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マダガスカル3

夏休みということもあってか、先週末と先々週末の週末興行成績トップ10には、
なんとアニメ映画が連続で5本もランクインしていました。
やはり一番人気は『ポケットモンスター』、…と思いきや『おおかみこどもの雨と雪』で、
『ポケモン』は観ないので何とも言えませんが、あんな駄作の『おおかみこども~』が
これほどまでに人気があるのかと、釈然としない気持ちに…。
なにしろその下には世界のピクサーの『メリダとおそろしの森』がランクインしており、
『おおかみこども~』の躍進以上に、ピクサーの凋落ぶりにショックを受けます。
2週目は『ナルト -NARUTO-』の劇場版がアニメ映画のトップになりましたが、
これが予想外の佳作で、『おおかみこども~』はもとより『メリダ~』よりオススメかも。
しかし、そんなアニメ映画のランキングよりも、『ダークナイト・ライジング』が、
公開3週目の『海猿』にも勝てず、2位スタートになってしまったことが残念で…。

ということで、今日はアニメーション映画の感想です。
ファーストデイに合わせて水曜日公開になったので、週末興行成績では不利そうですが、
現時点では『メリダ~』や『ナルト -NARUTO-』の劇場版よりもオススメの、
夏休みベストアニメーションだと思います。

マダガスカル3
Madagascar 3

2012年8月1日日本公開。
ドリームワークスの人気アニメーションシリーズ第3弾。

ライオンのアレックス、シマウマのマーティ、カバのグロリア、キリンのメルマンはアフリカを出発し、故郷ニューヨークに戻ることにする。彼らはモンテカルロのカジノにいるペンギンズを捜しに行き、そこで騒動を起こしたせいでデュボア警部率いる動物管理局に追跡されてしまう。逃げ惑う彼らの前に運良くサーカス団の列車が現われ、乗り込むことに成功するが……。(シネマトゥデイより)



本シリーズは前作の『マダガスカル2』で綺麗に完結していたので、
一昨年にシリーズの4部作構想が発表された時は、少々驚きました。
まぁあのドリームワークスが人気コンテンツを簡単に終了させるはずはなく、
全く予想してなかったわけでもありません。
それに同時に『カンフーパンダ』シリーズが6部作になることも発表されたので、
そちらのインパクトの方が強かったし…。

とはいえ、前2作がかなりいい出来だっただけに、これ以上の安易な続編構想は、
下手をすれば蛇足になりかねず、シリーズ自体の評価を貶めかねないという懸念も…。
(『カンフー・パンダ2』は少々その傾向がありました。)
ところが、本作は予想をはるかに上回る楽しい映画で、
シリーズの人気に更なる拍車をかけそうなほどの出来栄えでした。
北米でも超話題作『プロメテウス』を降しての2週連続ナンバー1を記録し、
シリーズ最大の大ヒットとなりました。
でも日本はドリームワークスのアニメは(冷遇され)あまり人気がなく、
前作を観に行った時もお客さんはまばらだったように記憶しています。
なので、本作も日本では注目されていないと思っていたけど、予想外に客席は満席で。
むしろ驚いたのは、お客さんの数よりもチビッコの割合が高かったことです。
今までパロディやポップカルチャーなネタが多いドリームワークス作品は、
比較的大人向けという印象があり、実際に前作を観た時は大人の客ばかりでしたが、
今回は半数近くがチビッコで、残り半数の大人の大半もチビッコの保護者でしょう。
夏休みということもあるでしょうが、隣のスクリーンでは『ポケモン』もやってるし、
『ナルト』も『アンパンマン』も『メリダとおそろしの森』も絶賛上映中です。
そんな中で、チビッコがわざわざ本作をチョイスするなんて、日本も変わってきたなと、
ドリームワークス作品のファンとして感慨深いものがありました。

でも作品冒頭でのチビッコたちのリアクションで、本作をチョイスした動機がわかり、
ちょっと期待していたような変化ではなかったこともわかりました。
チビッコたちは本作を映画『マダガスカル』シリーズの3作目ではなく、
テレビアニメ『ザ・ペンギンズ』の劇場版として観に来たようです。
そういえば前作公開時には『ザ・ペンギンズ』はまだテレビ放送されてませんでしたね。
テレビの影響力はやっぱりすごいんだなと感心させられる半面、
ドリームワークス作品の人気が上がったわけでもないとわかって複雑な気持ちです。
明らかに本作の主人公であるアレックスたち4頭のメインキャラよりも、
『ザ・ペンギンズ』に登場する4羽のペンギンや、3匹の新世界ザルの方が人気があり、
彼らの活躍シーンでの笑い声や歓声の上がり方が半端なく、
そんなシーンが集中する序盤の方が、劇場的にはクライマックスより盛りあがってました。
ボクは新世界ザルのキング・ジュリアンとモーリスのテレビ版の声優が、
映画版のおぎやはぎではないことに納得がいかず、『ザ・ペンギンズ』は見てませんし、
やはり本作では脇役であるペンギンズよりもアレックスたち4頭の方が好きです。

