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ムカデ人間2

昨日、アメリカの映画館で『ダークナイト ライジング』の上映中、
観客のひとりの男が混雑するシアター内で銃を乱射したそうです。
それにより他の観客ら12名が亡くなってしまったそうで…。
動機はわかりませんが、ちょうど劇中でも銃乱射シーンだったらしく、
映画を模倣する意図があったのは間違いなさそうです。
男は防弾チョッキにガスマスク姿で、カラシニコフなど銃を4丁携帯しており、
スクリーンの前まで出て、催涙ガスを放って無差別に発砲しました。
ベインにでもなったつもりなのか、まるでアメコミのヴィラン気取りです。
こんな事件があると映画やコミックの悪影響みたいなことが問われたりもしますが、
たしかにこの男が映画の内容を意識していたのは疑う余地はありません。
ただこの件に関しては、映画の内容を安易に模倣してしまえる環境にある、
銃規制の甘いアメリカの法律や、映画館のセキュリティにも問題があります。
この事件により模倣犯を警戒して、劇場に足を運ばなくなる人が少なからずいるかも…。
『ダークナイト ライジング』は記録的な大ヒット間違いなしの映画でしたが、
多少でもその記録が伸び悩んでしまうのなら、とても残念に思います。

ということで、今日は映画の猟奇的犯罪を模倣した男の物語です。

ムカデ人間2

2012年7月14日日本公開。
過激で残酷な内容に世界各国で上映禁止になったカルト・ホラー第二弾。

地下駐車場で警備員を務める、不気味な中年男マーティン(ローレンス・R・ハーヴィー)。彼は勤務中に『ムカデ人間』のDVDに見入っては、劇中に登場する、人間同士の口と肛門を接合したムカデ人間の創造を夢想していた。その思いが抑え切れなくなった彼は、人々を拉致しては次々と倉庫に監禁。さらにオーディションを偽って、実際の映画に出演していた女優アシュリン・イェニー(アシュリン・イェニー)を誘い出して誘拐する。彼女を含めた男女12人の肉体を切り刻み、ホチキスで乱暴に部位を留め、自分だけのムカデを作り出すマーティンだが……。(シネマトゥデイより)



前作『ムカデ人間』は映画館で観る根性がなくてDVDで見ましたが、
予想以上に気持ちの悪く、後を引く内容で、続編があるのは知っていたけど、
次は絶対見ないでおこうと心に決めました。
しかし、当時そんな話をした知人から本作を一緒に観に行こうというお誘いを受け…。
今考えると自分でも不思議なのですが、その誘いにあっさり乗ってしまいました。
時間の経過により、当時受けたインパクト(不快感)が随分緩和されたのでしょう。
前作見たのはかなり遠い記憶のように思えましたが、実はまだ5カ月しか経っておらず、
思ったほどトラウマにもなっていなかったみたいです。
それにしてもまさか劇場に観に行くことになるとは微塵も思ってなかったので、
間違っても人前で嘔吐してしまわないように、胃の中はカラにして挑みました。
でもそれは全くの杞憂で、多少胸糞悪さは残りましたが、
観賞後(空腹に耐えきれず)ご飯食べに行ける程度でした。
(でも食事中に本作の話題は一切しませんでしたが。)
あらゆる面で前作を凌駕する衝撃的な内容ではあるものの、
やっぱり前作を観賞したことで、かなり免疫ができていたのかもしれません。

本作の物語は、前作『ムカデ人間』を観賞したある男が、
自分でも劇中のムカデ人間を再現してみたいと思い立ち、
本当に実行してしまうという、メタ的な内容となっています。
前作でムカデ人間の最後尾を演じた女優アシュリン・イェニーが本人役で登場し、
今度は先頭に繋がれてしまいます。
まだ普通の役としてならまだしも、本人役でムカデ人間をやらせるのは、
女優にとってはけっこう屈辱的な演出だろうし、本作の悪趣味さが窺えます。

前作ではシャム双生児の分離手術の第一人者であるハイター博士が、
(信憑性はないけど)独自の理論によりムカデ人間を作ろうとしたわけですが、
今回ハイター博士を真似てムカデ人間作りに挑むのは、地下駐車場の管理人マーティン。
映画(前作)のDVDのハイター博士の方法を参考に自己流で手術を行うわけですが、
当然医療技術なんて持ち合わせているはずもなく、手術道具も大工道具や文房具です。
その施術は壮絶で、麻酔なんてないので、バールで頭を殴って気絶させ、
前歯を金槌で叩き折り、膝の腱をハサミでちょん切ります。
肛門と口を縫合するために、カッターナイフで尻の皮を剥ぎますが、
1人失血死させてしまったので縫合は諦め、ホチキスで直接結合させることに…。
…と、施術中に流血シーンは全くなかった前作とは全く異なり、
本作はかなり血みどろでグロい方法でムカデ人間を再現させます。
しかも、ハイター博士は医学的な見解から3人を繋げてムカデ人間を作りましたが、
マーティンはムカデを飼っているほどのムカデ・フェチなので、
より本物のムカデに近づけようと、12人繋げることに挑みます。
結果的には施術中の死亡などにより、10人しか繋げませんでしたが、
施術方法も規模も前作を大きく凌駕する衝撃なのは間違いないです。

