりますが、その時たまたまテレビで流れていた、
セレブの女子高生クロエに密着したリアリティ番組が目に入り、
両親からレクサスを贈られながらキャデラックが良かったとダダをこねる彼女が、
母親からBlackBerryを貰ったのにiPhoneが良かったとダダをこねる娘と重なり、
どうせ死ぬならその前にこの身勝手なセレブを殺してから死のうと考えます。
日本でも稀にセレブに密着してそのゴージャスな生活を紹介する番組ってありますが、
あんなの反感を買うだけなのに、なんでセレブは出演するんでしょうね?
最近だとソンミとかいう在日韓国人が、トーク番組でセレブ自慢をしていますが、
一種のスケープゴートとして、周りから晒しものにされていることに気付いてないのかな?
自慢話なんて視聴者や共演者から嫌われるだけで、マイナスでしかないのに…。
まぁソンミは別に殺さなくても、1年後にはある意味消えてるでしょうけど。

そのセレブ殺しを実行したフランクは、再び自殺をはかるのですが、
殺しの現場を目撃し彼に感銘を受けた女子高生ロキシーが現れ、
「社会にはもっと殺すべきバカが沢山いる」と力説し、自殺を思いとどまらせます。
そしてフランクとロキシーは、2人でバカを制裁する旅に出るのです。
フランクはレイシストなど、他人に迷惑や悪影響を及ぼす輩を殺すという信念があるけど、
ロキシーはハイタッチする奴や『トワイライト』のファンなど、単にリア充が嫌いなだけ。
かわいい女の子なので、彼女自身リア充になってもおかしくないけど、
女子高生なのにトレッキーでアリス・クーパーが好きだったりと風変わりな子で、
今どきの高校生とは馴染めないんでしょうね。
(トレンディーな映画『JUNO/ジュノ』なんかは演出家を殺したいくらい嫌いだそうな。)
ADDも患ってるみたいで、対人関係も苦手なんだろうと思います。
でも同属と感じたフランクに対しては積極的で、ちょっと気があるようだけど、
フランクは倫理観が強く、ロリコンを心底軽蔑しているので、彼女を女性扱いはしません。
どのくらい倫理観が強いかといえば、歳の差婚をしたウッディ・アレンを、
「少女レイプまがいの結婚」と批判するほどです。
レイプってのは言いすぎかもしれませんが、気持ちはわかりますよね。
加藤茶とかラサール石井とか、20代前半の若い嫁のことを自慢げに語っていますが、
そんなものを羨ましがるのはロリコンオヤジだけで、普通の倫理観を持った人間なら
生理的にキモチワルイと感じるはずです。(嫁の方に対してもね。)
彼らもソンミと同じで晒しものにされてるんだけど、気付かないんでしょうね。
ウッディ・アレンの場合は、相手が韓国人ってのもフランクは気に入らないようです。

2人で行動することになったフランクとロキシーは、なぜか映画を観ることになり、
『ソンミ村の墓』が上映されている映画館に入ります。
もちろんバカセレブのソンミとは全く関係ない映画で、
ベトナム戦争中のソンミ村虐殺事件を題材にしたシリアスな映画です。
客席はガラガラですが、なぜかそこに如何にもバカそうな4人組の若者が入ってきて、
上映中に大声でお喋りしたり、ケータイを使用したり、
前の座席に足を掛けたりとマナー違反を連発。
挙句には前方に座っていたフランクに対してポップコーンをぶつけて大はしゃぎ…。
(マナーの悪い客って、だいたいポップコーンを持ってますね。)
当然フランクは怒り、その若者たちをその場で射殺します。
普段からマナーの悪い客に悩まされていたボクにとっても超爽快なシーンです。
ボクは(自分で言うのもなんですが)右よりな民族主義的レイシストだし、
クリスチャンじゃないけど同性愛なども嫌いな保守的な人間なので、
左よりなフランクとは思想的にぶつかるところも多いですが、
彼がマナーの悪い客を殺してくれたことで、彼を全面的に支持したい気持ちになります。
本作みたいなマイナーな映画を観に来た客は、ほとんどが熱心な映画ファンだろうから、
このシーンでお客さん全員の心を掴んだはずです。
映画館のシーンは、全体からするとちょっと急で不可解な展開ではあるものの、
思想的に異なる客でもフランクに感情移入できるようになり、
その後の展開も楽しませることができるようにするには欠かせないシーンでした。
でも例の『ダークナイト ライジング』の銃乱射事件があって、
その事件のせいでアメリカでは本作の上映が中止になりかけたそうです。
正直、日本での上映にも影響が出るのではないかと不安でしたが、
アメリカでも結局中止にはならず、日本でも予定通り公開され、ホッとしました。
劇中ではフランクによる射殺事件は、「暴力的な映画の内容が原因」と、
全く的外れな報道がされていましたが、例の銃乱射の犯人はどんな動機だったのかな?
それにしてもフランクはただの保険のセールスマンのくせに銃の扱いが巧いですね。
日々のイメージトレーニング(妄想)の賜物なのかな?

