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ダークナイト ライジング

昨日の夜、ロンドンオリンピックの男子サッカーで、
日本対スペインという絶対見逃してはいけない試合がありましたが、
今日はボクにとってそんな大切な試合よりも大切なイベントがある日で、
それに備えて早めに就寝したため、その試合は見ることができませんでした。
そのイベントというのは映画『ダークナイト ライジング』の先行上映です。
アメコミ映画が大好きなボクにとって、いや、日本の全映画ファンにとって、
映画ライフの中で一年で最も重要な日のひとつだと思います。
今日をベストなコンディションで迎えるために、一週間ほど前から調整していて、
24日の深夜には座席も確保して準備万端で今日を迎えたのですが、
そんな日に限って、いつも以上にハードな仕事を押しつけられてしまい、
仕事が終わっていざ観に行こうという時には、精魂尽き果てていて、
最悪なコンディションで、フラフラしながら観に行きました。
あんなに楽しみにしていた映画なのに、上映中何度も気を失いかけ、
栄養ドリンクやサプリメントを過剰目に摂取してなんとか乗り切りました。
どうせこんなことになるなら、スペイン戦も見ておけばよかったです。

ということで、今日は今年期待度ナンバー1だった映画の感想です。
さっき観終わったばかりで、今もまだフラフラしていますが、
カフェイン系サプリメントの大量摂取のせいで寝ることも出来ないので…。

ダークナイト ライジング

2012年7月28日日本公開。
クリストファー・ノーラン監督によるアメコミヒーローシリーズ完結編。

ジョーカーがゴッサム・シティーを襲撃するものの、ダークナイトが死闘を繰り広げ彼を撃破してから8年後。再びゴッサム・シティの破壊をもくろむベイン(トム・ハーディ)が現われ……。(シネマトゥデイより)



前作『ダークナイト』は、先達てアメコミ映画『アベンジャーズ』に抜かれはしたものの、
未だに史上4位の興行成績を誇る超ヒット作で、その続編であり、
『バットマン ビギンズ』から続く大人気三部作の完結編である本作は、
今年一番期待されていた映画だと言っても過言ではないでしょう。
オープニング成績も前作を上回り、2D映画としては史上最高の記録を樹立しました。
その出来栄えも期待を裏切らないものだったと思います。
ただ、ノーラン監督ならばいつも通り期待は超えてくるものだと期待していたので、
期待通り程度の出来だったことはちょっと期待はずれでした。(変な言い回しですが…。)
なので本作が素晴らしい作品であることは先に言っておきますが、
以下、ちょっと批判めいた感想になるかもしれません。
なお、かなりネタバレを含む感想なので、未観賞の方は注意してください。

舞台は前作のジョーカーの事件から8年経ったゴッサム・シティ。
親友であり市民から「ホワイトナイト(光の騎士)」として英雄視される
トゥー・フェイスこと亡きハービー・デント検事の名誉を守るために、
自らデント殺しの汚名を被り「ダークナイト(闇の騎士)」と称されるようになった
バットマンことブルース・ウェインは、その時以来バットマンとしての活動をやめます。
この導入部分を観て、なんだか少しガッカリしてしまいました。
てっきり前作以降もバットマンはアウトローなアンチヒーローとして、
警察に追われながらも犯罪者から街を守っているものと思っていましたが、
まさか前作の件でイジケて8年も引き籠り生活を続けているとは…。
ヒーロー活動どころか、全く仕事すらしない、本当の引き籠りです。
そんなバットマン、ブルースはあまり見たくなかったです。
ついでに本作とは関係ないけど、前作から本作までの間に、
ブルース演じるクリスチャン・ベールが、中国の反日映画に主演するという出来事があり、
彼に対する心象も悪くなっていたので、尚更好感が持ちにくかったです。

バットマンなきゴッサムは、前作の事件がキッカケで成立した「デント法」により、
街の犯罪者は次々とブラックゲート刑務所に収容され、犯罪の少ない街になっています。
しかしそれは表面上だけで、地下ではベイン(トム・ハーディ)率いるテロ集団による、
ゴッサム乗っ取り計画が人知れず着々と進行しています。
そのベインが本作の主要なヴィラン(悪役)ということになります。
ベインは旧シリーズの『バットマン&ロビン Mr.フリーズの逆襲』でも登場しましたが、
その時はMr.フリーズと同盟を組むポイズン・アイビーの手下という立場で、
あまりパッとしない脳筋キャラって感じでした。
しかし原作コミックでは重要なヴィランのひとりで、最終作を飾るに相応しいキャラです。
…と言いたいところですが、実際は前作のヴィラン、ジョーカーのインパクトが強すぎて、
最終作としてはそれを超えるべきなのに、どうも魅力に欠ける気が…。
まぁジョーカーはバットマンの最大の天敵である上に、
彼を演じたヒース・レジャーの悲劇もあり、例えどんなヴィランが選ばれていても、
ジョーカーを超えるなんてことは考えられないのですが…。