スプラッタ的な流血シーンなんて、ホラー映画で見慣れていると思っていたけど、
本作の痛々しさは、今まで観たホラーの中でもトップクラスでした。
本作はなぜかモノクロ映画なので、色がない分なんとか観賞に耐えられた感じがします。
ただ、流血シーンはなんとか耐えたものの、排泄物のシーンはちょっと…。
前作でも最も嫌悪感を感じる展開でしたが、前作では肛門と口が縫合されていたので、
直接描かれることはなかったものの、本作は前述のようにホチキスで止めただけなので、
排泄物がダダ漏れで、コチラに向かって飛び散ってくるようなスカトロ描写も…。
しかもなぜかこの排泄物には、ちゃんとリアルな色が付いてるんですよね…。
これはさすがに気持ち悪すぎて直視できませんでした。

しかしムカデ人間自体や作る過程の衝撃が薄れるほど衝撃的だったのは、
ムカデ人間を作ったマーティンのキャラクターです。
チビデブハゲの3拍子揃ったキモ男で、そのルックスだけでも強烈です。
彼はサイコパスですが、生まれながらのシリアルキラーという感じではなく、
知恵遅れ(差別用語?)という印象を持ちました。
幼少期に父親から性的虐待を受けたことで知的障害を患いますが、
それがキッカケで母親からも愛されずに(むしろ怨まれながら)育ちます。
その上、かかりつけの医者もド変態ジジイで、彼がサイコパスになったのは、
外的要因によるところが大きそうで、ちょっとだけ気の毒な男です。
彼がムカデ人間の材料にしたり殺した人間の中には、彼のことを侮辱した人とか、
夜中に大音量で音楽を聴く隣人とか、殺されても仕方のない人も多く、
もしそんな人だけをターゲットにしていたのなら、義賊的行為にも思えたでしょうが、
何の罪もない妊婦や女優なんかもターゲットにしているので、
やはり共感できるまでには至りませんね。

特に性的趣向には嫌悪感しかなく、『ムカデ人間』を見ながら紙やすりでオナニーしたり、
排便直後のムカデ人間の最後尾の女性をレイプしたりと、キモさが尋常ではないです。
本作はイギリスやオーストラリアで、劇場公開のみならずDVDリリースも禁止されましたが、
その主な理由はワイセツ物として判定されたからです。
ボクも上映禁止した国の映倫の判断は適切だと思います。
もちろん暴力シーンも問題満載で、特にマーティンの魔の手から逃げた妊婦が、
自動車の運転席で出産するも、自分の子の顔面を踏み潰してアクセルを踏み込むシーンは、
映画史上最も愚劣なシーンのひとつだと思いました。
良識がある監督なら、思いついたとしても映像化するのは踏みとどまりそうなものですが、
躊躇なく描いてしまうトム・シックス監督は、マーティン並のサイコではないでしょうか。
例えばマーティンが母親を殺すシーンなど、そのインモラルさが痛快だったりもするけど、
本作の一部シーンはボクの許容範囲を超えてしまっていました。
結局、上映禁止国でもそれらの問題シーンをカットしてリリースされたそうです。

10人のムカデ人間を完成させたマーティンですが、
妊婦に逃げられたことに激昂し、全員を銃殺してしまいます。
しかしラストシーンはいつものように地下駐車場の管理室で、
何事もなかったかのように『ムカデ人間』を観賞するマーティンの姿で終わり、
この一連のムカデ人間作りの顛末が、現実だったのかどうかわからない演出です。
どうもマーティンの妄想オチだったという可能性が強いですが、
もしそうだとすると安易で最悪なオチの付け方です。
三部作構想なので続編の製作はもう始まっているそうですが、
監督曰く「3作目に比べれば2作目(本作)なんてディズニー映画みたいなもの」とのこと。
これ以上のインモラルな展開なんて想像もできませんが、
そこまで言われると、怖いもの見たさで興味が湧いてしまうのは、
嫌悪感を覚えながらもまんまと監督の術中にハマってしまっているということかな…?

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