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マクダルのカンフーようちえん

ロンドンオリンピックが終わりましたね。
ボクはちょっと右翼傾向があり、日本人が負けたりすると気持ちが沈むので、
あまり見ないようにしていましたが、日本人が負けることよりもイラつくのは、
国際映像なので見たくもない特定アジア人選手まで否応なく見せられてしまうことです。
まだ北朝鮮はマシですが、韓国・中国はスポーツで国威発揚しているために、
中韓の選手は画面に映るだけではなく、やたら活躍しやがるんですよね。
その上に男子サッカーの3位決定戦の時みたいな政治的行為までやりやがるから、
不愉快極まりなく、特に韓国人選手を見ると目が腐りそうです。
でもバトミントン女子ダブルスの中国対韓国の無気力試合での双方失格は笑いましたね。
そこでも中国は反省を表明しているのに、韓国は「中国が先にやった」と相手のせいにし、
やはり中国よりも韓国の方が見苦しい民族であるということがハッキリしました。
むしろ世界一迷惑な隣人を持つ国として、中国にシンパシーを感じることも…。

ということで、今日は日中合作のアニメ映画の感想です。

マクダルのカンフーようちえん
McDull, Kung Fu Kindergarten

2012年8月11日日本公開。
中国や香港で絶大な人気を誇るアニメシリーズの劇場版。

マイペースで少々マヌケだけれど憎めない小ブタのマクダルは、香港でシングルマザーの母親ミセス・マグと二人暮らしをしていた。ある日、ミセス・マクは突然息子を連れて中国の武漢市へと向かい、大事な一人息子を山深い場所にある名門の「カンフーようちえん」に入園させる。マクダルはそこで中国二大拳法のひとつである武当拳の修行に励むことになる。(シネマトゥデイより)



先日、中国のアニメ映画『チベット犬物語』を観賞して、とてもいい作品で、
中国のアニメ映画にも興味が湧いたので、中国で絶大な人気を誇る本作も、
さっそく観に行ってきました。
関西ではたぶん梅田ガーデンシネマでしか上映していませんが、
ガーデンシネマでもモーニングショーのみというかなり限定的な上映で、
けっこう不便さを感じましたが、休みの日に早起きして観ても損はない作品でした。
本作は一応、日本・香港・中国の合作ということになってますが、
日本の映画会社が中国の映画会社と一緒に作っているわけでもなく、
日本のゲーム会社SEGAがスポンサーとして関わっているだけのようで、
制作はほとんど香港や中国でされたようです。
逆に『チベット犬物語』は日本で制作された中国アニメなので、
中国アニメの現状を知るには、対象的で最適な2本だったと思います。
そして2本とも、中国アニメの躍進に懸念を感じてしまうほど、面白い作品でした。

本作は中国本土でも大人気の香港のテレビアニメ『春田花花幼稚園』の劇場版です。
ほとんどの日本人にとっては全く馴染みのないテレビアニメで、
ボクも全く知らなかったのですが、そんな日本で放送されていないアニメの劇場版が、
日本で小規模ながら普通に公開されるなんて、前代未聞のことだと思います。
しかし、本作には日本で公開されても不思議じゃない程度の実績があるみたいなので、
ネットで調べられた範囲でこの作品の略歴を略歴を書いておきます。

本作の主人公の子ブタ、マクダルは1994年にある漫画の一キャラクターとして初登場し、
1997年に彼を主人公としたアニメ『春田花花幼稚園』が放送開始されます。
2001年には劇場版第一弾『マイ・ライフ・アズ・マクダル』が公開され大ヒット。
過去には『紅の豚』も受賞したアヌシー国際アニメーション映画祭のグランプリを受賞し、
世界中の映画祭でも注目されます。(東京国際映画祭でも上映されたそうです。)
2004年には劇場版第二弾『マグダル パイナップルパン王子』も公開され、
中国では『カンフーハッスル』やキムタク出演の『2046』を超えるヒットを記録し、
2006年には劇場版第三弾『春田花花同学会』は、なんとアニメと実写を融合させた作品で、
マグダルが中国のムービー・スターたちと豪華共演をしたそうです。
それだけ隣国や世界で話題の作品なのに、日本では知る人ぞ知る存在だったのが、
逆に不思議なくらいのキャラクターおよび作品ですね。
で、本作はその作品の劇場版第四弾となります。

