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トータル・リコール

ボクは映画前売券をよく買うのですが、最近驚いたのは、
『トータル・リコール』と『バイオハザードV』の共通特別鑑賞券です。
いずれか1作品で1度だけ利用できるのですが、こんな前売券は初めてです。
ちゃんと各作品専用の前売券もあるんですけどね。
どちらもソニー配給の映画なので可能だったわけですが、
もし8月10日公開の『トータル・リコール』を上映期間中に使えなくても、
9月14日公開の『バイオハザードV』で使えるので汎用性が高く便利です。
通常の前売券とは特典も違うので、それが選べるのも嬉しいですね。
なので、もっとこんな共通前売券が増えるといいと思います。

ということで、今日はその共通前売券を使用して観た映画の感想です。
でも共通前売券を持っている人は、本作では使用しない方がいいかもしれません。
なぜなら…。

トータル・リコール

2012年8月10日日本公開。
アーノルド・シュワルツェネッガー主演の同名映画を、コリン・ファレル主演でリメイク。

容易に記憶を金で手に入れることができるようになった近未来、人類は世界規模の戦争後にブリテン連邦とコロニーの二つの地域で生活していた。ある日、工場で働くダグラス(コリン・ファレル)は、記憶を買うために人工記憶センター「リコール」社に出向く。ところが彼はいきなり連邦警察官から攻撃されてしまう。そして自分の知り得なかった戦闘能力に気付き、戸惑いながらも家に帰ると妻のローリー(ケイト・ベッキンセイル)が襲ってきて……。(シネマトゥデイより)



本作は1990年にシュワちゃん主演で公開された大ヒットSF映画をリメイクした作品ですが、
あんな面白いオリジナルなのに、よくぞここまで退屈な作品にできたものだと、
逆に感心してしまうほどつまらなかったです。
予告編の時点でリメイクとは呼べないほど改変されるのは予想できましたが、
これほどまでに別物になっていようとは、悪い意味で期待を裏切られました。

まず最も大きな変更点としては、火星が舞台になっていないことです。
本作の舞台は、21世紀末の科学戦争で荒廃した地球です。
地表のほとんどは汚染され、人間が住める場所は限られ、そのスペースは、
裕福な人々が住むブリテン連邦(UFB)と、貧民の住むコロニーの二国に分割されます。
コロニーがオリジナル版の火星にあたるわけですが、なぜそんな改変がされたかといえば、
ハリウッド映画にとって「火星は鬼門」と考えられているからに違いないです。
現に史上最高額の赤字を出した『ジョン・カーター』や、
CGIアニメブームに終止符を打ったと言われる『少年マイロの火星冒険記』など、
たしかに火星ものはコケる率が高いのは事実だと思います。
しかし、それは火星が舞台だからコケたのではなく、単に駄作だからコケたのです。
本作のオリジナル版は火星が舞台ですが面白いのでちゃんとヒットしたのに、
火星を舞台にしなかった本作が面白くないのが何よりの証拠です。
火星の設定を排除したことにより、エイリアンやミュータントの設定も消えました。
でもなぜか乳房が3つある売春婦だけは登場するんですよね。
オリジナル版のオマージュのつもりだろうけど、わざわざ設定を改変したくせに、
自ら作った設定も守れないなんてアホかと思いました。

オリジナル版および原作では、主人公はリコール社「火星旅行の記憶」を買いますが、
本作の主人公クエイド(コリン・ファレル)が買うのは「諜報員を体験する記憶」です。
UFB政府とコロニー側のレジスタンスの2重スパイの記憶を買うのですが、
いざ記憶を植えつけてもらう前にトラブルが発生し、中断されます。
しかし彼はその後、自分が本当に2重スパイだったことを知るのです。
記憶を書き換えられた2重スパイが2重スパイの記憶を買うなんて、
ちょっと話が出来すぎで、夢オチを懸念してしまいました。
途中で主人公の同僚が、夢オチの可能性に言及するので、
「夢オチじゃないかも」とも思いましたが、その確信が持てず、
その懸念がラストまで消えることはなく「どうせ夢オチだ」と思って観てしまったため、
内容に入り込めないし、全く気持ちが盛り上がりません。
結果的に夢オチではなかったけど、夢オチだと思って観たことは取り返しがつかず、
それで本作の評価が好転することはないです。
それに本作は夢オチじゃないとあまりに都合がよすぎるにも程がある話なので、
ボクは未だに夢オチだったんじゃないかと思ってますしね。

リコール社での記憶の植えつけ中に、武装した連邦警察が突入してきて、
クエイドを拘束しようとしますが、彼は反射的に警察官を返り討ちにし逃走します。
自分も知らなかった力に驚きを隠せない彼ですが、
謎の男が示した貸金庫から偽造パスポートや通貨や手掛かりのビデオなどを手に入れ、
自分が何者なのかを確かめるため、UFBにある本当の自宅へ向かいます。
連邦警察に追われながらも、何とかUFBに入国した彼は、
ある女性の車に乗せてもらい、自宅に向かう、…という話なのですが、
まんま『ボーン・アイデンティティー』の展開と同じじゃないですか?
本作は『ボーン~』をSF風にアレンジしただけで、正直パクリ同然です。
なんでオリジナル版『トータル・リコール』のリメイク作品が、
どこをどう間違えば『ボーン~』のリップオフになるのか理解に苦しみます。
ロボット兵のシンセティック隊なんてのは『スターウォーズ』っぽいですよね。
他作品をパクる暇があったら、もうちょっとオリジナル版を踏襲しろよと思います。
特にオリジナル版のコミカルなところや、少々グロテスクなところは受け継ぐべきです。
本作はパクりのくせに真面目腐ったシリアスな作風なので性質が悪いです。

リコール社もオリジナル版では超ハイテクな大企業って感じでしたが、
本作では風俗街でアングラに営業する怪しいベンチャー企業って感じです。
クエイドは同僚の朝鮮人の紹介でリコール社に行きますが、
どうやらリコール社は朝鮮系企業という設定らしいです。
それだけでもう信用がおけないというか、ヤバい企業なのは間違いないです。
この設定はSF大好きな韓国人に対するサービスなのか、
逆に韓国の胡散臭さを揶揄してるのかどっちでしょうね。
リコール社はコロニーの企業ですが、コロニー全体がアジアの繁華街のような雰囲気です。
韓国だけでなく、中国や日本も一緒くたにしたような雑然とした感じですが、
貧困街であるコロニーをアジアを模した街並みにするなんて、何か悪意を感じます。
一方の裕福なUFBはアメリカやイギリスの都市のようなモダンな街並みです。
ただ、おそらくアメリカがモデルであるUFBが、コロニーの領土を奪うために、
「コロニー政府はテロリストを支援している」という建前で戦争を始めるというのは、
どこかで聞いたような話で、内容的にはむしろアメリカに対する皮肉なのかもしれません。
それにしたって植民地問題を皮肉ったオリジナル版のシニカルさには到底及びませんが…。

全米でも先週末公開されたばかりなので、興行的な成否はまだわかりませんが、
評価もあまり良くないようで、きっといい結果は残せないと思います。
製作サイドは「原作が火星ものだからコケたのだ」なんて考えないで、
ちゃんと本作の何が悪いのか検討して、次に活かしてください。
(悪いところだらけで特定は難しいかもしれませんが…。)
まだ観てない人は、SF超大作が観たいなら迷わず『プロメテウス』へ行きましょう。
火曜日には『アベンジャーズ』も公開になるので、わざわざ本作を選ぶ必要はないです。
共通前売券も『バイオハザードV』まで温存するのがいいかも。

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