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THE GREY 凍える太陽

8月も終盤に差し掛かり、そろそろ夏も終わりかなって気持ちになってきましたが、
まだまだ残暑が厳しい日が続きます。
夏は野外が殺人的に暑いので、遊びに行っても室内にいる時間が長いですが、
映画館や飲食店など商業施設は、どこも冷房が利きすぎで寒いです。
薄着では耐えられないので、長袖のパーカーを持ち歩いているんですが、
薄手とはいえカバンに入れるとかさばるので、結局着て歩くことになります。
室内ならその恰好は快適ですが、野外だとかなり暑苦しいです。
夏はどこでも薄着でいられる程度の冷房設定にしてほしいです。
大飯原発なんて動かさなければ、節電でもう少し高めの温度設定になってただろうに、
関電は全く余計なことをしてくれたものだと思います。

ということで、今日は映画館の冷房が余計寒く感じられる映画の感想です。

THE GREY 凍える太陽

2012年8月18日日本公開。
リーアム・ニーソン主演のサバイバル・アクション。

石油掘削現場で勤務する男たちを乗せ、アラスカのツンドラ地帯を飛んでいた飛行機が、大嵐に巻き込まれて墜落。オットウェイ(リーアム・ニーソン)ら、7人の男が生き残るものの、そこは周囲がすべて雪に覆われる極寒の地。一行は取りあえず南へと向かうが、野生のオオカミたちのテリトリーに足を踏み入れていたことから、彼らの執拗(しつよう)な攻撃にさらされることに。マイナス20度という寒さや、圧倒的な食料の不足にも苦しむ中、雪山を突き進んでいく彼らだったが……。(シネマトゥデイより)



本作は雪山でのサバイバルを描いた作品で、アメリカでは冬の寒い時期に公開され、
見事初登場1位の大ヒットとなりましたが、日本では夏真っ盛りな中公開されました。
そのせいかどうかは知らないけど、初登場トップ10圏外で…。
最近だと『だれもがクジラを愛してる。』の時も思ったけど、
やっぱり冬っぽい映画は冬に観たいのが人情ですよね。
『海猿』を真冬に公開したら、こんなにヒットしなさそうですが、その逆パターンです。
でも本作は季節感が合わないからって観ないのは勿体ない、なかなか面白い映画です。

舞台はアラスカ、主人公のオットウェイは、石油会社にスナイパーとして雇われ、
石油採掘現場で働く作業員をオオカミからライフルで守る仕事をしています。
その仕事も終わって、作業員たちと共に飛行機で帰路につきますが、
フライト中に飛行機が嵐に見舞われ雪原の真ん中に墜落し大破。
オットウェイを含む男7人だけが生き残ります。
その男7人が雪山でサバイバルを繰り広げるようすが描かれるわけですが、
なんとも華のない、男くさい画になりますね。
特に過酷なアラスカの石油採掘場で働こうって男たちだから、ガテン系の中年ばかりです。
時折オットウェイの回想(幻覚)で、彼の若い恋人(妻かな?)の画が挿入されますが、
展開上はあまり関係ないシーンだと思ったけど、画的には清涼剤として必要だったのかも。

墜落でほとんどの乗員が死んだ中、奇跡的にもほぼ無傷で生き残った7人ですが、
この吹雪の中では救助が来る見込みもありません。
とりあえず一晩は火を焚いて飛行機の残骸の中で過ごすことになりますが、
その7人を虎視眈々と狙うのが野生のオオカミの群れです。
雪山で遭難といえば、普通は寒さによる凍死や、食料不足が怖いですが、
本作の一番の恐怖は、そんなことよりもオオカミなのが興味深いです。
特に日本にはオオカミなんていませんから、アラスカ独特の事情ですよね。
ただアメリカでもハイイロオオカミの絶滅は懸念されており、
最近まで絶滅危惧種法の対象だったようで、本作がオオカミと人間の殺し合いを描いたり、
本物のオオカミの死骸を撮影に利用したりしたことで、
動物保護団体からボイコットを受けたりもしたようです。
毎度毎度、映画にクレームつける動物保護団体ってホントにアホだと思います。
彼らはオオカミの群れの中に放たれても、抵抗もせず殺されるんですかね?