それにしたって本作はジョーカーの影を引きずり過ぎていると思います。
まずベインが選ばれた理由にしても、監督曰く「ジョーカーと似た悪役ではないこと」が
最も重要視されたとのことで、逆にジョーカーを意識した選択だったことがわかります。
(旧シリーズにも登場したペンギンやリドラーはジョーカーに近いタイプですね。)
それに作中でも、トゥー・フェイスことデント検事の事件は語られても、
その元凶であるはずのジョーカーのことは名前すら出ません。
恋人を殺したりとブルースがバットマンを引退して引き籠る原因でもあるキャラなのに、
不自然なほどに一切語られません。前々作のヴィランですら登場するのに…。
ジョーカーを意識するあまり、逆に露骨に隠そうとしているのが丸わかりです。

そんなことをしても、客は当然ジョーカーとベインを比較してしまいます。
(ジョーカーに触れていない本作の批評は皆無なくらいです。)
ベインが原作コミックで重要なヴィランと認識されているのは、
一度バットマンに背骨を折る重傷を負わせ勝利したことがあるからです。
でも、正直それだけのキャラで、やってることは普通のテロリストだし、
サイコなジョーカーやトゥー・フェイスなどに比べれば、面白味に欠けると思います。
相当頭もいい策士のようですが、見た目は脳筋で、見た目通り怪力を武器に戦います。
本作ではラーズ・アル・グールに師事したという設定で、ブルースとは同門ですが、
体術においてはブルースを上回り、原作同様、ブルースの背骨を負傷させ勝利します。
たしかにパワータイプというのはジョーカーとは違うタイプのヴィランですが、
今更バットマンが殴り合いで戦うってのは、なんか地味じゃないですか?
普通の人間であるバットマンの、ヒーローとしての魅力というのは、
膨大な財力を背景としたハイテクアイテムを使用することだと思います。
本作で投入された新アイテムといえば、飛行機「ザ・バット」と、パルス銃くらいで、
ザ・バットが活躍するクライマックスなんかはとても興奮しましたが、
ベインとの2度の直接対決のシーンはどちらもイマイチ盛り上がりに欠けます。
それにベインにトドメを刺したのは、バットマンではなくキャットウーマンだし…。

そのキャットウーマンですが、旧シリーズではヴィランだった彼女も、
本作ではほぼバットマンのサイドキックのような扱いです。
彼女を演じたのはアン・ハサウェイですが、彼女のコスチュームについては、
発表当時からファンの間で賛否両論…、いや、懸念の声が多く出ていました。
ボンデージ姿はいいけど、お馴染みのネコっぽいマスクは付けず、
暗視ゴーグルをカチューシャのように付けて、ネコミミっぽさを演出していますが、
お世辞にもキャットウーマンらしいとは言い難いコスチュームです。
そもそも劇中で「キャットウーマン」という単語は一切使われず、
一貫して本名のセリーナ・カイルと呼ばれています。
セリーナも自分がネコの扮装をしてるなんて意識は全くありませんし、
もし違う名前だったら、誰もキャットウーマンだとは思わないかもしれないほどです。
ベインの扮装にしてもそうですが、本シリーズはリアリティを大切にするのはわかるけど、
キャラの奇抜なヴィジュアルもアメコミの魅力のひとつだと思うので、
あまりにも抑えすぎたデザインだと少しもの足りません。
ちなみにバットマンの本来のサイドキックであるロビンも登場しています。
こちらは原作と名前も変えてありますが、誰がロビンなのかすぐに気付くと思います。
付き合いの長いゴードン市警本部長でも気付かなかったバットマンの正体に、
単独でたどり着くほどだから、かなり有望なロビンです。