ポスターの画像からもわかるように、本作のキャラはかなりプリミティブなデザインです。
だから本作もシンプルな映像のアニメーションなのだろうと思っていたのですが、
冒頭からCG使いまくりのかなり凝った緻密な山河の風景が映し出され、驚きました。
長江の山峡で1100年前の遺跡が発見されたというような予想外の内容で始まったので、
「あれ?本編上映前のオマケ短編でもあるのかな?」と思いましたが、
すでに本編は始まっていたようです。
1100年前にマクデブという発明家がいて、彼は電話や炊飯器など電化製品を発明しますが、
オッチョコチョイで電気を発明するのを忘れたため、発明品は全てガラクタになり、
長江の山間部に捨てられていました。
その18代目の子孫が本作の主人公マクダルである、という導入です。
この展開からもわかるように、本作はちょっとシュールな作品です。
映像も場面ごとに、緻密なところもあればシンプルなところもあり、
清明上河図のような歴史絵巻のようなシーンもあれば、
フルポリゴンのSEGAの格闘ゲームのようなシーンもあるのですが、
その統一感のなさがシュールな本作の味となっています。

マクダルのママ、ミセス・マクはシングルマザーなのですが、
中国は急速な経済成長により世知辛い競争社会となっていて、
彼女自身もいくつか事業に失敗し、更年期障害にも悩まされる日々ですが、
息子のマクダルをそんなシビアな社会でも通用する立派な子に育てようと、
生まれる前から胎教などを取り入れたりと、息子を熱心に教育します。
しかしその甲斐虚しく、マグダルは勉強もスポーツもまるでダメ。
でもとても純粋で友達やママ想いの心優しい子ブタです。
そんな純真なマクダルが世知辛い中国の今を生きる姿を描いているのが本シリーズで、
香港版『クレヨンしんちゃん』なんて言われていますが、
テーマ的にはもっとシビアでシニカルな内容です。
キャラの幼稚な外見から、子ども向け作品のようですが、実際は大人向けかな。
(アダルトな下ネタなど)ナンセンスギャグや、難しい言い回しなど、
少々子どもには難しいと思われる個所も散見できます。
ただしキャラは猛烈に可愛いので、子どもはそれを観ているだけでも楽しめるかも?
(特に同級生のカメのキャラが可愛すぎる…。)

大好きなママを悲しませないため、マクダルは大好きなチキンを断って猛勉強しますが、
その姿に感銘を受けたママは、マクダルと一緒に香港を離れ、武漢で再起をはかります。
マクダルはそこで武当山の寄宿制カンフー道場「太乙春花幼稚園」に入園することに。
マクダルにとって、ママと離れてのテレビもエアコンもない生活は辛いものでしたが、
何かと気にかけてくれる優しいパンダのホンポウくんと友達になり、
ホンポウくんのアドバイスのお陰で、徐々にそこでの生活に慣れていきます。
そんなある日、幼稚園児による(SEGA主催の)天下一武道会が開かれることになり、
太乙春花幼稚園からも出場者を出さなくてはいけなくなりますが、
同級生たちは武道会に出場したくなくて、次々と親元に帰ってしまいます。
マクダルは園長先生の大事な炉で即席麺を作ったのがバレて大目玉を喰らったこともあり、
自分もママに迎えに来てもらおうと考えるのですが、担任のチェン先生から、
優しいホンポウくんの正体が園長先生だと明かされて、
園長先生のためにも自分が武道会に出場することを心に決めます。