その後、2人はニューヨークに移動し、例のネオコン系政治番組の司会者を射殺します。
表向きの大義は「視聴者の恐怖を無意味に煽っている」ということでしたが、
フランクは一点だけその司会者の政見に同意するところもありました。
それが「銃規制反対」だったのですが、銃規制に反対していた司会者が、
銃殺されるというのは自業自得というか、なんとも皮肉な話ですよね。
その後も2人は保守政党(共和党?)の党員を狙撃したり、
同性愛反対のデモを行うキリスト教団体の列に車で突っ込んだりと、
バカどもをどんどん制裁していきます。
ところが、実は脳腫瘍が医者の診断ミスだと判明したフランクは、
ロキシーと一緒に腐ったアメリカを離れ、フランスへ移住しようと考えます。
フランスはアメリカ嫌いで、犯罪者の引き渡しもしてないそうです。
しかし、不幸な家庭環境の可哀想な子だと思っていたロクシーが、
実は単なる家出少女で、両親が必死に彼女を探していると知ったフランクは、
ロキシーを無理やり帰宅させてしまいます。

ひとりになりフランス移住の夢も破れたフランクは、
知的障害者を笑いものにした例のオーディション番組「アメリカン・スーパースターズ」の
審査員など関係者を全員殺そうと考え、自動小銃AK-47を闇の武器商人から購入し、
その番組の決勝戦の会場に乗り込みます。
AK-47はかなり高価なのにあっさり手に入れたところを見ると、
たぶんフランクは武器商人も殺しちゃったんでしょうね。
その武器商人もユダヤ人や黒人に対する差別発言を繰り返すレイシストだったしね。
番組に出て笑いものになった知的障害者のスティーブは自殺未遂をしており、
フランクは彼が笑いものにされたことを苦にして自殺しようとしたのだと考えます。
生前は徹底的に侮辱するくせに、死んだ途端に手のひらを返して偉業を称えるような
メディアの在り方に対して怒りが爆発したのです。
これはマイケル・ジャクソンのことについてのメタファーになってるんでしょうね。
本作は冒頭からマイケル絡みのネタで始まりましたが、
そのマイケルの生前と死後で急変した報道への違和感が、本作の着想の根本だと思います。

スティーブンはその番組でオープニング・アクトを務めましたが、
観客からは彼を侮辱する酷いヤジが飛ばされます。
ステージに乱入したフランクは、その客や審査員を銃殺し、会場は騒然となります。
会場には実家に帰ったはずのロキシーも来ており…。
フランクはカメラに向かって、如何にメディアが残酷で悪意に溢れているかスピーチし、
知的障害者を笑いものにしているこの番組を糾弾しますが、
当のスティーブンは、自殺未遂の動機は笑われたからではなく、
むしろテレビに出たいのに出してもらえないから自殺を図ったと告げ…。
でも引っ込みがつかないフランクは、そのまま銃を乱射し、
突入してきた警察機動隊に射殺されてしまいます。
スティーブは知的障害者だから、自分が侮辱されていることにも鈍感なのでしょう。
彼が望もうが望むまいが、番組が障害者を道具に使っていることに変わりはなく、
この番組は褒められたものではないと思いますし、関係者も制裁されて当然でしょう。
そういえば昨日、日本でも障害者を利用していた番組が丸一日放送されてましたね。
チャリティ名目で、もちろん障害者を笑いものにはしてないけど、
障害者を利用して視聴率を取り、スポンサー料で稼いでいるという意味では同じです。
(視聴率の期待できないロンドンパラリンピックは完全に無視したくせに…。)
チャリティで集めた募金もたったの2憶8000万円だそうな…。
スポンサーから集めた金はその何倍だよって感じです。
もしフランクだったら日本武道館でも銃乱射したでしょうね。

日本もアメリカも放送メディアは低俗で腐っているってことです。
まぁ本作自体も低俗なのは否めないし、それを面白がるボクも相当のものですけどね。

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