ただ本作のオオカミがオオカミの生態をちゃんと描いているかは疑問で、
オオカミが7人を襲うのは、特に捕食するのが目的ではないようで、
墜落現場が縄張りだから外敵として彼らを全滅させるつもりとのこと。
一斉に襲ってきたりはせずに、隙をついて一人一人殺していきますが、
オオカミってそんなに頭良さそうに思えないんですが…。
数十匹の群れなので一斉に襲いかかれば丸腰の人間7人なんて瞬殺できそうですが、
わざわざ1人ずつジワジワ殺していくんだから、やはり普通のオオカミよりは、
狡猾で陰険で悪役っぽく描かれている気はしますね。

オオカミ駆除を生業とするオットウェイは、ある意味オオカミの専門家なので、
ここぞとばかりにリーダーシップを発揮し、サバイバルを主導します。
墜落事故でライフルは使えなくなりましたが、弾と棒きれでお手製の爆薬棒を作り、
襲ってきたオオカミを殺し、丸焼きにして食べたりします。
ただ彼の支持が適切なのかどうかも疑問で、彼は墜落現場の雪原は見通しが利くから
オオカミに襲われやすいと、みんなで森へ移動することを提案しますが、
普通だと救助を待つなら、墜落現場にいた方がいいような…。
それにイヌ科で嗅覚が鋭いオオカミに、見通しも何も関係ない気も…。
むしろ人間にとって見通しの利かない森の方が、危なそうですよね。
でも映画としては、墜落現場のみでの攻防戦を描くよりは、
いろいろ移動してくれた方が画変わりがあって飽きませんけどね。
雪山の雄大な自然の情景も、本作の見どころのひとつです。

オオカミとの戦いを描いている割には、中盤以降はオオカミに襲われるよりも、
低酸素症が悪化して死んだり、高い崖から転落して死んだり、川で溺れて死んだりと、
オオカミとは関係ない死因で死ぬメンバーが続出します。
オオカミどころか、死ぬほど厳しい寒さも関係ないかもしれませんね。
オオカミが手(前足)を出さなくても、勝手に自滅していく男たちですが、
意外だったのは、主人公オットウェイは最後まで生き残るのは当然として、
生存フラグが立っていると思ったディアスが、予想外な最期を迎えることです。
達観したような、諦めたような、ある意味あっけない最期で、
だからこそ印象的でもあったのですが、ちょっと予想外でした。
主人公以外では彼だけは死ぬ瞬間の直接描写がなかったので、
もしかしたら生きてて最後に登場するのかな?…なんて思ったけど、
そういう予定調和な展開にはなりませんでした。
なにしろ主人公のオットウェイでさえ、最後には…。

まぁ逆にオットウェイは序盤から自殺しようとしたりだとか、
作中に死ぬことを案じさせるポエムが登場したりとか、
彼が死ぬ予兆は感じていたので、バッドエンド的な終わり方も納得できます。
ただちょっと残念だったのは、最後のオオカミのボスとの決闘が描かれなかったこと。
ボスを目の前に、小瓶を左手の指に挟んで即席のメリケンサックを作り、
右手にはナイフを撒き付けて、これから壮絶なタイマン勝負が始まる!
ってところで暗転して、エンドロールに突入しちゃうんですよね…。
オットウェイ演じるリーアム・ニーソンの暴れる姿を久しぶりに見たかったです。
序盤にも女性の死体を貪るオオカミと彼の小競り合いがあるんですが、
そこも接写で撮られていたので、(迫力はあるが)あまり明瞭にはわからなかったし…。
エンドロールの後にワンシーンあるのですが、決着後ボスと一緒に横たわる彼の姿で、
実際は生きてるのか死んでるのかはよくわからないんですけどね。

展開的には多少不満も残るものの、演出がとても巧くて、
オオカミが強襲してくるシーンなんて、本当に怖いです。
特に7人の中の最初の犠牲者ヘルナンデスが襲われたところなんて、
座席から数センチ浮いたんじゃないかと思うほどビックリしました。
食料を巡って人間同士が争ったりするような醜い描写もなく、
それでいてどこか哲学的でサイコロジーな印象も受ける、
面白いサバイバル映画でした。

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