ところが、本作ではメイン4頭も「アレックスとその仲間たち」って感じで、
主人公のライオン、アレックス以外の3頭は、ほぼ脇役な印象になっています。
特に前作までW主人公だったシマウマ、マーティの重要性がかなり削られ…。
というのも、本作の新キャラであるアシカのステファノが、かなりのヘタレキャラで、
マーティとキャラが被っちゃってるんですよね…。
ボクとしてはアレックスとマーティの、肉食草食コンビの絡みが好きだったので、
そこが弱くなったのは、ちょっと残念な気がしました。
カバのグロリアとキリンのメルマンも、体型を使ったネタ要員化してます。
一方でスピンオフのテレビアニメで人気急上昇のペンギンズの出番は増えた感じです。
新キャラとしては、トラのビターリがアレックスのライバルとして、
ジャガーのジアがアレックスのロマンスの相手として活躍しますが、
一番インパクトのある新キャラは、動物管理局の女警部デュボアで間違いないでしょう。
文字通りアレックスの首を狙って、ターミネーターの如く追いかけてくる
タフでパワフルなオバチャンで、爆笑必至なキャラクターです。
アニメで動物キャラ以上の強烈な印象を残す人間キャラなんて、そうはいませんよね。

アレックスとマーティは肉食草食コンビだったわけで、
その関係性がシリーズ一作目のテーマにもなっており、
動物園で飼育される都会育ちの動物が、野生に放たれたことでのカルチャーショック、
苦労や葛藤など、「野生と飼育」というのが本シリーズの主題だったと思います。
しかし、本作ではその主題は踏襲されているとは言えず、
シリーズの人気キャラを使ったキャラクター重視アニメに変わってしまっています。
なので、内容だけで言えば本作は薄っぺらく、前作までの方が良作だと思います。
でも、ピクサーに続けとばかりにストーリー重視アニメが増えるハリウッドで、
「ストーリーなんて二の次」と言わんばかりに娯楽性だけを追求した本作は、
とにかく笑えるし盛りあがれて、楽しさに限れば最高の作品です。
アフリカから泳いでモンテカルロまで行けてしまうアレックスたちや、
指輪のような小さな輪をくぐることができるサーカスのトラなど、
完璧を旨とするピクサーには到底真似できない滅茶苦茶な展開も、
「笑えれば何でもOK」とばかりに躊躇なく採用しちゃいます。

古臭くてダメダメな貧乏サーカス団が、アレックスの説得により情熱を取り戻しただけで、
一朝一夕でヌーヴォー・シルクをやってしまうなんて、どう考えてもあり得ませんが、
動物たちによるシルク・ドゥ・ソレイユばりの演技シーンは、とても幻想的で感動的。
CGIアニメだからできるスペクタクルな演出で、いつまでも観ていたい素晴らしい映像で、
この映像のためなら展開の整合性なんてどうでもいいかと思えるほどです。
チビッコにとっても深いテーマ性を秘めた作品よりも、娯楽一辺倒の本作の方が、
単純に楽しめるだろうし、それってアニメの在り方としては正しいのかも。
それでいて、ドリームワークスらしく、欧州人に対するエスニックジョークや、
少々毒の利いた嗤(わら)いもけっこうあり、大人も楽しめます。
キング・ジュリアンがローマ法王の指輪を失敬する件なんて、
チビッコにはわかりにくいネタだろうけど面白かったです。

4部作構想が発表されていたので、マダガスカル、アフリカ、
そして本作でヨーロッパと舞台が移り、4作目でニューヨークに戻るかと思ってましたが、
本作の終盤でもうニューヨークのセントラルパークまで戻ってきたのは予想外でした。
セントラルパーク内でのクライマックスもかなりよかったのですが、
どうせならもっとヨーロッパを満喫してもよかったのではないかとも思います。
アレックスたちはモナコ(モンテカルロ)に上陸し、
イタリア(ローマ)、スイス(アルプス山脈)、イギリス(ロンドン)と、
サーカス団とともに列車でヨーロッパ・ツアーをするのですが、
スペインとかドイツとか、もっといろんな欧州の国の名所を回っても楽しかったかも。
でもちゃんとニューヨークまで戻り、物語を完結させていることは、
万が一にも続編が製作されない場合を考えれば、正しい判断だったと思います。
特に今、ドリームワークスはパラマウントとの配給権問題で揺れているので、
本作がヒットしても確実に続編が製作されるとは言い難い状況だし…。
本作はまだパラマウントが配給ですが、続編はソニー配給になる可能性が高いです。
続編の他にも『ザ・ペンギンズ』の正式な劇場版も予定しているとのこと。
今後のシリーズおよびドリームワークスの動向に注目したいです。

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