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小森生活向上クラブ

ウチの近所に大手映画会社のシネコンが出来たから、映画を観るのが楽になったけど、
大型シネコンではやらないようなミニシアター系映画のチェックを忘れてました。
知らないうちにけっこう面白そうな映画がいっぱい封切られてますね。
秋あたりから大作映画はちょっと弱い気がしていたので、
ちょっと足を伸ばして遠くのミニシアターで観てきました。
地方なこともあって、封切られるのが遅く、ちょっと古い映画になりますが…。

小森生活向上クラブ

2008年11月8日公開。
古田新太初主演のブラックコメディー。
小森正一(古田新太)、42歳。会社では部下になめられ、家庭では妻や子供にバカにされるパッとしない日々を送っている。そんなある日、小森は通勤電車である女から痴漢の冤罪をなすりつけられる。後にその女が常習犯だと知って怒りが爆発。地下鉄がホームに入ってきた瞬間、小森は発作的に女を蹴り落としていた。それを機に自分なりの正義に目覚めた小森は社会のダニ退治を名目に次々と制裁を重ねていく。やがて小森のまわりには熱狂的な賛同者が集まり「小森生活向上クラブ=KSC」が結成されるが…。

「まわりに不幸をまきちらすクズどもには制裁を!」という名目で
身勝手な殺人を繰り返す主人公・小森の破天荒さが笑いどころだが、
その義賊的な考え方には共感するところも多く、痴漢冤罪女をはじめ、
ボッタクリバー店員、恐喝少年グループなどが彼により殺されていくシーンは爽快。
普段はパッとしない彼だが、殺害シーンは意外とスタイリッシュで魅力的です。
ただでさへ『デスノート』『必殺仕事人』など日本人は義賊が好きですから、
誰でも少なからず彼に共感できる部分があると思います。

ただそれも序盤まで。
彼の賛同者が集い、KSC(小森生活向上クラブ)が結成され、
図らずも部下の静枝(栗山千明)に主導権を握られてからは
その組織の中心であったはずの小森は傀儡君主となってしまい、
それ以降は彼の意とは別に肥大化する組織の犯行はエスカレート。
首謀者でありながら組織の意向に流される彼の小者ぶりが滑稽ですが、
義賊というより、殺人を楽しむサークル化してしまったこの組織には
もはや共感はできません。もちろん痛快感もなくなります。
特にKSCの初めの犠牲者である同僚・辻(前田健)が制裁されるシーンは
ユーモアたっぷりに描かれていたにもかかわらず、誰も笑ってませんでした。

終盤は組織の暴走に伴い、小森は自分の理想とのギャップに苦悩しだすわけですが、
その苦悩・混乱を現すかのように、虚実入り混じった演出が増えます。
彼の脳内世界で話が飛びまくり、観客も何が本筋(現実)かわかりにくくなってきます。
しかもあの終わり方は…。前半が面白かっただけに残念です。

あと、何でもない街中のシーンなどでブルーバック合成を多用していますが、
それがあまりにもチャチすぎるのが気になりました。
低予算なコメディだから技術的に限界だったのかもしれないけど、
別に合成なんか必要ないシーンが多いし、一体なにがしたかったのか…。
あのチープさも笑いの一部なのかも??

余談ですが、この前の元厚生事務次官宅連続襲撃事件では一部報道で
年金問題をめぐる義賊的な犯行であるかのように報道されてました。
まぁ犯人が捕まって、あまりにも身勝手な犯行動機だったために沈静化しましたが。
でも今後、本当に義賊的な動機により政治家や官僚が殺されたとして、
もしその事件が裁判員制で裁かれたとしたら、被告の罪はかなり軽くなるかも?
この雇用の不安定な昨今、そんな義賊的な犯行が頻発する可能性は低くないと思う。
人を大切にしない権力者の皆さんは気をつけた方がいいですよ。

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