ホンポウくんの正体は本当に予想外だったので驚きましたが、
園長先生がホンポウくんとして弟子(園児)たちに接していた理由も予想外でした。
彼は若いころ、カンフーの現状に苦言を呈するブルース・リーに異論を唱え、
ついに2人は後に羅湖大戦と称される決闘をすることになります。
結局勝敗は付かなかったのですが、園長先生は自分の無力さを痛感し、
カンフー再興のため修行に明け暮れます。
しかし、もう高齢になったため、後継者を見つけるためにカンフー幼稚園を開き、
ホンポウくんとして、辛い修行に耐える園児たちを励まし続けたのです。
まさかブルース・リーが絡んでくるとは意外な展開でしたが、
本作は他にもチョウ・ユンファやユエン・ウーピンなど香港映画の重鎮や、
なぜかトム・クルーズの名前まで出てきて、面白いです。
それはさておき、その園長の気持ちに応えたマクダルの純粋な優しさには感動しました。
ダメ弟子が師匠のために頑張るというのは『カンフーパンダ』に通じるものがありますね。

ただここからが興味深いところで、マクダルは天下一武道会で全く活躍しません。
彼は頑張り屋ですが、やっぱり純真なだけで別に強いわけではないので、
あっという間に負けてしまい、観戦していたママと仲良く一緒に家に帰ってしまいます。
そんなシビアな世界では全く通用しないけど、決して落ち込まないポジティブさと、
酷い目に遭っても純真さを忘れないところが、マクダルの魅力なのでしょうね。
ボクも社会の負け組なので、そんなマクダルを見て、元気を貰えた気がしますが、
中国にも急激な経済成長についていけなかった人は大勢いるだろうし、
そんな人たちから支持されて、マクダルは人気者になったのではないかと思いました。

また元の生活に戻ったマクダルですが、なんと本作のラストは、
後日談として大人になったマクダルのことが描かれます。
テレビアニメの劇場版だから、いわばサイドストーリーのはずなのに、
まるで最終回のような終わり方でビックリしました。
大人になったマクダルは、香港の幼稚園の女友達だったメイと再会するのですが、
このシークエンスには謎の感動があり、号泣してしまいました。
かなりヘンテコな映画で、正直どういう作品だったのか掴みきれませんが、
なんだかすごく心が洗われた気分で、とても癒されました。
中国アニメ、侮り難し…。

ちなみに本作は(子ども向けでもないのに)日本語吹替えのみの上映のようですが、
マクダルの声優は子役の鈴木福くんが担当しています。
オリジナルの声は想像も付かないので比較はできませんが、
マクダルの性格にピッタリの声だったと思います。
年齢的にも近いけど、マクダルの方がまだ幼いためか、意図的に幼く演じているようで、
この歳でそんな演じ分けをしているとしたら、本当にすごい子役ですね。
(『チベット犬物語』の主人公も子役の濱田龍臣くんでしたが、最近の子役は優秀です。)
一方、女友達のメイはなぜか剛力彩芽が演じています。
別にそれほど変ではなかったけど、ほぼ地声で幼稚園児の声には聞こえず、
福くんの方が役者としては一枚も二枚も上手だなと感じました。
本作が日本ではほぼ無名なため、タレント声優起用で少しでも話題を作りしかったのかな?
それで観る人が増えるなら是非やるべきですが、福くんはともかくとして、
剛力彩芽に需要があるのかイマイチわかりません。(可愛いとは思うけど…。)
まだ小規模作品である本作は影響も少ないでしょうが、
ハリウッド超大作である『プロメテウス』のヒロインの吹替えに、
彼女を起用しているなんて、本当に信じられない気持ちです。

マクダルのカンフーようちえん
この日本版ポスターの題字も福くんが書いたらしいです。
色合いとかなかなかセンスがあると思います。

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