それにしても、破産したブルースを助ける女性投資家ミランダの正体は意外でしたね。
…と言いたいところですが、これもかなり前から噂になっていた通りの正体で…。
アメコミファンの洞察力ってほんとにすごいと思うのですが、
予測とはいえ、公開前からネタバレ情報が溢れているのは困ったものです。
まぁわざわざマリオン・コティヤールなんてキャスティングしてるから、
きっとヒロイン級の役どころだろうし、ラーズ・アル・グールの再登場が告知されれば、
それほどマニアではなくても大凡の見当は付いちゃうかな?
グールの他にもシリーズ1作目からはスケアクロウも再登場します。
気付かないと勿体ないので、一応どこで登場するか書いておくと、裁判長が彼です。
基本的にベインは「腐りきったゴッサムを毒を持って制する」のが目的で、
いわばグールの後継者なので、一作目は復習しておくといいかもしれません。
席の近くの女性が連れの人に「グールって誰?」って聞いていましたが、
そんな状態で本作を観るのは非常に厳しいと思います。
あ、ちなみにミランダはグールの娘タリアだったわけですが、
原作ではタリアはブルースの子を出産するほどの関係です。
本作ではそれほど深い関係には発展しませんが、
ブルースは恋人レイチェルを殺されたのがショックで8年も引き籠っていたわりに、
タリアとかキャットウーマンとか、すぐ新しいロマンスを見つけてるし…。

ここまでキャラの話だけで長々と書きすぎ、少々疲れてしまいましたが、
ここから物語の感想も少しだけ書いておこうと思います。
狙ったのかどうかはわかりませんが、妙に世相を反映した内容になっていて、
シニカルで面白いのは確かなのですが、ちょっと露骨すぎる気も…。
それに思想としてもボクと真っ向からぶつかるところも多く、
イマイチ納得できない展開に思えるところもありました。
ベインは爆弾テロにより、ゴッサムを乗っ取ることに成功しますが、
彼の標的は一般市民ではなく、富裕層や権力者たちです。
まさに「ウォール街を占拠しろ」と言わんばかりに、証券取引所を襲撃し、
一般市民に蜂起を促し、市民軍を組織し、邪魔な警察署員は全員生き埋めにします。
ボクのような権力者に搾取される側の一般市民にとっては、ベインを応援したくなるし、
それを阻止しようとする富裕層のバットマンや、市民軍と戦う権力の犬(警察)に対して、
あまり共感できないし、むしろどちらが悪者なのかって感じです。
ベインは中性子爆弾を所持しているので、核爆発を阻止する目的があるので、
なんとかバットマン側にもヒーローとしての大義を見出すことはできますが…。

キャットウーマンが欲しがっている「クリーンスレート」というソフトは、
ネットなどのシステム上から特定の人物の過去の記録を消してしまうツールですが、
最近「忘れられる権利」というのが話題になったこともあるし、
これも図らずも世相を反映した設定だと思います。
ただ、キャットウーマンはこれを自分の前科を消すために使用したいと思っていますが、
義賊的な怪盗でもある彼女にしては、ちょっと利己的すぎるかなと。
本作の彼女の行動からも、それだけが目的じゃないような気もするのですが、
彼女の背景があまり描かれていないため、なんだか人物像が薄っぺらく感じてしまいます。
ジョーカーに比肩できる数少ない人気キャラなだけに、どうせ登場させるなら、
もうちょっと彼女の扱いを大きくしてもよかったんじゃないかな?

キャラの扱いで言うと、執事のアルフレッドが気になります。
彼はブルースが引き籠っているのを心配してたわりには、
バットマンとして活動再開するのも反対し、ついには愛想を尽かして去ってしまいます。
とはいえ、ブルースがピンチになれば絶対駆けつけるだろうと予想していたのですが、
ブルースの葬式の時まで姿を見せることはなく、拍子抜けしてしまいました。
だいたい予想通りだった本作ですが、こればかりは悪い意味でまさかの展開でした。
逆にバットマンの最期は、もっと壮絶な展開を期待していたのですが、
制御不能な爆弾を抱えてザ・バットで飛び去り、人のいないところで爆死するという、
この上ないほどヒーロー的な自己犠牲だけど、少々ベタすぎやしませんか?
漫画なんかで何度も読んだことあるような展開ですよね。
例えば『ワンピース』アラバスタ編のペルなんかがそうですが、このパターンだと、
生死が明確に描かれないので、往々にして実は生きているということが多いです。
本作もそうで、実はザ・バットにはオートパイロット機能が付けられていたことが判明し、
ブルースが生きている可能性が提示されます。
虚実曖昧に描いてありますが、アルフレッドが最後に見かけたブルースは本物なのかも?

ただし、仮に生きていたとしても、監督曰く「これが最後」で続編の可能性はゼロです。
バットマンの映画自体はそう遠くないうちに再びリブートされるでしょうけど…。
マーベルのクロスオーバー作品『アベンジャーズ』の歴史的大成功を受けて、
DCもバットマンも参加するクロスオーバー『ジャスティス・リーグ』の製作に本気ですが、
監督はそれへの不参加も表明しています。
でも来年公開のザック・スナイダーによる『スーパーマン』のリブート、
『マン・オブ・スティール』にはプロデューサーとして参加するので、
きっと本三部作に負けない作品になると期待しています。

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